1.素材の基本物性
材質はPS(ポリスチレン)である。
5大汎用樹脂の一つ。
化学式 [CH2CH(C6H5)]n
■PS(ポリスチレン)の特徴
・比重
比重はPP、PEに次いで小さい。
・加工性
溶融粘度が低く、溶融時の熱安定性も良い。 着色も自由に出来、成形しやすい。 さらに成形品の寸法安定性が良い。
・電気的特性
体積抵抗率と絶縁破壊強さが高く、誘電率と誘電正接が低い為、仮にプラ板上で静電気が発生してもシールドとして機能する。
・耐候性
耐放射線性はプラスチックの中でも最高位。
・耐薬品性
酸、アルカリ、塩類など優れた耐性を持つ。
・断熱性
発泡させやすく発泡させると軽量で断熱効果が高くなる。(発泡スチロール)
ポリスチレンは汎用ポリスチレン(GPPS)(透明)と、ゴム成分を加えて衝撃性を改良した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(白色)の2種類がある。
汎用ポリスチレン(透明)は衝撃耐久性が低く、落下したりすると割れやすい。(CD・DVDケースなど)
2.耐熱性、強度の改善
プラスチックと言えば熱に弱そうな印象を持つ素人も多いが、その特性は用途に合わせて製造時に調整できる。
重合度を高める。ガラス繊維の充填。など、用途に合わせて強度や耐熱性を調整している
●100円ショップのプラ板との違い
100円ショップのプラ板では重合度が低く耐熱性、強度、硬度に不安がある。
加熱収縮を利用する工作では均等に収縮できず歪になる等、PCのパーツ部材に使うには注意が必要。