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00年11月16日 (木)

無料貸本屋と図書館

ここ数日で、同じような内容のメールをいただきました。文藝春秋(2000年12月号)に掲載された林望氏の記事「図書館は無料貸本屋か」について何か書かないのですか?というものです。困りました。多分図書館というとどこも同じモノという認識がされているのかもしれませんが、私が勤めているのは大学図書館です。同じ図書館だろう、と言う方多いかもしれませんが、図書館は館種によって蔵書も役割も職員採用も全く異なり、一般的に「図書館」といわれる公共図書館(公立図書館)の事情にはそれほど詳しいわけではありません。当然大学図書館ではベストセラーなど、何か大きな賞でも取らない限り買いませんし、そういった本も複本どころか貸し出しもしない場所に置かれたりします。また全体的にも複本を購入することは特に教科書などで使うもの以外はありません。私としてはベストセラー云々の話は「前に『図書館雑誌』で話題になったなあ、未だにこれ言ってる人がいるんだなあ」程度の感想だったのです。

ただ読んでみると、この記事は二つの問題に言及していることに気づきました。一つは「(公共)図書館の選書の問題」もう一つは、「図書館と書店の競合問題」です。前者については、公共図書館には実習のみで実際に勤めたことのない私が言うべき問題ではないと思います。行政との絡みや、職員の専門性、図書館の予算削減やその役割など、複雑な問題が絡んでくるもので、やりはじめたら立派な研究論文ができてしまうような内容です。

ただ、後者の問題はちょっとまってよ、と言いたいところです。既に2000年4月28日の椰子の実通信でもこの話を取り上げていますが、本当に図書館は書店と競合あるいは図書館が書店の利益を食っているのでしょうか。

最初に言っておきますと、私は市内で安い文芸書を複本50冊も60冊も買う必要は無いでしょうという意見です。当然納税者である市民の要求はあるでしょうし、図書館は市民啓蒙機関ではないのですから、ある程度いろんな人に合わせた本をそろえてもいいとは思うのですが、だからといって、100冊近い本を入れる必要はないと思います(その部分では林氏に賛成)。

ただ、予算削減で複本も買えず、予約しても1年待ちなんていうところもあることを知っていますし、未だ図書館の無い自治体が過半数を占めることを考えると、この話は全国規模の話ではなく、蔵書も予算も比較的潤沢な大都市に限られた現象であると考えています。(1)

また、異常に複本がある本というのは、90日という「初速」の期間に話題になり、ある程度売上が見込まれたもの(つまりそういうのをベストセラーと言うのだと思うのですが)に限られると思います。話題になったからこそ普段本を買って読まない人でも、買うまではなくても図書館で借りてみるかと思うのでしょうし、逆に普段全く図書館も書店も使わない人は、そんな話題には反応しないと思うのです。それに図書館は分類・整理・装備に結構時間をかけていたりもするので、書架に配架されるのは、発注から3〜4週間後。見計らい(2)のものでも平均1週間くらいかかるのではないでしょうか。そう考えると、90日間は貸し出し不可にするという提言は、少々ずれているような気がします。

また一方で、図書館活動が活発な地域は比例して書店売上も良い(3)という調査結果があります。図書館によって読書する楽しみを得た人、また図書館で読んだけどやっぱり自分でも欲しいという人などがいれば、おのず図書館と書店は相乗効果的に利用されると思うのですが、どうでしょう。

林氏の記事は、「図書館を無くせ」とか「図書館は要らない」と言っているわけではなく、「読む本は買って読め」というのが結論だと私は思ったのですが、私もそれはある程度は賛成です。自分自身は「読む本は買って読む」人間です。図書館を使うのは何かを調べたいとき、ふとこれってどういうことだろうか、と思ったとき、何か文章を書くときなど、必要なときに自分で調査をするためにしか使っていません。

ただ、実際それを全ての人に押し付けることは酷だと思いますし、前にも言いましたように「教養を得るための方法は、読書しかない時代は終わった」と思うのです。「百聞は一見にしかず」と昔の人も言っていますが、昔と違って今は簡単にあちこちにいけるようになりました。本で読んでいるばかりではなく、本を10冊我慢して旅行に行けば、自分の肌で体験できることもたくさんあるわけです。

それに実際本は高いです。林氏は1500円と言っているようですが、現在日本で発行されている書籍の平均価格は約3000円。つまり1500円という文芸書は異常に安いのです。林氏の文にも書いてあるとおり、書籍の値段はコストと初版発行部数の兼ね合いで決定されます。すると大量に刷る事のできる文芸書は自ずと安くなるわけです。しかし文芸書と言われる書籍は、日本で発行される本のたった18%に過ぎません。実際は初版数百部といった数多の学術書の方が出版点数ではずっと多いのです。また初版数百部の学術書はその辺の本屋では取り扱うのは難しいもの。また部数も少なくすぐに絶版になってしまいます。そうした高くて流通量も少ない本をどこが買って、また使いたいときに提供しているのでしょうか。それが図書館です。そういった小さいけれども良書を発行する学術出版社は、図書館(この場合はあらゆる館種の図書館)が買ってくれるからある程度部数を刷れるということもあるのです。

何度も言うようですが、本が売れないことを図書館の所為にして欲しくはありません。図書館は書籍を税金などでもって購入しているのです。通常書店では売れないような学術書を陰で支えているのは図書館の図書支出なのです。(4)

図書館が誤解されやすいのは、図書館の役割や機能をきちんと説明するところが無い所為だと私は思っています。図書館は使い方さえ覚えればものすごく便利な場所です。例えば、戦後出版された本なら、大抵の本は図書館で読むことが可能です。国会図書館まで行かなくてはならないと思っている方、誤解です。近くの公共図書館から国会図書館の本を借りることもできるのです(5)。

そういった図書館の機能を義務教育で教えたほうがいいと思いますね。税金を使って建てられ、生涯学習機関、市民の書斎、公共サービスとか言いながら、「図書館をしゃぶりつくせ!」(6)なんていうHow to本が出来てしまうような認知度の低い図書館を、もう少し効率よく広報する方法を考えていく必要があるように思います。

ただ、最初にも申し上げたように、こうした記事によって「なんでもっと複本を買って早く回さないんだ」「何故もっと面白い本をいれないの?」という困った要求が少しでも減るという意味では賛成です。「文芸書なんて安いんだし、その辺で売ってるんだから、そんなに読みたいなら、自分で買ったらいいのでは?」と思っている図書館員も多いです。図書館はあくまで公共機関であって、商業ベースの貸本屋ではないのです。


1 このことは、『新文化』2000年5月11日号で日本図書館協会の方が言及している。
ここでもその記事のことが書かれている。

2 書店や出版社が図書館へ図書を見本のように持ってくる。そこから購入するものだけを取り出し、それ以外は返本する選書方法。

3竹内紀吉編著『図書館経営論』 東京書籍, 1998.2 ISBN4-487-71473-7

4前述の
ここで、同じような言及がされている。しかし最近図書館も財政難でなかなか多くの図書を買うまでにはいかないようだ。その辺りは行政の問題もあるので、ここでは敢えて言及しない。

5すべての公共図書館で取り寄せができるわけではありません。お近くの公共図書館へお問い合わせください。

6『図書館をしゃぶりつくせ!』 宝島社, 1993.10(別冊宝島EX)

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00年11月17日 (金)

コートなのにセーター

実は私は自販機の話が好きなのかもしれませんが、それ以上に私の職場の朝は自販機で始まるものですから、自ずと自販機の話ばかりになってしまうのです。あしからずご了承ください。

というわけで、今日もまた自販機のお話。大学の自販機は、販促のためか、それともマーケティングのためなのか、比較的頻繁に内容が変わります。私が好きだった飲み物が無くなると、がびーんって思ったりもするのですが、でも新しもの好きでもある私、ついつい「新発売!」って書いてあると買ってしまうのです。昨日目についたのが、ジョージアのプレミアムコーヒー。実は私は「コートなのにセーター」が当たらないかなと思ってジョージアを多めに買っているのですが、そのジョージアの新商品(?)のようです。110円を入れて(大学構内はいまだに110円でジュースが買える)、ボタンを押すと、なんだか頼りない落下音。取り出し口を覗くと、まあなんてこと。超チビな缶コーヒー。あの250mlの一回り小さい缶を私はミニ缶と呼んでいるのですが、さらにそれよりも一回り小さい。さすがプレミアム。110円じゃこれしか買えないのですね。もったいぶっちゃって生意気。でも味は普通の(ファミレスにあるような)コーヒーだったような気がするんですけど。

っていうかコーヒーってなんでミニ缶しかないのかなあ。だから私は例え牛乳で水増ししていても350mlばっちり入っている「がぶ飲みミルクコーヒー」がお気に入りなのです。

[椰子の実の立ち読み]:ユダヤ人の歴史地図

ユダヤ人の歴史地図 / マーティン・ギルバート著 ; 池田智訳
明石書店, 2000.9

日本にはユダヤ人というのはほとんどいなくて、ユダヤ教という宗教に触れる機会というのは限りなく0に近いと思うのです。ユダヤ教やユダヤ人を知るのは、ユダヤ人や強制収容所を題材とする本や映画くらいではないでしょうか。私もユダヤ教っていうのはどういう宗教なのかよくわかっていません。キリスト教の友人は結構いましたし、うちの妹でさえキリスト教系の学校に通っていたのですから、そこそこ把握できていると思うのですが、ユダヤ教というのはその大元であるということ、4000年以上の歴史を持つこと、イスラエルという国を最近持ったこと、世界中のあちこちで迫害されてきた民であることくらいしか知らないのです。でもユダヤ人というのは、世界中に散らばって人口も多く、小説なんかでも何故か特殊な書かれ方をされるんですよね。不思議です。最近特にイスラエルでの内戦が激化しているところで、ニュースでも取り沙汰されることの多いユダヤ。なんとなくちゃんとユダヤ人の歴史を学んでみたくなっている今日この頃でした。

あ、そうそう、くだらないことですが、これだけ世界中あらゆる国の料理が食べられる日本で、ユダヤ料理屋というのは(ユダヤ料理(?)はあるらしいのに)聞いたことがないのです。日本人が行っても大丈夫なユダヤ料理屋さんってあるんでしょうかね(結局食い気か>自分)。

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00年11月18日 (土)

裏技ATM

妹も私も一人暮らしをしてないからか、金銭感覚がかなりいい加減です。先日、妹は友人たちと遊びに行くのに財布を忘れてしまったそうです。はっと気づいたときは、既に電車の中。とりあえず定期で入ってしまったけれども、出ようにも乗り越し清算ができません。あわてて妹は彼氏のS君に「げ。財布忘れた〜」という携帯メールを送ったらしいのです。すると彼氏のS君も慣れたもの。
「Sローン、絶賛開店中。利子はトイチから」

ちなみに妹、銭洗い弁天で、「Sローン」からの借金を洗ってきたそうです。アーメン。

私は私で、現金の持ち合わせをよく忘れるのです。昨日は定期範囲外へ行く予定だったのですが、地下鉄乗ろうとして、あ!財布に300円しか入ってない!・・・給料日前で銀行にもほとんど入っていなくて、焦りました。

お金が無かった学生時代は、預金残高が3桁になることもしばしばありました。しかし銀行のATMは1000円単位でしか降ろせないんですよね。皆さんどうするかご存知ですか?
そうです、例えば800円しか銀行に入ってなかったら、200円預金をして、1000円円にしてから降ろすのです。持ち合わせが無い場合は、友人にちょっと借りて降ろせばいいのです。銀行は両替機もありますから大丈夫。借金もすぐ返せます。という話を後輩にしたら、「預金残高が3桁になったことなんてないですよ・・・」って言われてしまいました。

預金残高と財布の中身ぐらいは覚えておかないと・・・。

[椰子の実の立ち読み]:女子学生の職業意識

女子学生の職業意識 / 神田道子著
勁草書房, 2000.10

育児と経済的自立。どっちが重要とは言えない問題なだけに、どっちかを取るといろいろ言われるし、逆にどっちもやると大変なんていう今の制度自体が問題なんじゃないかと思うのですが、以外にこうしたアンケートを見ると、両立してる人って多いですよね。もちろん働いているときは育児なんてできないですから、親とか誰かに見てもらうことになるわけですけど、そこで周りの心無い人たちが「自分の子供を放っておくなんて」って言うからうまくいかなくなっちゃうんじゃないかなあ。もちろん育児や家事のスペシャリストとして主婦という自分の役割に誇りを持っている方だっているとは思うのです。ただ、それは女性に限らず、男性だってそういう人がいてもいいはず。数学が得意な人がいれば、一方で国語が得意な人もいます。当然家庭科が得意な人だって多いはず。単にそういうのが得意な人、という性格の違いなのでは、って思うんですけど。

「昼間のパパは・・・」っていうCMソングを覚えていらっしゃいますか?パパだけじゃなくて、ママだって昼間はこんなに輝いてるんだよん、って言えるほうが私は良いと思うのですが、どうでしょうね。

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00年11月19日 (日)

東京大聖書展

そうそう、おとといは東京大聖書展へ行ってきました。本当は先週土曜に行く予定だったのですが、行ってみてびっくり、長蛇の列なのです。入場に40分、見学に1時間以上かかると言われて、その後待ち合わせのあった私は断念したのでした。

券を買ってあったので、リベンジ。今度は平日に行こうと思って金曜の夜に行きました。それでも結構並んでいましたが、まあ土曜よりはまし。入ると、小さい展示スペースがあって、その後は少し待たないと入れないようです。この後もブロック毎に入場を待たされて、大して広い展示会場でもないのに、1時間以上かかってしまいました。

今回の目玉は、アジア初公開というクムランで発見された死海写本。アベカシスの『クムラン』にも出てきた最古の「聖書」です。紀元前後のものであることから、原始キリスト教の成り立ちがわかるのではないかと注目されている死海写本。実物は本当に断片で、まるでジグソーパズルのピースのようでした。それでもまだ展示されているものはそこそこわかるものなのでしょう。この何百倍もあるであろう断片を一個一個見て、これは聖書で言うココだ、と決めていくのは気の遠くなるような作業に違いありません。

そういう聖書自体は感動しましたし、『グーテンベルク42行聖書』や、ヘレン・ケラー愛用の『点字聖書』、日本の文壇での聖書の位置付けなど、他の展示もそこそこ興味深いものでしたが、が。せっかくの良い展示品なのに、ここ(オペラシティ)でやるのは勿体ない。元々展覧会用の場所ではないのと、企画が(恐らく)キリスト教会である関係で、展覧会らしくないんですよね。導線も悪いし(だから入場に時間がかかる)、展示の仕方もちぐはぐな印象。キリスト教への愛というか、執着はよーくわかりましたが、特に日本のようなキリスト教を「宗教」よりも「一現象」として捉えるような国では、もう少し客観的な観点から、展示をしたほうがよかったのではないかなあと思いました。少なくともわたしとしては、死海写本は「史料」であって、「聖書」ではないんですよ。これがちゃんとした博物館でやったりしたら、同じ展示品でもかなり違った展覧会になったんではないかな、と残念に思います。先日のエジプト展やダイヤモンド展なんかを思い出して、やっぱり専門の学芸員ってすごいんだなと思ったのでした。

展覧会の内容はともかく、死海写本や42行聖書を見たい方、東京大聖書展は東京オペラシティ(京王線初台駅の上)で本日19日までです。お急ぎください。大人1200円。学生・中高生・小学生の方は割引券もあります。

そうそう、オペラシティではクリスマスイルミネーションがとっても綺麗です。そちらも是非。前に来たとき綺麗だったので、今回はちゃんとデジカメ&三脚を持って行ったのです。しか〜し。三脚を立てて写真を撮ろうと思ったら、ガードマンに怒られました(><)←みさとちゃん風

「オーナーの意向で、敷地内は写真撮影禁止なんですよ〜。スナップ写真程度は見なかったことにしてるんですが、三脚とか立てられちゃうとまずいんですよねぇ。すみませ〜ん」

なんで撮影禁止なの!そこまではいいとしても、なんでスナップはよくて三脚がだめなの!というわけで、写真目的の方は意地でもスナップ写真にするか、別のところで撮影してください(^^)。

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00年11月20日 (月)

中国国宝展

上野公園お天気も良いので、昨日は散歩がてら国立博物館へ。前から見に行こうと思っていた中国国宝展を見てきました。エジプト展ほど混んではいませんでしたが、それでもそこそこの入り。意外と外国人も多かったです。

展覧会は大きくわけて2つに分かれていて、前半部がインド仏教の影響が強い6世紀から8世紀頃の仏教美術の展示、後半部がずーっと時がさかのぼって新石器時代から紀元前後頃の中国独自の遺物の展示でした。前半は日本でもお目にかかることのできるお顔。日本の仏教もこの血をひいているんだなあというのがよくわかる仏様のお顔でした。特に最初の菩薩様は、あれ、この顔どっかでみたことあると思っていたら、テープの解説で、法隆寺の百済観音と似ていると言ってました。なるほどそっくり。こういうあっさり系のお顔がある一方で、四川省(もっと南の方)から出た観音の頭部なんかは、濃いいお顔で面白いのです。

前半部をすぎると、いきなり紀元前13世紀なんていう時代に。特に面白かったのは、青銅器ですね。日本では青銅というと銅剣やら銅鏡というイメージが強いですが、中国では本当に青銅のいろんなものを作っているんですね。上海博物館でもいろんな青銅器を見ましたが、本当に綺麗。私のお気に入りはかなり背丈のある立人像でした。両手で何かを持っているような格好をしているのですが、何を持っていたかは不明。見て何を持っていたか想像するのも面白いかも(^^)。

今回の展覧会の目玉のひとつ、兵馬俑の埴輪は、実際兵馬俑博物館で見ているのですが、改めてみるとやはりすごいですね。大きさだけではなくて、本当に生きているみたい。あの兵馬俑の埴輪は、始皇帝の軍隊をそのまま形取った物で、人のがそれぞれ異なるとい話を聞きましたが、髭があったり無かったり。来ている服や持っている武器なんかも様々で、いったい制作にどのくらいかかったんだろう、と思います。

中国国宝展は12月17日(日)まで。上野公園は今紅葉まっさかりで綺麗です(上の写真)。散歩をかねて国立博物館へでもどうでしょう。

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00年11月21日 (火)

Netscape6正式版

もう先週になりますけど、とうとうNetscape正式版が出ましたねえ。私もさっそくダウンロードして職場のマシンに入れたのですが、どうなんでしょう。テーマを使っていろいろ変えられるのは面白いですし、表示も早いのですが、どうもバグが多いような。例えば、私はウィンドウを最小化するのに[Alt]+[スペース]+[N]というWindowsショートカットを使っているのですが、それが使えないんですよ(実はショートカットマニア)。とっても不便。CPUも職場のマシンは2年前のモデルなので、最小化から戻すのにちょっと時間がかかる気がします。あと、結局メーラーは自分で選べないんですね。検索に私はgoogleを使いたいんですけど、これもカスタマイズはできなさそう。あと、私は自分のページのURLを「ホーム」で単語登録しているんですけど、これが入力すると何故か途中で切れちゃうんです。ZDNNにNetscape6はバグが多くて問題っていう記事が出ていましたが、ちょっとまだ実用段階じゃないかもっていう気がしました。というわけで、やっぱり家ではNetcape4.7xなのです。。。

[椰子の実の立ち読み]:できるWindows Me

できるWindows Me
インプレス, 2000.10

Windows Meってなにってところを見てみたのですが、やっぱり入れなくてよかったかも。というか、「Windows Meには、インターネットと電子メールを楽しむために必要なソフトウェアがすべて揃っています」ってIEもOutlookも使わない私にとっては特長でもなんでもないんですよね。しかもすごいですね、CPUがPentium 400MHz以上推奨になってます。そう言えば、この前ヴァージョンアップしたPaint Shop Pro 7JのCPU推奨環境がPentium III 500MHz以上になってたのにも驚きましたが、段々3年前のパソコンじゃ厳しくなってますね。。。
やっぱりOSはパッチあてるだけでいいかな。。。Win98が時代遅れになるのはまだ先のようですし。というか、Win95だってまだまだ現役?

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00年11月22日 (水)

防火扉番

今週は学園祭に合わせて図書館は休館です。私たちは利用者がいるとできないことをいろいろとやるわけですが、その中のひとつ、避難訓練(笑)。何故か私は防護安全班なるものに配属されて、一緒に参加しなければなりません。で、何をやるかというと、要するに防火扉を閉める役なわけです。よく考えると、責任重大な役。避難誘導班が利用者(今回は職員が利用者役もやる)を避難させ、その後誰もいなくなったか確認をしてから、階段を塞いでしまう防火扉を閉めるわけです。つまり、最後まで残って、防火に勤めなければならない。これが映画とかだったら、「いや、おまえは先に行くんだ。ここは俺がどうにかする」みたいな、命をかけて延焼を防ぐおいしいヒーロー役でしょうけれども、避難訓練で、しかも悲劇のヒロインならともかく、防火扉のヒロインでは絵にならないのです。しかもこの防火扉、めっちゃ重い。これ実際に火事で階段から熱風が吹き上げる状態で、私みたいないかにも力の無い人間が閉めることなどできるのでしょうか。というか、防火扉を閉めるというよりも、防火扉に遊ばれて階段に閉じこめられるような気がします。「片桐の蒸し焼き」一丁あがりです。それでなくても、職員の前に貴重書を守りそうな大学なので、火事の時はさっさと逃げなくては。・・・・こんなことで大丈夫なのか<避難訓練

[椰子の実の立ち読み]:20世紀ファッション・デザイン史

20世紀ファッション・デザイン史 / 常見美紀子著
スカイドア, 2000.7

ちょっと前のフィルムを観たりすると、衣装がとっても面白いですよね。ああ、この頃はこんな服が流行っていたんだ〜っていうのがよくわかります。20世紀のファッション・デザインの解説をしているこの本、私の爆笑をかってしまった、ピエール・カルダンの「コスモコール」(1966年)に大賞をあげたい(笑)。なんですか、これは。というか、もともとこういうファッションショーで出てくるようなデザインて奇抜すぎて本当に売る気あんのか、って感じのが多いですが、それにしてもこれはやりすぎでしょう。だって頭にでっかいヘルメット被ってるんですよ。しかもそれが富士山型。顔の部分に四角く穴があいているんです。っていうか、これ着て歩いてたら、ぜーったい変な人。いくらカルダンだって言ったって、変なものは変です。はい。こういうのを裸の王様って言うんだと思うのですが、どうですか、皆様。

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00年11月23日 (木)

不況、不況と言うけれど。

昨日、ふと思ったのです。不況、不況と言いますけれども、一体いつからこんなになってしまったのだろうと。私はバブル崩壊の1990年にはまだ中学3年生でした。だから、気づいたら平成不況、就職氷河期状態だったのです。バブリーな頃を知らない私。というわけで、昨日は朝日新聞DNAを検索してみました。

今の不景気のきっかけはなんといっても、株価暴落。というわけで、株価暴落で検索してみたところ、こんな記事が出てきました。

■1990年2月27日 東証終値は1569円安 終了にかけ持ち直す 海外でも株が小反発
・・・・・東京証券取引所第1部の平均株価の終値は、先週末比1569円10銭安の3万3321円87銭となり、1987年10月20日のブラックマンデー(株価大暴落)以来、史上2番目の下げ幅を記録した。
(中略)
この日は、外国為替市場で、株価不安から円が売られ、一時、149円台をつけた。・・・・・

というわけで、今の平成大不況のきっかけはこの1990年の株価暴落のようです。しかし、株価はまだまだ今の倍以上。題字を見てもわかるとおり、専門家の間でも「バブルでついた余計な贅肉を取り払って、健全な市場に戻る契機」なんていう余裕の発言も出るほど楽観視されていたようです。円も安いですねえ。149円。ちなみに当時のNY市場の平均株価。約2200ドル。信じられます?2200ドルですよ。

そんな楽観論もどこへやら、1990年10月のこの記事。

■1990年10月02日 吹き飛んだ270兆円 砕けた「バブル市場」(株価崩落の波紋:上)
・・・・・・「恐慌の下げだ」「沈痛な気分だ」――東証1部の平均株価が2万円の大台を割った1日午後1時過ぎ、東京・兜町にある証券会社の株式担当者の口々から、悲鳴にも似たうめき声がもれた。・・・・・・

さすがの兜町もこの下げ幅は尋常ではないと気づいたようで、本格的な不況へ突入。そして翌年の年末。

■1991年12月9日 平成不況(経済気象台)
・・・・・ 年の瀬を前に景気は一段と冷え込み、景気後退はだれの目にも明らかになってきた。経企庁の景気動向指数(DI)一致系列は昨年10月をピークに低迷を続けている。1年以上前から景気は調整局面に入っていたとみることもできよう。(中略) 今回の大型景気を「平成景気」と名付けるなら、この景気後退はさしずめ「平成不況」の入り口ということになろう。それでは平成不況はいかなる姿になるのだろうか。(中略) 今回の大型景気で膨張したバブルは実物経済の1割以上にも達したとみられ、日本経済に付着したこの肥満部分をそぎ落とすためには少なくとも3年間のダイエットが不可欠のようである。

ここにきて、とうとう「平成不況」という文字が出てきました。しかし、最後のブロックを見てください。「3年間のダイエット」なんていう言葉がまだ出てきていますね。この状況は3年程度で抜け出して、再び景気は回復するだろうという見方があったようです。ちなみにこの不況は底が見えないまま、既に10年が経っていることは、みなさんもご承知のとおり。

そして、93年春、とうとう「就職氷河期」という言葉が現れます。

■1993年3月9日 不況の春 就職大パニック、女子大生を直撃・・・・・・立教大学就職部の原田大吉課長の表現を借りれば、来年は、(就職戦線は)「決壊」してしまうらしい。「氷河期」と表現した就職情報誌もあった。
*()内片桐補記。

この頃はまだ就職戦線なんていう言葉が使われていたようですが、「ある就職情報誌」に氷河期と書かれたのが、この言葉の発端なのでしょうか。ちなみに私は93年4月、大学に入学しました。最も浪人生が多いと言われる時代でした。

就職氷河期なんていう言葉、意外に新しいんだと思ったりして、結構面白いです。この年の流行語。「清貧」「リストラ」「就職氷河期」。こんな言葉が流行語になるなんて、まだこの頃は、この不況はいつか終わるさっていう楽観的なイメージがあったのではないかと思うのですがどうでしょう。今はあまりにも現実的過ぎて、しゃれにならないですよねえ。。。あはは。景気が回復するのはいつのことやら。

*記事はすべて朝日新聞です。

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00年11月24日 (金)

いいえ、時刻表ミステリではありません。

南禅寺の紅葉そうだ、京都へ行こう!のキャッチフレーズどおり、昨日京都に行って参りました、わたくし。なぜ昨日かというと、京大の11月祭で綾辻行人講演会があったからなんですね。で、綾辻ともみじを一緒に見てしまおう(笑)と、始発に乗って日帰り旅行です。

午前中は紅葉を見に南禅寺と永観堂へ、午後は京大で講演会。どっちもよかったです!適当に書いてしまうのは勿体ないので、週末にまとめてUPします。一応情報を書いておきますと、京都市内は恐らく今週末が紅葉のピークです。新幹線で行く方は、自由席は新横浜からでは座れません。2時間半立っていく気力のないかたは、東京まで戻った方が無難です。多分指定席は満席だと思うのですが、23日は6時東京発の「のぞみ」(500系!)にはまだ余裕があったようでした。グリーン車もあまり残りが無いようです。また、京都では足か電車を使いましょう。バスやタクシーは使えません。ちなみに帰り、16時過ぎに京大を出て、2つめの熊野神社バス停まで30分かかりました(私はここで諦めて降り、京阪に乗り換えました)。また、11時過ぎると、どこも紅葉よりも人の方が多くなっていました。一番行きたいところは朝イチがおすすめです。南禅寺には9時半頃に着きましたが、まだゆっくり見て回れる感じでした。

なんだか京都へ日帰りなんて、不思議な感じです。勿体無いとも言われましたが、連休が取れることが確信できなかった上に、この時期京都は高いので、思い切って日帰りで行ってよかったと思います。特に紅葉とか桜とか、予報ってあって無きようなもので、私は水戸に住んでいた頃、梅がつぼみにもなってない偕楽園に、この人たちは何を見に来ているんだろうと思いましたからね。思い立ったが吉日。というわけで、ちょっと阿呆なことをしてみました。。。

[椰子の実の立ち読み]:SIM ANESTHESIA[CD-ROM]: 全身 麻酔 シミュレータ

SIM ANESTHESIA[CD-ROM]: 全身 麻酔 シミュレータ
日本電気, 2000.10 (発売:医学書院)

NECの医学用シュミレーターで、患者への全身麻酔をシュミレーションするソフト。医学生用のシュミレーターなわけですが、これってゲームとして売ったらなんだか売れそう(笑)。「フライトシュミレータ」の全身麻酔版ってやつですね。患者の状態をすばやく計算して、警告を発したり、次の動作を促したりするそうです。ホームページはこちら。ちなみにお値段は28万円(税抜)だそうです。。。

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00年11月25日 (土)

火の用心

昨日はとうとう避難訓練の本番です。簡単な打ち合わせのあと、火災報知器が鳴りました。火元確認班が火元を確認しに行き、火元の地下2階に集合です。実際火事になったら、火元に集合できるのか甚だ疑問ですが、そんな疑問は言ってはいけません。ちなみに火災報知器が鳴るのを待っている(笑)ときに、消防署の人と話をしていたのですが、本みたいなものはある程度ぎっしり詰められて固まりになっていれば、そう簡単には火はつかないと言っていました。木と同じだそうです。「しかし一回火がついたら全滅だけどね。」とか。

で、当初の予定どおり、初期消火に失敗たことになって、私は自分の受け持ちの防火扉で待っていたのです。地下1階は地下書庫の出口なので、地下書庫の人間が全員出ないと、閉めることができません。他の階の防火扉番が「地下○階、閉めました〜」と言っているのを聞きながら、地下1階担当の方とチェックをしていたのです。「これで全部ですね、じゃあ防火扉を閉めましょうか」。

地下は縦横ともに2m以上ある防火扉が3つあります。一生懸命閉めていると、ぴんぽんぱんぽ〜んという放送が・・・。

今日の避難訓練はすべて終了いたしました。お疲れ様でした

がび〜ん。み、見捨てられた・・・。私はまだ避難してないってば!
もう一人の子と共に、1階の本部に戻って防護安全班長を探すと、まだ待っています。「終わりました〜」と報告すると、「あれ、やっぱりおまえたち帰ってきてなかったよなあ」。

隣にいた先輩が、「さっき『防護安全班、全員避難終わりました〜』って誰かが報告してたよ。わたしは『帰ってない、帰ってない』って思ったんだけど・・・」・・・わ、私はまだその頃、防火扉を閉めようと頑張っていたのに!私の努力は一体。

というか、ギャグで「片桐は見捨てよう」とか言われるのは絶対あると思ったのですが、本当にやられるとは思わなかった(T_T)。ひ、ひどい。もし火事が起きたら、真っ先に逃げてやると誓った私でした。乾燥してきたので、皆さんも火には十分注意しましょう。

[椰子の実の立ち読み]:しぐさの比較文化 : ジェスチャーの日英比較

しぐさの比較文化 : ジェスチャーの日英比較 / リージャー・ブロズナハン著
第10版
大修館書店, 1998.9

しぐさって、無意識にやっているものなので、こういう風に離れた国のジェスチャーを比べてみると全然違ったりして面白いものですよね。そうそう、例えば、「おいで、おいで」というときは、英国では普通手の平を上に向けて指を前後に動かすそうですが、日本ではどちらかというと、手の平を下に向けるほうが多いですよね。手の平を下に向けると英国では「さようなら」に使われるみたいです。握手ひとつとっても、日本人の握手はそっけないそうで、英国人の握手は熱がこもりすぎ。でも握手をした後、日本人はさらに一歩入ってさらに手を繋いだりしますけど、英国人は熱烈握手の後は、さっと離れるのが礼儀だとか。面白いものです。結局「マナー」なんてあって無きようなものだと、私は思ったりもするのですが、無理に他国に合わせる必要はないですし、違うことが面白いじゃないですか。「郷に入っては郷に従え」って感じでいいんじゃないかと思いますね。

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00年11月26日 (日)

綾辻行人講演会

というわけで、11月23日の綾辻行人講演会の模様をUPいたします。全部をそのままレポートにすることもないかと思いましたので、印象に残ったことをピックアップ。

▼本格ミステリとは何か
早川書房の「ミステリマガジン」から、「ミステリー」じゃなくて「ミステリ」にこだわりがあるとか。なんとなくその気持ちはわかります。前に「図書館」の言い方が一般と違うという話をしましたが、何か内輪を形成するための一種の「方言」ってどのグループにもありますよね。そうやって自分の居場所を確保するという人間の心理なのかもしれません。

戦後、「探偵小説」が常用漢字政策により「推理小説」になった後、横溝正史の活躍、その後そのアンチテーゼとしての社会派が売れるわけですけど、うちの父の本棚がまさにそのままを映したような本棚だったので、私も横溝、高木彬光、そして松本清張は結構読みました。横溝とかあの黒い表紙と絵が怖くて、あんまり部屋に置いておきたくなかったんですけどね・・・。

という話から、本格ミステリとは何かというお話へ。謎を探偵あるいは探偵に準ずるような人間が推理・論理によって解明する、そこに意外性や驚愕のトリックがあるものを簡単に言うと本格ミステリということでしたが、まあ何となく思っていたのもそんな感じでしたか。実際のところ、私は本格ミステリだから買うとかいうことはなくて、面白そうならSFだろうが、ホラーだろうが何でもいいのです。けれども、やっぱり元々がそういう意外性のある結末が好きなタイプなので、本格ミステリって書かれると弱いかも(笑)。

▼デビュー秘話
「十角館の殺人」は、卒業(留年?)記念に書かれたものだそうで、講談社の編集者と知り合ったために、「売れないだろうけど、気に入ったから出しましょう」ということで、出版されたものだとか。あの本が無かったら、今のミステリブームも無かったと思うので、そう考えると人生って何があるかわからないものです。私も「十角館の殺人」に出会わなければ、きっと国内ミステリって読まなかったと思うので、やっぱりすごいですね、あの本は。未読の方は是非。

▼本格ミステリ作家クラブ
ミステリと付けば売れるというくらい、流行中の「ミステリ」ですけれども、その火付け役の綾辻氏は「流行は廃れる」という危機感をもっているそうで、この作家クラブの発起人となったとか。もう彼よりデビューの早い人も数少ないそうで、これから一体どうなるんでしょうね<ミステリ。

▼アトラクション・・・というか手品
元々「本格ミステリの魅惑」という演題で始まったこの講演会。では、「魅惑的な謎とは何か」ということで、こんな謎を提供してくれました。

まず、会場の中から2人の助手を指名します。一人は京大生という男の子で、もう一人は岐阜から来たという女の子。呼びやすいように、男性をA君、女性をBさんとでもしておきましょうか。A君を会場から向かって右に立たせ、綾辻氏は彼に「今日の預言書です」と封筒を渡しました。おもむろに天声人語の切り抜き(帯状になっている)と黒い鋏を取り出した綾辻氏。左手で天声人語をぶら下げて持ち、そこを鋏ではさみながら下へ流していきます。Bさんは、その途中でストップをかけるように言われ、「ストップ」と言ったところで綾辻氏は鋏を止めました。「ここでいいですか?」という言葉に「いいです」というBさん。すると綾辻氏はそこで鋏を入れてじょきっと切ります。当然重力の法則にしたがってひらひらと落ちる天声人語の下部分。「拾ってください」とBさんに言った綾辻氏。Bさんはその切られた天声人語を拾い、言われるままに最初の行を読み上げました。内容はちょっと覚えてないのですが、文章の末尾で、動詞で終わるところだったと思います。(実際天声人語で確認したところ、恐らく「記事が載る。」でした。)すると綾辻氏は、今度はA君に封筒を開けるように言い、中身を読み上げさせました。それがぴったり同じだったのです。さてどうしてでしょう。というもの。これは元々は泡坂妻夫氏が昔、講演会でやった手品だそうで、それを聞いた(見たではない)綾辻氏、トリックはこれしかないと考え披露したそうです。ということは、聞いた内容でもトリックを見破れるということ?一応正確に書いたつもりですが、もし何かあったら指摘してください。>実際に見た方。ちなみに私はさっぱりわかりません。。。まだ考えてます。

(11/27追記:わかってしまいました!なるほど「これしかない」という答えかも。最後に出たヒントの意味もわかったので、恐らく正解だと思います。ただ、泡坂氏と、決して答えを言わなかった綾辻氏に敬意を表して、メールなどでの問い合わせには、私はお答えしません。たぶんどこかの掲示板とかに答えを載せる人がいるでしょう。そちらをご覧ください)

前半はここで終わりで、タバコ休憩の後、後半は集まった質問に答える形式。面白かったものをいくつかピックアップ。

▼現代ミステリ作家ですごいと思う人
「自分」って言わないかなと思ったのですが、そういう性格の方ではなかったようです。というわけで、答えは、「化け物という意味で、京極夏彦。あの人は、人間ではないということで、議論は完結しています。」とりあえず、作家の間のネタなのでしょう。同じく化け物つながりで小野不由美さんが出てきました。「主上と呼ばせていただきます」だそう(笑)。私も両方とも凄い人だと思いますが、やっぱり本当にすごいのは出版界の流れを変えた綾辻だと思うのですが。

▼作家は小説を読まない?
今年読んだ作品で面白かったものという質問に、考え込んでしまった綾辻氏。前に別の作家さんが「最近小説を読んでいないんです。本を書くためのにする資料ばかりで」と言っていたのですが、綾辻氏も同様なようで、推薦文を書いた2冊をあげていました。もしかすると作家さんというのは、小説を読めなくなってしまうのでしょうか。それってつらくないのかなあ。読むと書くは違うという話をどこかで書いた気がするのですが、書くのと読むのとどっちが好きですか?という質問を作家さんにはしてみたいですね。

▼十角館の3D化
会場からの質問で、作品の映像化の予定は?というのが出たのですが、私も昔見ました<「霧越邸殺人事件」。単なる2時間ドラマになってしまって、超不満だったのを覚えています。同じように宮部みゆきの「蒲生邸事件」がこの前NHKでドラマになっていましたが、やっぱりダメですね。もちろん十角館は絶対にできないだろうと思っていたのですが、1度だけ演劇化されたことがあるとか。劇団ひまわりの内部発表みたいな形だったそうですが、きちんとあのまま脚本になっていたそうです。一体どうやったんだろう。見たい。

▼最後にちょっと情報・・・・
今後の活動予定として、来年は今やっている連載2本を続ける予定だそうです。あと、テレビの放送で、「安楽椅子探偵」第3弾が全国ネットで放送されるということ。問題編は、12月21日のニュースステーションの後。賞金は100万円で、解答編は25日深夜1時放送なので、猶予はたったの4日間。ということで、受け付けはFAXかE-mailのみとなるそうです。

最初に綾辻氏、「普段は家にこもって本を書いてばかりいる生活なので、話すのは得意じゃない」と言っていましたが、ミステリの話になるとやっぱり饒舌だったような。本当にミステリが好きなんだろうなあという気がしました。その話を始めると止まらないという印象でした。きちんと纏まった話でしたし、時間的にもぴったりで、よくできた講演会だったと思います。というか、手品の謎が解けなくて私は気になって仕方ないんですけど。もう一度みたいよぉ。

[椰子の実の立ち読み]:これから伸びる職業

これから伸びる職業 / 本多信一著
毎日新聞社, 2000.9

21世紀に伸びる職業・・・弁理士、弁護士、税理士、美容院経営、情報処理技術者,etc...
21世紀に伸びない職業・・・事務系企業人、農機具セールスマン、司書(図書館員)、着物店, etc...

一応「ニーズ減だが、工夫しだいで維持可能。秘策はある」と書かれているだけまし?(笑)ちなみに、この本に書かれているような「内気で本好きの男女」は図書館員に向いていないので、やめたほうが無難です。図書館雑誌や図書館関係の本にも良くかかれていますが、所謂「図書館員」のイメージって間違ってるんですよ。どっちかっていうと、強い人が多いのです。内気な人間では精神的に潰れてしまいます。逆にそんな人でもやっていけるようなのどかな職場では、本当に「21世紀に伸びない職業」になってしまうのです。当然飯の種が本(というか情報)ですから、本が嫌いではやっていけないですが、だからといって、内気な人間が細々とやっているというイメージでもないのです。

どちらでもいいのですが、いずれにせよ○○とか職業に名前のついているような職種は、その範囲が法律で決められたような弁護士とかはともかくとして、その職種の持つ漠然とした「枠」に囚われていては、どんな職業も時代の波にのまれてしまうような気がします。大学も窓口を18歳にこだわっていては、いずれやっていけなくなることがわかっていて、社会人をターゲットにした商売とかしてるわけですし、図書館も媒体や機器の変化に合わせてデータペースの構築の仕方も変化しつつあります。たとえ営利企業じゃなかったとしても、時代のニーズに合わせて、事業を変化させていかなければいけないんだ、というのがこの本のテーマなんじゃないかと思いました。

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00年11月27日 (月)

こいつの正体

シロタン

最近写真系が多くて、遅い回線でつないでいる方、ごめんなさい。今日のこの写真、なんだと思います?この前妹が買ってきた〜とか言って持ってきたもの。ゴマフアザラシ(?)の抱き枕。妹曰く、腰が痛くならなくていいとか。私は最初見たとき、しらす干のお化けかと思いましたよ。特にひっくり返すとソックリなんです。でも心の隅でちびっと欲しい(というか、とっても欲しい)。肌触りがとってもよいんです。

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00年11月28日 (火)

聞くは一時の恥

最初に昨日の日記の補足。昨日の写真について、お問い合わせがありました。ええとですね、まずあの抱き枕は某マンガの「ゴマちゃん」ではありません。同じゴマフアザラシなので、非常に似ておりますが、マザーグースの森のシロタンというキャラクター商品です。通販もできるようなので、欲しい方は詳細はこちらから。マザーグースの森に行って、「ゴマちゃん無いですか?」とは言わないでくださいね。

閑話休題。

後輩Bはマウスが苦手です。何故か彼女のマウスはすぐに壊れるのです。聞くと、どうも反応が鈍くなるとか。ああ、それはと思い、私は言いました。

「マウスの中、掃除してる?」

彼女は「それ言われたから、やったんですけど・・・」と不満そう。私も特に確認せずに「どうして壊れるんだろうねえ。マウスに嫌われてるんじゃないの?」と言ってました。

おととい、後輩Bは再びマウスの調子が悪いと言い出しました。「なんだか左に行かないんですよ」。同じ症状をマウス掃除で直した私は、今度は彼女のマウスを取り上げて、マウスボールのところの蓋を開けてみました。案の定、ローラーのところにゴミが溜まっているではないですか。「だから、ここ掃除するんだってば〜」。私はゴシゴシとお手本をみせてあげました。すると後輩B、

「え?掃除するってそこなんですか?私はてっきりボールを掃除しろってことかと思って、ボールを机でごしごしやってましたよ」

マウスボールは消しゴムじゃないってば。

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00年11月29日 (水)

今更ながら自己紹介

プレミスコン2まであと4日になりまして、グループが決定したそうで。私は第6グループなのですが、みなさん名前は知っていても初対面の方ばかりなので、どうぞよろしくお願いいたします。。。ホームページを持っていらっしゃる人のところには、後でゆっくり回ろうと思っておりますが、もし見て来てくださった方がいらしたときのために、自己紹介しておきますね。ええと、普段名前でつかっているのが「ひろえ」で、本名も同じです。大学図書館に勤めております。天然○○とか、食欲大魔人とか、おやじ萌えとか、いろいろ言われておりますが、本人はいたって真っ当だと思っています。確かに職場の壁にぶつかり、置いてあるゴミ箱すべてにつまずき、挙げ句の果てにLANケーブルを足でひっこぬいてしまうおっちょこちょいではありますが、「おやじ萌え」はないでしょう、「おやじ萌え」は>みやさん(T_T)。ひどいわ。そのままゲームのキャラになる(しかし「燃料をやたらと喰う戦闘機」)とまで言われた自分ですが、実のところ人見知りなので、どうぞどうぞよろしくお願いいたします。

  • ・・やばい、全部の人のページをウィンドウを沢山開けて一遍に広げたら、どの人がどの人だかわかんなくなってきました・・・。WindowsOSより使えない・・・>自分。
[椰子の実の立ち読み]:武満徹 : Songs

武満徹 : Songs / 大竹伸郎・絵
Schott, 2000

武満徹の合唱曲集。武満徹の曲って自分的にいろんな思い入れがあって、私は嫌なことも含めて思い出すことが多いのですが、「小さな空」(詞:武満徹)と「死んだ男の残したものは」(詞:谷川俊太郎)はとっても好きな曲。多分合唱関係者以外にはあまり知られていないかと思いますが、この曲は、どちらも武満徹作曲の「混声合唱のための<<うた>>」という合唱曲集に含まれていて、よく演奏会でも歌われています。現代的な難解曲とは全く違う、歌詞を生かした美しい曲で、だからこそ演奏するのも難しい曲です。もし機会があったら是非聞いてみてください。演奏によってはハンカチなしでは聞けません、ええ、本当に。

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00年11月30日 (木)

20世紀もあとわずか

紅白の出演者も発表されたそうで、あと20世紀もあと1ヶ月ですね。早い〜。というか、21世紀って信じられますか?21世紀っていうのはすんごい未来だと思っていましたけど、もうすぐ来てしまうのですね。

昨日これを書いているときは、超酔っぱらいでした。練馬の外注先まで「監査」に行っていて、帰りに上司と主任と一杯です。食事と異なり、アルコールに関しては超燃費の良い私は、ジョッキ一杯であっちの世界です。ちなみに出たのが18時。平日の18時ですから、まだ帰りの電車は仕事に疲れて帰る人ばかり。酒臭い私は、冷たい視線を浴びてしまいました(T_T)。もともと16時半が定時なものですから、職場で送別会なぞしようものなら、17時には立派な酔っぱらい。こんなことで良いのでしょうか(<いやよくない)。まあ20世紀も残りわずかですから、たまにはいいですか(<全然関係ない)。っていうか、この文章、酔っぱらいがそのまま現れてますね。あはははは。

[椰子の実の立ち読み]:旅の虫眼鏡 : アジア・アフリカ路上観察ノート

旅の虫眼鏡 : アジア・アフリカ路上観察ノート / 伊藤博幸著
旅行人, 2000.9

旅で見つけたモノや動物を見開きで1つづつ紹介している本。
旅先って、意外なものが意外な形で見られて面白いものですよね。
コーヒーの話。そうそう、コーヒーで有名なコロンビア在住の友人も言ってましたが、コーヒーは産地では良いものは買えないのです。この本にも出ていますが、世界で一番おいしいコーヒーが飲めるのは日本だとか。日本人でよかった。

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