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先月を 振り返って |
<先月の本>
先月は結構本を読んだのに、なんと1冊も★★★★★なし。寂しいものです。新刊もかなり出て、特にゴダードの本が2冊も出版されたりして、嬉しい1ヶ月ではあったのですが、これ!という本がなかった月でもありました。
そんな中でも、貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」はおすすめでしょうか。昔なつかしゲームブック感覚の恐怖物語。私はこういう人間の本性が現れる話って、怖いと思いつつも面白いと思ってしまうタイプなのですが、この本はその辺りがものすごくうまく表現されていて、面白かったですね。読んで損はありません。
桐野夏生の新刊、「柔らかな頬」も「OUT」のようなスピード感は無いのですが、なかなかの力作。「母」という役目をまっとうしようと思いつつも、実際のところ自分のことしか考えられないカスミの悲しいお話。これも読んで損はないと思いますよ。
意外によかったと思ったのが、篠田真由美の建築探偵シリーズ初の短編集「桜闇」。シリーズ中、私はこの短編集が一番好きかもしれません。もちろんこの短編を読むには、今までのシリーズを読んでいないと人物関係がつかめないのですが、このシリーズも結構面白いですよ。
5月は超おもしろ本が見つかるでしょうか。おもしろ本を探して、今日もまた本屋詣での旅に出ます。。。
<先月の私>
先月は、本だけではなく、映画も大量に見ました。
「ラウンダーズ」。試写会です。マット・デイモン主演。法科大学で弁護士を目指す主人公は、学費を賭けポーカーで稼いでいる。そんな彼が、高校時代の悪友の出所と共に、ポーカーの深みに嵌まっていくお話。出ているカードをすべて覚え、相手のしぐさで手を読む。一方で、金の賭け方やうまくパスをすることで、相手にはったりをかける。こういうゲームって何でもそうだと思うのですが、本当に奥が深いですよね。単にカードの手だけじゃない。人間同士でやる賭け事だからこその駆け引きが面白かったです。5月8日よりロードショー。
「グッド・ナイト・ムーン」。これは映画館に見に行きました。原題のStepmomからもわかるように、継母と本当の母親との対立を描いた映画。離婚率の高いアメリカならではの映画ですね。完璧な母親にいつも負けてしまう継母の女性。でも、母親が先が短いというハンデを背負うことで、その継母とうまくやっていけるようになるという涙、涙の感動物語。映画館にはどっちかっていうと女性が多かったのですが、良い映画ですよ。
「エネミー・オブ・アメリカ」。これは試写会。もう既に公開されています。知らない内に、NSA(国家安全保障局)に監視されることになってしまった黒人弁護士のお話。どこにいようとも、最新のハイテク監視装置で見張られているのですから、弁護士には勝ち目はない?盗聴機、盗撮機はもちろん、衛星監視カメラにも監視されてしまうのですから、一体どうやって逃げればいいの、って感じです。本当にこんな事があったら怖いですねー。いやなんかほとんど本当という話もありますが。あんまり考えずに楽しめる映画です。
「隣人は静かに笑う」。ティム・ロビンズ主演のスリラー。家族ぐるみでお付き合いしている隣人さんが、なんだか変・・・というところから始まる恐ろしい陰謀話。あまり話すとネタバレになってしまうので、とりあえず興味のある方は観てみては。宣伝でやっているほど「怖い」わけではありません。少なくとも「セブン」のようにぎょっとするような映像はありませんので、そういうのがダメだからとためらっている人はご安心を。後味はそれほどよくはありませんが、最後のシーンですべてが分かるという構成は見事です。
「エバー・アフター」。これはドリュー・バリモアの来日にあわせて行われた特別プレミアを観に行きました。舞台挨拶のドリュー、めっちゃ可愛かったです。映画の方は、16世紀のフランスを舞台としたシンデレラストーリー。舞台は16世紀でも、実際のところかなり現代的。ドリュー扮するダニエルはものすごく強くて、格好よくて、自分で自分の道を切り開いていく女の子。全体的にはまあまあでしたが、結構笑えるシーンもありましたし、衣装も綺麗でした。4月24日より公開されています。
「ライフ・イズ・ビューティフル」。アカデミー賞で意外な健闘(当然という感じでもありますが)をしたイタリア映画。外国語映画賞だけではなく、トム・ハンクスが当然取るだろうと思われていた主演男優賞も、この映画が奪っていきました。噂に違わずものすごく良い映画。これは超おすすめ。まだご覧になっていない方、騙されたと思って是非観てください。収容所とか、ユダヤ人虐待とか、その題材となっている部分はものすごく暗いのですが、映画全体の雰囲気はもう「La vita e Bella!(Life is Beautiful!)」なのです。このテーマでこれだけ笑える映画を作ったベニーニ、すごいです。
数えると6本。内3本が試写会というのは記録ですね(^^)。多分これをUPするときには、「現在の本模様」のところに「恋に落ちたシェークスピア」の感想が載っていると思いますが、5月も映画は楽しみです。