AMD Ryzen まとめ CPU関係

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 「ZEN 2」マイクロアーキテクチャのCPUコア 2018年11月8日
 
 
TSMCの7nmプロセスで製造される,7nm/10nm世代で製造される初めてのx86 CPUとなる
先に登場するのは、64コア/128スレッドの次世代サーバーCPU「Rome」。
AMDは、米サンフランシスコで開催した技術発表イベント「Next Horizon」において、Romeの技術概要を発表、また、実シリコンによる動作デモも行なった。
 
記事
AMDの7nmプロセス「ZEN 2」CPUコアのマイクロアーキテクチャ拡張 pc.watch.impress.

AMD、7nmで最大64コアの「ZEN2」とNVIDIA Voltaを上回る「Radeon Instinct M60」 pc.watch.impress.

AMD、第2世代Ryzen ProとAthlon/Athlon Proを発表 news.mynavi.jp

Globalfoundriesの7nmプロセス無期限延期がもたらす半導体業界への影響 ascii.jp

 
 
 第2世代Ryzen ProとAthlon/Athlon Proを発表 2018年9月6日
 
 
Pinnacle RidgeをベースとしたRyzen PRO 7 2700X/2700及びRyzen PRO 5 2600の3製品を追加

第2世代Ryzen ProのSKU
製品名 Ryzen PRO 7 2700X Ryzen PRO 7 2700 Ryzen PRO 5 2600 --
Cores/Threads 8/16 8/16 6/12 --
CPU Base Clock 3.6GHz 3.2GHz 3.4GHz --
CPU Boost Clock 4.1GHz 4.1GHz 3.9GHz --
TDP 95W 65W 65W --
コンシューマ向けにはAthlonブランドが復活することになった
Radeon Vega 3 Graphicsを内蔵した14nmプロセスの新型APUでラインナップは以下の通り
Athlon 200GE
Athlon 220GE
Athlon 240GE
AthlonのSKU
製品名 Athlon 200GE Athlon 220GE Athlon 240GE --
Cores/Threads 2 2 2 --
L1 Cache 192KB 192KB 192KB --
L2 Cache 1024KB 1024KB 1024KB --
L3 Cache 4MB 4MB 4MB --
CPU Base Clock 3.2GHz --
CPU Boost Clock 3.2GHz --
GPU Clock 1000MHz 1000MHz 1000MHz --
Memory Support 2666MHz 2666MHz 2666MHz --
TDP 35W --
 
 
 
 
 第2世代Ryzen Threadripperのラインナップ 2018年8月6日
 
 
Threadripper 2000のSKU
製品名 Ryzen Threadripper 2990WX Ryzen Threadripper 2970WX Ryzen Threadripper 2950X Ryzen Threadripper 2920X --
Cores/Threads 32/64 24/48 16/32 12/24 --
CPU Base Clock 3.0GHz 3.0GHz 3.5GHz 3.5GHz --
CPU Boost Clock 4.2GHz 4.2GHz 4.4GHz 4.3GHz --
L2 Cache L2=512kB x8 L2=512kB x8 L2=512kB x6 L2=512kB x6 --
L3 Cache 64MB 64MB 32MB 32MB --
Memory Support 2933 2933 2933 2933 --
TDP 250W 250W 180W 180W --
Precision Boost 2.0 Yes Yes Yes Yes --
release 8月13日 10月 8月31日 10月 --
MSRP (US) $1799 $1299 $899 $649 --
 
※ Threadripper2000シリーズ登場に合わせて、AMD 400シリーズチップセット搭載マザーボード同様にStoreMIがX399マザーボードでも利用できるようになった。
※第1世代Threadripperを組み合わせたシステムでもStoreMIは利用可能
※ Threadripper2000シリーズでは、XFR 2.0 Precision Boost 2.0 はユーティリティソフトの「Ryzen Master」をアップデートし、Ryzen Masterと第2世代Threadripperの組み合わせでのみ、オーバークロック関連の機能として「Ryzen Master」上から利用できる。
 
 
 
記事
第2世代の16コア32スレッド対応CPUは,買わない理由が見当たらない!?Ryzen Threadripper 2950X 4gamer-2018年8月13日 22:00

西川善司の3DGE:最大32コア64スレッド対応の第2世代Ryzen Threadripper,正式発表。進化のポイントはここだ 4gamer-2018年8月13日 22:00

32コアの怪物CPU「Ryzen Threadripper 2990WX」を検証。16コアの2950Xも侮れないコスパ pc.watch.impress-2018年8月13日 22:00

32コア64スレッドは乗りこなせるか? 第2世代「Ryzen Threadripper」を速攻で試す ascii.jp-2018年8月13日 22:00

2系統に分かれた第2世代Threadripperのアーキテクチャ pc.watch.impress-2018年8月13日 23:24

驚異の32コア/64スレッドCPU「Ryzen Threadripper 2990WX」がデビュー、実売23万円以上 AKIBA PC Hotline!編集部-2018年8月13日 22:00

価格も性能もインパクト強烈!32コア/64スレッドCPU「Ryzen Threadripper 2990WX」を試す gdm.or.jp-2018.08.13

ついに32コアの第2世代Threadripperが登場! 8月13日より発売 pc.watch.impress
 
 
 
 
 
 
 Ryzen 2000シリーズ 製品一覧
 
・コードネーム:Pinnacle Ridge
・プロセス:12nm
 ・コードネーム:Raven Ridge
 ・プロセス:14nm+
・ソケット規格:Socket AM4
!注意!確定、発表、リリースされていない将来の製品、データ、機能、および仕様を扱っています。

 
 
 
 


Ryzen 2000のSKU
製品名 Ryzen 7 2700X Ryzen 7 2700 Ryzen 5 2600x Ryzen 5 2600 Ryzen 5 2400G Ryzen 3 2200G --
CPU Socket AM4 AM4 AM4 AM4 AM4 AM4 --
Manufacturing Process 12nm 12nm 12nm 12nm 14nm+ 14nm+ --
Cores/Threads 8/16 8/16 6/12 6/12 4/8 4/4 --
Smart Prefetch Cache 20MB 20MB 19MB 19MB 10MB 10MB --
CPU Base Clock 3.70GHz 3.20GHz 3.60GHz 3.40GHz 3.60GHz 3.50GHz --
CPU Boost Clock 4.35GHz 4.10GHz 4.25GHz 3.90GHz 3.90GHz 3.70GHz --
L2 Cache L2=512kB x8 L2=512kB x8 L2=512kB x6 L2=512kB x6 L2=512kB x4 L2=512kB x4 --
L3 Cache 16MB 16MB 16MB 16MB 4MB 4MB --
Memory Support 2933 2933 2933 2933 2933 2933 --
TDP 105W 65W 95W 65W 65W 65W --
PCIe Lanes for
Dedicated Graphics
16 16 16 16 8 8 --
Precision Boost 2.0 Yes Yes Yes Yes Yes Yes --
Precision Boost Overdrive Yes no Yes no no no --
Included Heatsink Wraith Prism Wraith spire(LED) Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth --
MSRP (US) $370 $312 $258 $208 $180 $117 --
 
 
 
※ 2000シリーズでは、すべての製品にCPUクーラーが付属するようになった。
※ 2000シリーズでは、XFR 2.0 Precision Boost 2.0 が追加され、これらは既存の300シリーズマザーボードでも対応できるが、対応されたBIOSが必要。
Precision Boost Overdrive は400シリーズのチップセットと2700X、2600Xプロセッサの組合せのみに限定されている。
 
2000シリーズのPrecision Boost 2.0 の特徴。
従来のPrecision Boost では、Precision Boost(XFR)が発動してもオーバークロックされるコアは1~2つに限定されていたが、XFR 2.0/ Precision Boost 2.0 /Precision Boost Overdrive では、全てのコアを対象にオーバークロックされるようになった。ただし、全てのコアが最大ブーストに達する訳ではなく平均化される。
 
400シリーズチップセット搭載マザーボードの300シリーズからの改善点
・高速なDDR4サポート
・VRMレイアウトの改善
・動作効率の改善
・アイドル時の省電力化
・FuzeDriveのバンドル
・NVMe RAIDのサポート
・USBインターフェイスの強化
 
USBやSATAと言ったI/O関係は機能、搭載数共に300シリーズと変わらない
 
 
記事
Raven Ridge Ryzen 3 2200G / Ryzen 5 2400Gのヒートスプレッダはグリス式 overclock3d.net
「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」レビュー。 4gamer.net
「Ryzen 5 2400G」ではメモリ性能がゲーミング性能にどれくらい影響を与えるのかを検証 gigazine.net
AMDファン待望のAPU「Raven Ridge」が遂にデビュー、価格は12,800円から akiba-pc.watch.impress
 
 
 
 
 
 
 Ryzen APU 製品一覧
 
・コードネーム:Raven Ridge
・プロセス:14nm
・ソケット規格:Socket AM4
・I/O: 4 PCIe lanes for M.2 storage and four PCIe lanes for chipset connectivity)
・graphics: x8 PCIe 1x lanes
・Memory controller: Dual-channel, up to 64 GB
!注意!確定、発表、リリースされていない将来の製品、データ、機能、および仕様を扱っています。

 
 
 
 


Ryzen APUのSKU
製品名 Ryzen 3 2200G Ryzen 5 2400G Ryzen 3 2200U Athlon 200GE
CPU Socket AM4 AM4 AM4 ??
Manufacturing Process 14nm 14nm 14nm ??
Cores/Threads 4/4 4/8 2/4 2/4
CCX 4+0 4+0 -- ??
CPU Base Clock 3.5GHz 3.6GHz 2.5GHz 3.2GHz
CPU Boost Clock 3.7GHz 3.9GHz 3.4GHz ??
L2 Cache 2MB 2MB 2MB 2MB
L3 Cache 4MB 4MB 4MB 4MB
Memory Support 2933MHz 2933MHz 2400MHz ??
TDP 65W 65W 12~25W ??
iGPU Vega Vega Vega Vega
iGPU Stream Processors 512 704 192 ??
iGPU Clock Speed up to 1100MHz up to 1250MHz 1100MHz ??
PCIe Lanes for
Dedicated Graphics
8x 8x -- ??
Included Heatsink Wraith Stealth Wraith Stealth -- --
MSRP (US) $99 $169 -- --
 
 
 
記事
Raven Ridge Ryzen 3 2200G / Ryzen 5 2400Gのヒートスプレッダはグリス式 overclock3d.net
「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」レビュー。 4gamer.net
「Ryzen 5 2400G」ではメモリ性能がゲーミング性能にどれくらい影響を与えるのかを検証 gigazine.net
AMDファン待望のAPU「Raven Ridge」が遂にデビュー、価格は12,800円から akiba-pc.watch.impress
 
 
 
 
 
 
 
 Ryzen Threadripper 製品一覧
 
・コードネーム:Summit Ridge
・プロセス:14nm
・ソケット規格:Socket TR4 SP3r2
・I/O: 60/64 PCIe 3.0 lanes
・Memory controller: Quad-channel, up to 1 TB
 
Ryzen ThreadripperのSKU
製品名 1950X 1920X 1900X
CPUコア/スレッド 16/32 12/24 8/16
ベースクロック 3.4GHz 3.5GHz 3.8GHz
ブーストクロック 4GHz 4GHz 4GHz
L3キャッシュ 32 MB 32 MB 16 MB
PCI Expressレーン数 64 64 64
メモリーコントローラー 4チャンネルDDR4 4チャンネルDDR4 4チャンネルDDR4
TDP 180W 180W 140W
北米価格 999ドル
(約11万600円前後)
799ドル
(約8万8400円前後)
549ドル
(約6万800円前後)
日本での価格 145,800円
(税込15万7千464円)
115,800円
(税込12万5千64円)
69500円
(税込7万5060円)
発売予定日 8月10日 8月10日 8月31日
 
 
 
記事
エクストリームユーザーやクリエイターを狙う「Ryzen Threadripper」のアーキテクチャ pc.watch.impress.co.jp
 
 
 
 
 
 
 
FuzeDrive
 
AMDとEnmotusがAMD Ryzen向けに開発した小容量SSDを使ったHDD高速化ソリューション。価格は19.99ドル
このFuzeDrive技術をEnmotusはこれまでエンタープライズ市場へ提供していたが,今回,EnmotusはAMDと協業し,AM4プラットフォーム向けの「FuzeDrive for Ryzen」として,初めてコンシューマ市場へ投入することになった。
ただし、Enmotus社がエンタープライズ向けに提供するソリューションの機能限定版でる。

Intel RSTと似たような機能を提供するが、こちらの方が構成は自由である。
起動ドライブを高速化することも、データドライブを高速化することもできる。
既存のドライブがSSDでもHDDでもFuzeDriveに移行でき、SSD同士の組み合わせも可能だが、UEFIの機能では無いので、初めからFuzeDriveにインストールする事はできない。

注意点としては、
 機能制限としてFuzeDriveで利用可能なSSDの容量が128GB以下に限られる(※)。
※128GB以上のSSDを高速化用ドライブとして追加する場合は128GB分だけがFuzeDriveで使われ、残りの容量は別ドライブとして使用できるとのこと。
128GB以上のSSDがブートドライブの場合、パーティションを縮小するか、HDD側に移動しておく必要がある。
RAIDやSecure Bootには非対応
対応OSがWindows10のみ
A320チップセットは対象外

記事
FuzeDrive for Ryzen 19.99ドルで買えるHDD高速化機能は,ゲームPCのデータ読み出しをどこまで高速化できるのか 4gamer.net-2018年2月26日

 
 
 
 
StoreMI Technologyとは?
 
StoreMIは,Ryzen Desktop 2000に合わせて登場した400番台チップセット マザーボードのユーザーに向けた無償提供版FuzeDrive for Ryzenである。
「SSDやメインメモリをHDDのキャッシュとして用いることで,システムが搭載するストレージの高速化を図る事」ができるというもの。

StoreMIを利用するために必要な最低条件は、以下の3点となる。
・400番台チップセット搭載マザーボード
・HDD
・SSD(もしくはOptane Memory)

利用できるSSDの容量が256GB

SSDとFuzeRAMによって高速化したHDDを「TierDrive」と呼ぶ
TierDriveは特殊な一種の仮想ドライブである為、特定のソフトウェアで問題が起きることがある。そのため,運用には十分な注意。
ストレージのS.M.A.R.T情報を読みにいくシステム情報ツール(HWiNFO64 等)をStoreMI構成下で使う場合は非常に危険で注意が必要。
HWiNFO64の例では「Disable Drive Scan」を有効化しておく必要があるが万全ではない。
TierDriveの内容は起動イメージのバックアップを行えず、ボリュームのバックアップしか行えないので、StoreMIを起動ドライブに使うのはリスクが高い。
各アプリの今後の対応で改善される事に期待したい
 
 
 
 
 
 
 
 Ryzen Threadripper のPCI Expressバスのレーン数
 
装備しているレーン数は64レーン。
64レーンのうち4レーンはチップセット用で利用できるのは60レーン。
Ryzen Threadripper のPCI Express
 
 
 
 
 
 
 
Ryzen のメモリサポート
AMDが保証するのは以下の速度

THREADRIPPERシリーズ
・Quad Channel Single Rank DIMM4枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-2666
・Quad Channel Single Rank DIMM8枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-2133
・Quad Channel Dual Rank DIMM4枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-2400
・Quad Channel Dual Rank DIMM8枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-1866

RYZEN 7 / 5 / 3シリーズ
・Single Rank DIMM2枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-2666
・Single Rank DIMM4枚差し(チャンネルあたり2枚)ではDDR4-2133
・Dual Rank DIMM2枚差し(チャンネルあたり1枚)ではDDR4-2400
・Dual Rank DIMM4枚差し(チャンネルあたり2枚)ではDDR4-1866

※マザーボードとDIMMの耐性次第ではユーザーのBIOSによるチューニングにより制限速度はかわる
 
amazonでDDR4の製品を見る
 
 
 
 
 
 
 
Ryzenの温度センサー
・Ryzen(AMDのCPU)のコア温度を測定するセンサーはtCTL(T Control)と呼ばれる。
AMDは温度計測の正確さを保証するため、 HWiNFOの開発チームと協力して、HWiNFO64をThreadripperの温度計測に最も正確なソフトウェアに仕上げている。

・コアの種類によってこの値にはオフセットがある。
・Ryzen Threadripperは、+27℃のオフセットがある。HWiNFO64 はこのオフセットに対応済み。
・1700Xと1800XはtCTLに+20℃のオフセットがあるが、Windows上で計測に使う温度監視ツールはHWiNFO等の最新のものであればオフセットに対応している。
 
 
 
 
 
 
 
Ryzen Threadripper のメモリアクセスモード

Ryzen Threadripperには、「Distributed」と「Local」という2つのメモリアクセスモードが用意されている。

Distributed・・・標準の動作モード。全てのメモリチャネルを束ねて帯域幅を稼ぐモード。

Local・・・・・・各CPUコアが物理的に最も近いメモリに優先してアクセスするモードで、低レイテンシでのアクセスが可能となる。

AMDによれば、Distributedモードはメモリ帯域幅を必要とするクリエイター向けアプリケーションに適し、Localモードはゲームに適しているという。
両モードの切り替えはユーティリティツール「Ryzen Master」から切り替え可能(要再起動)となる予定だ。
 
 
 
記事
パワーユーザー待望の16コア/32スレッド環境を実現する「Ryzen Threadripper 1950X」をテスト pc.watch.impress.co.jp
 
Core Xに完全勝利!?「Ryzen Threadripper」で究極のマルチスレッド性能を堪能 ascii.jp
 
現時点で世界最高のマルチスレッド性能を引っさげ,AMDがHEDT市場へ還ってきた 4gamer.net
 
Ryzen Threadripper 1950X/1920Xファーストインプレッション - 期待の16コア/12コアCPUのパフォーマンスを検証 mynavi.jp
 
メモリのRankとは? pc.watch.impress.co.jp
 
 
 
 
 
 
 
 
Ryzen でよく出てくる用語解説
 
 
HEDT
 HEDT(High End DeskTop)とは、サーバー製品に使われている技術を一部使用し、デスクトップ向けにクロックなどをチューニングしたラインナップのこと。
AMD の HEDT 向けCPUは Ryzen Threadripper からとなるが、対応マザーボードが HEDT モデルかどうかはマザーボードメーカー次第である。
例えば、ASUS の場合、Threadripper 用マザーボードで最も高価な ROG ZENITH EXTREME はHEDT モデルとしては販売されていないが、後発の安価な ROG STRIX X399-E GAMING を HEDTプラットフォーム対応モデルとして販売していると言った具合である。
要はHEDTプラットフォーム対応といっても所謂アドヴァタイジングスローガン(宣伝文句)のようなもので、気にしなくてもよい。
 
 
HPET
 HPET(High Precision Event Timer)(高精度イベント タイマー)とはマイクロソフトとインテルによって共同で開発され、2005年頃からPCのチップセットに組み込まれ始めた。
最近のOSでは CPU内部の基準クロックを使ったTSC(Time Stamp Counter)が利用され、このタイマー精度は HPET より高いこともあり最近のOSで HPET を使うメリットは殆ど無くなっていることから HPET は通常、OFFで使用される。

HPETをOFFとして使った場合の問題例としては、ベンチマークサイトであるHWBotが、「Ryzenでバスクロックを変更してオーバークロック/ダウンクロックを行った場合、 RTC が影響を受けて狂いが生じることにより、ベンチマーク結果の正確性が失われる。」という問題が発生し、AM4プラットフォームにおけるベンチマークの結果は不正確だとして、Windows 8以降のOSで実行されたベンチ結果 (一部を除く) の受付を停止した。
これに関して、HWBotでは、HPET を常時有効にすることを推奨していた。ただし、Windows 7では影響は受けないという。

基本的に特殊なアプリケーションを利用する場合以外は HPET は無効でいい。
 
 
P-state
 ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で定義されている電力動作の事。
CPUが何らかの処理をしている(アクティブ)時の電力動作(駆動電圧とクロック周波数,等)の状態を「Pステート」と言う。

 
 
C-state
 OSやアプリケーションの処理が低負荷な場合に動作クロックを下げたりコアやスレッドを一時停止(アイドル)状態にするモード。
C0~C6・・・等がありCPUの世代、種類によって様々であるが、数字が上がるほど電力消費を抑える動作となる。
マイクロプロセッサはPステート(アクティブ)と、Cステート(アイドル)を行ったり来たりしながら、必要に応じて動作することで消費電力を最小限に抑える仕組みになっている。
C-Stateの例
モード 名前 機能 CPUs
C0 動作状態 CPUが完全にオン すべてのCPU
C1 Halt CPUのメイン内蔵クロックをソフトウェアで停止。バス・インターフェイス・ユニットとAPICは最大速度で動作。 すべてのCPU
C1E Enhanced Halt CPUのメイン内蔵クロックをソフトウェアで停止し、CPU電圧を下げる。バス・インターフェイス・ユニットとAPICは最大速度で動作。 すべてのソケット775 CPU
C1E すべてのCPUの内蔵クロックを停止。 Turion 64、65-nm Athlon X2およびPhenom CPU
C2 Stop Grant CPUのメイン内蔵クロックをハードウェアで停止。バス・インターフェイス・ユニットとAPICは最大速度で動作。 486DX4以上
C2 Stop Clock CPUの内蔵クロックおよび外部クロックをハードウェアで停止。 486DX4、Pentium、Pentium MMX、K5、K6、K6-2、K6-IIIのみ
C2E Extended Stop Grant CPUのメイン内蔵クロックをハードウェアで停止し、CPU電圧を下げる。バス・インターフェイス・ユニットとAPICは最大速度で動作。 Core 2 Duo以上(インテルのみ)
C3 スリープに移行 すべてのCPUの内蔵クロックを停止。 Pentium II、Athlon以上、ただし、Core 2 Duo E4000およびE6000上を除く
C3 Deep Sleep すべてのCPUの内蔵クロックおよび外部クロックを停止。 Pentium II以上、Turion 64 ただし、Core 2 Duo E4000およびE6000上を除く
C3 AltVID すべてのCPUの内蔵クロックを停止、CPU電圧を下げる。 AMD Turion 64
C4 Deeper Sleep CPU電圧を下げる。 Pentium M以上、ただし、Core 2 Duo E4000およびE6000シリーズ上を除く、AMD Turion 64
C4E/C5 Enhanced Deeper Sleep CPU電圧をさらに下げ、メモリキャッシュをオフにする。 Core Solo、Core Duoおよび45-nmモバイル向けCore 2 Duoのみ
C6 Deep Power Down CPU内部電圧を、0 Vを含む任意の値に下げる。 ※45-nmモバイル向けCore 2 Duoの場合
 
 
Core Parking

 止めても支障のないCPUコアを停止させる機能

 
 
CCX(Core Compulex)
 CCXとは、(Core Compulex)の略で、CPUコアのクラスタ(集合体)のこと。
Ryzen では一つのCCXには4個のZen CPUコアと8MBの共有L3キャッシュを統合していおり、各CPUコアには512KBのL2が付随しているためL2/L3キャッシュ合計で10MBを搭載している。 ZENシリーズは、このCCXを基本モジュールとして構成されている。
例えば、1700(X)、1800(X)、といった8コアのCPUでは、2つのCCXを搭載して8コアのCPUといった仕組みである。
 
記事
AMD「Ryzen 7」の半導体チップの姿 pc.watch.impress.co.jp
 
 
 
Infinity Fabric
 Infinity Fabric とは、小さな単位で多数配置された各CPUコア,キャッシュ,GPU,I/O,といったチップ内外のリソース(ファブリック)を、 各ハードウェア間で高速に相互接続(インターコネクト)し、必要に応じてリソースを切り出しシステムを構成する技術(インターコネクトファブリック)の一種で、 Ryzen以降のAMDチップから採用された。
Infinity Fabric で特徴的なのは、ソケット間もサポートする点でCPUとCPUの間、CPUとGPUの間、CPUと他のアクセラレータの間をInfinity Fabricで接続できる。
RyzenではInfinity Fabric採用の結果として、その動作速度がメモリ周波数と連動することとなり、高速なメモリに応じてRyzen自体の性能も上がるという成果を出した。
 
 
XFR (Extended Frequency Range)
 組み合わせるCPUクーラーの冷却能力が高く,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)上の余裕がある場合には,仕様上の最大ブーストクロックを超えたクロックでの動作を可能とする機能。
すべてのRyzenCPUでXFRが使えるが、X表記のCPUはクロックの上げ幅が大きいという違いがあり、利用するにはX370、X470といった上位チップセットのMBが必要である。  
XFR動作に移行できるコアは2基までとなっており、それ以外のコアはC6ステートまで落ちることが条件となる為、XFRの動作条件を満たして最大ブーストクロックを超えるのは,かなり難しい。
例:Ryzen 7の場合最大ブーストクロックを超えて動作するには,8基あるCPUコアのうち,6基以上がC6ステートまで落ちることが必要。
 
 
SMT
 同時マルチスレッディング。(インテルのハイパースレッディングなど)CPUのコア一つにコードを実行する装置を複数搭載してコードの処理能力を向上するものである。 OSからは実際に搭載しているコア数より多くのコアを搭載しているよう「論理的に」見えることとなり、実コア数より多くのスレッドやプロセスをOSが同時に実行できるようになる機能。 アプリケーションの仕様や条件では問題が生じることがある。このため、BIOSなどでSMTをオフとすることができるようになっている。
 
 
PROCHOT
 CPUが異常発熱した場合に発する信号。
CPUを異常発熱から守る温度制御回路(TCC)を起動させるための、独立した専用の温度センサーが一定値を超えるとCPUは「PROCHOT#」信号を発し、TCCが発動する。
TCCは状況に応じて、クロックを間引きしたり、CPUの電圧や動作クロック倍率を強制的に下げる。温度がさらに上がるとCPUは「THEMTRIP#」信号を発し、CPUを強制シャットダウンする。
 
 
TDP
 TDP(Thermal Disign Power)とは実用的なアプリケーションを使った場合の、想定される最大の電力数。
CPUやGPU等の集積回路に特定の電圧を加えて動作させた時に、どの程度の発熱になるかという指標。
かかる電圧によって発生する電流の一部が熱エネルギーに変換された場合の数値を[W]で表したものであり、消費電力とは違う事に注意。

IntelとAMDのTDPの相違

IntelのTDP
アイドル時の電力[W]と高負荷時の電力[W]数との平均値がTDPとされる。その為、スペック上のTDPは低いが高負荷時にはTDPをオーバーしてしまう場合がある。

AMDのTDP
高負荷時の最大電力[W]がTDPとされる。その為、仕様どうりの状態で利用する場合、TDPをオーバーすることはない。
さらに、最大電力[W]=TDPという仕様の為、冷却に問題があるようなケースでもクロック制御により、TDPが維持される。(当然、性能は低下する)
 
 
Tc
 Tc は Tcase の略で、CPUコアを覆う金属ケース(ヒート・スプレッダー [IHS])表面の中央部の温度の事で、最大値を Tc-max と言う
TDPが最大となる時 TC-max がクリアできれば、冷却システムの能力は十分ということになる。
 
Tj
 Tj(ジャンクション温度)とはコア温度と同義でダイ内部の温度の事で、intelの場合、サーマル・スロットリング機能が発動する前にコアが到達する最大値を Tjmax と言う
Tcase が60℃でTjmax が100℃とした場合、Tjmax を100℃以下にするためには Tcase が60℃以下になればよい。
Tj とはモバイル・プロセッサーなどのヒート・スプレッダーがないCPUの為に使われるもので、デスクトッププロセッサであれば コア温度で済む話である為、話題で使われる事はあまりない。
Ryzenでは tCTL というヒートスプレッダとシリコンダイとの接合部における温度をレポートする新しいセンサー利用する。
 
 
 
 
tCTL
 tCTL は t-Control の略で、これまで多くのCPUが,半導体内部のジャンクション温度(半導体のP-N接合温度,t-Junction)をCPU温度制御のデータとして利用してきたが、 Ryzenでは tCTL というヒートスプレッダとシリコンダイとの接合部における温度をレポートする新しいセンサー利用するようになった。
メディア向け評価段階ではAM4プラットフォーム向けのCPUやAPUでは,仮にtCTLの最大値が同等であっても,ジャンクション温度とtCTLの温度との関係が異なるケースがあり、 それが原因で,メディアやエンドユーザーの間に若干の混乱を起こしたが、これは発売時に「Ryzen 7 1800XとRyzen 7 1700Xでは,tCTLから20引いた値をジャンクション温度として解釈できる。」として対応した。

※出典はAMD公式blog 投稿タイトル「AMD Ryzen Community Update」にて、広報担当 Robert Hallock  
 
 
 
 
 
 
 
AMD Ryzen Master Utility

AMD Ryzen Master Utility とは Ryzen のオーバークロック制御用ユーティリティである。
Ryzen CPUとDDR4メモリーそれぞれのクロックおよび電圧調整とメモリータイミングの調整ができ、設定したプロファイルを最大4つまで、保存する事が出来る。
システム モニタリングとしての機能もあり、リアルタイム モニタリングと平均/ピークの読み取りを含むコアごとのクロックレートおよび温度ヒストグラムのモニタリングが可能。

AMD Ryzen Master Utility は Threadripper 用と その他全てのRyzen 用の二つがある。
AMD Ryzen Master Utility AMD.com

AMD Ryzen Master Utility のマニュアルについて
 Threadripper 用 AMD Ryzen Masterの例
AMDのAMD Ryzen Master Utility の紹介ページにあるユーザーガイドは英文のみであり、この内容をGoogleなどのwebサービスで日本語に翻訳した場合、 かなり意味不明な文章になってしまう。
ところが、このユーザーガイドを参考にするより Ryzen Master Utility をインストールすると付属する Ryzen Master Help guide (htmlファイルなのでブラウザ上で展開される)を Google Chrome の翻訳機能で利用すると、こちらはかなり意味が通じる翻訳結果になるので Ryzen Master の操作が捗る事は確実だ。
AMD Ryzen Master Utility

AMD Ryzen Master Utility のマニュアルは英語のみであるが 試しにThreadripper 用 AMD Ryzen Masterをインストールすると スタートメニューに3つのアイコンが追加される。
AMD Ryzen Master Utility

そのアイコンの一つである Ryzen Master Help guide と言うアイコンをクリックするとしっかりとした英文マニュアルがWebブラウザ上に展開される。
Windows10で概定のアプリがGoogle Chromeに設定されていればGoogle Chrome上で展開される。
Google Chrome上でマニュアルが展開されていれば、「このページを翻訳」するだけで、場合によっては日本語そのものともいえる精度で意味が通じる日本語に翻訳されたマニュアルに驚くだろう。
ブラウザに Google Chromeを利用しているならぜひ試してみるといいだろう。

Google Chrome上での翻訳結果の例
AMD Ryzen Master Utility
 
記事
 
 
 
 
 
Ryzen 電源プラン 「 Ryzen Balanced 」
 
Balanced power plan optimized for AMD Ryzen™ processors
AMD Ryzen™ Community

解説
RyzenにはSenseMIというプロセッサ制御技術が用いられており、ハードウェアサイドでプロセッサの電圧やクロックをミリ秒単位で瞬時に、細やかに制御することが特徴となっている。
 一方、Windows 10標準の電源プラン「バランス」は、省電力性と性能の兼ね合いからかPステート下のプロセッサに対するパフォーマンス制御のしきい値が高い為に、細かくクロックを上げられず、高負荷アプリケーションの実行ではRyzenの性能を引き出せなかった。
このため、AMDはRyzenの発売当初から「高パフォーマンス」設定での利用を推奨していた。
 さらに、標準の電源プランでは、可能な限り全ての論理コアを低速な状態(Core Parking)とするため、アクティブ状態に遷移するまでのレイテンシによって高負荷アプリケーションの性能が低下するという問題があった。
 
 Ryzen搭載PCに,このチップセットドライバを導入して,Ryzen Balancedを適用することで,電源プランの選択肢から「高パフォーマンス」を選んだときと同程度の性能が得られるという。
 
 すべてのゲームで,常に高パフォーマンス設定と同等以上のフレームレートを実現できるものではない。
AMDによれば,Windows 10の標準設定である「バランス」と比べても,Ryzen Balancedの有効化により,1920×1080ドット~2560×1440ドットの解像度条件においておおむね6~7%のゲーム性能向上を図れるという。

 
 
 

 
 
 
 
Ryzen のモデルナンバーの見方
 
1800X 1700X  
 
 
 
 
 
 
Ryzen の型番の見方
 
1800X 1700X  
 
 
 
 
 
Ryzen のパッケージ
 
 パッケージ1800X 1700X (クーラーなし) 1800X 1700X 1800X 1700X
 パッケージ1800 1700 (クーラー付属) 1800X 1700X 1800X 1700X
 
 
 
 
 
 
Ryzen  製品一覧
 
・コードネーム:Summit Ridge
・プロセス:14nm
・ソケット規格:Socket AM4
PCI Expressレーン数: メモリーコントローラー:2チャンネルDDR4
Ryzen ThreadripperのSKU
製品名 Ryzen 7 1800X Ryzen 7 1700X Ryzen 7 1700X Ryzen 5 1600X Ryzen 5 1600 Ryzen 5 1500X Ryzen 5 1400 Ryzen 3 1300X Ryzen 3 1200
CPUコア/スレッド 8/16 8/16 8/16 6/12 6/12 4/8 4/8 4/4 4/4
定格/ターボ 3.6/4.0GHz 3.4/3.8GHz 3.0/3.7GHz 3.6/4.0GHz 3.6/4.0GHz 3.5/3.7GHz 3.2/3.4GHz 3.5/3.7GHz 3.1/3.4GHz
XFR 4.1GHz 3.9GHz 3.75GHz 4.1GHz 4.1GHz 3.9GHz 3.45GHz 3.9GHz 3.45GHz
L3 16MB 16MB 16MB 16MB 16MB 16MB 8MB 8MB 8MB
TDP 95W 95W 65W 95W 65W 65W 65W 65W 65W
発売日 2017/03/03 2017/03/03 2017/03/03 2017/04/11 2017/04/11 2017/04/15 2017/04/15 2017/07/28 2017/07/28
 
Ryzen 7 1800X / Ryzen 7 1700X / Ryzen 5 1600X  クーラー無し ※1
※1 組込向け(BTO)でのみ提供。Wraith Max(レイスマックス) LED照明機能付き + 高冷却版が付属 

Ryzen 7 1700  クーラー付属 Wraith Spire(レイススパイア) LED照明機能付き 騒音レベル32dBA
Ryzen 7 1600 / Ryzen 7 1500  クーラー付属 Wraith Spire(レイススパイア) 騒音レベル32dBA
Ryzen 7 1400 / Ryzen 7 1300X / Ryzen 5 1200 クーラー付属 Wraith Stealth(レイスステルス) 騒音レベル28dBA
 
 
 
 
 
 
XFR(Extended Frequency Range )とは
 
プロセッサの冷却条件次第で最大ブーストを超えるクロックで動作する機能の事
XFRはブーストアップしたクロックが最大時に単一スレッドが最大値を超えて動作する
XFRの条件は他コアのクロックはC6-Stateに固定される必要がある

 
 ブーストの条件
 
スペック表で表記されている最大ブースト値は2コア使用時
全コアブーストは全コアがアクティブ状態でターボ動作となる 
最大ブーストは2コア以下がアクティブ状態でターボ動作 
製品名定格全ブ―スト最大ブ―ストXFRC6-State
Ryzen 7 1800X3.6GHz3.7GHz4.0GHz4.1GHz2.2GHz
Ryzen 7 1700X3.4GHz3.5GHz3.8GHz3.9GHz2.2GHz
Ryzen 7 17003.0GHz3.2GHz3.7GHz3.75GHz1.55GHz
Ryzen 5 1600X3.6GHz3.7GHz4.0GHz4.1GHz2.2GHz
Ryzen 5 16003.2GHz3.4GHz3.6GHz3.7GHz1.55GHz
Ryzen 5 1500X3.5GHz3.6GHz3.7GHz3.9GHz1.55GHz
Ryzen 5 14003.2GHz---3.4GHz3.45GHz 1.55GHz
Ryzen 5 1300X3.5GHz3.6GHz3.7GHz3.9GHz1.55GHz
Ryzen 5 12003.1GHz---3.4GHz3.45GHz1.55GHz
 
 
 
 
 
 
 
AMD SenseMI Technology

ユーザーの好みとアプリケーションに合わせてRyzenプロセッサーのパフォーマンスをカスタマイズする。
一連の学習および適応機能をもつテクノロジーで、思考するパフォーマンスを目的として開発した5つの要素技術のこと。
仕組みは,合計数百個とも言われる電圧や電流,温度の各種センサーをプロセッサ内に配置し,そのデータを参照しながら, リアルタイムかつ適応型の内部操作処理を行うというもの。

5つの要素技術は、

1.電力制御に関わるもの・・・・・・・・・・・・・・・・・Pure Power
2.プロセッサの動作クロック・・・・・・・・・・・・・・・Precision Boost
3.プロセッサの冷却状況の判断・・・・・・・・・・・・・・Extended Frequency Range(XFR)
4.予測結果合否フィードバックによる動的な分岐予測技術・・Neural Net Prediction
5.予測結果合否フィードバックによるメモリアクセス・・・・Smart Prefetch

上記5つの要素で構成される

AMD SenseMIテクノロジーはすべてのRyzenプロセッサーに搭載されているが、個々の機能およびその有効化は製品やプラットフォームによって異なる場合がある。


5つの要素技術解説
 
 
Neural Net Prediction
人工知能による分岐予測の一種。原理はディープラーニングと同じで、3層以上のネットワークを構築することで効果的に動作する。
欠点は予測に要するレイテンシーが増えることで、精度を上げるにはネットワークの層数を増やすのが効果的である一方、層数を増やすと処理が重くなり、レイテンシーや消費電力が増えるという欠点がある為、分岐予測の精度とのバランスを取ることで層数を決めるが、そこは企業秘密となる。
neural-net-prediction
 
 
 
 
Smart Prefetch
学習アルゴリズムを用いてアプリケーションの仕組みを把握、必要なデータを予測し、必須データをRyzenプロセッサーにプリロードする事によって、高速かつ応答性に優れた演算処理を実現する事を目的とする。
smart-prefetch-icon-372x300
 
 
 
 
Pure Power
CPUコア(ダイ)に分散されたセンサーで、電圧・動作周波数・温度などをリアルタイムに測定を繰り返しながら測定毎の結果をベースに動作周波数を変えずに少しずつ消費電力を下げるように動作させる。
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Precision Boost
従来は100MHz刻みだった周波数倍率を25MHz刻みに変更し、CPUコア(ダイ)に分散されたセンサーで、電圧・動作周波数・温度などをリアルタイムに測定を繰り返しながら測定毎の結果をベースに消費電力を変えずに動作周波数を上げるように動作させる。
precision-boost-icon-320x300
Precision Boost2
Ryzen APU 以降から採用。従来は、1コアまたは2コアがアクティブだった場合に、アクティブコアの動作周波数をブーストしていたが、すべてのコアを対象に 動作周波数を適切な範囲内で上げることでCPUコアの数に関わらずパフォーマンスの応答性を向上させるようになった。
 
 
 
 
 
 
Extended Frequency Range(XFR)
CPUの冷却具合によって自働でPrecision Boostの限界周波数を超える動作周波数を可能とする。
 ▼XFRにおけるブーストの条件 

extended-frequency-range-icon-360x300
Mobile XFR(mobile Extended Frequency Range(mXFR))
 
Mobile XFRでは、冷却能力に応じて、ブーストされた周波数をより長い時間持続させるとともに温度センサーによってブースト時間を最適化するようになっている。

XFR 2.0
Ryzen 2000 以降から採用。すべてのコアを対象に積極的に動作周波数を適切な範囲内で上げることでパフォーマンスの応答性を向上させるようになった。
 
 
 
 
 
Ryzen CPUが備えるI/O
 
M.2 SATA SSD及びNVMe。
 
Dual-channel DDR4メモリ対応。
 
PCI-Expresss 3.0が24レーン、内訳は16レーンは3-way CrossFireと2-way SLIに対応。
残りのPCI-Express 3,0は4レーンがストレージ向け、4レーンがLANやUSB 3.1 Gen 2向けとなる。
 
USB 3.1 Gen 1が4ポート、USB 3.1 Gen 2は2ポート、USB 2.0は6ポート。
 
SATA 6.0Gbpsは2ポート。
 
 
 
 
Ryzenの名称の由来
 
Ryzenの名称の由来はRisen(復活)とZEN(禅)を掛けた物だという
 
 
 
 
 
メモリのRankとは?
 
Rankというのはメモリの動作単位のこと。自作PCで使われるDDR4などのDIMMは複数のDRAMチップで構成されているが、これらのチップは必ず64bitの単位で構成され、 その64bitの集まりをRankと言い、1枚のDIMMに64bitになるDRAMのグループが1つであれば1Rank、2つであれば2Rankとなる
メモリコントローラはRank毎にやりとりを行なうので、2Rankメモリでは電気的には2枚のメモリが刺さっていることになり、メモリコントローラによっては搭載できる枚数が減るなど、 制約が発生する場合がある。
1RankのDIMMはDRAMが片面のみに実装されている物が多いので、DRAMが片面のみ=1Rankと思い込みやすいが、両面実装で1Rankも存在する。
 
 
 
 
 
 
 
 
AGESAとは?
 
AMDの汎用カプセル化ソフトウェアアーキテクチャ(AGESA)
AGESA(AMD Generic Encapsulated Software Architecture)とは、システムを初期化するためにAMD64メインボード上で使用されるプロトコルだ。
このソフトウェアは、マザーボードベンダーが関与できないCPUコア、メモリ、HyperTransportなどコントローラ部分や機能を初期化しアンロックや修正うを行うもので、 AGESAアップデートとは、この新しいマイクロコードがDDR4メモリのサポートを改善し、いくつかの軽微なCPUの問題を修正することを意味する。
 
 
 
 
 
 
 
A-XMPとは?
 
A-XMP(AMD-Extreme Memory Profile)とは、インテルの提唱するメモリ拡張規格であるXMPと同様のAMD独自のメモリ用オーバークロック規格。
BIOSにA-XMP Profileを内蔵し、A-XMP対応メモリを使用すれば容易にメモリのオーバークロックができるというもの。
 
 
 
 
 
 
 
組み込み向けZenアーキテクチャ
 
2018年2月21日に発表された Zenアーキテクチャを組み込み向けに展開したシリーズ。
CPUの「EPYC Embedded 3000」シリーズとAPUの「Ryzen Embedded V1000」シリーズがある。

Ryzen Embedded V1000は,2~4基のCPUコアとVega世代のGPUコアやEthernetコントローラ,サウスブリッジ機能を統合したSoCで,カジノ向けゲーム機器や医療機器,産業用端末を主な用途としている。
最大4枚の4K解像度ディスプレイへの表示や,10Gbit Ethernetを最大2系統まで対応可能。
最上位モデル「Ryzen Embedded V1807B」は,デスクトップPC向けの「Ryzen 5 2400G」に相当する。
デフォルトのTDPが15Wの「Ryzen Embedded V1202B」は,同じくTDP 15Wの「Core i3-7100U」と比べて,マルチスレッド性能で最大46%上回る。
「3DMark 11」によるGPU性能比較では,Ryzen Embedded V1807Bが「Core i7-7700HQ」比で最大3倍の性能を発揮するとしている。
Ryzen Embedded V1000

EPYC Embedded 3000は,GPU機能は備えていないが、4~16基のCPUコアと最大64レーンのPCI Express Gen.3インタフェース機能,10Gbit Ethernetコントローラなどを統合したSoCで,サーバーやデータセンターで使われるようなネットワーク機器やストレージシステムなどをターゲットにしている。
AMDがEPYC Embedded 3000シリーズの競合に位置付けているのは,Intelの組み込み向けCPUであるXeon D-1500となっている。
EPYC Embedded 3451は,「Xeon D-1587」と比較して,処理性能で最大50%,価格対性能比では2.7倍に達しているという。
EPYC Embedded 3000
 
EPYC Embedded 3000
EPYC Embedded 3000は、高いI/Oスケーラビリティやセキュリティを特徴とし、競合に対して1ドルあたり2倍~2.7倍の性能を提供。
また、10年間の長期供給やロングライフサイクルサポートロードマップも保証される。
コア数は4/8/12/16の4種類で、PCI Express 3.0は最大で64レーン。
加えて、最大8つの10Gigabit Ethernet、1CPUあたり4チャネル、容量最大1TBのメモリの搭載が可能。
EPYC Embedded
モデル 3451 3401 3351 3301 3251 3201 3151 3101
コア数/スレッド 16/32 16/16 12/24 12/12 8/16 8/8 4/8 4/4
TDP 100W 85W 80W 65W 50W 30W 45W 35W
ベースクロック 2.15㎓ 1.85㎓ 1.9㎓ 2㎓ 2.5㎓ 1.5㎓ 2.7㎓ 2.1㎓
All Cores Boost 2.45㎓ 2.25㎓ 2.75㎓ 2.15㎓ 3.1㎓ 3.1㎓ 2.9㎓ 2.9㎓
Max Boost 3㎓ 3㎓ 3㎓ 3㎓ 3.1㎓ 3.1㎓ 2.9㎓ 2.9㎓
L3キャッシュ 32MB 32MB 32MB 32MB 16MB 16MB 16MB 8MB
DDR4チャネル 4 4 4 4 2 2 2 2
最大メモリクロック 2,666MHz 2,666MHz 2,666MHz 2,666MHz 2,666MHz 2,133MHz 2,666MHz 2,666MHz
PCI Eレーン数 x64 x64 x64 x64 x32 x32 x32 x32
Tj(℃) 95 105 95 95 105 95 95 95
 
 
Ryzen Embedded V1000
Ryzen Embedded V1000は従来から最大2倍の性能を実現しつつ、フォームファクタや熱による制限を軽減。
4つのディスプレイ出力が可能で、4K解像度、そして将来的には5K解像度のコンテンツへの対応を謳っており、超音波を使用する医療イメージング機器などに好適という。
Ryzen Embedded
モデル V1807B V1756B V1605B V1202B
コア数/スレッド 4/8 4/8 4/8 2/4
TDP 35-54 35-54 12-25 12-25
ベースクロック 3.35GHz 3.25GHz 2GHz 2.3GHz
1 Core Boost 3.8GHz 3.6GHz 3.6GHz 3.2GHz
GPU CU 11 8 8 3
GPUクロック 1.3GHz 1.3GHz 1.1GHz 1GHz
デュアルEthernet 10Gigabit 10Gigabit 10Gigabit 1Gigabit
メモリ速度 3,200MHz 3,200MHz 2,400MHz 2,400MHz
L2キャッシュ 2MB 2MB 2MB 1MB