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テレビドラマトピックスバックナンバー(1998年) |
去る11月2日から、ギリシャ北部のテッサロニキで開催されていた第39回テッサロニキ映画祭で、22日、ドラマ「水の中の八月」(NHK)を演出した高橋陽一郎さんが、最優秀外国作品賞にあたるゴールデン・アレクサンダー賞を受賞しました。同賞は、1992年に映画「死んでもいい」で石井隆さんが受賞されたことがあります。
「水の中の八月」は東京湾岸の町を舞台に大人の世界の入口にたった少年のひと夏の体験を描いた作品で、1997年12月に東京で開催された第2回アジアフィルムフェスティバルに出品され本年3月にNHK-BS2で放送されたハイビジョン制作によるテレビドラマ。本作の演出により、高橋陽一郎さんは去る10月にもスペインのサンセバスチャン国際映画祭で新人監督賞を受賞されています。
高橋陽一郎さんの主な演出作品としては、「連続テレビ小説/ひらり」(1992
NHK)、「水曜シリーズドラマ/暴力教師〜君に伝えたいこと」(1996
NHK)、「連続テレビ小説/天うらら」(1998
NHK)などがあります。現在はNHK大阪放送局芸能部所属、35歳。
今年の3月から8月にかけてNHKほかで放送されたドラマスペシャル「水の中の八月」が、スペインで開かれたサンセバスチャン国際映画祭でこの作品の演出を手がけた高橋陽一郎さんに新人監督賞が贈られたことが16日までに明らかになりました。同映画祭はベネチア、カンヌ、ベルリンに次ぐ欧州の大規模な国際映画祭のひとつで、日本人の同賞の受賞は初めて。
「水の中の八月」は世界中の人々がうごめく東京湾岸の町を舞台に、大人の世界の入口に立った少年が体験するひと夏の青春を描いた作品でその独特の世界が高い評価を受けていました。NHKではこの24日午前1時から再放送することにしています。
「水の中の八月」は続いてこの18日からブラジルのサンパウロ映画祭にも出品されます。
「ザ・テレビジョン」誌選出の第18回ドラマアカデミー賞が同誌の10月9日号で発表されました。
同誌は毎クール、読者投票及び審査員、テレビ記者の投票をもとに「ドラマアカデミー賞」を選出しており、18回を数える今期の受賞は、作品賞をはじめ8部門で「神様、もう少しだけ」(CX)が独占する結果となりました。
受賞作品は以下のとおり。
最優秀作品賞 | 「神様、もう少しだけ」 | CX(金城武さん、深田恭子さん主演) |
主演男優賞 | 金城武さん | (CX「神様、もう少しだけ」出演により) |
主演女優賞 | 中谷美紀さん | (NTV「ハルモニア この愛の涯て」出演により) |
助演男優賞 | 上川隆也さん | (TBS「青の時代」出演により) |
助演女優賞 | 深田恭子さん | (CX「神様、もう少しだけ」出演により) |
主題歌賞 | LUNA SEA | (CX「神様、もう少しだけ」の主題歌「I for You」により) |
新人俳優賞 | 須藤理彩さん | (NHK「天うらら」出演により) |
ベストドレッサー賞 | 稲森いずみさん | (CX「ハッピーマニア」出演により) |
脚本賞 | 浅野妙子さん | (CX「神様、もう少しだけ」脚本により) |
監督賞 | 武内英樹さん、田島大輔さん、 岩本仁志さん、西浦匡規さん |
(CX「神様、もう少しだけ」演出により) |
撮影賞 | 「ハルモニア この愛の涯て」 | (NTV) |
キャスティング賞 | 「神様、もう少しだけ」 | (CX「神様、もう少しだけ」のキャスティングにより) |
タイトルバック賞 | 「神様、もう少しだけ」 | (CX) |
ザテレビジョン特別賞 | 「お熱いのがお好き?」 | (NTV) |
10月6日からスタートする「やんちゃくれ」の後番組として来年4月にスタートする連続テレビ小説が去る9月16日、NHKより発表されました。タイトルは「すずらん」。脚本は昨年の「あぐり」を執筆して好評だった清水有生さんのオリジナル。
ドラマは今世紀の初頭に北海道・旭川近くの小さな駅で孤児として拾われたヒロインが様々な困難を克服し「鉄道の母」と称されるまでに至る波乱の人生を描く一代記といいます。現在新人のヒロインは選考中とのことで、10月中旬に発表されることになっています。
大河ドラマ「春の波涛」(1985 NHK 中島丈博さん脚本)とその解説本が自著の著作権侵害であるとして、作家の山口玲子さんがNHKなどに総額1,000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めていた訴訟の上告審判決が去る9月10日、最高裁第一小法廷で行われました。
ドラマの原作は杉本苑子さんの2本の作品(「マダム貞奴」「瞑府回廊」)とされていましたが、作家・山口玲子さんは、自著「女優貞奴」の一部エピソードが流用されているとして損害賠償と謝罪広告を求めて訴訟を起こし、去る94/07/29に名古屋地裁で1審判決がおり、作品の一部が流用されていたことは認定されましたがいずれも歴史的事実の域を出ていないとして著作権侵害はなかったとの判決がおりていました。
続く2審でも同様の判決がおりていましたが、今回の判決で、最高裁は、この1,2審の判決を支持、山口さんの上告を棄却しました。
大河ドラマ「春の波涛」作品データ 中島丈博さん主要脚本ドラマ一覧
中島丈博さんプロフィール
去る9月5日付で、テレビ朝日(全国朝日放送)の機構改革が実施され、組織構成の見直しが実施されました。改革では、総務本部、経営管理本部、営業本部、ネットワーク・マルチメディア本部、編成・制作本部を新設し、各本部の下に、局を設置したのが特徴。また、総務本部の下に新社屋建設局が設けられたことが注目されます。
ドラマ制作部門に関連した異動では、全番組の編成、制作を統括する編成・制作本部が新設され、本部長には副社長の広瀬道貞さんが就き、編成局の編成専任局長には「終りに見た街」や「シリーズ街」など多数のドラマを手がけて定評のある岩永恵さん、制作局のドラマ制作専任局長には「土曜ワイド劇場」をプロデュースされてきた一杉丈夫さんが就任されました。
第4回讀賣テレビシナリオ大賞の受賞者が去る8月28日発表されました。応募作1154編の中から大賞には、東京都在住でトラック運送業の望月武さん(30歳)による、再婚した女性と前夫との奇妙な共同生活を描いたコメディ「フレンチポテト・カップ」が選ばれました。またこのほか、優秀賞には会社役員・坂部恵子さんと会社員・川西麻智子さんの合作「毀(こわ)れた玩具」、主婦・笠原眞智子さんの「永遠の約束〜臓器移植〜」が選ばれました。
讀賣テレビシナリオ大賞では、昨年の第3回で選ばれた「楽園の橋」が今年鶴橋康夫さん演出でドラマ化されて高い評価を得ており、今回受賞作についても来春のドラマ化が期待されています。
脚本家の伴一彦さんが、このほど公式ホームページ「BAN IS FOR BAN」を開設し、そのホームページ上で、自作シナリオ「WITH LOVE」を順次公開して話題になっています。「WITH LOVE」は今年4月からフジテレビ系で放送された連続ドラマで、E-MAILのやりとりによる相手の顔が見えない恋愛を描き話題となった作品で、このほど、このドラマの協力をおこなったぷららの協力のもとホームページが設置されたものです。シナリオは、伴一彦さんが執筆したものをそのまま公開しているため、実際に放送された内容との相違を楽しむのも一興です。また掲示板も設置されており、内容次第では直接伴さんからコメントを受けたり、今後の伴一彦さんの活動がわかりドラマファンには必見のサイトといえます。
「太陽にほえろ!」(1972〜86 NTV)、「俺たちの勲章」(1975 NTV)、「俺たちの旅」(1975NTV)をはじめ多数のテレビドラマを執筆してきた脚本家の桃井章(ももい・あきら)さんが、脚本業を「廃業」したことを自ら明らかにされました。これは、7月に発売された雑誌「ドラマ」1998年8月号(映人社刊)で自ら明らかにされているもので、それによれば1998年5月27日にすでに脚本家連盟に退会届を提出、さらに税務署にも個人事業の廃止届を提出したといいます。
寄稿記事によれば、「脚本家になった頃から仕事の注文が半年なかったら廃業しようと決めていました。そう思いつつ26年、何とか続けて来た脚本家稼業でしたが、ついにその時が来ました」と語っておられますが、昨年も3本の2時間ドラマを発表されていただけに意外の感は否めません。
桃井章さんは、1947年11月3日東京都出身。シナリオ研究所修了後、PRライターを経て1972年執筆した映画「真夜中の妖精」(1973)で脚本家デビュー。以後、テレビドラマ・映画で数多くの作品を発表。
主な作品としては、テレビドラマでは、「太陽にほえろ!」(1972〜86
NTV)、「俺たちの勲章」(1975 NTV)、「俺たちの旅」(1975 NTV)、「特捜最前線」(1977
NET・ANB)、「熱中時代(1)」(1978 NTV)、「ゆうひヶ丘の総理大臣」(1978
NTV)、「陽はまた昇る」(1979 CX)、「木曜座/逢いたくて」(1980 MBS)、「先生は一年生」(1981
NTV)、「私鉄沿線97分署」(1984 ANB)、「ニュータウン仮分署」(1988 ANB)、「お父さんは心配症」(1994
ABC)、「先生はワガママ」(1994 ABC)、「八神くんの家庭の事情」(1994
ABC)、「ダブルマザー」(1995 THK)、「土曜ワイド劇場/法医学教室の事件ファイル」(1997
ANB)など、映画では「赤ちょうちん」(1974)、「釣りバカ日誌」(1988)、「結婚」(1993)、「雷電」(1994)などがあります。これら多数の印象に残る作品を手がけてこられただけにその引退を惜しむ声もあがっています。
今後は趣味だった料理の分野を職業にし、7月には東京広尾にバー&レストランを開業するとともに女性誌に料理関係の連載記事を寄稿していくとのことです。なお、桃井章さんは女優の桃井かおりさんの兄にあたります。
去る7月20日、俳優の須賀不二男(すが・ふじお、本名・蜂巣賀昭行(てるゆき))さんが腎臓がんのため、東京都内の病院で死去されました。80歳でした。
須賀さんは1919年(※)7月27日兵庫県淡路島生まれ。中学卒業後、念願だった少年航空兵を胸を患って断念。俳優を志し、大泉演技研究所を経て、1937年新興キネマに入社。映画「人生の初旅」ほかに出演。その後、応召。除隊後の1939年、古川緑波一座に入り軽演劇の舞台を踏みます。その後、吉本歌劇隊を経て緑波一座に戻り戦後は劇団たんぽぽ、空気座、劇団新風俗と移り、1952年9月松竹入社。手堅い演技派の脇役として数多くのテレビドラマ、映画、舞台で活躍されました。とくに悪役として強烈な個性を発揮されました。
代表作としては、テレビドラマでは「新・座頭市」(1976 CX)、「必殺からくり人(1)」(1976 ABC)、「新必殺仕事人」(1981 ABC)、「ドラマ人間模様/極楽への招待」(1987 NHK)、「水戸黄門」(TBS)、「大風呂敷」(TX)、映画では、「君の名は」「日本の悲劇」(以上1953)、「真実一路」(1954)、「早春」(1956)、「東京暮色」(1957)、「彼岸花」(1958)、「お早う」(1959)、「秋日和」(1960)、「沓掛時次郎」「悪名」(以上1961)、「秋刀魚の味」(1962)、「白い巨塔」(1966)、「昭和残侠伝(6)・人斬り唐獅子」(1969)、「極道の妻たち(4)最後の戦い」(1990)、「119」(1994)、「東京日和」(1997)など、舞台では「屋根の上のヴァイオリン弾き」に初演から出演してきたほか「孤愁の岸」「毒薬と老嬢」が挙げられます。
(※・資料によっては1927年の同日生まれと記載されていますが誤記と思われます)
放送作家の須藤出穂(すどう・いずほ)さんが去る7月10日、肺ガンのため、東京都中野区内の病院で亡くなられました。75歳でした。
須藤さんは、1923年3月29日東京都生まれ。大学在学中だった1949年、NHKの専属ライター室に入り、以後テレビドラマを多数執筆されました。
主なテレビドラマとしては、「バス通り裏」(1958NHK)「文五捕物絵図」(1967NHK)「天と地と」(1969NHK)「ふりむくな鶴吉」(1974NHK)「馬六先生人生日記」「少年ドラマシリーズ(5作品)」(NHK)などがあります。
また、ラジオドラマも多数執筆され、「走れ源太」「日曜名作座」などのほか、最近までNHK-FMの「FMシアター」でのラジオドラマを多数発表されてきました。「FMシアター」での最近の作品としては、「火の山」(1985)「止まってしまった時計」(1987)「夏の別れ・1987年」(1987)「唐黒の壺」(1989)「街の底にもう一つの街が…」(1990)「ありなしの茜」(1997)があります。このほか、戯曲「判官どのに乾盃」や、幼児向け番組「おかあさんといっしょ」(NHK)の構成も担当されました。
後年はテレビ・ドキュメンタリーに活動の中心をうつし、RKBディレクター・上坪隆さんとのコンビを組んだ作品で知られています。大杉栄、伊藤野枝の遺児・伊藤ルイさんの人生を背景にドラマとドキュメンタリーを融合させて描いた昭和史「ルイズ・その絆」(1982RKB、芸術祭優秀賞・地方の時代賞受賞)をはじめ、「おおわがライン川」「この春筑豊で」「突撃一番―従軍慰安婦たち」など多数のドキュメンタリーを発表。また、1989年には東京都中野区の教育委員もつとめました。
俳優の幸田宗丸(こうだ・むねまる)さんが去る9日、胆管ガンのため千葉県柏市内の病院で亡くなられました。78歳でした。幸田さんは1920年5月30日熊本県生まれ。早くから役者を志され、敗戦後パン屋で働きながら劇団文化座で活躍。
その後、草創期のテレビドラマに転じ、「ダイヤル110番」(1957〜64、NTV)、「バス通り裏」(1958〜63、NHK)などに出演。この「ダイヤル110番」での刑事役がはまり役となり、最近では「ゴリラ」(1989〜90、ANB)で警視総監に扮するなど刑事ドラマで活躍するとともに、刑事役から波及して「ウルトラマン」(1966〜67、TBS)での参謀役を皮切りに「ウルトラセブン」(1967〜1968、TBS)、「帰ってきたウルトラマン」(1971〜72、TBS)、「ミラーマン」(1971〜72、CX)など多数の特撮ドラマで隊員役や隊長役を好演されました。
1973年ごろからは時代劇の悪役も演じ、1989年の「暴れん坊将軍」で頭を剃って以後、カツラをつけるのにも便利なスキンヘッドを続け、「大岡越前」シリーズ(TBS)にも水野和泉役としてセミレギュラー出演されました。
幸田宗丸さん主要出演ドラマ
(本項の参考資料・日外アソシエーツ刊「テレビ・タレント人名事典 第2版」(1995))
放送されたドラマに対して定期的に賞を贈っている「ザ・テレビジョン」(角川書店刊)、「テレビライフ」(学研刊)両誌の受賞作品が出そろいました。
「ザ・テレビジョン」誌は毎クール、読者投票及び審査員、テレビ記者の投票をもとに「ドラマアカデミー賞」を選出しており、17回を数える今期の受賞は、作品賞をはじめ5部門で「ショムニ」(CX)が独占する結果となりました。また、全14部門のうち13部門でフジテレビのドラマが受賞しました。
一方の「テレビライフ」誌は年度上半期、年度の年2回「ドラマ大賞」を選んでおり、「'98年上半期ドラマ大賞」には作品賞に「聖者の行進」(TBS)が選ばれました。
両賞の受賞は以下のとおり。
最優秀作品賞 | 「ショムニ」 | CX(江角マキコさん主演、船津浩一さんP) |
主演男優賞 | 竹野内豊さん | (CX「WITH LOVE」出演により) |
主演女優賞 | 江角マキコさん | (CX「ショムニ」出演により) |
助演男優賞 | 岸谷五朗さん | (CX「ブラザーズ」出演により) |
助演女優賞 | 木村佳乃さん | (CX「ブラザーズ」出演により) |
主題歌賞 | MY LITTLE LOVER | (CX「WITH LOVE」の主題歌「DESTINY」により) |
新人俳優賞 | 及川光博さん | (CX「WITH LOVE」出演により) |
ベストドレッサー賞 | 藤原紀香さん | (CX「WITH LOVE」出演により) |
脚本賞 | 高橋留美さん、 橋本裕志さん |
(CX「ショムニ」脚本により) |
監督賞 | 鈴木雅之さん、 土方政人さん、 平野眞さん、徳市敏之さん |
(CX「ショムニ」演出により) |
撮影賞 | 「WITH LOVE」 | (CX) |
キャスティング賞 | 「ショムニ」 | (CX「ショムニ」のキャスティングにより) |
タイトルバック賞 | 「カミさんなんかこわくない」 | (TBS) |
ザテレビジョン特別賞 | 「さらば鬼平犯科帳」 | (CX) |
作品賞 | 聖者の行進 | TBS(いしだ壱成さん主演、伊藤一尋さんP) |
主演男優賞 | いしだ壱成さん | (TBS「聖者の行進」出演により) |
主演女優賞 | 江角マキコさん | (CX「ショムニ」出演により) |
助演男優賞 | 岸谷五朗さん | (CX「ブラザーズ」出演により) |
助演女優賞 | 松本恵さん | (ANB「ガラスの仮面」出演により) |
脚本賞 | 野島伸司さん | (TBS「聖者の行進」脚本により) |
主題歌賞 | SMAP | (CX「ブラザーズ」主題歌「たいせつ」により) |
新人賞 | 滝沢秀明さん | (CX「ニュースの女」出演により) |
「仮面の忍者・赤影」の白影役をはじめ多数のドラマの名脇役として活躍されていた俳優の牧冬吉(本名・岡村信行)さんが6月27日午後9時4分、間質性肺炎のため入院先の京都市内の病院で亡くなられました。67歳でした。
牧冬吉さんは1930年11月28日、秋田県大館市出身。学校を卒業後、舞台芸術学院に入り、1951年中退して劇団・前進座に入団。1955年、劇団・舞芸座に移り以降、8年間にわたり新劇の舞台で活躍。
1959年、テレビドラマ「豹(ジャガー)の眼」(KR)の殺し屋ジョー役、「快傑ハリマオ」(1960NTV)のギャングのボス・キャプテンKK役で注目され、「隠密剣士」第二部(1962TBS)に霧の遁兵衛役に抜擢され、茶の間の人気を得ました。その後も、「柔道一直線」(1969TBS)の嵐先生役や、「仮面の忍者・赤影」(1967KTV)の白影役が茶の間に親しまれ、人気を博しました。
最近になっても「12時間ワイドドラマ・豊臣秀吉天下を獲る!」(1995TX)や「闇の謝肉祭」(1997YTV)をはじめ、「御家人斬九郎」(CX)へのレギュラー出演などで活躍されていましたが、今年3月、自宅の階段から落ちて、内臓を痛め入院。集中治療室での治療もむなしく一度も意識を回復されることなく息を引き取られました。
去る5月27日、優れた放送作品に贈られる「ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)の第35回の贈賞式が都内で開催されました。
今回のギャラクシー賞の受賞作品のうちテレビドラマ関連としては、優秀賞として、「劇的紀行・深夜特急'97『西へ!ユーラシア編』」(NBN
)、「元日特別企画/天城越え」(TBS)の2作品が受賞したほか、ギャラクシー賞選奨として、「森繁久彌ドラマスペシャル/おじいさんの台所」(TX)、「土曜ドラマ/熱の島で ヒートアイランド東京」(NHK)、「きらきらひかる」(CX)がそれぞれ選ばれました。この結果、「熱の島で ヒートアイランド東京」は放送文化基金賞とダブル受賞となります。
また、個人賞として、「おじいさんの台所」(TX)、「春燈」(NHK)ほかの演出により、演出家・プロデューサーの大山勝美さんが受賞されました。
なお、本賞の詳細につきましては、GALACホームページの、決定! 第35回ギャラクシー賞で紹介されています。
7月からスタートする金曜ドラマ「ランデヴー」(TBS)の主題歌に、華原朋美さんの「Here we are」が選ばれたことが30日までに明らかになりました。華原さんが連続ドラマの主題歌を担当するのははじめて。CDは7月29日発売予定で、ワーナーミュージック移籍後第2弾となります。
(社)シナリオ作家協会の60周年を記念して公募された「日本シナリオ作家協会賞」が決まり、去る29日、授賞式が行われました。504本の応募シナリオの中から、馬場当(ばば・まさる)さんの「豆腐屋の女房(かみさん)」と、田中陽造さんの「ちょんぎれちょんぎれ〜青春紙風船」が選ばれ、賞金200万円が贈られました。受賞された馬場さん、田中さんは二人とも現役の第一線で活躍されている脚本家です。
放送文化の向上に寄与した番組や個人に贈られる1997年度放送文化基金賞((財)放送文化基金主催)が、去る28日、発表されました。今年は17番組、12個人・グループが選ばれましたが、テレビドラマ部門では、本賞に「土曜ドラマ/熱の島で〜ヒートアイランド東京」(NHK)が選ばれたほか、女優演技賞にも同作に主演された薬師丸ひろ子さんが選ばれました。
「熱の島で」は昨年11月29日に放送された作品で、東京を舞台に気象予報会社で予報を担当する女性(薬師丸ひろ子さん)と、重い過去を背負った日本語学校の教師の男性(根津甚八さん)との交流を描いた作品でした。脚本は井上由美子さん、演出は笠浦友愛さん。
薬師丸ひろ子さん主要出演ドラマ
薬師丸ひろ子さんプロフィール
「土曜ドラマ/熱の島で〜ヒートアイランド東京」作品データ
井上由美子さん主要脚本ドラマ
笠浦友愛さん主要演出ドラマ
野島伸司さんや坂元裕二さん、尾崎将也さん、金子ありささんなど現在のテレビドラマの中心を担う脚本家を多数輩出してきたフジテレビ主催「ヤングシナリオ大賞」の第10回の授与式が去る22日、東京・台場の同局内で行われました。大賞には、東京・三鷹市在住の主婦・加藤美知代さん(27)の「すばらしい日々」が選出され、賞金500万円が贈られました。
「すばらしい日々」は、九州の温泉町を舞台に、都会に出て映画監督を目指そうとする17歳の青年と町の人々との交流を描いた作品で、今秋ドラマ化される予定です。
現在放送中のドラマ「ラブ・アゲイン」(TBS、木曜22時〜)の放送予定が、全9回と2回短縮されることが明らかになりました。当初は11回の放送予定でした。これは先週15日までに決まったもので、短縮の理由は不明ですが、一説には視聴率的に不振であるためといわれています。
脚本家の橋田壽賀子さんが設立した橋田文化財団が主催し、優秀なテレビ番組と個人に贈られる橋田賞の授賞式が去る5月10日に行われました。
今回は大賞がなく、ドラマ関係としては、橋田賞として脚本家・清水有生さんがドラマ「連続テレビ小説・あぐり」(NHK)の脚本により受賞されたほか、女優・竹下景子さん、演出家・井下靖央さん、美術・高橋善之さんがそれぞれ受賞されました。
戦前から戦後にかけて時代劇映画を中心に活躍され、その後舞台などで活動されていた俳優の高田浩吉さんが、去る19日、肺炎のため、京都市内の病院で死去されました。86歳でした。
高田さんは1911年兵庫県園田村(現・尼崎市)生まれ。1926年に松竹下加茂撮影所に入り、時代劇映画で活躍。1935年、自ら主題歌を歌った「大江戸出世小唄」がヒット。唄う銀幕スターの先駆けともいわれました。戦中と戦後にかけては一時期高田浩吉劇団を結成し地方巡業をされていました。このときの劇団の弟子には鶴田浩二さんがいらっしゃいました。その後、1953年、自らのヒット曲の映画化作品「晴れ姿・伊豆の佐太郎」で主役にカムバック。奇跡のカムバックといわれました。以後、多数の時代劇映画に出演。
その後、時代劇の退潮とともに活動の場を舞台、テレビドラマに移し、テレビドラマとしては「風雲真田城」(1964ABC)での真田幸村役をはじめ、ABC初の連続スタジオドラマ「伝七捕物帖」(1968ABC)などに主演されました。
ドラマ史に残る作品といわれる「金曜ドラマ/淋しいのはお前だけじゃない」(1982TBS)を発表したコンビ(高橋一郎さん演出、市川森一さん脚本、西田敏行さん主演)による新作の2時間ドラマがこのほど制作され、この5月25日(月)に放送されることが分かりました。タイトルは「刑事(でか)クマさん」。
「淋しいのは…」は、第1回向田邦子賞(脚本・市川森一さん)を受賞するなど特にドラマ玄人筋に高い評価を得た作品ですが、視聴率的には同じコンビによる「金曜ドラマ/港町純情シネマ」(1980TBS)に続いて大きな不振を記録したため、編成サイドからは「もうあのコンビは組ませない」とまでいわれ、長らくこの組み合わせの再現は実現できないままでいました。
わずかに1995年の高橋一郎さんのTBS退社記念作品のオムニバス「今夜もテレビで眠れない」の中の1エピソードで実現したものの、2時間ドラマとして、今回は待望のコンビ復活作品となります。なお、高橋一郎さん演出、市川森一さん脚本の2者によるドラマとしてはこのほかに「水曜ドラマスペシャル/ただ一度の人生」(1986TBS)があります。
高橋一郎さん主要演出・プロデュース作品
市川森一さん主要脚本作品
西田敏行さん主要出演作品
NHK大阪放送局は去る12日、この10月5日からスタートする予定の朝の「連続テレビ小説」を発表しました。今回予定されているドラマのタイトルは「やんちゃくれ」。1979年から20年間の大阪・淀川べりを舞台に、傾きかけた造船所経営の家に生まれたヒロインが人生を切り開いていく姿をコメディタッチで描くといいます。ヒロインには、オーディションで1,800人の中から選ばれた岐阜県出身の小西美帆さん(20)があたります。脚本は、中山乃莉子さんと石原武龍さんがあたります。タイトルの「やんちゃくれ」とは大阪の古い言葉でいたずらっ子を表すそうです。
松竹映画で喜劇映画の佳編を多数制作し玄人筋から高い評価を得、テレビドラマも手がけられていた映画監督の前田陽一さんが去る5月3日、肝不全のため横浜市内の病院で死去されました。65歳でした。
前田さんは、兵庫県竜野市出身。大学卒業後、1958年4月に松竹大船撮影所に入社。以後、演出助手・助監督を経て、1964年、「にっぽん・ぱらだいす」で監督としてデビュー。以来、喜劇映画を中心に作品を発表。とくに1970年の「あ丶軍歌」、1972年の「虹をわたって」などでの反骨精神豊かなエスプリの効いた喜劇や1980年の人情喜劇「神様のくれた赤ん坊」などで高く評価されています。しかしその後は残念ながら松竹主流に乗れずに活躍の場を少なくしていきました。
テレビドラマとしては、この10年ほどは「京都殺人案内」「九門法律相談所」などのシリーズをはじめとした2時間ドラマ等の単発ものを中心に手がけられていました。連続ドラマの代表作としては、「検事霧島三郎」(1969)や「男たちのブルース」(1970)、「白い滑走路」(1974)、「新・必殺仕舞人」(1982)などが挙げられます。
1988年からフジテレビで放送され人気をはくした「やっぱり猫が好き」が今年で10周年になるのを機にこのほどオリジナルビデオとして新作がリリースされる模様であることが明らかになりました。ドラマスタイルはこれまでどおりのスタジオ収録形式で行われた模様です。このドラマは三谷幸喜さんのテレビドラマのライターとしての出世作で、後に結婚された小林聡美さんとの出会いのドラマでもありました。なお、脚本を三谷幸喜さんが執筆したのかは不明です。発売は6月17日が予定されています。ドラマ制作はイースト。
三谷幸喜さんプロフィール
小林聡美さんプロフィール
「やっぱり猫が好き」シリーズ
「先生知らないの?」の後番組として7月からスタートするドラマとして「青の時代」が準備されていることが28日までに分かりました。これは「高校教師」「未成年」「友達の恋人」などで知られる伊藤一尋さんがプロデュースをつとめ、脚本は「卒業」「東京エレベーターガール」「友達の恋人」などで知られ、伊藤プロデューサーの妻でもある小松江里子さんが担当。主演は「金田一少年の事件簿」「セカンドチャンス」などの堂本剛さんがあたっています。この3者のコンビの過去の作品としては過去に「セカンドチャンス」「若葉のころ」があり、今回はこのコンビによる新作となります。なお、伊藤プロデューサーと堂本さんとの2者のコンビの作品としては「人間・失格」もあります。
伊藤一尋さん主要プロデュース・演出ドラマ
小松江里子さん主要脚本ドラマ
堂本剛さん主要出演ドラマ
この7月の番組改編で、水曜21時の連続ドラマとして放送が開始される「世界で一番パパが好き」で、明石家さんまさんと広末涼子さんがドラマ初共演することが24日までに明らかになりました。このドラマで二人は13年ぶりに再会し一緒に暮らす親子の役を演じるといいます。
明石家さんまさん主要出演ドラマ
広末涼子さん主要出演ドラマ
広末涼子さんプロフィール
去る4月23日、俳優の大泉滉(おおいずみ・あきら)さんが肺ガンのため東京都立川市内の病院で死去されました。73歳でした。
大泉さんは1925年東京府北豊島郡雑司ヶ谷生まれ。父・大泉黒石氏は小説家・ロシア文学者。1937年、小学校卒業と同時に児童劇団・劇団東童に入団し芸名・大泉ポーの名で子役として活躍。1940年、同劇団のヒット舞台の映画化「風の又三郎」でスクリーンデビュー。その後、1946年文学座に入り舞台で活躍されたほか「自由学校」(1951)など多数の映画に出演。
この「自由学校」のヒットによりコメディアンに転身。「トンデモハップン」などの流行語を生み出し一躍人気者に。一方でテレビドラマでも飄々とした脇役として活躍されてきました。1978年にはアメリカ映画「がんばれベアーズ!大旋風」にも出演。また最近では、家庭菜園の研究と実践でも話題となっていました。
人気ドラマ「ザ・ガードマン」のメインキャストのひとりであった俳優の稲葉義男(いなば・よしお。本名・稲葉吉久)さんが、4月20日心筋こうそくのため東京都杉並区内の病院で死去されました。77歳でした。稲葉さんは1920年、千葉県生まれ。劇団俳優座の舞台で活躍ののち1954年、映画「七人の侍」でスクリーンデビュー。その後も数多くの映画・ドラマに出演されました。
「ビーチボーイズ」で人気を博した俳優の反町隆史さんが、7月開始の連続ドラマ「GTO」(KTV、火曜22時〜)で熱血教師に挑戦することが19日までに明らかになりました。これは18日に放送されたTOKYO FM「カウントダウン・ジャパン」にゲスト出演した反町さんが、自ら放送で明らかにしたもので恋人役候補には松嶋菜々子さんらの名前が挙がっているといいます。
テレビドラマの優れた脚本に贈られる1997年度の「向田邦子賞」(向田邦子賞委員会、東京ニュース通信社主催)が去る6日に発表され、「月曜ドラマスペシャル・向田邦子新春シリーズ/終わりのない童話」(TBS)、「魚心あれば嫁心」(TX)を執筆された金子成人さんが受賞されました。
金子成人さんは1949年1月長崎県佐世保市出身。シナリオ研究所でシナリオの基礎を学んだ後、倉本聰氏に師事。バーテンダー、女優・八千草薫さんの運転手などを経て、1972年、「水曜劇場/おはよう」(TBS)でシナリオ作家としてデビュー。
以後、人情味あふれる時代劇や、下町などを舞台とした細やかな人生の機微をとりあげたお話を得意とし、NHK「真田太平記」「風神の門」「連続テレビ小説/チョッちゃん」、CX「木曜劇場/窓を開けますか?」「御家人斬九郎」などを執筆。また長年に渡りTBS新春に放送されてきた「向田邦子シリーズ」の脚本を手がけてこられたことでも知られています。主な著書としては、「さらば青春」(扶桑社文庫)があります。
日刊スポーツ紙主催による「ドラマグランプリ」が創設され、このほどその第1回のグランプリが発表されました。これは、1年間に放送されたドラマ作品に対して読者・審査員による投票によりグランプリを選出するというもので、第1回は、1997年度(1997年4月〜1998年3月)に放送されたドラマを対象に選考が行われ、作品賞に「ラブジェネレーション」が選出されました。「ラブジェネレーション」は昨年10月から12月にかけて放送され平均視聴率が30パーセントを超え1997年度の連ドラ視聴率トップを記録したドラマで、読者投票2位、審査員投票3位をマークし、総合でグランプリに輝きました。
このほど、アスペクトより「特集アスペクト 40」として、テレビ時代劇に関するムック本が発行されました。タイトルは、「みんなの時代劇」で、定価1,200円(税別、ISBN4-7572-0045-5)。
時代劇に関する書籍としては、昨年、近藤ゆたか氏編による「蔵出し絶品TV時代劇」(フィルムアート社刊)が話題となり早くも名著の声が出ていましたが、本著にも近藤ゆたか氏が執筆スタッフに名を連ね、「蔵出し絶品TV時代劇」と比べて、トータルとしてのまとまりには欠けるものの、「水戸黄門」や「遠山の金さん」「大岡越前」など比較的ポピュラーな時代劇にも言及しており、今日までのテレビ時代劇の概略をつかむのに適しています。
去る12日、米連邦通信委員会(FCC)は、暴力シーンなど「子どもにふさわしくない」テレビ番組を映らなくさせる機器「Vチップ」を来年末までにすべてのテレビ受像機に搭載することをメーカーに命じる決定を行いました。それによりますと、「親のためのテレビ・ガイドライン」を策定し、そのガイドラインに沿って、テレビ各局が自局で放送する番組を格付けし、それを番組と共に特殊な信号として各家庭の受像機に送り、内蔵のVチップが反応し、特定の格付けの番組を映らなくさせたり画面上に格付けを表示させるといいます。日本でも現在、中央教育審議会が小委員会でVチップの導入を関係機関に求めることをすでに決めて準備をすすめています。
去る、18日。俳優の福田豊士(ふくだ・とよと)さんが肝臓ガンのため東京都内の病院で死去されました。64歳でした。福田さんは1934年1月1日生まれ。1957年、俳優座に入り、「兵隊芝居」「ハムレット」など多数の舞台に出演し活躍されました。また、映画「証人の椅子」(山本薩夫監督)に主演されたほか、映画「雪の喪章」「若者たち」などに脇役として出演。おもに真摯な好人物役や、市井に生きる庶民役を演じました。また、テレビドラマでも「泣くなマックス」「刑事犬カール」(以上TBS)、「大河ドラマ・風と雲と虹と」などに脇役として出演されました。そのほか、ライオン歯磨のCMにも出演し「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか」と語るフレーズで一般に知られていました。また、関係者の間では、朗読などに才を発揮されたり、ドキュメンタリー映画・コマーシャルフィルムを監督されたりしたことでも知られていました。
「週刊文春」(文藝春秋発行)が、去る19日発売の2月26日号から、「テレビが病んでいる」と銘打った「大型キャンペーン」(同誌表題より)を開始しました。
第一回目の今号では、「『聖者の行進』『ギフト』『FIVE』−角材で殴打される子ども、手の甲に突き刺さるバタフライナイフ、銃で撃ち抜かれた少女の額。野放しにされる暴力シーンの数々。徹底検証第一弾!」と題して、テレビドラマの暴力シーンが欧米のドラマに比べて過剰であるとして具体的にドラマを例示して検証記事を掲載しました。
同記事では、具体的に暴力シーンの多いドラマを一覧表で明示。「テレビではいつから暴力シーンをこれほどまでに“売り物”にするようになったのか」と指摘し、最初にタガを外したドラマとして「高校教師」を取り上げ、野島伸司氏の作品には暴力シーンが多いと指摘。文中でヤリ玉に挙げられたドラマは前述ドラマのほか、「真昼の月」「ひとつ屋根の下」「家なき子」「人間・失格」「金田一少年の事件簿」など野島作品を中心に多数にのぼりました。
「なによりも問題なのは、ドラマ制作に携わる多くの人々が『暴力の向こうに伝えたいメッセージがあるから、ギリギリの暴力表現は許される』と思いこんでいる点だ」と第一回目で同誌は問題提起しました。
1990年に向田邦子賞を受賞した脚本家の山田信夫さんが去る2日、悪性リンパ種のため愛知県豊橋市内の病院で死去されていたことが13日までに分かりました。65歳でした。山田さんは、1932年シャンハイ生まれ。1958年から日活とライター契約を結び脚本家としてデビューされ、以後今日まで第一線の脚本家として活躍されていました。
社会の重厚な題材を扱った作品が得意で、映画では山本薩夫監督と、テレビドラマでは林宏樹ディレクターとのコンビに光る作品が多くみられました。主な作品としては、映画「戦争と人間」三部作や「華麗なる一族」「不毛地帯」「動乱」、テレビドラマ「金曜ドラマ・光る崖」「金曜ドラマ・突然の明日」「きりぎりす」「家族・この密なるもの」「記念に…」「地方紙を買う女」「シェイクハンド」「去っていく男」「帰郷」「閨閥」「大河ドラマ・琉球の風」「日本名作ドラマ・こころ」などがあり、映画・放送関係の賞を受賞した作品も数多くあります。このうち、テレビドラマ「去っていく男」でご自身が第9回向田邦子賞を受賞されました。
未成年によるナイフをつかった犯罪が相次いでいる中、TBS「略奪愛・アブない女」の劇中にあった包丁で無理心中を迫るシーンが局側の配慮により急遽、撮り直しで差し替えられていたことが11日までに分かりました。
差し替えの元の場面は、義兄(赤井英和さん)に想いを寄せる鈴(鈴木紗理奈さん)が義兄に、出刃包丁を振りかざし、「一緒に死んで!」と無理心中を迫って追い回すシーン。
制作のTBS番組広報部の話では、ナイフ犯罪が相次いだことから今月初めから自粛を検討し、出刃包丁をロープに変更し、9日・10日の2日間で撮り直し作業を行ったといいます。
去る9日に放送された讀賣テレビ「冷たい月」の冒頭部分の画像が流れず、何も映らなくなる放送事故があり、制作の讀賣テレビでは近日中に再放送を行うことを決定しました。画像が出なかったのは番組開始の22時から1分43秒間で、うち冒頭40秒間は画面が真っ白で、その後「しらばくお待ち下さい」の画面が1分3秒間流れました。讀賣テレビでは、番組自動送出装置(APS)の不調によるもので、放送用のVTRが回らなかったためと説明しています。復旧後のドラマは冒頭の33秒、テーマ曲の部分を1分10秒にわたり急遽カットして放送し、ドラマ途中に2度お詫びのテロップを表示しました。讀賣テレビでは視聴者からの苦情電話が数件届いているため、近日中に別の枠で再放送することを決めました。
未成年による、教諭刺殺事件、警官への強盗殺害未遂事件など、バタフライナイフを使った犯罪が相次いで発生し、未成年のバタフライ・ナイフ所持が問題となっていますが、このナイフが流行するきっかけとなったと一部で指摘されていたフジテレビのドラマ「ギフト」(1997)を現在再放送していたテレビ局2局が、いずれも放送途中で打ち切りの処置をとっていることが7日までに分かりました。打ち切りの処置を行ったのは、フジの系列局の東海テレビ(名古屋市)と仙台放送(仙台市)の2局。また、サガテレビでも「ギフト」が再放送されていましたが、バタフライナイフを使用する場面で、注意を促すテロップを挿入するなど、事件の余波が様々な波紋を呼んでいます。
今回の事件とテレビ番組との直接の因果関係は薄いと考えられていますが、少なくとも「ギフト」が本放送時に近い形で再放送される可能性は少ない模様です。
去る5日、作家の富島健夫(とみしま・たけお)さんが肺ガンのため、都内の自宅で死去されました。66歳でした。富島さんは、大学時代に執筆した小説「喪家の狗(いぬ)」が芥川賞候補となり注目され、以後「黒い河」「おさな妻」などを発表。その後は官能小説に活躍の場を移し最近まで活躍されていました。映画化された「黒い河」がわいせつ論議を巻き起こしたり、「おさな妻」も映画化されその描写が問題を巻き起こすなど、映画の性描写について議論を巻き起こすきっかけとなった作品の原作者でした。テレビドラマ化された「おさな妻」も話題となりました。
60年代から90年代までの長期にわたり「ドラマのTBS」の屋台骨を支えた演出家の坂崎彰(さかざき・あきら)さんが去る5日、心不全のため都内の病院で死去されました。62歳でした。坂崎さんは、1961年にTBS(当時、KR)に入社。初演出作品は、「お母さん」の第3シリーズの1エピソードで、以後、「東芝日曜劇場」で1970年から断続的に制作されたヒット作「下町の女」シリーズ(平岩弓枝さん作、吉永小百合さん主演)を演出されたほか、「金曜ドラマ」では「白い影」「私という他人」「ガラスの森」「揺れる想い」などを演出。また、賀来千香子さんのデビュー作でもある「ポーラテレビ小説/白き牡丹に」や「代議士の妻たち」など実に多彩な作品を演出され、その安定した演出ぶりが評価されていました。1996年にTBSを定年退職後はフリーの演出家として活躍されていました。
本欄1月26日付でお知らせした今年4月からの中居正広さん主演の「月9」ドラマの詳細が判明しました。このドラマで中居さんは副住職に扮することが判明しました。ドラマ自体の舞台もお寺で、父と息子4人兄弟という男所帯の一家を舞台にした「ラブハートフルストーリー」を目指すということです。中居さんの兄役として岸谷五朗さんが登場し、ヒロイン・木村佳乃さんと中居さん、岸谷さんとの愛の三角関係などを描くということです。
中居正広さんプロフィール 中居正広さん主要出演ドラマ
木村佳乃さんプロフィール 木村佳乃さん主要出演ドラマ
去る、1月29日、女優・夏川静枝さんの長女で同じく女優の夏川かほるさんが脳出血のため東京都内の病院で死去されました。54歳でした。夏川かほるさんは本名・飯田一恵。1960年代にテレビドラマに出演されたほか、主に舞台で活躍されていました。
夏川かほるさん主要出演ドラマ
母・夏川静枝さん主要出演ドラマ
マンガ家の石ノ森章太郎さん(本名・小野寺章太郎さん)が28日、リンパ種による心不全により都内の病院で死去されていたことが30日に明らかになりました。60歳でした。石ノ森さんは、「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」「ホテル」などのドラマをはじめ「サイボーグ009」などのアニメ作品などの原作者としても知られ、日本のテレビ界にも大きな影響を与えてきました。
関係者の話によると石ノ森さんは、ここ数年入退院を繰り返し、昨年秋ごろから、都内の病院に入院されていました。昨年11月末には実母のカシクさんが亡くなりましたが、地元の宮城県登米郡中田町石森で行われた葬儀にも、列席されていませんでした。
石ノ森章太郎さんプロフィール
石ノ森章太郎さん主要原作ドラマ
石ノ森章太郎さん主要出演ドラマ
去る29日、サントリー・文藝春秋・朝日放送主催の第15回サントリーミステリー大賞の選考会が開かれ、大賞に、千葉市在住の内科医・結城五郎さん(本名・高部吉庸さん)作の「心室細動」が選ばれました。また、読者賞には名古屋市在住の司城志朗さん(本名・紫垣建次さん)作の「スリーパー・ゲノム」が選ばれました。
大賞受賞作はドラマ化されることになっており、今回の大賞受賞作「心室細動」も朝日放送系でドラマ化されます。
去る29日、角川書店・TBS主催の第18回横溝正史賞の選考会が開かれ、正賞に茨城県つくば市在住の山田宗樹さん作の「直線の死角」が選出されました。このほか、佳作には鹿児島県在住の居流慢馬(いるまんま)さん(本名・田中士郎さん)作の「思案せり我が暗号」が、また奨励賞には新潟県在住の三王子京輔さん(本名・樋口克輔さん)作の「稜線にキスゲは咲いたか」がそれぞれ選出されました。
正賞受賞作の「直線の死角」はTBS系でドラマ化されることになっています。
フジテレビのドラマの看板ともいえる月曜9時(月9)に、4月からSMAPのリーダー・中居正広さんと若手清純派女優・木村佳乃さんが主役の、「笑えて泣けるラブストーリー」が登場することが、26日までに分かりました。タイトルは未定です。
中居正広さんプロフィール 中居正広さん主要出演ドラマ
木村佳乃さんプロフィール 木村佳乃さん主要出演ドラマ
松竹新喜劇の全盛期に看板俳優の一人として活躍された曽我廼家五郎八さんが20日、肺炎のため入院先の大阪市内の病院で死去されました。95歳でした。五郎八さんは、1939年曽我廼家五郎劇団に入り、1948年の松竹新喜劇旗揚げに参加。看板である人情劇で、渋谷天外さんや藤山寛美さんらとともに活躍されました。1966年に新喜劇を退団後は、舞台やテレビドラマに出演されていました。
曽我廼家五郎八さんプロフィール(現在作成中)
曽我廼家五郎八さん主要出演ドラマ
去る15日、TBSで人事異動があり、これまで制作局第二センター長であった山泉脩さんが制作四部長に就任したことが、20日までに分かりました。このほか、八木康夫さん、塩川和則さんらもそれぞれ制作一部長、三部長に就任されました。新役職は以下のとおりです。
制作局 制作四部長 | 山泉脩さん | (山泉脩さん主要作品一覧) |
制作局 次長 | 副島恒次さん | |
制作局 次長兼制作二部長 | 長田透さん | |
制作局 制作一部長 | 八木康夫さん | (八木康夫さん主要作品一覧) |
制作局 制作三部長 | 塩川和則さん | (塩川和則さん主要作品一覧) |
当テレビドラマデータベースが、昨年12月22日から募集していた1997年度ドラマベストテンの投票が14日締め切られ、15日発表されました。先の中間発表段階では、ベストワンは、「青い鳥」で2位が「踊る大捜査線」でした。ところが、昨年末に「踊る大捜査線年末スペシャル」が放送されたためか、その後の投票で2位だった「踊る大捜査線」に票が集まり、1位になりました。2位の「青い鳥」との票差はわずか4票でした。
順位 | タイトル | キー局 | 得票数 |
1 |
踊る大捜査線 |
フジ | 134 |
2 |
青い鳥 |
TBS | 130 |
3 |
それが答えだ! |
フジ | 116 |
4 |
こんな恋のはなし |
フジ | 87 |
5 |
ギフト |
フジ | 69 |
5 |
ふたり |
テレビ朝日 | 69 |
7 |
ラブジェネレーション |
フジ | 56 |
7 |
いいひと。 |
KTV | 56 |
9 |
白線流し 19の春 |
フジ | 48 |
10 |
ミセスシンデレラ |
フジ | 41 |
10 |
ビーチボーイズ |
フジ | 41 |
TBS日曜21時開始のドラマ枠「東芝日曜劇場」にこの4月から田村正和さん主演のドラマが放送されることが8日までに分かりました。田村さんは、昨年テレビドラマ「総理と呼ばないで」のあと、舞台に出演し以後、体調を崩し休養をとっていましたが、この1月末からこのドラマの収録に参加し、復帰されることになりました。タイトルは、「オトコの園(仮題)」で、田村さんのほか、橋爪功さんや角野卓造さんといったかつての「東芝日曜劇場」のヒット作「カミさんの悪口」コンビが出演することが決まっています。女優陣は毎回交代でゲスト出演することになっており、小泉今日子さん、宮沢りえさん、高橋惠子さんらの出演が決まっているといいます。スタッフは不明です。※
※1月14日 主要スタッフが判明しました。演出は、清弘誠さんほか。プロデューサーは磯山晶さん。脚本は山元清多さんです。
NHKの海老沢勝二会長は去る1月8日の定例記者会見で、今年4月以降に19時から放送されている「NHKニュース」を20時まで拡大する方向で局内で検討していると明言しました。この影響で、現在「NHKニュース」のあとに20分間放送されている「ドラマ新銀河」については3月までに打ち切られる公算が大きくなりました。「ドラマ新銀河」は、1993年に「銀河テレビ小説」の復活版として20時40分からの20分間の枠に登場。その後、現在の放送枠に移動。これまでに、「コラ!なんばしよっと」「この指とまれ!!」「妻の恋」などの番組が話題を呼び、最近になってようやく視聴習慣も生まれ定着してきていました。
前身の「銀河テレビ小説」自体も「ニュースセンター9時」のあとの21時40分からオンエアされて好評だったものが、ニュース枠の拡大の余波で放送枠が移動させられその後視聴率も低迷し打ちきりになった経緯がある(その後21時のニュースは再び枠が縮小されました)だけに、今回の措置の成否が注目されています。
去る12月31日、都内の病院で俳優の石井均さんが死去されました。70歳でした。石井さんは戦後地方回りの喜劇役者となり、1958年には石井均一座を結成。伊東四朗さんや財津一郎さんらとともに喜劇俳優として一世を風靡。その後大阪で松竹家庭劇に入ったのち、三枚目の味のある好人物を演じる役者として活躍されました。代表作には、舞台劇「街燈」「あかんたれ」、連続テレビ小説「繭子ひとり」(1971〜1972NHK)があります。また、1980年代に入ってからは金曜ドラマ「ふぞろいの林檎たち」の第1シリーズで柳沢慎吾さんの父親役を演じたことでも知られます。
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