News >「仕事日記」2009年6月


6月2日(火) Mr.Pin Stripe 稽古場
市原ひかりセッション 銀座スイング
市原ひかり(Tp)
馬場孝喜(Gi)
佐山雅弘(PF)
岸徹之(B)
ジーン重村(Dr)

ひかり嬢の世界や彼女の良さが少しわかってきた気がした。
馬場孝喜は毎日のように伸びている。久しぶりに合わせた岸も、逢わない間の精進が偲ばれて好感。ジ―ンには打たない裏拍のフィールを望みたい。終わってだらだら飲めばそんな話も笑いながら出来てお互いの演奏や成長によかろうに、今のライブ事情はそれをさせぬとは残念な。
6月3日(水) 国立音楽大学講義
Be Bop入口 チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピィ
観劇 高泉淳子 青山円形劇場
宇野亜喜良さんの美術ということで期待は大であったがまぁまぁのコラボ。高泉文学の朗読を舞台にした感あり。吉澤耕一と飲む。こういう人と同じものを見た後に飲みかつ断ずるという欣快。
6月4日(木) Mr.Pin Stripe 稽古場
行くたびに振り付けが進んでいて、既に写譜に出している楽曲の変更を余儀なくさせられる。賽ノ河原のように大変で写譜業者、アシスタントピアノなど周囲に世話も掛けるのだが、月猫の作り込みと同様、この仲良い喧嘩の時間がモノ作りの一番楽しい時間でもある。
6月5日(金) Starlight Society 相模原グリーンホール
書きすぎたか、とも思っていたがやはり自分も周囲も追い込むくらいの方がステージは白熱する。ストリングクァルテットはよく頑張ってくれた。それなりに世界観が出せたとは思うが、簡潔にしかも一般的に、或る意味初歩的に書いたロジャースメドレーが編曲面でも演奏面でも秀逸になるのは芸術的宿命か現時点の力不足か。
6月6日(土) ローランド講師 大阪
アイデアも準備もなしで朝早くの新幹線。生徒にリクエストを聞くとジャズピアノのスタイル変遷を実地に、という。それなら十八番。4時間じゃ喋り足りない弾き足りない。いっそ音大の授業のヒトコマ分(=90分を24回)分にしてもいいのじゃないか。
6月7日(日) ローランド講師 神田
というわけで昨日と同じ内容を、今日はより口も手も回る。
6月8日(月) Mr.Pin Stripe 稽古場
今回は振付家が5人もいるのでダンサーは大変だが僕は楽しい。名倉先生とも久しぶりだし、ケンジ先生には慣れてきたし、リノ先生は素敵。なんといっても川西先生は歴史上のダンサー・振付家。日劇の話などいくらでも出てくるのが面白くもためになる。
月猫えほん音楽会 リハーサル
ありときりぎりす、まとまりつつあり。
6月9日(火) 月猫えほん音楽会 リハーサル
本多さんの体調万全でなく、ためにこのところ飲みに出ていないのが残念。内容は面白くまとまりつつあり。
6月10日(水) 国立音楽大学講義
Be Bopその2 クリフォードブラウン。
月猫えほん音楽会 リハーサル
6月11日(木) デュオ w/渡辺香津美 洗足学園ブラックホール
横浜にあったジャズ部門を去年溝口本校の敷地内に一つのビルを建てて移動。教務員室の棚一杯にジャズに関する書籍がずらりと並ぶ、などさすがに一歩先んじているとの印象を受けた。
久々の香津美君はすっきりと痩せていて、プレイも顕在。とても追いつけない雲上人なのだが、精一杯のびのびと演奏できたと思う、近況報告や噂話は昔のままだが、健康話にも及びながら焼酎のボトルを空けるところが二人ともカワユイではないか。

リユニオンはどうも好きになれない、そういえば香津美君は再結成というのをしないね。と質すと「実のところバンドはいっぱい作ったけれども解散というのを宣言したことがない」だと。KILYNもMOBOも活動していないだけで、実は実在するバンドなのだった。愉快である。
6月12日(金) 観劇 コンテンポラリーダンスのオムニバス
・・・これはコンサートというのかどうか
ともあれ文京シビックでの6〜8チームいずれも面白く、変化に富んでいながらリーセントリィな共通した傾向というものも感じ取れて実に有意義だった。大好きな入手杏奈ちゃんが出ていたのに終演後まで気付かず、ファン失格の駄目出しを自分に。
6月13日(土) 国立音楽大学補講
佐山雅弘ができるまで その1
オスカー・ピーターソン“プリーズ・リクエスト”“ナイト・トレイン”
ハービー・ハンコック“テイキン・オフ”
キース・ジャレット“サムホエア・ビフォー”
ビル・エバンス“ワルツ・フォー・デビー”
マッコイ・タイナー“フライ・ウイズ・ウインド”

レコードを掛けながら思い出話に実践的なことを乗せて話して聞かせる。実に楽しい。砂田さんがいつか言ってた「話を聞いてくれるならついつい幾らでも奢っちゃうよ」を思い出す。
6月14日(日) ソロ 国音同調会大阪支部コンサートのゲスト
終わって同窓生(と言ってもこの日初対面)の女性とその相方のチェリストを誘い、ロイヤルホースへ。中学の同級生、小川君と佐伯君も一緒。
特に佐伯君は成績を争いながら同じ高校へ進み、僕の方がジャズとマージャンでずるずると滑り落ちるのを横目に彼はそのまま好成績をキープして子供の頃から好きだった船の仕事に就いた。家業の八百屋も弟君が引き継いでいるとのことで我が事のように嬉しい。同級生で家が商売の友人の話も聞けて安心。勝美スタイル(帽子屋)は顕在。三原豆腐店は閉じた由。
6月15日(月) 俺たちだって歌いたい 神戸 チキンジョージ
本田雅人(As,Vo)
三好功郎(Gi)
バカボン鈴木(B)
田中栄二(Dr)

ドラマー初対面。とても上手い。譜面も強い。本田曲もばっちりというのは相当スキルが高い証拠。「ブラックコーヒー(煙草の歌)」「オリビア(草の歌)」の二曲は面白いが、ひとつは「Moonlight Serenade」にしとけばよかった。
血尿二回。
6月16日(火) 月猫えほん音楽会リハーサル
今年もシーズンが始まった。血尿話に花が咲く。本多さんは大き〜い石を抱えているのだそうだ。今日はもう無事。
6月17日(水) 国立音楽大学講義 ビバップ
月猫えほん音楽会リハーサル
ありときりぎりす。
6月18日(木) 月猫えほん音楽会リハーサル
 
6月19日(金) Mr.Pin Stripe 通し稽古
今年は振付家が5人もついて華やかな競演となる。それだけにダンサーにはきつい。各振付家が目一杯やるから。ダンサー二人誘ったら12人のダンサーと先生方の大宴会になってしまった。みんな僕のことを「先生」とよぶ。ちと残念。
6月20日(土) Mr.Pin Stripe バンド合わせ
トランペットの河上哲平が面白い人材。川西先生の飲み話が愉しく有意義。戦後の日劇のエピソードなど。「××はオマジリでねぇ。苦労も人並みじゃないけどその分キリリといい体でね」オマジリとは混血のこと。今どきはミックスというらしい。往年の差別観と羨望がないまぜになったニュアンスがよくできている。
6月21日(日) Mr.Pin Stripe バンド合わせ
写譜ミスに泣く。
6月22日(月) Mr.Pin Stripe 通し稽古
通し稽古の1部途中で猛烈な腹痛。こらえて休憩に入りトイレで粘るも回復せず。痛みは増すばかり。救急車。名倉先生は僕の苦しむ様子から「石ね、きっと」
連れられた病院でしばしの眠りから覚めると医者の格好をした若者が二人増えている。こりゃ相当の重病か、と思いきや無線のやり取りで佐山雅弘がくるというので見学に来たジャズマンだった。当院でバイトとのこと。おそらくの病名は極小の腎臓結石。神戸での血尿はこれであったか。
6月23日(火) 鑑賞 米谷さんライブ 渋谷J’Z Brat
カウンターで機嫌よく聞いていたら休憩になって「関係者?」と聞かれた。あまり間を置かずに顔を出したほうがよいようだ。
米谷さんのお兄様だという、ビートきよしさんが、今コンビを組んでいるというB&B洋八さんを連れて応援。漫才のサービス。あまり面白くはないのだが客は有名人好き。彼らのサインもつける、とのアナウンスに即売場は長蛇の列。渡辺和栄、堀越彰のリレーションは独特の味わいあり。
6月24日(水) Mr.Pin Stripe 場当たり
多くのダンサーを見ているのは実に楽しい。人間のからだに対する感動なのだろうか。スケベ心なのだろうか。いやいや男性の綺麗な動きにも感動するもんなぁ。
6月25日(木) Mr.Pin Stripe 本番
1月のドロージー・シャペロンと違って随分と楽しい。

河上哲平(Tp)
今尾敏道(Reeds)
鹿討(ししうち)???(Tb)
松本かよ(Keyb)
佐藤恭彦(B)
萱谷???(Dr) <<< 信じられないテクニック。クラッシックパーカッションとラテンパーカッションの両立さえあり得ないのにドラムセットも叩く。ファンクもサンバもあらゆる楽器を駆使。あろうことかティンパニィまで混じって来る。芸大の俊英だったそうだ。そりゃそうだろう。
6月26日(金) Mr.Pin Stripe
棒振り、譜面ともに余裕が出てダンサーを見ながら弾く。フォッシーのコーナーが素晴らしい。川西先生の振り付け。香寿たつき。清純とも妖艶ともつかぬ色気が素晴らしい。
6月27日(土) Mr.Pin Stripe
ユウちゃん、ショウコちゃん、エミちゃんのメインコーラスダンサーは以前から仲良し。僕は就く島本エミに惹かれているのに気付く。素晴らしいからだとキレ。
6月28日(日) Mr.Pin Stripe
打ち上げ大混乱!感動でなく人あれば駄目だしに終始する人もあり、怒って帰る人まで出た。それがプロデューサーだってんだから面白い。残ったダンサーとバンドで二次会へ。さすがに皆若く、ついていけずに早々と退散。
6月29日(月) 観劇 ジャズレッスン 杉並 座・高円寺
大谷亮介(モンク担当の精神科医)
渡辺えり(モンクの母)
明星真由美(女優)(ニカ夫人)
佐山こうた(セロニアス・モンク)

吉田日出子さん、大谷君らと飲んでる時に、何かジャズもので面白い芝居ができないか、ジャズ史とリンクしながらドラマが進行するような、なんて話が僕の知らないところで進んでいたらしく、大谷からの電話は斉藤レンさんの台本が上がった後。その中では若いころのモンク、その母親がえりさんということで僕は最初から人選漏れ。ふたを開けてみたらなんと息子のステージを見る羽目になるとは。
芝居はとっても良くできていて、ビバップのエピソードをうまくつなぎながら公民権運動にリンクして行き、キング牧師のメッセージで終わる。

終演後斎藤さんを見かけて、館長に紹介してもらったが上の空でらっしゃる。直後に大谷にきいたら、リハーサル中にクモ膜下出血で倒れ、ほうほうのていで生還したところを渡辺えりが容赦なく呼び付けて稽古の続きに付き合わせ、今日の本番(一日だけの二回公演)にも立ち会わせさせたというからすごい。
6月30日(火) ソロアルバムマスタリング 新子安ビクターマスタリングセンター
杉本さんは信頼がおける。ノイズ処理も見事で、今の技術はここまできているのかと感に堪えない思いがする。

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