松原神社例大祭最大の見どころは、最後を締めくくる5月5日の「宮入り」であることに異論はないはずです。本社神輿を筆頭に28基もの神輿が参道を駆け抜ける勇壮な宮入りは一見の価値があります。
<青物町でとび納め>
 日も暮れ始め宮入りの刻限が近づくと、松原神社の東側にある青物町通りに各神輿がぞくぞくと集まってきます。通りには二十数基もの神輿がひしめき合い、異様な熱気に包まれます。見物人も膨らみ始め、担ぎ手の気持ちも徐々に高まります。
 それぞれの神輿は前にスペースが空くやいなや、競うかのように威勢良くとんで(走って)行きます。担ぎ手達は「もうすぐ祭も終わってしまう」という思いが頭をよぎり、最後のとび納めに一段と熱がこもります。そして剣鉾に先導され年番町内に担がれた松原神社神輿が姿をお見せになると、皆道を空け最後のお見送りをします。
<宮入り>
 本社神輿が宮入りを終えると次いで千度小路と古新宿の両龍宮神社神輿が宮入りを行います。それが終わると氏子26ケ町の宮入りが始まります。宮入りの順番は、毎年抽選で決められています。

↑この参道を向こうからとんで来ます。
 松原神社の宮入りは参道を一気に駆け抜けるというものです。まず出番を迎えた神輿は、参道入り口と交差する道路の手前から勢い良くとんで行き、そのまま右に直角に曲がり参道入り口に神輿をつけて止まります。参道付近は大勢の見物人で埋められ、神輿の動きを固唾を呑んで見守ります。
 神輿を参道入り口につけると木遣りが唄われますが、時間の都合上三本までとされています。そして木遣り三本目の終わりとともに神輿は猛然と走り出し全速力で参道を駆け抜けます。その速さは尋常ではありませんが、「松原流」は早いだけではいけません。それを神社入り口鳥居でピタリと止めなければならないのです。またそれを鳥居下で受け止める者も、担ぎ手から発せられるすさまじい気迫に圧倒されることは許されません。

鳥居の前で神輿を高々と
 以前は祭が終わるのを惜しんで鳥居の前を行ったり来たりしていたため、宮入りが終わるのが夜中になっていたそうですが、今では交通規制の関係等で、定刻内に終わらせる取り決めになっています。

<龍宮回り>
 私達代官町の場合は「龍宮回り」という儀式で最後を締めます。この「龍宮回り」というのは、神輿を担いだまま時計回りに3度回り、神輿を激しく上下に上げ下ろした後に高々と掲げ挙げ、大漁と海上安全を祈願するもので「千度小路・龍宮神社」「千度小路・魚がし」「代官町」の神輿によって行われています。
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