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糖尿病について 合併症 検査 基本的な治療

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糖尿病がなぜ怖いか

 

糖尿病にはいろいろな種類があります。糖尿病の種類や程度により治療法が異なりますので、きちんとした診断が必要です。

A:糖尿病性網膜症(=とうにょうびょうせいもうまくしょう)
成人が失明する原因の第一位が「糖尿病性網膜症」です。血糖コントロールが悪い状態(食前血糖が120/dl以上、食後血糖値が180mg/dl以上、HbA1cが6.5%以上)が、5〜10年続くと眼の網膜に小さな出血(=単純性網膜症)が現れる人が増えます。しかしこの時期には血糖を良好にコントロールすることでこの網膜症を改善することができます。網膜症が進みレーザー光線で網膜の血管を焼かなければ、網膜症はさらに進み、視力を失うこともあります。糖尿病性網膜症は進行するまで自覚症状が無いことが多く、視力が正常でも少なくとも6ヶ月に1回は眼科を受診して下さい。

B:糖尿病性腎症(=とうにょうびょうせいじんしょう)
腎臓は体の中の余分な水分や老廃物を尿として体の外に出すことにより体の中の水やミネラルのバランスをとる重要な働きをしています。糖尿病で血糖コントロールの悪い状態が続くと、尿に蛋白(=たんぱく)が出るようになり、さらに進行すると血液中の蛋白が尿から排泄されるため、血液中の蛋白が減り、体がむくんできたり血圧が上がったりします。そして最終的には尿毒症になり透析が必要になります。成人の血液透析の原因疾患の第1位がこの「糖尿病性腎症」です。糖尿病性腎症の発症や進展を予防するためには、血糖を良好に保つことは当然ですが、血圧のコントロールや 時期によっては食事の蛋白質を減らす必要があります。また尿の中に蛋白がたくさん出るようになったり、腎臓の機能が悪くなったら、運動も制限されます。糖尿病性腎症の検査には血液検査以外にも尿の蛋白やアルブミンを測定する方法があり、自覚症状の無い早い時期に診断が可能です。

C:糖尿病神経障害
神経障害は主に「自律神経障害」と「末梢神経障害」です。自律神経が障害されると「立ちくらみ」「便秘」「下痢」「性機能障害」「排尿障害」などの多彩な症状が見られます。一方、末梢神経障害は、両足(時に両手も)の先や足の裏が「痺れ」たり「感覚が鈍い」などの症状がみられます。治療は飲み薬もありますが、血糖コントロールを良く保つことが最も重要です。また目を動かす神経が障害を受けるため、「物がだぶって見える」こともあります。

D:大血管障害(=動脈硬化症)
糖尿病は動脈硬化症の重要な原因のひとつです。心疾患、脳血管障害は日本人の死因の第2位、第3位ですが、心臓や脳に行く血管の動脈硬化はこれらの病気を引き起こします。動脈硬化の原因は糖尿病だけでなく、高血圧、肥満、コレステロールなどの血液の中の脂質の異常、喫煙などが原因で起こります。従って動脈硬化症の予防と治療の為には、これら全てのコントロールを行わなければいけません。
1)心筋梗塞、狭心症
心臓を栄養する動脈が詰まったり、詰まりかけたりするために起こる病気で、急に胸が締め付けられる痛みがあります。糖尿病の人は神経障害のため胸痛を感じない場合もあり、心臓がいよいよ悪くなって診断されることもあります。息苦しい、胸がもやもやするなどの症状がある時には、医師の診察を受ける必要があります。また早期に発見するためには、定期的に心電図をとり、必要なら運動をしながら心電図をとる必要があります。
2)脳梗塞
糖尿病の人は、脳の動脈が詰まる脳梗塞が生じやすいです。急に片方の手足に感覚がなくなり、力が入らなくなって発症します。ろれつが回らない、意識を失うこともあります。また、小さな脳梗塞が多発すると痴呆症状で発見されることもあります。これらの症状があるときには、医師の診察を受け、必要なら頭のCT,MRIを行います。また脱水により脳梗塞が誘発されることもありますので運動前や入浴前には必ず水分を取っておきましょう。
3)閉塞性動脈硬化症(=へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
下肢の太い血管が詰まって下肢が腐っていく病気です。進行すると下肢を切断する必要があります。初期症状は、「歩くと下肢が締め付けられるように痛くなり歩けなくなるが、少し休むと痛みが軽くなり再び歩けるようになる」というものです。さらに、症状が進むと安静にしていても痛みが出るようになり、下肢も紫色になります。診断は下肢の脈波検査で確認します。

E:感染症の悪化
血糖コントロールが悪いと細菌、かび、ウイルスなどの微生物に対しての抵抗力が弱く、簡単に感染症(肺炎、結核、帯状疱疹、水虫、膀胱炎、歯槽膿漏など)にかかりやすくなり、重症化します。また、感染症にかかると血糖のコントロールがさらに悪化します。

F:肥満
糖尿病と診断された人の約半数は過去に肥満であった経験があります。肥満を伴った糖尿病の人が厳格な食事療法や運動療法によって体重を減らすことにより、血糖コントロールが劇的に改善することはよく見られることです。肥満は血糖コントロールを悪くするだけでなく、高血圧や高脂血症や動脈硬化も増悪させ、さらに心臓にも負担をかけるなど、糖尿病にとっては大敵です。肥満の原因は食べ過ぎと運動不足です。ある期間で、食べ物により身体の中に吸収されたエネルギーが身体の維持のために消費されたエネルギーを上回ると、その差額のエネルギーが身体に脂肪として貯えられ、それが過剰になると肥満になります。「私は水を飲んだだけでも太る。過剰に食べていないのに太る。」とおっしゃる人が多数おられますが、そのようなことは決してありません。まず御自分の理想体重[ 身長(m) x 身長(m) x 22] を知り、体重の是正のために、食事療法および運動療法を守らなければいけません。グラフで体重の日誌をつけることも有意義です。

G:高血圧症
高血圧症は糖尿病と同様に動脈硬化を促進し、さらに糖尿病性腎症など糖尿病の合併症を増悪させます。糖尿病の人は定期的に外来で血圧を測るだけでなく、自宅での血圧測定も勧めています。血圧は可能なら毎日朝に上腕用血圧計を用いて測定し、自宅での収縮期血圧は130mmHg以下、拡張期血圧は85mmHg以下にしなければいけません。まず、塩分を控え適度な運動を続け、必要なら薬を飲みましましょう。

H:高脂血症
糖尿病の合併症の中で最も多くの方に見られるのが高脂血症です。血中のコレステロールが多くなると、血管の壁にプラークというコレステロールなどが詰まった「おでき」のようなものができやすくなります。血管の中にこのプラークがたくさんできると血液の流れを妨げます。それだけではなく、プラークの表面をおおっている膜が薄いと、ちょっとした刺激でもすぐに破れます。そして、プラークの中に詰まっていたものが血液と接触すると急激に血栓(けっせん)という血の塊ができて、さらに血管をふさいで血液の流れを悪くします。心臓や脳の太い動脈で大きな血栓ができると、心筋梗塞や脳梗塞になります。また、破れなかったプラークもだんだん血管を狭くして血液の流れを悪くしていき、やがて血管の壁が厚く、硬く、もろくなっていきます。そして最終的には心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。糖尿病でコレステロールが高い人(総コレステロール200mg/dL以上)は、まず、生活習慣の見直しが必要です。その第一歩として、食事を見直しましょう。食事に注意するだけで、お薬を使わなくてもコレステロールが下がることもあります。また、お薬による治療を始めてからも、食事療法はお薬の効果を高めます。

         


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妊娠と糖尿病

 

妊娠は糖尿病の人にとって最も注意しなければいけない状態のひとつです。血糖コントロールの悪い母親からうまれる子供には奇形などが多く、また母親の網膜症や腎症が進んでいる場合はさらなる合併症の進行が予想されます。失明や命にも関わってくるので、必ず妊娠する前に主治医の許可を得て、アドバイスを受けながら計画的に妊娠、出産しなければいけません。


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