「蜂のくれた」物(戦闘編)

■ペンネーム「ether」さんからの投稿です。
 このページは、etherさんが前に投稿してくださった「「蜂のくれた」物」の続きです。未読の方は、そちらから先にお読みください。

 こんにちは。etherです。
 お待たせしました。前編に引き続き、後編(戦闘編)「蜂のくれた」物をお送りいたします。
 
 いんちき映像を見せられたあと、家族はショックを受けてしまいました。
「あの映像は真実じゃないから」と言い続けたのですが、映像としてのインパクトの方が強く、なかなか疑うという事が出来ない様でした。そこで譲歩して…
 
ether 「そんなに気になるなら、明日○○さん呼んで見てもらう? それなら納得する?」
家族 「うん。」
 
 ○○さんとは、この物件を購入するときにお世話になった不動産業者です。
 今回の経緯を説明した所、すぐに来てくれるとの事でした。
 次の日の夕方、不動産屋さんが来られたのですがそこでは驚愕の光景が…
 
 どうやら例の「悪徳業者」は、ether宅の周りほとんどの家に訪問したらしく、おそらく我が家でのやり取りと同じ様な事があり、結果「信頼のおける人」を呼んでしまった為、我が家から視界に入るご近所さんス・ベ・テのお宅に、不動産屋さんやら担当の営業さんそして大工さんまで来ているという正に「全員集合!状態」になっていました。
(軒数で言いますと、27軒です。)
 
 不動産屋さんは、この光景にやや困惑ぎみ。
 でも「悪徳業者」は、正しい事を言っていない筈。念の為にという事で床下の点検を依頼しました。
 たのもしい3人組みが床下に入り、1時間掛けて点検して下さいました。
 
 それで肝心の結果ですが…「まったく問題なし。」
 その報告を受けて家族は
 
三人組 「床下を調べてみましたが、まったく問題ありません。ご安心ください。」
家族 「え???…、カビとか、床下には大きな水溜りがあったでしょ?」
三人組 「…(笑い)ご安心ください。私たちはそういう仕事はしていませんから。
 カビは見当たりませんでしたし、床下も問題ありません。
 証拠といっては何ですが、私たち濡れていませんでしょ?」
家族 「あ……本当だ…。」
三人組 「外部から来る業者には気をつけたほうが良いですよ。あまり良い噂は聞きませんので。
 構造には問題無いですし、私達社へ戻ります。何かありましたらいつでもどうぞ。」
 
「私たちはそういう仕事はしていません」あーなんてかっこいい言葉なんでしょう!!
 ありがとう不動産屋さん。これでやっと、家族も納得したようです。
 
 不動産屋さんを見送った後に、ご近所の方々と情報交換をしました。
 それで分かった事は、だましの手口はほぼ共通していて、訪問宅をどう騙すかは完璧なマニュアル化がされている様です。
 
 1.まず、3人から5人のチームでターゲット宅に上がりこみ、世間話を始めます。
 内容は「蜂の駆除依頼が多くて大変なんですよ〜。」とか、訪問先でこんな目にあったとか、よく皆さんがやる世間話レベルです。
 
 2.世間話を始めた人が、床下の巣の有無の確認へと話を持っていきます。
 okが取れると同時に、他の数名が手際よく、床に防汚マットをひきます。
 おそらくこれはターゲットに、「お宅の家を大切に扱ってますよ〜」とアピールする為でしょう。
(こういう業者には無意味な行為ですね。)
 
 3.ライトや作業服で「フル装備」の点検人員を、床下へ派遣します。
 入ってすぐ「蜂の巣は見当たらないです〜〜〜〜〜〜」と言う声が聞こえます。数秒後に「気になる所がありますので、見ておきますね〜〜〜〜〜。」と言い、本来の訪問目的とは「異なった作業」(彼らにとっては本来の作業ですが)を行います。
 
 4.点検人員を上げ、虚偽報告。
 虚偽報告にバリエーションはいくつかあり、床下で捕獲したと称する「害虫」を見せる手口や、床下で外れていたという「木片」を見せる方法、排水管が破裂していて水が大量に漏れていると報告されたケースがありました。
 前編で「まず雨戸を閉めさせる」とありましたが、これは外で待機している仕掛け人(予め持ってきていたVTRや害虫、木片などを床下へ渡す役割をする) を隠す目的だった様です。つまり殺虫剤と雨戸の関係は「まったく無い」のです。
 その証拠に、業者が撤収する際「あと○○分くらいで、窓を開けられます。」と案内がまったく無く、外には数名が、待機していたことを目撃した人がいるのです。
 
 そしてこのまま放置するのは、危険と話す。必要のない修復や薬剤散布の契約を迫って来るのです。
 幸いなことに、契約してしまった人はゼロ。皆が怪しいと思ったのでしょう。
 ただ、「何で来たのか?」「あの業者呼んだの誰?」て話にはなってしまいました…。
 
 もうこれは、完璧な「詐欺」です。
 そこで消費者相談センターへ届け出る事にしました。
 早速、県管轄のセンターへ電話。…ところがここでも問題が…。
 なんとこのセンターが「閉鎖」していました。 
 電話に出られた方は、県の他の機関の方。その方がおっしゃるには最近センターは市へ移管し今でも日に数件、センター宛の間違い電話がここへかかってくるそうです。
 ご親切に、新番号を案内して下さったのですが、対応が良かったのは「県」だからと先に申し上げておきます。
 
 はい、実はこの後「市のセンターとの戦闘編(完結編)」になるんです。
 題して「ゼロセンターのお話」、またまた長くなってしまうので、次回への続きとさせて下さい。
 楽しみにして下さっていた方、すみません。でもきっと面白いですから、楽しみにしていてくださいね。

■etherさんから、8回目の投稿です。続きをありがとうございます! わくわく(ぉぃ)して待ってました♪
 
■なるほど、「掴み」が蜂の駆除だけに、雨戸での目隠しが可能になって、業者にとってはより大掛かりな詐欺が実行し易くなったということなんですね。
 
 確かに、「無料点検です」みたいな他の「掴み」だと、「お家の中でお待ちください」なんて人払いをしたところで、窓から詐欺作業を覗かれるかもしれませんし、少し用心深い家人なら、なんだかんだ理由をつけて業者の作業を見守る事だってありますもんね。
 
 その点、このケースだと相手は蜂、しかもスズメバチですから、頼まれなくても家人は家の中に引っ込んでしまいますし、「薬剤が・・・」「危険だから・・・」なんて言われてしまうと雨戸でも何でも閉めますとも。
 
 まさしく、細工、仕込み放題。
 
 近所に蜂の巣があるのは事実ですし
「お宅の床下にも・・・」
 と言われると、当然ついでに確認して欲しくなります。
 
 悪徳業者的には、入れ食い状態だったんですね・・・。
 
 それでも、ご近所の皆様(27軒も!)で、詐欺にひっかかるところが一軒もなかったというのは、本当に良かったですね。
 さらに完結編へと続く、との事ですが・・・戦闘編? 市のセンターとも戦わなければならなかったんですか?
 なんだかとても気になります。待ってますので、またよろしくお願いいたしますね!

(2006.10.23)
(参考)
この他の、etherさんの投稿は以下の通りです。
偽ボランティアの珈琲売り
募金なのか売込みなのか
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屋根から鉄が・・・!?
「蜂のくれた」物