ニュースレター 平成20年1月 第1号

あけましておめでとうございます。

昨年はたいへんお世話になりました。ご声援いただいた皆様に早くお知らせをと焦っておりましたが、民主主義を実践するはずの議会が、100年も前に舞い戻ったような時代感覚で運営されておりまして、流れにうまく乗れませんでした。とんでもないところに来てしまったと、もがいておりましたが、7ヶ月を経てやっと、私も活躍できると確信を持つことができるようになりました。
“山口さんどうしているの”と心配をおかけしましたが、新年からは議会の会期ごとに会報をお届けいたします。浜松議会は、議会運営も議決という点でも多数派の意思ですべてが決議され、一人会派の地位はとても低いのです。反対討論だけは、時間制限が無く誰にでも意見表明の機会が与えられているため、私は「市民に発信しよう」と奮起して、“税金を大事にしてよ。市民は見ている”と、2度の反対討論に挑み、少なからず「市民の風」を議会に吹き込むことができました。議会には市民生活にかかわる重要な議案がはかられます。オール与党体制に抗して、今後も努力いたします。

■ 会派とは

同じ考えを持つ政策集団」ということになっています。浜松市議会は、自由民主党浜松16人、創造浜松12人、改革浜松9人、市民クラブ6人、公明党4人、日本共産党4人、社会民主党1人、市政向上委員会1人、市民の風1人と合計54人の議員で成り立っています。
鈴木康友市長が民主党であったことから、前半の5つの会派はみな与党・友党で、当局の提案を肯定する立場にあるそうですから47対7では、役所は何も怖くありません。課題を見つける力が、議員の 力量のはずです。議会の本来の役割、行政のチェック機能はいずこに行ってしまったのでしょう。

情報公開が最も遅れている議会

■ 議長選挙 議会運営委員会の実態

議長の選出は各会派の最大の関心事ですが、候補者リストも立候補演説も無く投票が始まり、訳も解らないまま最大会派自民党から議長が、創造浜松から副議長が選出されました。
議会運営委員会は議会の運営方針を決める重要な会議ですが、一人会派は代表の一人だけがオブザーバーとして参加を許され、委員長のお許しが無いと発言できない地位に甘んじています。常任委員会の委員長選挙も同様です。議員はみな対等のはず。一票一票の民意の反映とは、程遠い現状にあります。

■ 議会用語「聞き置く」「発言を許す」

最初はいたたまれませんでした。裃を着ている気分なのかしらと。議会には行政と一対一の質疑はあっても議員同士の討論はありません。切磋琢磨し、市民のために最善の結論を導き出すのが議会だと思っていた私はショックでした。昭和30年以前には活発な議論が保障されていたようです。自由討議をまず議会改革の優先課題にしたいと思います。

■ 本会議と常任委員会とは

本会議は6月,9月,11月,2月と、1年に4回開催されます。当局は議案を事前に多数会派に示し本会議前にすでに協議が整っています。議員側の質問は事前に当局に示され、用意された回答が読み上げられセレモニー化しています。当局に再質問すれば、準備無しの本物の議論になるのですが、与党・友党は再質問しないという慣習があるようで、登壇する回数の少ない少数会派だけが再質問するため、議会は緊張感の乏しいものになっています。
常任委員会は本会議では議論しにくい問題を、具体的かつ詳細に議論する場です。常任委員会の出した結論が本会議に報告され、更に本会議で採決されます。この委員会で否決されても、議案に反対した議員は本会議で意見陳述する機会を与えられるのが反対討論です。常任委員会は、総務・厚生保険・建設・環境経済・文教消防の5つあり、私は環境経済委員会に属しています。「会議規則」の厳密な適用により、先ほど述べたように突っ込んだ議論ができません。行政側の情報公開も十分で無いため、事前に当局に迫って自前の情報を収集する力量が必要ですが、事前に努力する議員は少数で、白熱した議論を経験することが少ないのは残念です。

■ 常任委員会で重要な報告が

本会議に出席しているだけでは、他の常任委員会に付託された議案の内容はよくわかりません。配布資料に目をとおして、他の委員会の議員と情報を共有するのですが、この7ヶ月で手渡された書類は、横に並べて優に2mを超えました。しかし詳細に目を通して、今浜松で問題なのは何か。何が起ころうとしているのか。お伝えするべき内容を精選して、効果的に皆様にお伝えすることが「市民の風」の役割だと思っています。「市民は見ている」と、市民の共感を巻き起こすことによって、少数会派でも影響力を与えることができるからです。


わたくしの事務所のオープニングを兼ねて各会派から4人の議員をお招きしてミニ出前議会を開催しました。活発な質疑が交わされました。今後も継続します。 (12月4日)

私の公約 最初の一歩を踏み出しました

@ 子どもの誕生から自立まで家族の成長を支えるまちに

公設の放課後児童健全育成会(学童保育)が、フルタイムで働いているお母さんと子供のために、十分に対応できているのか「学童期の子供のくらしを豊かにする会」と、政務調査費で調査しています。

A 「障害は個性の一つ」と堂々と言えるまちに

ジョブコーチ(就労援助者)の養成機関」を全国で3番目に浜松に誕生させました。まず浜松市が一人でも多くの「障がいを持つ人を雇用」するよう働きかけます。

B 企業人の果敢な挑戦が続くまちに

「ものづくりの技術」を、実業のアートとして表現し、子どもや後世に残そうと「アートセンター構想」が興っています。「ものづくり魂」の継承と、新規企業の誘致に協力してまいります。

C つい足が向いてしまう中心街に

市民手づくりの「浜松やらまいか音楽祭」は多彩さとレベルの高さを誇る実に楽しい催しでした。進出する大丸にも協力を仰ぎ、音楽のみならず市民が活躍できるスペースが街中の随所に生まれる仕組みを創ります。

D 森と農地のグリーンベルトのあるまちに

北遠の森林を間伐して健康な森に戻すこと、木材を活用して山に資金を戻すことは最優先課題です。とりあえず私の事務所を間伐材で改装し「コミュニティースペース」としてもギャラリーとして活用できるショールームにしました。ぜひお立ち寄りください。

E 「多文化共生」のモデルとなるまちに

浜松の外国籍児童の10%前後が不就学です。日本語も母語も不自由です。日系人の保護者が、この問題を解決しようと毎週土曜日に私の事務所で、「学習教室」を開くことになりました。日本語で結構です。先生になってくださる方を求めています。今、子供たちの現状を調査中です。


日系人の親子のための学習教室のオープニングに際して、クリスマスを、遥懸夢(ハルカム)ホール=私の事務所で開催しました。 (12月23日)

■ 「環境経済委員会」報告

私は次の2件に反対しました!!

1)フォルテ売却を前提に、指定管理者に運営を任せて年度末まで「貸し館業務を停止」する「条例」の制定に反対しました。赤字の穴埋めに銀座並みに高い家賃を払っていた市の責任は重大ですが、1階広場と地下ホールは、市民に広く利用されており、この施設の移転先について議論しないまま唐突に「売却」路線を打ち出すことに反対です。売却するとしても、二つの施設が確保されることを契約条件に提示することを前提に議論に臨もうと思います。皆さんとこの問題について早急に話しあいたいと考えています。意見をお寄せください。

「平和破砕処理センターの火災事故に伴う補正予算」に反対

 本会議で2回の反対討論をいたしました。私の怒りは「市当局のいい加減さと弱腰」にあります。残念ながら54人の議員中、反対したのは私だけでした。
議員になって1ヶ月目の6月議会に、平成19年1月23日に火災を興した破砕センターの復旧工事費として、7億3600万円の補正予算が上程されました。
事故の後、直ちに“第三者による”「事故調査および再発防止委員会」が組織され、火災の原因と被害の実態、および再発防止対策が議論されました。この施設は平成5年に100億円をつぎ込んで完成し、8年間の直営の後、“民間にできることは民に”という流れの中で、建設に当たった潟^クマの子会社である潟^クマテクノスに管理が委託され、6年後に火災が発生しました。
破砕センターでは、不燃物の粗大ごみを巨大なハンマーで叩きつぶして、資源ごみと埋め立てごみに分別して埋めるのですが、“穴”が満杯になると、施設全体を取り壊して平地に戻し、新しい埋め立て地を探して、新設・移動するのだそうです。この穴の当初の寿命は30年だという説明を受けました。

* 現場を見てこれはおかしいと直感!

「現場視察」に行って驚きました。30年でとり壊されるという管理棟の大きく豪華なこと。それにひきかえ破砕センターの狭さ。火災をおこしたベルトコンベアーは70度以上と思われる急傾斜で、その他の機器類も迷路のよう立体的に組み立てられ、火災が起こっても全体像を把握することが困難な状態でした。長年建築に携わった経験から、この施設全体の基本計画に問題があり、狭い面積に詰め込まれた機械棟の設計に無理があることが理解できました。スプリンクラーが、埃を沈める散水栓と共用されて数が少なく、適切な位置にありませんでした。

* 第三者で構成されたはずの

「事故調査および再発防止委員会」の4人の委員の1人は建設時に施工管理者であった「日本技術開発株式会社」の一員です。施工管理者は潟^クマに対して、問題があれば指摘し指導する立場にあるのにです。一方、事故を起こしたのは潟^クマの子会社です。法律家の一人は「事情を聴取される立場」にある人を「事故の発生原因を究明する立場におく」ことは判断の誤りだと、私と同様の見解を示されました。
潟^クマテクノスは、初期消火に失敗し、いったん鎮火したものと誤認して再度火災が起きたのですが、第三者委員会は、火事の原因は「引火性の強いゴミの混入」であり「浜松市民のごみ質の悪さ」にあると指摘しました。
修復工事の設計を、はたまた「日本技術株式会社」が受託しました。「再発防止委員会」の委員も務めているのですから、予想される追加工事費をあらかじめ経費に組み込んでいたのか、3種類の工事が追加されても契約額を変更せず、サービスで行ったかのような体裁になりました。修復工事の入札には潟^クマだけが応札し、予定価格の99.06%という高さで落札する結果に終わりました。
以上の事情が最終的に、和解案をタクマテクノス側に有利に導いたのではないかと思われるのです。
 その後、市は潟^クマテクノスに損害賠償を請求しますが、損傷した機械本体の残存価格を損害額の上限として和解交渉に臨み、わずか3回の協議で市側の過失責任(16年度の点検の折、12箇所ある温度センサーの内4箇所の不良箇所を放置した)を4割と認め、潟^クマテクノスの賠償額はわずかに4722万円でした。修復工事費9億8300万円の5%にも満たない額です。
実際の損害は機器類の損傷よりも、破砕されずに5倍のスピードで埋めたてられ、処分地の寿命が15年から12年半に短縮されたことにあると私は考えています。2年半前倒しで埋めたて場を探し、100億円以上の金額を用意する事態のほうが市民にとってはるかに負担が大きいのではないでしょうか。

* 浜松市の認めた4割もの過失を誰が担うのか

公務員は過失責任を訴求されませんから、必然的に市民の税金がつぎ込まれます。修復工事費の内、7億3600万円を借金でまかなうことになっており、返済総額は10年間で2億1000万円に上りますが、私の質問に対して返済額すら環境部は答えられませんでした。潟^クマテクノスの火災保険についても承知しておらず、入札結果についても調達課の所轄だからとノーコメントでした。アウトソーシングを多用した結果、現場のことが分かる職員も激減しました。一連の無責任体制を、市民は許さないと私は声を上げました。破砕センターは市民の財産です!!
皆さんはどう思われますか。

■ 「文教消防委員会」市教育委員会の報告

教育をめぐる環境はこんなに大変です。学校の努力だけではどうにもなりません。地域の応援と子供のための良質な政策、予算の増加が急務です。高齢者の予算は10倍もありますから。
「老人福祉センター」を無料で高齢者だけで独占していいの?など、皆さんの声を聞かせてください。

* 荒れる小学生  粗暴行為倍増

窃盗 粗暴行為 家出
小学校 中 学 小学校 中 学 小学校 中 学
17年度 165 194 61 320 13 124
18年度 222 198 148 532 24 152

* 急増する小学生の「いじめ」と「不登校」

いじめ 不登校
小学校 中 学 小学校 中 学
17年度 54 160 180 597
18年度 152 222 210 663

* 4人に一人は、本をまったく読まない中学生

家庭でも学校でも読書をまったくしない中学生が26.8%(浜松市)全国平均37.7%。「全国学力学習状況調査」から

■ 「建設委員会」報告

市街化調整区域の規制緩和など、重要な都市計画の方針が見直されます。都市計画道路も同様です。開発の野放しは生活環境を脅かします。企業誘致を実現しながらも「秩序ある美しい快適なまち」に住むために、どのようなルールを私たちは望むのか、話しあってまいりましょう。

* 市街化調整区域の開発許可制度の見直し

 従来は、市街化調整区域は「開発してはならない保全する地域」でしたが、今後は「保全する地域」と「開発を許容する地域」に分かれ、後者には「立地誘導地区」が設定され、政策的な立地誘導が始まります。 「都市計画道路見直しガイドライン」(案)も発表されました。2月12日からパブリックコメントの募集が始まりますので、都市計画決定されて身動きできなかった道路周辺の皆さんは確認が必要です。

* 「浜松市のみちづくり計画」を発表

道路を埋めたり掘ったりと、不評の道路行政でしたが、今後10年間の整備指針・予定箇所・時期が明らかになりました。地元議員の活躍する余地は少なくなりました。概要版をご希望の方はご連絡ください。

* 企業誘致のために公園を移転

高丘運動公園を企業用地として活用する為に、サッカー場を都田総合公園と雄踏総合公園に移します。今後このような用途変更が起こります。企業用地を確保しながら、守るべき施設は市民の手に残す「ガイドライン」を作成する必要があります。

* いよいよ大丸出店 4月から解体

    遠鉄百貨店の2倍以上の広さに!!
施設規模 鉄筋鉄骨造 地上9階 地下4階
     延べ床面積67,400平米 
開業予定 平成22年11月
事業費  160億円(内装費上限5億円を市が助成)

■ 「厚生保険委員会」報告

*浜松赤十字病院移転支援事業総額47億円

・病院建設費補助金(平成17〜19年度)7億円
・医療機器整備費補助  10億円
・長期借入金の利息補助 30億円(19年以降)
合併を見越して浜北市議会により決定され、補助金が浜松市の負担になる格好になりました。今も、脳神経外科・産婦人科・眼科は医師不足で入院はできません。

* 医療センターは独立行政法人移行の方針

市民に信頼され親しまれている医療センターが、財政運営や人事問題に揺れています。市は「行革審」に問題解決を託し?医療公社を解散し、独立行政法人に移行する方針を示しました。今後、再出発の経営健全化に39億円を要します。
公的医療を担う病院には、今後も年間7億円前後の支援が必要と試算されています。浜松市から独立するので経営責任は明確になりますが、安定した病院経営が困難な日本の医療政策の下で、最善の選択は何か、議会も市民も真剣に議論する必要があります。この提案にいたる過程で、市当局も行革審も「日夜診療にあたられ、実際上の経営責任を負い、病院の再建に具体的なビジョンを持っている医師団」との協議を行っていない点に、私は大いなる疑問を抱いています。

■ 「総務委員会」報告は次回に譲ります

2月議会の予定
2月20日10時 本会議
21日10時 環境経済委員会
27日10時 本会議
28日13時 本会議
3月7日10時  本会議  会派の代表質問
10日10時 本会議  山口祐子の一般質問が午後1時半頃始まります。 傍聴に来てください
11日10時 本会議
12日10時 環境経委員会
21日10時 本会議

次へ

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