|
先月を 振り返って |
<先月の本>
先月は、面白い本を沢山読めました。★★★★★は3冊。帚木蓬生の「ヒトラーの防具」、佐藤賢一の「双頭の鷲」、そして向山貴彦の「童話物語」です。
「ヒトラーの防具」は、「総統の防具」という題名で、ハードカバーで刊行されたものの文庫化。ハードカバーの時は、まだお金が無く、値段と厚さに畏れをなして買えなかったのですが、文庫化を機に読みました。私は帚木蓬生の描く戦争物が結構好きかもしれません。戦時下のベルリンで、ヒトラーの近くにいた日本人青年のお話ですが、戦争によって自由に生きることのできなかった人々の哀しさが伝わってくる作品でした。
「双頭の鷲」も戦争物と言えば戦争ものですが、14世紀半ばのフランスを舞台とする、歴史小説。ずっと気になっていたのですが、これも厚さに少々畏れをなして、手が出ないままでした。今ではすっかり佐藤賢一にはまっています。本当に面白い。歴史物が好きでない人でも、大丈夫ではないでしょうか。おすすめです。
最後は新人さん、向山貴彦の「童話物語」。国から時間から単位から、すべて創作による世界のお話で、「オズ」が大好きだった私としても、大満足の1冊でした。最初の作品に★★★★★をつけてしまうと、後の作品の評価がし難いのですが、次の作品も多いに期待してます。
先月の<注目作家>は、もうおわかりでしょう、佐藤賢一です。既刊本は、あとは「赤目」だけなのですが、これもBookwebから発送しましたメールが来たので、6月第2週あたり感想が書けるでしょう。どの作品も期待を裏切らず面白いです。Hiroe's Private Libraryの所蔵を見ていただくとおわかりかと思うのですが、私は歴史物はあまり(というか全然)読みません。しかも、高校の時は日本史を取っていたため、世界史になるとちょっと敬遠してしまうところがありましたが、佐藤賢一を読んで、「世界史」という分野を見直す気になりました。
<先月の私>
先月は、新年度のばたばたも落ち着き、異動のある6月までの中だるみといった時期で、ゴールデンウィークと共に、比較的暇な日々をすごしていました。映画も2本しか見てないし、結構何をしてたんだろって感じなのですが、あー夜出かけてることが多かったのかもしれませんね。あとは本を読んでいたのかな(^^)。
というわけで、先月の映画は2本。『恋に落ちたシェイクスピア』と『39』です。
『恋に落ちたシェイクスピア』は、アカデミー賞7部門受賞という宣伝効果もあってか、初日は結構混んでましたが、今はどうでしょう。私にはちょっといまいちだったかな、と思います。内容はあらゆるページに詳しく載っていると思うので、ここにはもう書きません。ちょっと古臭い恋愛映画という感じで、もう少しシェイクスピアの話が出てくると思っていた私は、拍子抜けでした。
『39』はうってかわって重い作品。何度も予告編を見させられた私は、最後が大体分かってしまっていたので、徐々に判明する犯人の過去の部分が、よく出来ているなーとは思っても、おーそうだったのか、とは思えなかったのがとても残念でした。松竹さん、お願いですから、ああいう映画の予告編は考えて作ってください。それはさて置き、この映画はすごいです。何故犯人は「あんなこと」をしたのか、役者もよかったですし、邦画もまだまだ捨てたもんじゃありません。