第4部 武者修行の道は女王に通ずる

第2部までのキャラクター紹介の中で、武者修行の中にプリンセスメーカーの必勝法があるということは述べた。そこで、ここからは、その武者修行の具体的な技術や方法などを説明したいと思う。


戦闘のルール

武者修行において、戦闘は大きな比重を占める。そこで、まず最初に戦闘のルールを説明することにする。プリンセスメーカーにおける戦闘は、一般的なコンピューターRPGにおける戦闘と似ている。戦闘が発生する場合は、ここで説明する武者修行以外にも、武闘会、および武芸の稽古の昇級試験があるが、いずれもルールはほぼ同じなのであわせて説明する。どの場合においても、必ず主人公と敵(相手)一人(一頭、一匹・・・)の1対1の戦闘である。武者修行でも、一度に複数の敵が出現することはない。敵の攻撃が命中すると、HP(ヒットポイント)という数値が減らされる。HPが先に0になったほうが負けである。1回の戦闘が終わるごとに、どれだけ大きなダメージを負っても、HPは全回復する。HPの最大値は、体力の値に等しい。したがって、武者修行を始めるためには、体力を十分上げなくてはならない。

武者修行中の戦闘においては、逃げ出すことができる。また、逃げ出すようコマンド入力しなくても、娘が勝手に逃げ出そうとすることもある。しかし、逃亡は必ず成功するとは限らない。「敵に回り込まれて」失敗することもある。武者修行中の戦闘では、敵が逃げることもある。敵の逃亡は必ず成功する。敵が逃げ出そうとしたときに「回り込む」ことはできない。武者修行において、「生き残る」ことと「戦闘に勝つ」ことの違いは非常に重要である。以下の文章中で「生き残る」といった場合、敵を倒した場合、敵が逃げた場合、娘が逃げた場合をすべて含む。「戦闘に勝つ」とは、敵を倒す、すなわち、敵のHPを0にした場合のみである。なお、武闘会または武芸の稽古の昇級試験においては、逃亡はできない。また、敵が逃げ出すこともない。必ず決着がつくまで戦闘が行われる。

攻撃のダメージは、キャラクターの血液型によって異なる規則によって計算されている。それぞれの血液型のダメージ特性を定性的に説明すると、次のようになる。ただし、私が血液型A型ないしB型のキャラクターに武者修行をさせたのは、血液型特性の調査のときだけであるから、A型とB型のキャラクターについては、多少誤りがあるかもしれない。

O型
最初の一撃の威力はさほど大きくないものの、最後まで安定したダメージが出る。4つの血液型の中で最も強い。
A型
O型とほぼ特性は同じ。しかし、ややO型よりもダメージが小さい。
B型
ダメージが全体的に小さい。しかも、かなりぶれがある(ランダムに)。4つの血液型の中で最も弱いのではないだろうか。
AB型
最初の一撃だけはとんでもない大ダメージが出る。しかし、2回目以降の攻撃はダメージが急速に落ちる。敵のHPが40点以上残っている限り、会心の一撃あるいは痛恨の一撃が出た場合を除き、敵を一撃で倒すことができない(この性質を、この後40点制限と呼ぶこともある。)。そのため、敵を倒すのに非常に時間がかかる。弱い。

このダメージの決定法で最も重要な点は、会心の一撃または痛恨の一撃の場合を除き、ダメージは相手のHPの最大値を基準に決定されることである。つまり、上記(4.1)式または(4.2)式の上限に引っかからない限り、倒すのに必要な攻撃の回数は敵の種類によらない。さらに、娘のレベルが上がって強くなっても、敵を倒すのに必要な攻撃回数は減らない。むしろ、敵のHPが上がることにより、上記(1)式の制限に引っかかるようになって、倒すのに必要な攻撃回数が増えることさえある。特に娘が武者修行を始めてある程度の日数が経過すれば、ほとんどのモンスターについて、娘のHPは敵の攻撃力(腕力+攻撃増強の値を、以下の説明では攻撃力と呼ぶことにする。また、知力の半分の値を魔法攻撃力と呼ぶことにする。)より十分大きくなる。また、娘の攻撃力ないし魔法攻撃力も、モンスターのHPに比べ十分大きくなる。したがって、モンスターの場合に問題になるのは攻撃力の値である(モンスターには、魔法を使うものはいない)。モンスターの場合、ダメージが攻撃力の制限を受けて(4.1)式の通りの値になり、血液型による戦闘特性がはっきりしなくなることが多い。特に、O型とA型の区別はほとんどつかない。逆に、娘の場合に問題になるのは、ダメージが相手のHPに対しどれだけ出るか、あるいは、40点制限のような性質である。ところが、これらの性質は、血液型によって完全に決定されてしまうのである。つまり、敵を倒すのに必要な攻撃回数は、基本的に生まれつきの血液型特性のみによるのである。詳しくは最後のアナスタシア・ザ・グレートの節で述べるけれども、これが、血液型の差が決して埋め合わせることのできないハンデとなる理由である。

目次に戻る
講義に戻る
医学部キャラクター育成学科のページに戻る
東亜大学校のページに戻る


武者修行の基礎

まず、武者修行を始めるためには、それなりの準備が必要である。つまり、

ということである。しかしながら、時間がたてばたつほど、武者修行で出てくる敵は強くなる(きわめて重要!)。また、使える時間は当然全部で8年と限られている。したがって、どの程度体力・腕力が上がって、どの程度の装備を購入できるようになった時点で武者修行を始めるかの判断は、簡単ではない。いろいろ試してみて、最善のタイミングを探るしかない。私がやってみたところでは、最初の1年1カ月の間、木こり(腕力・根性が上がり、気品・色気が下がる)と宿屋のバイトでお金を稼いで、ロングソード・鉄兜・鎖かたびらをそろえれば、結構楽に武者修行を始めることができるようである。最初の装備をもっと安いものにすれば、もっと早く武者修行を始められるのではないかという疑問があるかもしれない。しかしながら、装備品の資金を貯めるためのバイトは、同時に、武者修行に出るために必要な体力と腕力を養成する役割も果たしている。その期間を短くして、急いで武者修行に出してみても、装備品の効果も貧弱なうえ腕力・体力も低いのだから、おそらくすぐに負けて帰ってくることになるだろう。つまり、武者修行を始めるのに十分な装備を揃えるだけのお金がたまった時点で、腕力・体力も武者修行を始めるのに必要な水準に達するように、このゲームはできているのである。なお、初年度の収穫祭は、完全に捨てるべきである。初年度の収穫祭を考えるよりも、少しでも早く武者修行に出られるようにすることを考えたほうが、最終的にはよい結果が出ることは確実である。初年度収穫祭のために、武者修行に出る準備が止まってしまったとすると、その間にも武者修行のモンスターは確実に強くなっているのだから、その止まっていた期間以上に武者修行に出るのが遅れることになる。次の抽象的な例題で考えてみよう。経過時間をtとして、娘の強さは最初0で時間1経過するごとに1上がり、モンスターの強さは最初6で時間1経過するごとに0.5上がるとする。ここで、時間2だけ娘の強さが上がるのが止まったとしよう。止まらなければt = 12で娘とモンスターの強さが等しくなったのに、止まったためにそれがt = 16になってしまう。

武者修行では、移動は絶対にキーボードで行う。マウスで動かそうものなら、てんででたらめな方向にキャラクターが動いてしまう。戦闘中のコマンド入力は、マウスで行うようにできているものの、キーボードでも可能である(現に、私は、マウスの調子があまりよくないので戦闘もキーボードで行っている。)。武者修行中は、「ずんちゃちゃずんちゃちゃずんちゃずんちゃ」という単調なBGMが4回繰り返されると、敵が出現する。その敵との戦闘が終わると、半日経過したことになる。敵が出てこずに半日経過したことになることもある。いずれにせよ、ゲーム中の時間と現実の時間の経過が厳密に対応している。したがって、その間にどれほど長い距離を移動できるかということが大切になる。しかし、いくらレベルが上がっても、移動速度が速くなるわけではない。したがって、これはプレイヤーの技術にかかっているのである。それ以外のことも含めて、武者修行の技術として、身につけなくてはならないことは、以下の通りである。

これらは、いずれも、すぐに身に付くことではない。武者修行の数をこなすしか、これらを身につける方法はない。

武者修行で戦闘に生き残れば、武者修行のスケジュールの終わりまたは月末でなければ、その場から武者修行を続けることができる(武者修行のスケジュールの終わりまたは月末を迎えると、生き残っていても、家に瞬間移動して戻る。)。その戦闘が1日の終わりだったのなら、体力(同時にHPの最大値でもある)が+1され、評価も上昇する。つまり、武者修行で1日生き残るごとに、体力が+1され、評価が上昇することになる。敵に勝っていたのなら、敵の種類ごとに決まっている経験値と、敵が金を持っていればその金も得る。敵の種類ごとに、金を持っているかいないか、持っていればそれはいくらかも決まっている。注意しなくてはならないのは、経験値と金は、敵を倒してはじめて手に入れることができるものだということである。つまり、戦闘中に敵か娘が逃げ出したのなら、その戦闘では何も得られないということである。経験値が一定の値に達すれば、レベルアップが起こる。レベルアップすると、戦闘技術と素早さが、6〜10上昇する。xレベルに到達するために必要な経験値exは次の通りである。
ex = 10x (x + 1) (x≧2) ...(4.4)

しかし、武者修行を始めたばかりのキャラクターは当然弱い。すぐに敵に敗れてしまう。武者修行で敵に敗れると、家に逃げ帰ったことになり、残りの予定の間は家でぼうっとしていなくてはならない。最初のうちは、スペルマスター・アナスタシアのところで述べたように、上旬と下旬に武者修行を入れて、その武者修行では出発地点の比較的近くにあるぬいぐるみだけを手に入れることを目標とし、それを手に入れたら残りは出発地点の近くに戻ってぐるぐる回って経験値と金を稼ぐようにするとよいだろう。ぬいぐるみ2つあれば、中旬を礼法の稽古に使ったとしても、1ヶ月分の疲労はほぼ回復できる。したがって、疲労回復のためにほとんど時間をとらなくてすむようになる。それだけで、かなりの効果がある(しかし、ほかの能力値は上げられないが。)。あるいは、最初の1カ月は、思い切って武者修行にすべて使ってしまうということも考えられる。出発地点の近くをひたすらぐるぐる回って経験値と金を稼ぐわけである(最後の女王アナスタシア・ザ・グレートのときは、この方法をとった。)。この場合は、ぬいぐるみを手に入れることも大切だが、経験値と金をいくら得たかのほうが重大な問題である。どちらがよいかは、読者のみなさん自身がいろいろ試して判断していただきたい。

キャラクターが強くなったら、しだいに遠くに出ていくことになる。前にも少しふれたとおり、武者修行のフィールドは、出発地点から近い順に、近郊、辺境、蛮地の3つに分かれている。当然、出発地点から遠くなればなるほど、敵は強くなり、また得られる経験値も全体として増える。前にも述べたとおり、時間の経過とともに敵も強くなるので、何レベルになったらとか、あるいは戦闘技術や素早さがいくつになったら、遠くに出ていけるということは言えない。時折遠出をしてみて、敵の強さを探ってみて、もっと遠くに出ていけるのか、あるいは、まだ無理なのかを判断するしかない。

キャラクターが十分強くなったら、どんどん遠くに行かせて、アイテムをとらせよう。ただ、最初のうちは、プレイヤーの技術(特に、アイテムが配置されている場所とそこへの道順、コーナリングの技術)が未熟なので、10〜11日で3つも4つもアイテムをとるのは難しいと思う。したがって、その時期は、上旬と中旬、または、中旬と下旬というように、2クール連続で武者修行を入れて、なるべく少ない日数のうちに4つのアイテムすべてをとることを目標にして練習を積むとよい。 これも前に少し述べたけれども、同じ月に2クール以上連続で武者修行の予定を入れて、1クール終了時点で生き残っていれば、いったん家に戻るのではなく、その場所から武者修行を続けることになる。

キャラクターを鍛え、プレイヤー自身の技術を鍛えると同時に、少しずつ金をためて、装備を最強のものに買い換えていくことも忘れてはならない。

11日以内で4つのアイテムを確実に手に入れられるようになったら(敵に敗れた場合は別として)、いよいよ最強の日程に移行である。上旬と下旬に武者修行を入れて、10日のときは3つ、11日のときは4つのアイテムを手に入れるようにする。10日のときに、本・ティーカップ・ドレスのどれを抜くかは、どの能力値をあげたいかによって変えればよい。

武者修行の技術がさらに向上してきたら、10日で4つのアイテムすべてを手に入れることを目指してほしい。これは不可能ではないが、相当にきつい(私でも、いつもこれができるわけではない。)。ほんの少しのミス、あるいは不運でできなくなってしまう。ここまでの技術がつくのは、早くても、おそらく一人のキャラクターを武者修行によって育て終えて、二人目のキャラクターに手をつけ始めるくらいの頃であろう。私の場合、武者修行による三人目のキャラクターを育て始めた頃になって、ようやくこれができるようになった。

なお、きわめて当たり前の注意であるが、最新のセーブデータは必ずコピーをとっておかなくてはならない。武者修行によってキャラクターを育てる場合は、目指す能力値にもよるが、1カ月進むのに何時間もかかるのは当たり前である。不注意または事故でデータが消えてしまった場合、私と同じように1年ごとにデータを上書きせずに保存してあったとして、復旧には数十時間の時間を要することがありうる。しかも、それだけの時間をかけたとしても、前と同じくらいよい結果を出せるという保証はない。技術的には復旧可能でも、そのキャラクターを育てたときのプレイヤーの情熱が再現可能かどうかはわからない。特に、キャラクターを育てるのに時間がかかっていればいるほど、プレイヤーの精神的な部分の再現は不可能に近くなる。このゲームのセーブデータのファイル名は、prcs??.gnxである。??は00〜39の2桁の数字で、これがセーブまたはロードのときの1番から40番に対応する。つまり、ファイル名の数字のほうが、セーブまたはロードのときの数字より1小さいわけである。

もう一つの重大な注意として、先ほどにもちらりとふれたとおり、時間が経過すればするほど敵は強くなる。最終年度には、最強の装備を身につけていても、敵の種類によっては、一撃で受けるダメージが300点を超えることもありうる。したがって、それについていくためには、毎月、ある程度の日数以上、武者修行を続ける必要がある。アマゾネス・オクサーナスペルマスター・アナスタシア程度では、最終年度でもかなり危険な場面がしばしば発生する(最終到達能力値を参照*)。強い敵との戦闘に余裕をもつためには、少なくとも、毎月2クールの武者修行は必須である。途中で負けて逃げ帰ってきてはいけないことはもちろんである。体力(HP: ヒットポイント)を増やすことが、危険な場面を少なくするための唯一の手段であり、そのためには、できる限り日数多く武者修行を続けるしかないからである。経験値については、同じレベルでも血液型によってかなり戦闘能力に差が出るので一概には言えないけれども、1ヶ月あたり、O型のキャラクターでも120〜130点、AB型やB型なら150〜160点は稼がないと苦しいだろう。
* 一撃で300点のダメージを受けると、何回の攻撃に持ちこたえられるか、一方で敵を倒すのに何回の攻撃が必要か、比べて考えていただきたい。そして、その間に、痛恨の一撃を受ける確率があるわけである。

目次に戻る
講義に戻る
医学部キャラクター育成学科のページに戻る
東亜大学校のページに戻る


モンスター

武者修行に出てくるモンスターについて解説しよう。ただし、キャラクターが変わると、モンスターの強弱もランダムにある程度変わるし、キャラクターの装備品によっても、どの敵が強くどの敵が弱いということは変動しうるので、以下の解説は目安程度に見ておいてほしい。なお、モンスターを倒したときに得られる経験値は、そのモンスターのレベルの値と同じである。「戦闘型」とは、画面上では、娘と同様の表記で「血液型」として示されているものである。しかし、娘と同じ血液型があるとは思えないモンスターもある。また、血液型の違いは、実際のプレイでは、ほとんど戦闘特性の違いを意味する。そこで、以下のリストでは、それを「戦闘型」として表記することにする。

山猫
出現場所: 近郊〜蛮地 レベル: 4 金: なし 戦闘型: O型
最初のうちは非常に弱いが、後半では攻撃力はそこそこになる。それでも弱い部類に入る敵には変わりない。しかし、経験値はたったの4で金も持っていないから倒してもあまりうまみはない(倒さないよりはましだが)。
人さらい
出現場所: 近郊、辺境 レベル: 4 金: 30 戦闘型: O型
これも最初のうちは非常に弱いが、中盤から後半にかけては多少攻撃力が上がる。しかし基本的には弱い敵だ。最初のうちは、重要な資金源である。
オーク
出現場所: 近郊〜蛮地 レベル: 6 金: 12 戦闘型: O型
序盤のうちは、レベルの割に攻撃力が非常に高い。後半には大したことはなくなる。金は多少持っているが、あまり割にあう敵ではない。しかし、出現する回数が多いので意外と大切な資金源だったりする。
おいはぎ
出現場所: 近郊、辺境 レベル: 7 金: 80 戦闘型: O型
最初のうちは強すぎて手が出せないが、ある程度実力がついてくれば人さらいよりうまみがある。強さの割に経験値は多くない。しかし、薬草と礼法の稽古の代金はこの敵にかなり頼らざるを得ない*1ので、この敵を何人倒せるかは非常に重大な問題である。
*1 ドラゴンを倒すにはかなりの実力と重装備が必要。しかも、それらの条件が整っても、よほどキャラクターが強いか、あるいはプレイヤーが経験を積んでいない限り、ドラゴンを倒せることは少ない。
おおかみ
出現場所: 近郊〜蛮地 レベル: 8 金: なし 戦闘型: B型
レベルの割にさほど強くない。しかし、武者修行を始めたばかりでは倒すのは困難である。しかも、流れの悪いときには、蛮地でやたらと連続して(あるいは、ハーピー、山猫、トラ、アミーバなどを交えて)出現し、ドラゴンの出現を阻む。最大の憎悪の対象の一つである。
アミーバ
出現場所: 辺境、蛮地 レベル: 10 金: なし 戦闘型: AB型
ここにあげた敵の中でもっとも弱い部類に入る。生命力も攻撃力も最低レベル。それにもかかわらず経験値は10。序盤では、レベルを上げるのにお世話になることであろう。しかし、その時期が終わればうざったいだけになる。
蛮族
出現場所: 辺境、蛮地 レベル: 10 金: 8 戦闘型: A型
前半はまさに鬼だ。攻撃力が恐ろしく高く、最後まで落ちない。相当実力が付き、最高の装備をそろえるまでは、この敵が出たらひたすら隠れまくろう。後半には前半ほどの強さはなくなる。
ハーピー
出現場所: 蛮地 レベル: 12 金: なし 戦闘型: B型
序盤にはおいしく経験値を稼がせてくれる。終盤近くになると結構攻撃力が上がるけれども、生命力が低いから倒すのは楽である。しかし、流れの悪い月には、この敵の数も増える傾向にあり、しかも、オオカミと同様、連続して出現することが少なくない。オオカミと並ぶ憎悪の対象である。
トラ
出現場所: 辺境、蛮地 レベル: 15 金: なし 戦闘型: AB型
(ゴンザレスのお歌の節にのせて)
お〜れはトラだ
お〜れは強い
お〜れに勝ったら
15ポイント〜
*2 マジで経験値15なの
失礼。でもマジで強い。ぬいぐるみを取りに行く間にでもよく遭遇するが、はっきり言って武者修行を始めたばかりでこれが出てきたらまず勝ち目はない。逃げられなければおしまいである。この敵に勝てる実力がついても、中盤のうちは、痛恨の一撃を食らって倒されることは数知れない。アマゾネス・オクサーナやスペルマスター・アナスタシアでは、最終年度でさえ、それが少なくなかった(さすがに、この後述べる2人の女王では、終盤にはそのようなことは滅多になくなった。)。敵に負けて逃げ帰ったとき、どの敵に負けたか統計をとったとしたら、間違いなくこの敵がトップになるであろう。唯一の弱点は、戦闘の終盤になると極端にダメージが落ちることであろう(したがって、血液型AB型のキャラクターとトラとの戦闘では、お互いに生命力が残り少なくなってからなかなか決着がつかないという事態がしばしば発生する。)。
ドラゴン
出現場所: 蛮地 レベル: 20 金: 250 戦闘型: O型
トラと並ぶ最強の敵。最初の一撃の威力はトラにやや劣るが、最後までダメージが落ちない。よほど実力がないと、これを倒すのは相当にきつい。しかし、倒したときに得られるものは、その強さに見合ってあまりある。武者修行の目的を突き詰めれば、この敵をできる限り数多く倒すことである、と言っても過言ではない。
ちなみに、この敵に話しかけたときに、立ち去ってくれるか襲いかかってくるかは、キャラクターの気品によって決まるらしいということがわかった(初代・二代目アナスタシアと二代目オクサーナとの比較、および、ドラゴンが立ち去るときに残す言葉「気高く生きよ。さらば望みもかなおう・・・」から推測がつく。)。気品が0だと、まず100パーセント襲いかかってくる。それに対し、気品が500もあれば、99パーセント立ち去ってくれる(99パーセントといったのは、立ち去ってくれなかったことが2度だけあるからだ。)

しかし、武者修行における最大の敵は、これらのモンスターではない。それは、

キャラクター自身に潜む臆病の心
なのである。それが、勝てる戦闘を負けに変え、あるいは貴重な経験値と金を得る機会を逸する原因ともなるのである。いくらレベルが上がっても、この敵に完全に打ち勝つことはできない。



武者修行の基本技術または基本的なルールは、これくらいである。しかしながら、優れたゲームとは、単に技術だけではなく、精神力をもプレイヤーに要求するものである。次の項目では、武者修行の精神論に近い部分にふれたいと思う。

目次に戻る
講義に戻る
医学部キャラクター育成学科のページに戻る
東亜大学校のページに戻る


苦難の道

この節は、少しお説教たらたらという感じの部分があります。武者修行の一番難しいところを知りたいなら、我慢してつきあっていただきたいのですが、どうしてもお説教めいたものがいやなら、この節は飛ばしてください。

武者修行で腹の立つことなどそれこそ無数にある。蛮族やトラばかり出てくる。娘が死にそうなので薬草を使ってやると、敵か娘が逃げ出す。ドラゴンやおいはぎにもうすぐ勝てるというときに、敵が逃げ出したり、あるいは娘自身が逃げ出したりする。「何で逃げやがるんだ!いったいなんのために修行に出てきたと思ってるんだ!」10日間でアイテムをすべてとろうとして急いでいるときに、敵が出てこない。すると、たいてい0.数秒〜1秒くらい止められてしまう*1
*1 もっとひどい場合だと、キーを押しっぱなしにしている限り、いつまでたっても動き出さない。そのような場合は、キーからいったん指を離して押しなおすか、そのキーを押したまま別のキーを押さなくてはならない。それにかかる時間もさることながら、動き出さないことに気づくのが遅れ、それによって致命的なタイムロスとなることが多い。 。ほんの少しの時間だが、これでも確実に移動距離に差が出る。それが二度三度と重なれば、その差は大変なものとなり、アイテム1つをあきらめざるを得なくなる。それまで武者修行が快調に進んでいるときに、蛮族やトラが出てきて、まだ生命力に余裕があるので大丈夫と思っていたら、痛恨の一撃を食って負ける。

キャラクターが強くなってくると、敵の逃げ足が異常に早くなる。一回攻撃しただけですぐに逃げ出す。ドラゴンの出現数が異常に少なくなる。10日の武者修行で、1回も出てこないことも珍しくなくなる。「これでは武者修行にも何もなってねえじゃねえか!」少ないチャンスをものにしてドラゴンを倒して戻ると、礼法の稽古を真面目にやらない。「今日は調子が悪いの。」月の前半にドラゴンを倒し、礼法の稽古もうまくいったときに限って、月の後半にはドラゴンが全く出てこない。

思わず「ふざけるんじゃねえ!」と声があがる。そしてリセットボタンに手を伸ばす・・・。



最初は冷静であっても、しだいに愚痴とため息が止まらなくなり、さらに時間がたつと、それが罵声に変わる。気分が次第にハイになり、罵声のボルテージは上がり続ける。それを何時間も続けていると、ほぼ無意識のうちに、アイテムを取り、ジグザグの道を突っ切り、戦闘ではリターンキーを押しまくり、という状態になる。いかん、ゲームは違えど、私の所属するサークル(というより、UTSU*2かもしれない)のノリにすっかりおかされておる。
*2 University of T???? Shooters' Union の略。ローマ字読みすると「撃つ」になる。



武者修行とは、一見ランダムに見えるが、実は全くランダムではない。まず、プリンセスメーカーを立ち上げて、すぐに武者修行に出たとすると、最初の4日間くらいは、プログラム内部でふっている乱数系列は毎回全く同じである。だから、少なくとも同じ月の間は、その間については、同じ行動をとれば、全く同じ結果が出る。月が変わると、最初の4日くらいの間、同じ行動をとっても、結果が変わるかもしれない。しかし、それは、乱数系列が異なるものになったからではない。プログラム内部でふっている乱数の値が同じでも、主人公のレベルが上がったり、敵が強くなったりすれば、結果を判定する基準の能力値が変わるわけだから、結果は異なるものになりうる。前の月まで逃げ出さなかったところで逃げ出す、あるいはその逆が起こるかもしれない。また、前の月まで3回の攻撃で倒すことのできた敵が、4回攻撃しないと倒せないようになるかもしれない。また、最後のターンに、敵の攻撃するより前に主人公が攻撃して敵を倒していたところで、主人公が敵を倒す前に敵の攻撃を受けることになるかもしれない。そういったことがあると、戦闘が終了するまでに乱数を発生させる回数が変わるから、乱数系列そのものは全く同じでも、次に出てくる敵、あるいはその戦闘の結果も、全く異なるものになる。

かつては、この現象を「呪い」と呼んだこともあった。しかし、今では、この現象は、呪いどころか、武者修行の成績をよくするために、積極的に利用されている。この現象を、私が初めて積極的に利用したのは、クイーン・アナスタシアの7年度7月である。アナスタシア・ザ・グレートは、蛮地に出ていくようになってからは、毎月、この現象を利用してかなりのお金を稼いでいる。それでは、どうすれば、この現象をプラスに利用できるようになるのか。それは次のような性質によっている。道具を使う、または、魔法の使えるキャラクターならば魔法のコマンドを選んで、それをキャンセルすると、乱数をスキップできる(ふった乱数を使わずに、次の乱数を発生させることを、この文章中では、このように表現することにする。)。つまり、次のターンに敵が逃げることがわかっていれば、この方法を使えば、その部分をとばすことができるわけである。そうすれば、その敵を倒すことも可能になる。この技を応用すれば、4日めくらいまでに、たくさんのおいはぎやドラゴンを倒す(つまり、相当の金を稼ぐ)手順を見つけることができる。ここで忘れてはならないのは、その手順は、プリンセスメーカーを起動した直後に武者修行を始めないと使えないことである。どのキャラクターにも、そのような手順があるはずである。しかし、そのような手順は、キャラクターによって違う。もし、この文章を読んでプリンセスメーカーをプレイし、最強の女王を育てることを目指す方は、ぜひ、自分のキャラクターに固有の手順を発見するよう努力してほしい。このような手順について、さらに一つ補足しておくと、月が変わると、その手順が変わることがありうる。結果は同じでも、その結果を出すための手順が変わるのである。私の経験から言えば、その手順には2〜3通りあり、その2〜3通りの中で不規則に変動するもののようである(ただし、その手順の変動が、敵の能力値の変動と関連しているということはあり得る。現に、私のキャラクターの場合は、おいはぎの生命力の増減によってパターンが変動した。)。それぞれの月をとってみれば、その2〜3通りのうち、4日目までに多くのおいはぎやドラゴンを倒すことにつながるのは一つしかない。したがって、1カ月終了して次の月に進んだら、まず、どの手順で戦闘をすればよいか、調べることが必要である。さらに注意すべきことは、よい成績を出しても、次の月にそのパターンが崩れている(2〜3通りの手順のいずれにしても、4日目までのよいパターンにつながらない)場合があることである。このようなことがあるので、よい成績を出しても、前の月のデータにすぐに上書きするのはよくない。発見した2〜3通りの手順のどれかが次の月に有効であることを確認してから、上書きするようにすべきである。

では、5日目くらいから後はどうかというと、これも、ランダムに見えてランダムではない。何度もやりなおししていると、前と全く同じパターンが出現することがある。また、同じタイミングでドラゴンが出現した場合に、前と同じ行動をして、同じ失敗を繰り返すことがよくある。そのような場合、そのタイミングでドラゴンが出現した場合は、その行動は避けなくてはならないということは、見当がつくはずである。武者修行は、タイミングのゲームである。タイミングがあえば、ドラゴンが何度も出てくるけれども、あわなければ、全く出てこないことも珍しくない。武者修行の経験を(プレイヤーが)積むと、タイミングがあっているかいないかは、武者修行6日目が終わるころにはだいたいわかってくる。タイミングを外したとしたら、遅れたのか早すぎるのかも見当がつく。

明らかに、武者修行全体を通して、「流れ」というものが存在する。「流れ」がよい方向に向かっているときは、それにのって、どんどんドラゴンを倒すことができる。それに対し、「流れ」が悪い方向に向かっていると、ドラゴンはなかなか出てこない。よい流れは、一つのミスで、あっという間に悪い方向に向かってしまう。それに対し、悪い流れは、いくらじたばたしたところで、普通はよくはならない。悪い流れの中の少ないチャンスを、幸運にも恵まれて、適切な判断によってものにしたとき、悪い流れがよい方向に変わることがある。どちらの場合でも、おいはぎやドラゴンとの戦闘は、流れを決定的に変えることがある。操作の上では、リセットして再起動したとしても、流れの上では、一続きである。あまりにも流れが悪いようならば、いっそのことあきらめて寝てしまうのも一つの方法である。次の日には、流れが変わることもありうる。もちろん、(ゲーム内で)同じ月のプレイを続けている限り、流れが変わらないこともある。これをするためにも、流れがよいうちに、できる限り先に進んでおくことが必要である。

武者修行は、経験値を得ることに集中しなくてはならないごく初期の段階を除けば、所詮は、ドラゴンを何頭倒せるかという勝負である。娘は、数知れないドラゴンの犠牲の上に、強くなっていくのだ。「流れ」がよい方向に向かっているときは、剣を振り回していればドラゴンを倒せるかもしれないが、ふつうはそうはいかない。特に、悪い流れの時は、少ないチャンスを確実にものにすることが要求される。前の段落で説明した、乱数をスキップする技を用いたり、魔法と武器攻撃を適切に切り替えることが必要である。どのような場合に乱数をスキップするのか、スキップする回数はどの程度がよいのか、魔法と武器攻撃の切り替えのタイミングはいつがよいか、などは、経験から判断するしかない。もちろん、これはある程度は確率的なものであるから、100パーセント的中するなどということはありえない。しかし、少し前に説明したように、武者修行の中には、ランダムに見えて、実は同じパターンが出現することが少なくない。したがって、経験を積めば積むほど、適切な判断ができるようになることは、間違いない。

ドラゴン以外の敵、特に、前に「憎悪の対象」などと書かれている敵に対しても、忌み嫌わずに戦闘を挑むことが大切である。そして、出現した敵はすべて倒すよう努力することが大切である。その第一の理由は、そうすることが、トラに痛恨の一撃を食らうなどという非常事態になっても動じない力をつける(さらに、そのような非常事態そのものの発生する回数を減らす)唯一の道だからである。さらに、山猫やオオカミに簡単に逃げられてしまうようなことでは、おおかたドラゴンも出てこないのだ。よしんば出てきたとしても、まず間違いなく逃げられる。ドラゴンを多く倒せるときは、だいたいほかの敵もすいすい倒せる。また、ハーピーやアミーバでも、逃さず倒していけば、大体の場合、流れはよくなる。金を持っていない敵との戦闘を自ら避け、金を持っている敵とだけまじめに戦闘するというやり方は、まず間違いなく流れを悪くする。だいたい、娘を最強の女王に育てようとしているのに、そのようなやり方は浅ましいではないか。

私は、武者修行を考える際に、一本のテープの上に数字が並べられたもの、いわばある種の数列をイメージすることが多い。武者修行に通じることとは、その数列の性質を知ることであるとも言える。この数列は、微視的には、ランダムであるように見える。わかりやすく言えば、次に何が起こるかは(過去に全く同じパターンがあった場合を除けば)わからないということである。しかし、もっと巨視的にみれば、月ごとに、あるいはプレイする日ごとに、はっきりとした性質が現れてくることがある。例えば、下旬が始まったばかりは敵がやたらと逃げるとか、このあたりはドラゴンが多いとか、あるいは逆にドラゴンが全く出てこないとかいう感じである。経験次第で、それもつかめるようになってくる。武者修行の奥の深さは、そのあたりにもある。

武者修行は、単純に見えて、果てしなく奥が深い。それは、武者修行が一見ランダムに思われるが実はランダムでないことに由来している。だから、経験によって上達しうる部分が非常に大きいわけである。もし武者修行が全くランダムならば、「武者修行の基礎」の項で述べたことが身についたら、それでおしまいである。あとは運だけのゲームになってしまう。それ以上上達する余地はない。ランダムでないから、武者修行はよいゲームなのである。

もう一つ。調子よくいっていると思われるときほど、平常心で戦うことが必要である。流れがよいときには、調子に乗りすぎたり、逆に、焦りが出てしまうことが多い。そうなれば、よい流れもすぐに悪くなってしまう。武者修行は、プレイヤーの心の鏡でもあるのだ。ここまでくると、完全に精神論である。しかしながら、基礎的な技術が身についた後、それ以上に技量を高めていくのは、結局はプレイヤーの精神力にかかっているのだということを、肝に銘じておいてほしい。

以上のような舌足らずの文章で、武者修行のコツと奥の深さがうまく伝わったとは思えない。しかし、結局、そのようなものは、言葉で説明しきれるものではないし、いくら言葉で説明したところで身につくものではない。どんなゲームでもそうであるはずだが、実際にプレイして、十分に経験を積むしか、それを会得する方法はない。さらにいくつか実例を上げておこう。5日め以降、どのようにすればドラゴンを倒せる確率が高いかは、月が変われば変わることが多い。その月のパターンは、その月のプレイをやり直ししてつかむしかない。また、礼法の稽古の前にアイテムを使ったほうが礼法の稽古の成功率が高いか、アイテムを使わないほうが高いかも、月によって変わってくる*3。さらに、上旬を終わるタイミングと礼法の稽古の成功率に非常に強い相関関係のある月もあった。ここで言うタイミングとは、上旬の武者修行で乱数を発生させた回数である。その月の場合は、タイミングが早ければ早いほど(つまり、乱数を発生させた回数が少なければ少ないほど)、礼法の稽古の成功率は上がり、逆に、遅れれば遅れるほど成功率は悪くなった*4。このようなことも、何度かやり直しをしてつかむしかない。それらの意味からも、優れたキャラクターを育てようとするなら、毎月十分やり直しすることが必要である。もちろん、武者修行はある程度は確率的なものだから、時間をかけさえすればよい結果が出るというものではない。しかし、一般には、時間をかければかけるほど、キャラクターは優秀になる。少なくとも、相応の時間をかけなければ優れたキャラクターは生まれないことだけは、確かである。時間をかけることは、優秀なキャラクターを誕生させる十分条件とは言い切れないけれども、間違いなく必要条件である。
*3 本来は、稽古の前の疲労が少ないほうが、稽古の成功率は高くなる。しかし、体力が十分上がったら、稽古の前に10程度疲労があっても、成功率にはほとんど影響しないはずである。しかし、このゲームは理屈通りにはいかない。稽古の前にアイテムを使ったほうがよい月、逆に、稽古の前にアイテムを使わないほうがよい月は、確実に存在する。もちろん、どちらにしても成功率に有意な差のない月もある。
*4 それは、上旬の武者修行の成績と、礼法の稽古の成功率に、強い負の相関関係があるということも意味する。なぜなら、ドラゴンを倒す際には、乱数のスキップなどのために、一般的に、相当回数乱数を発生させるからである。従って、それは、よい成績が出にくくなる条件の一つでもある。

娘は、モンスターを倒し、それをいわば栄養として育つ。栄養失調では、娘の将来に重大な障害を及ぼすことになるから、十分な栄養がとれるまで何度でもやり直しすることが必要である。栄養素には、「金」と「経験値」の2種類がある。金は、いわば、炭水化物・タンパク質・脂肪全てをあわせたようなものである。娘の能力を上げる稽古やアイテムの費用は、すべて、そのお金から出るからである。経験値は、いわば、ビタミン・ミネラルである。経験値が不足すると、将来、栄養を摂取する能力に障害が及ぶことになる。やり直しを必要とする問題は、さらにある。身長をのばすというのは私の趣味だからどうでもよいが、6、7年度以降に娘がぶくぶくに太ってもかまわないというのでなければ、早いうちから計画的に体をしぼらなくてはならない(プロポーションを落とす感覚をつかむために、最終的に女王を育てることを目指す人も、一度プリンセス規格のキャラクターを育ててみることをおすすめする。)。キャラクター紹介のところで再三述べたように、プロポーションが増えすぎたら(時期によっては、減らなかったら)、やり直さなくてはならない。

だから、プリンセス規格のキャラクターを育てるのならともかく、武者修行によって娘を鍛えて強いキャラクターを育てようとするのなら、毎日、ある程度以上の時間プリンセスメーカーをプレイしてほしい(これも、最近のスカツなRPGを除けば、どんなゲームにも共通して言えることのはずである。)。武者修行の基礎を身につけるにせよ、大げさに言えば奥義を体得しようとするときもそうである。どの程度の水準を目指すかによっても異なるが、1日に少なくとも2時間、できれば3時間を確保してほしい(本当に「ハマッ」たら、その程度の時間はあっという間に過ぎてしまうと思う。)。そうなれば、正常な生活はおそらくふっとんでしまうだろう。寝る間も惜しんでプレイする必要のある日もあるだろう。キャラクターはもちろんのこと、プレイヤーも、「お休みしたいな」は、許されない。



すべてがうまくいくことは、まず起こらない。武者修行がすべてうまくいくと、どういうわけか、まずプロポーションでよい値は出ない。その月の結果を判断する基準はいくつもある。まず、身長と体重の増加(前述したように、これによってプロポーションの増減も決まる。)。武者修行でアイテムをいくつとってくることができたか。お金はいくら稼げたか。経験値はどれくらい得たか。そして、礼法の稽古のできはよかったか。これらの事柄に優先順位をつけて、重要さの低いものはときには切り捨てて、総合的に判断をして最善の結果をとらなくてはならない。1ヶ月進むのに、2〜3時間ですめば上々である。1カ月も進むために、現実世界の時間で何日も要することも、第6部で説明する2人のキャラクターの場合は珍しくなかった。

装備の買い換えが完了する前は、現金収入を重視しなくてはならない。装備の買い換えに必要なお金を早く貯めて、強い装備に買い換えることが、武者修行を楽にし、また武者修行でよい結果をもたらすからである。しかし、装備の買い換えが完了した後は、余ったお金は能力値を上げるアイテムにつぎ込むことになるから、お金を基準として、収支、礼法の稽古の出来、とってきたアイテムは、一つに統合して判断できる。つまり、1ヶ月の収支を基本の点数として、もし当然とるべきアイテムをとることができなかった場合は、そのアイテムの価格をそのまま減点する。そして、礼法の稽古を1日失敗するごとに80点、3日失敗するごとに230点の減点とする(これは、ティーカップの価格が230ゴールドで、効果が気品+15であることに基いている。)。このようにして求めたものを、今後、武者修行の成績、あるいはただ単に「成績」と呼ぶことにする。



今まで述べてきたことからおわかりいただけると思うが、武者修行というのは、本来のプリンセスメーカーとは全く異質なものである。いってみれば、プリンセスメーカーの中に、RPGの縮小版が含まれているようなものである。しかし、縮小版とはいっても、決して甘くはない。それどころか、一般のシナリオ重視型RPGよりもはるかに厳しい。敵とのバランスという意味でもそうだし、1ヶ月終わらないとセーブできないという点でもそうである。そして、このミニゲームのもっとも厳しいところは、先に進めばよいというものではなく、先に進む過程でよい結果を出さなければ何の意味もないという点である。また、このミニゲームにおいては、一般のRPGとは全く違った技術が要求される。



武者修行とは苦難の道である。ゲーム世界のキャラクターにとってはもちろんのことだろうが、プレイヤーにも大変な苦労と忍耐が必要である。その苦難の道のりを越えた先に、最強のキャラクターの誕生はある。そして、その道のりが長く、苦難に満ちたものであるほど、キャラクターを完成させたときの喜びは大きくなるのである。

目次に戻る
講義に戻る
医学部キャラクター育成学科のページに戻る
東亜大学校のページに戻る


ご意見、ご質問、レポート提出等はこちら