利根町の鎌倉街道・・・・その5

鎌倉街道の庚申塔から東側は道が広くなっている

鎌倉街道の奥には広いところがある
上の写真と右の写真は鎌倉街道の庚申塔があるところから、東へしばらく進んだ辺りです。ここは広く平らな場所になっています。あまり広いので、どこが道なのかハッキリしませんが小学生たちが植えたアジサイの苗が点々と並んでいるところがあり、どうやらそこが道のようです。平らな地面が北側の斜面に傾斜する境目には大きな木が立ち並んでいます。小学生たちが調べたところではシラカシやスダジイの木であるそうです。シラカシは(ブナ科コナラ属)でドングリの実がなります。スダジイは(ブナ科シイノキ属)でこちらもドングリの実がなります。

大きな木が立ち並ぶその裏側は急な斜面で北側谷へ落ちていく地形となっています。左の写真でおわかり頂けるのではないでしょうか。ここの斜面が人工的に造られた地形に感じられるのは私だけでしょうか。
この付近の広いところの南側は大きな竹林地帯になっています。そしてその辺りには珍しい鳥が見られ、鳴き声なども聞こえるそうです。

鎌倉街道の森には沢山のいろいろなキノコが見られるようです。写真の近くではサルノコシカケがあるのを子供たちは見つけているようでした。

鎌倉街道で見られる鳥と動物
●フクロウ
夜行性の肉食の鳥、めったに見られない。
●ジョウビタキ
渡り鳥で、明るい林や林の縁などに住む。
●ハリビタキ
羽の部分が瑠璃色をしたとても綺麗な鳥。
●コゲラ
枯れ木や弱った木などに穴を掘って巣にする。
●キジバト
庚申塔の近くに丸まったフンと羽根が落ちていた。
●イナガ
葉っぱなどを食べる。主に庚申塔の坂を下りた所にいる。
●メジロ
名前のとおり目のまわりが白い。押戸周辺の民家でも見られる。
●トラツグミ
全体の模様がトラのような縞模様。クチバシはとがっている。
●たぬき
タメフンと足跡が見つかった。犬よりもツメがするどい。
●野ネズミ
ドングリが大好物で土に埋めて貯蔵する習性がある。

鎌倉街道はキノコがいっぱい
鎌倉街道にいくたびに目につくのがキノコです。白い平らなキノコや、木に四つきれいに並んでいるキノコもありました。この白いキノコの名前は何だろうと思って歩いていたら面白い形のキノコを発見した。

鎌倉街道に落ちている木や土からキノコを発見。白いものや、形がおもしろいものをたくさん発見した。鎌倉街道には自然な物が、たくさんあるんだね。鎌倉街道だけでなく、自然も大切にしよう。

右の写真は子供たちが植えたアジサイの苗です。けっこうあちこちに植えてありました。子供たちは鎌倉街道の森の自然を大変良く観察しています。特に野鳥や木の種類などを丹念に調べてまとめていました。

根本寺裏の山上にある鎌倉街道と塚

大きな木が立つ塚がある
鎌倉街道が通る森の広いところの奥(東)には、塚が一つありました。これは自然の地形による土盛りとは思えません。間違いなく人手により築かれた塚です。あるいは古墳かも知れません。この塚の存在はここの道の古さを物語ります。塚上には大きな木(スダジイ)が一本立っています。また石祠もあります。塚の手前にあるのは墓石です。なぜ墓石が一つだけここにあるのか奇妙な気もします。利根町の鎌倉街道では、この塚のあるところが一番に神秘的な空間であるように私には感じられました。

鎌倉街道の象徴でもある巨木
左の写真は塚上にある大きな木です。何か特べつな魂が宿っているような感じのする木です。この木の大きさから塚自体が、かなり古いものであることを教えてくれています。子供たちはこの木の太さが4.5メートルで、高さは23メートルあるといっています。今年の2月に鎌倉街道のシイの木を調査した時に子供たちは見学にいったそうなので、そこで大きさを教えてもらったのかも知れません。

『鎌倉街道ギャラリー』が行われた!
昨年の2学期に、文間小の6年生たちは『鎌倉街道ギャラリー』という催しを開いています。それは戦争のことを取材するために、地域の100人の方に協力してもらい、そのお礼に鎌倉街道のことも知ってもらう目的で、この大きなシイの木(スダジイ)をバックに、鎌倉街道の朗読(宮田太郎氏の『鎌倉街道伝説』を参考に作成した朗読です)と三部合唱『空』という歌を披露したそうです。見にきてくれた人達はとても喜んでくれたそうです。そのときに子供たちはシイの巨木を描いて飾ったりもしたそうです。絵の額も自分たちで作ったといっていました。またその日にはクラフト作家の「遠藤凌子」さんもご招待して鎌倉街道にきてもらったそうです。みんなで作った手作りクッキーも好評だったとか。

斎藤喜博 作詞
近藤幹雄 作曲

いにしえの ゆかりの さとの 空 青く澄む
ここに 生れ ここに 育つ われらの よろこび
ああ うるわしの 山河 うるわしの 空 ここに学ぶ われらの よろこび
わが さとを かこむ 山々
あたたかく 見守る 日頃
なお 遠く あまかける われらの のぞみ
いにしえの ゆかりの さとの 空 青く澄む

左の写真は塚の上に立つ小さな石の祠です。資料不足で何を祀ってあるのかは確かめられませんでした。

私は利根町の鎌倉街道を歩いていて感心していることがあります。それは道沿いにゴミが大変少ないということです。少ないというよりも、ほとんど無いといってもよいくらいなのです。今までにずいぶんと各地の鎌倉街道を見てきましたが、鎌倉街道跡というところは不法投棄場かと思われるところばかりが目につきました。そんなものですから、ここの鎌倉街道の綺麗さが、ひときわ印象的に映りました。それもそのはず、子供たちや地元の方々が掃除をしているからです。

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