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1.君色パレット−ちょっと気になるあの人− 2.君色パレット−いつも側にいるあの人− 3.君色パレット−SNSで繋がるあの人− 4.君色パレットU−すきなあの人− |
「君色パレット−ちょっと気になるあの人−」 ★★ 多様性をみつめるショートストーリー PALETTES OF YOUR COLORS |
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多様性をテーマに、ちょっと気になる人、を描いた4篇。 とかく人というものは、自分と違ったものを排斥しようとするところがありますが、それは怖れからだと言われれば、確かにそのとおりなのかもしれません。 人は人によってそれぞれ、ひとつの枠、ひとつの形だけに押し込めようとするのは誤りだというのは勿論のことですが、実際にそう行動するのは難しいこともあるかと思います。 だからこそ、子どもの頃から多様性というものを理解し、自然と受け入れられるようになって欲しいものだと思います。 その意味で、評価したいアンソロジー。 ・「日傘のきみ」は、女物の日傘を恋人のように扱っている同級生と出会い、親しみを感じるという話。 ・「親がいる。」は、コロナ禍の中、テレワークする親に、普段知らない顔があることを知ったという女子の話。 ・「恋になった日」は、ふとしたことから生まれた交換ノートにまつわる話。 ・「Hello Blue!」には、スカートをはいた男の子が登場。 この篇、好きだなあ。 人は、どんな格好をしているかではなく、どんな人か、を見なくてはいけないですよね。登場する子供たちの素直さが嬉しい。 戸森しるこ 「日傘のきみ」 ひこ・田中 「親がいる。」 吉田桃子 「恋になった日」 魚住直子 「Hello Blue!」 |
「君色パレット−いつも側にいるあの人−」 -- 多様性をみつめるショートストーリー PALETTES OF YOUR COLORS |
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多様性をテーマに“いつも側にいるあの人”を描いた4篇。 主人公はいずれも小学六年生。 ・「ゆびさき」:主人公の虹色(にいろ)、男子ですがネールアート好き。ある日、幼なじみの咲姫(さき)から強引に、爪に色を塗ってほしいと頼まれます。その咲姫が実は不安を抱いていると打ち明けてきたことは・・・。 ・「落っこちそう」:運動神経抜群のタケシと、対照的に運動は苦手だがコミュニケーション能力の高い春男。タケシにとって春男は、傍にいてくれないと困る友だち。 ・「本日のスペシャルディナー」:小手鞠さんらしく、舞台はアメリカ、NY州オルバーニ。 一華は今、ダディと、ダディのガールフレンドであるオリヴィアとの三人暮らし。オリヴィア、母親にはなれないけどベストフレンドにはなれる、と言うかっこいい人。 ・「にじいろ」:桧予の母親は、実母であるママ(和花)とママのパートナーであるカカ(志穂)と、二人いる。自分ではフツーのことと思っていたが、これまで友だちからは何度もヘンだ、と言われてきた・・・。 誰かが傍にいてくれる、というのは幸せなことだと感じます。 高田由紀子 「ゆびさき」 光用千春 「落っこちそう。」 小手鞠るい 「本日のスペシャルディナー」 いとうみく 「にじいろ」 |
「君色パレット−SNSで繋がるあの人−」 ★☆ 多様性をみつめるショートストーリー PALETTES OF YOUR COLORS |
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多様性をテーマに、SNSで繋がる人、を描いた4篇。 小学生、中学生も今はSNSが当たり前なのか、とまず感じるアンソロジー。 ・「プロジェクト・チュウニ」:同じ中二であっても、状況が違えば在り方も違う、ということか。 ・「BONSAI ラブ」:SNSで評判になった途端に見てきたものが一変する、というところが愉快。 ・「にぎやかな孤独」:これはかなりキツイな。 ・「ジルと柚」:本書で一番面白く、読み応えがあった篇。 ネット上での自分と、現実の自分の有り様が異なる。それは当然かもしれないが、それで良いのか、という問題もある。 SNSは確かに面白く、学校では会えない人との出会いもあるでしょうけれど、SNSが世界の全てではない、そして決してパーフェクトな世界ではない、ということを子どもたちには知ってもらいたいですね。 如月かずさ 「プロジェクト・チュウニ」 おおぎやなぎちか「BONSAIラブ」 朝比奈あすか「にぎやかな孤独」 佐藤まどか 「ジルと柚」 |
「君色パレットU−すきなあの人−」 ★☆ 多様性をみつめるショートストーリー PALETTES OF YOUR COLORS |
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多様性をテーマに“すきなあの人”を描いた4篇。 好きになるのは相手が<特別な人>だからでしょうか。 好きになる相手には何か条件を充たしてもらわないといけないのでしょうか。 そんな気持ちを描いたショートストーリー、4篇。 それはそれで楽しめましたが、多様性と関連するのでしょうか。 ・「わたしのホワイト」:同級生のあの子、てっきり特別な女の子だと信じたのですが・・・。 ・「最高のカノジョ」:バーチャル女性は恋人になり得るのか。 その種明かしに笑ってしまいました。流石! ・「クリィミーじゃない」:う〜ん、ちょっと分かり難い。 ・「おばあちゃんの恋人」:好きかどうか、迷っているかのような様子が可愛らしい。まぁ、背中を押してくれる何かが必要だったのかも。 神戸遥真 「わたしのホワイト」 令丈ヒロ子 「最高のカノジョ」 少年アヤ 「クリィミーじゃない」 こまつあやこ「おばあちゃんの恋人」 |