00年11月前半号
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00年11月1日 (水)

知ってると便利なこと。

最近日曜日に私がパソコンを使っていると、妹がいそいそやってきます。そして私のベットを占拠。おもむろに始めるのがプレステの「ファイナル・ファンタジーVIII」。既に「IX」も出て久しいのに、なんだかいきなり「VIII」を始めた妹。結構面白いようで、毎週日曜になると私のプレステで遊んでいます。今やっと1枚目の3回目のボス敵?(電車のとこ)と戦っているようです。ところが、初めてファイナル・ファンタジーをやった妹、超不親切な説明書ではさっぱり意味がわからないようで、あちこちで困っています。

「なんか吹き出しが出てる・・・」(それは沈黙状態)
「あ、頭から煙が出てきた」(ああ、暗黒になってるよ・・・)

妹は、ありとあらゆるステータス異常を被り、それでもなんとかボス敵と戦っています。
「ねえってば、これってどうすれば直るの?」
「ステータス回復の魔法かアイテム使えばいいの」
「え、それってどれ?」
「・・・・」

私はイヤな感じがして、聞きました。「あんたさ、ケアルが回復魔法って知ってる?」

「ああ、それはさっきわかった」

君は回復魔法も知らずに今までやってきたのかい。。。すごすぎ。

テレビ制作入門 : 企画・取材・編集 / 山登義明著
平凡社, 2000.8
(平凡社新書)

テレビのドキュメンタリーとはどのように作られるのかという舞台裏を、NHKディレクターが書いた本。最近でもドキュメンタリーというのはモノによっては高視聴率を取れる番組のひとつだそうですが、ドキュメンタリーってどういうものを想像しますか?私は現実を様々な切り口から「見せられるもの」に調理したものという印象だったのですが、この本をチラっとみたところでは明確な定義はないということ。最低でも私はドキュメンタリーというのはノンフィクション(やらせではなく、カメラが捕らえたままのもの)を指しているのだと思っていましたが、その辺も怪しいですね。だからやらせ問題なんて出てくると思うのですが、結局民放にしろNHKにしろ、ドキュメンタリーという商品を作っているわけですから、売れなければ(見てもらえなければ)意味がないわけですよね。そうするとどうしても視聴者が「見たいもの」を作ろうとしてしまうという悪循環なのか、それとも単にそれをドキュメンタリーだと思っているのか。改めて「カメラの前の現実はホンモノか?」という疑問が沸き起こってきました。この話は書き始めると長いので、また機会があったら。

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00年11月2日 (木)

とうとう登場。

来る来ると言われ続けてきたAmazon.com。昨日とうとうアマゾン・ジャパンがOPENしました。オンライン書店フェチ(笑)としましては、ここはやはり登録しなくては、とさっそく登録。AmazonのほうにあるAlertサービスは無いみたいですね。Amazonのほうには登録しているのですが・・・。基本的に検索→クレジットカード決済、という従来のオンライン書店の王道とも言える形を踏襲。とりあえず年内は送料無料だそうです。洋書は安いのですが、和書としてはどうでしょう・・・。やはり洋書を安く簡単に買うオンライン書店といったところですね。。。

bk1が送料無料期間が終わり、イーショッピングが少々検索システムを変更。ISIZE BOOKではちょっと面白い価格比較機能を付けていますが、今一つこれ!といったオンライン書店が無いかなあ。と思っていたところに、気になる記事を見ました。Amazonって、オークションサイトと提携しようとしてたんですか?なるほど、本専門のオークションサイトがあると、すごいかも。ブックオフのオンライン版。オークションサイトは数あれど、検索機能なんかで本は厳しいものがありますよね。題名や著者名から検索できて、しかも顧客同士で売り買いできると便利かもしれませんね。多少問題ありそうですけど・・・・。

[椰子の実の立ち読み]:ムスタンの真実 : 「やらせ」現場からの証言

ムスタンの真実 : 「やらせ」現場からの証言 / 小松健一著
リベルタ出版, 1994.9

最近わざと意見の対立した本を並べて面白がっている(<嫌なやつ)のですが、お気づきいただけましたでしょうか。どんなノンフィクションも結局「書いた人」の真実であって、自分にとっての真実は、自分で判断しなければならないというのが私の持論で、こういう真っ向から対立する本(ここ数年では"Rape of Nankin"問題なんかが良い例ですね)が当然のように入ってくる図書館は、そういう意味ではとっても勉強になります。
で、この本。NHKスペシャル「禁断の王国・ムスタン」がやらせだったということを、当時一緒に取材にあたったフリーカメラマンが書いている本。ムスタンという秘境(というのが間違いだったようですが・・・)の国へ取材に出かけたNHK取材班。ところが、実際に撮った映像は、ディレクターが撮りたいと思った映像を無理矢理演じさせて撮るような悪質なものだったという話。当時も騒がれたムスタン問題ですが、こうしてみると、テレビっていうのはやっぱりどこまでを「事実」として見るのかが難しいですね。私は「本当の事」なんていうのは実は無いのではないかと思うのですが、やっぱりこういう話を聞くと、いやーな気分になります。

全然関係ないところで。読書感想文を書かせるなら、こういう対立する2つの本を読ませて、自分にとっての真実とは何かを考えさせるというのはどうですか?>読書指導をされる方。少なくともあらすじ感想にはならず、自分なりの意見を書けそうな気がします。自分の意見を言う機会の少ない日本社会で、いきなりディベートしましょうっていうのも無理な話。自分の中で意見を対立させてみるというのも面白いかも、と思いつきな意見。

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00年11月3日 (金)

体の固い人

昨日は職場の健康診断。大学はキャンパス内に診療所があるので、そこで健康診断をしてもらえるのです。まあ健康だけが取り得のような人間ですので、健康診断してもらっても大したことはないのですが、タダでやってもらえるのですから、行かない手はありません。

なんと、今年から体脂肪検査もしてもらえるようになりました。診療所だからといって特別な検査器を使うわけでもなく、よくある体重計みたいな体脂肪計で図るのですが、あれって裸足で乗りますよね。「裸足で検査しますので、ストッキングは更衣室で脱いできてください」といわれた通りにすると、「それじゃあこれで足の裏を拭いてください」とアルコールがついた脱脂綿を渡されました・・・あ、あの、ここでですか?といった場所。その上私は身体が固いのです。足の裏を拭くのは大変なのです。椅子に座ってえっこらしょ。と足を拭いていると、同じ部署の方が通りかかって笑われました。やっと拭いて測定すると、そのお姉さん、「体脂肪率は●●%です。少ないほうですよ〜」とのたまうのです。それって私はどういう反応をすればよいのでしょう。嬉しい反応をすればいいのか・・・・。それとも「ガリガリ君」と言いたいのでしょうか。。。えーん。

[椰子の実の立ち読み]:朝の読書が奇跡を生んだ : 毎朝10分、本を読んだ女子高生たち

朝の読書が奇跡を生んだ : 毎朝10分、本を読んだ女子高生たち / 船橋学園読書教育研究会
高文研, 1993.12

子供の活字離れが言われて久しい昨今。7年前に出版されたこの本に載っている数字によると、1ヶ月に1冊も本を読まない(!)子供が小学生で12%、中学生で51%、高校生で61%にのぼるそうです。びっくり。今はもっと高くなっているのかもしれません。私はきっと例外の子供だったのでしょう。だからこんな例外的な人間になってしまったのかもしれません。はい。

というわけで、この本に出てくる船橋学園では、毎朝10分を黙読の時間として持ってきた本を読ませるということをしているそうです。私には天国のような措置ですね。できることならそのまま1日中読書の時間だといいのですが・・・。最初は嫌々ながら読んでいた生徒も、3年間を通して本に触れているうちに、本の面白さが段段にわかってくるという仕組み。前に、活字離れの原因は趣味が多様化した所為という話を日記に書いたのですが、それ以前にどうして本が嫌いになっちゃうかというと、大抵あの「推薦図書」とか「感想文を書きなさい」の宿題の所為だと思うんですね。本は本当は面白いモノなんですよ。いや、こんな面白いモノ、他に無いんじゃないですかね。そんなことを他の人に教えるなんて、そんな勿体無いことできないですよ・・・ってやってるじゃん>自分。まあ、それは冗談としても、このページをたまたま見つけて、本を読んでみようと思ったというメールをいただけると、めっちゃ嬉しいです。本当に。別に1週間に5冊も6冊も読む必要は無いかと思うのですが、たまには読書でもどうでしょう。

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00年11月4日 (土)

追いつける未来

昨日久々にドラえもんを見ていたのです。1話目はまたまた空き地でスネオが何かを自慢しようとしている。おもむろに取り出したものは・・・な〜んとPDAではないですか。すごいです。ドラえもんもここまで進化したのです。ハイテク小学生スネオは、忙しい忙しいとどこかへ行ってしまいました。そこでいつものパターン。PDAの欲しいのび太は、お母さんにねだるのです。リモコンつきテレビをねだっていた頃が懐かしいです。今ではのび太がねだるものもPDAなのです。当然軽くあしらわれたのび太、次はドラえもんにPDAを出してもらおうとするわけですが・・・。

ちょっと前に映画館で「子供の頃、SFで見た世界がすくそこまで来ています」という宣伝を見たのですが、そろそろドラえもんも追いつかれ気味。PDAなんて、数年前なら、ドラえもんのポケットから未来の道具として出てきたものだと思うんですよね。ところが今ではスネオが自慢する道具。そのうちスネオがどこでもドアを持ってくるんじゃないかと思うのは、私だけ?(<おまえだけ)

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00年11月5日 (日)

買い物フルコース

久しぶりの秋晴れ。あまりにいい天気なので、当初の予定通り一遍に買い物をすませてしまおうと預金を下ろしてまずは銀座へ。洋服をみつくろって、さらに伊東屋でカレンダーを買って。ついでに三越に行こうと思うと、松屋のところに何やら行列ができています。お、何だ何だ、何かネタにできることやってるのかなー(<病気(笑))と思って寄って行って見ると、なんだか皆正装した人ばかり。あ、そう言えば・・・と思いつつ列の頭のところを見ました。やっぱり。

「LOUIS VUITTON」

のきらびやかな看板が。昨日オープンだったルイ・ヴィトンの前には行列が出来ていました。中は空いているようでしたので、入場制限をしているようです。あの雰囲気では、見てるだけーなんていう入り方はできないなと思ったのでした。くわばら、くわばら。

お昼を食べて、ついでに秋葉原へ。3日に九十九電機の新しいパーツショップが出来たという話をどこかで読んだので、要するに野次馬。空いている銀座と違ってめちゃめちゃ混んでました<秋葉原。電気業界は今も好況です(?)。特にその周りは更に混んでました。黒い人の中に混じって、私もIBMのHDDが欲しかったので、999円特価販売の抽選に応募しましたよ。でもあの人だかり(しかも静かに燃える男の方ばかり)の中に当たった〜なんて言って入っていくのはかなり勇気の要ることが判明しました。はい。というか、私が貰ったら「おいおいお姉ちゃん、本当に要るの?」って顔されるのが必定という気もしました。くわばら、くわばら。いや、当然当たりませんでした。

というわけで、ちゃんとビデオカード見てきました・・・>にしむらさん。でももう無かったです<AIW-RADEON。値札の上に空の棚がありました。というか、バルクでも3万以上もするではないですか〜。そんなものはどの道買いませんです。隣にあったAIWのAGP、16MBに惹かれましたが、結局ぐっと我慢しました。というわけで、別のものを買ってきました・・・。そのうちお目見えするかもしれません。

今日は講演会。行かれる方は会場でお会いしましょう(^^)。

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00年11月6日 (月)

五條瑛講演会

昨日はワセダミステリクラブ主催の五條瑛講演会に行ってきました。飯田橋の日本出版クラブ会館・・・だったのですが、またしてもその名前だけを頭に入れて、ちゃんと地図をみていなかったばっかりに、神楽坂でものすごく迷うはめに。飯田橋の駅から6分って書いてあったのに、なんと20分かかりました。私の周りだけ時差が起きてしまったようです。

講演会は当り障りのない司会者質問形式。そうです、講演会ではなく、対談っぽい形でした。登場された五條氏を見てびっくり。もっとキャリアばりばりの官僚っぽい人かと思っていましたが、真っ赤な髪も鮮やかな気さくな感じの方でした。デビューのきっかけは公務員を辞めて、ライターをしていたところを小説書いてみませんか?というお誘いで始めたという五條氏。本当はOLやりたかったんだそうです(^^)。公務員だったころの知識を生かしながらも、やはり元々スパイ小説が好きだったそうで、いろいろとあれとこれととリストアップされていましたが、ジョン・ル・カレはインテリなのが嫌、ケン・フォレットは実はスパイ小説とか言いながらラブ・ロマンス?ハードボイルドは「男の美学」みたいなのがダメだそう(笑)。観客の大半が若い女性だったこともあったのか、かなり受けてました。五條氏自身の作風を見ても、あくまでエンターテイメントの路線を貫きながらも、単なるアクションものに終わらせない人物造形や、ストーリーの深さといったところは、そうした趣味を反映されてのことなのかなあと思いました。

意外にキャラ萌えな一面も。彼女はギャビン・ライアルの「マクシム少佐」が良いそうで、「もーあれほど格好いい軍人は他にいない〜」だそう。そう言われると、結構読みたくなるのは、私だけではないはず(笑)。また、最もおすすめというのは、マイケル・バー=ゾウハーだそうです。

話を聞いていて、強く感じたのは、彼女はものすごく読者を意識してるなあということ。彼女自身、好きな本のイメージというのがしっかりしていて、こういうのが面白いと自分で思うものを実地で書いていっている印象を受けました。だから読んでいて面白いんじゃないかと。今小説宝石に連載している小説についても、「単なる兵器の羅列にならないような人間ドラマ」を考えているそうですし、アナリストを主人公にしたのも、「一般の人でも人間から話を聞いて分析するというのは、機械による情報収集よりもわかりやすいと思った」という話をされていましたし。趣味に走った単なる情報の羅列ではなく、人間が動き、それによってストーリーが展開されていくエンターテイメントらしい形が、彼女には見えているように思いました。

会場で会った青木みやさんとも言っていたのですが、客層が思っていたのと全然違う。私はスパイ小説だし、ああいう骨太な本なので男性読者ばかりかと思っていたのですが、若い女性が大半。五條氏もちょっと驚いていたみたいですが、どっちかっていうとキャラ萌え入っているような女の子が多かったような気がします。質問も「○○って何歳なんですか」・・・ってそれって小説と関係あるのかあ(^^;。そういう読み方もできるのか、と私も感心してしまいました。

いろいろあったにせよ、あまり固くならず、結構楽しい講演会でした。またどこかで講演会ありましたら教えてください。ワセダミステリクラブの皆様、お疲れ様でした。

最後に。近刊情報?
脇役を主人公にした小説もいろいろと書いていきたいということだそうですが、楽しみにしている方、次の発売は12月、集英社から出る短編集『夢の中の魚』だそうです。『パーフェクト・クオーツ』は結局今年中には厳しそうな印象でした・・・。残念。

[椰子の実の立ち読み]:出版幻想論

出版幻想論 / 藤脇邦夫著
太田出版, 1994.5

出版現実論 / 藤脇邦夫著
太田出版, 1997.11

うわーすごい過激。「売れない本は要らない」。まあ正しいのでしょうね。特に私が読むような本(HPLに載せているようなエンターテイメント本)は、売れることが至上なのですから、売れなかったら何を言っても「言い訳」にしかならないと思うのは大賛成。当然売るための努力はすべきで、面白ければそれなりに売れると思うんですよ。「ハリー・ポッター」とかそうでしょう。実際売れる本が本当に良い本かというのは別問題なのでしょうけれども、そう言って売れない本ばかりつくっていたら、結局出版社ごと倒産するわけですよね。賛否両論でしょうけれども、こう言う考え方は面白いなと思いました。

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00年11月7日 (火)

似て非なるもの

先に宣伝。先日よりミスコン、ミスコンといっておりますが、「ミステリコンベンション2」のプレオフ会が12月2日(土)にあります。詳細は【こちら】。今回はまだ席数に残りがあるそうなので、迷っている方は是非。私も参ります。

最初楽志くんにミスコンって聞いたとき、私は「ミス・コンテスト」だと思ったんですよね。心の中で私は「ひえー楽志くんってそういう人だったんだー」と思ったわけです。誤解は直後に解けたのですが、それにしたって「ミスコン」って略すのはねえ。怪しすぎですよねえ。いや、決して怪しくないのは、オフィシャルページを見ればわかる・・・はず。

そんな誤解って案外あるもので、うちの妹話。先日、家族でニュースを見てたんですね。確かスポーツで、ゴルフの賞金王の話題だったような気がします。リストを見てて妹が突然笑い出しました。

「なにこれ〜。デブ3世だって〜」。

一瞬凍り付く家族。

「・・・あんた、それラブ3世だよ・・・」

確かに似てないこともない。

[椰子の実の立ち読み]:図書館司書という仕事

図書館司書という仕事 / 久保輝巳著
改訂版
ぺりかん社, 1994.11

「図書館ってどういう仕事をしているのですか?」「図書館で働きたいのですが、どうすればいいのですか?」
自己紹介のところに図書館で働いていることを公開しているために、たまにこういう質問がきます。ただ、どんな仕事でもそうですが、一口に説明するのはとっても難しいものです。また司書とは言っても、館種(設立母体)や部署によっても全く違う仕事をしているので、全部を説明することは私もできません。そういうとき、よくすすめるのがこの本。司書ってどんな仕事だろうとか、図書館で働いてみたいと言う方、参考にどうぞ。

話は逸れますが、この本に、「図書館における図書の扱い方を大まかに類別すると、選択と収集、組織化と管理、利用と提供の三つに分けることができる。」という話が出ています。私はこのうち「組織化と管理」の仕事について4年になるのですが、やればやるほど様々な問題の出てくる場所です。。。個々の利用者への対応ということではなく、世界中で出版される本全体を見て、どのように分類し、どのように配架させ、データベース化すると、全体として利用者にとって利用しやすい図書館となるかを考えながら仕事をしています。データベースは次々新しい技術が出るので、日々勉強。その一方で図書館としての書誌の作り方みたいな規準もあり、そういった古くからの規準と、現在のデータベースが出来ることをすりあわせつつ、使えるデータベースを作っていくことが私の部署の究極的な目的だと思っています。特に最近はデータベース性能が上がったという「大誤解」のために、「なんであるはずのこの本が出ないんだ」、「なんでこれで検索すれば出るのに・・・」といった声をよく聞くのですが(私の部署へのクレームで最も多いのが「僕の本は○冊あるはずなのに、全部出ない」(笑)」という先生のもの)、実はまだまだ日本語(図書)データベースは発展途上以下。例えば同じ著者の本を一度に表示させるのも、通常「著者典拠」(私のページにはありますが)という別辞書を持たなければならないのですが、同姓同名(ジョン・スミスみたいな)なんていると、超悲劇。結局本当に同じ人かわからないことも多く、10万、100万書誌単位のデータベースになると著者典拠を維持できなくて捨てるところも多いです。そうなると標題紙に出ている名前をデータベースに著者として登録することになりますから、「マイクル・クライトン」を「マイケル・クライトン」と入力すると出ないわけです。日本人も標題紙に「斎藤」と書いてあれば、「斉藤」と入力してその本をヒットさせるには、データベース内に漢字の正規化辞書が必要になってきます。フォーマットも日進月歩の上に、文字コードさえ闇の中の状態。データベースによっては、常用漢字以外は使わないところもあれば、Unicode対応なんていうのまで千差万別。個々のデータベースに対応した検索キーを考えて入力する状態なのです。できるだけ、欲しい本がピンポイントでヒットするデータベースに近づけるため頑張っていますが、すべてに対応するのは、まだまだ先の話になりそうです。

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00年11月8日 (水)

武士の魂が刀なら

命よりも大事な物が本当にあるのかどうかは不明ですが、私は「本が無いと生きていけなーい」なんて、冗談とも本気ともつかぬことをよく言います。そして「本の下敷きになって死ねれば本望」といってハードカバーを買いあさっているのです(ホントか?)。

先日、家でタイムショック21を見ていました。初めて見る私に、妹がいろいろ解説してきます。準決勝は「100人に聞きました」のような形式だそうで、あるチームに与えられた問題は「防災グッズ売れ筋ベスト10」を当てるというものでした。さっそく妹とあれでもない、これでもないと言い合います。「懐中電灯かな」「テントでしょ」「あと乾パンが無いとね」・・・・突如私は閃きました。

携帯用本棚かな

その意見に妹、非難轟々。「あんたは一生二宮金次郎やってろ」・・・えーそうかなあ。だって本棚と本があれば何の娯楽もない避難生活でも本は読めるし、机にも椅子にもなる。本はトイレットペーパーにも紙巻きたばこにも枕にもなるじゃないかあ、と私も反論したのです。すると妹、

「もーあんたには水分けてあげないからねー」
「ふーんだ。私だって火種が欲しいって言ったって、本分けてあげないもんね。」

我が家の骨肉の争いは、ひっじょーに低レベルなのでした。

[椰子の実の立ち読み]:線形代数概説

線形代数概説 / 内田伏一, 浦川肇共著
裳書房, 2000.10

線形代数って要するに行列のことだよな、と私は認識していたのです。私は行列が何より苦手。どうしてかっていうと、高校のときにやる行列の問題って要するに単純計算じゃないですか。私は単純計算が超苦手だったのです。証明できてるのに、肝心の結果を出す所で躓く。なんといっても2×3が5の人間ですから、推して知るべしです。やっときゃよかった公文式。あの頃の私の口癖。「説き方さえわかれば、計算なんて機械にやらせりゃいいじゃん」。しかし、日常で証明問題なんぞをやることはなく、結局一番必要な技術は単純計算力なのでした。

この線形代数学ですが、文系の私には大いなる謎があるのです。「線形代数」と「線型代数」ってどこか違うんですか?あと「関数」「函数」って何が違うのかしら。文字(=記号)が違うってことは、何かそこに隠された意図があるのではないのか、と私は疑うのです。世論を「せろん」と読むか「よろん」と読むかで微妙に意味が違うように(ヨロンの場合は本当は輿論が正しいですね)、違うものなのではないですか?その考え方はあまりにも文学的ですか?

*追記(11/9):数学研究者の方からメールが来まして、関数と函数は常用漢字を使うことになったときに変化した(「世論」と同じですね)ということで、線形と線型は数学的には差異はないそうです。趣味の問題ってやつですね。ありがとうございました>メールくださった方。

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00年11月9日 (木)

大接戦はやっぱり面白い?!

昨日はアメリカ大統領選の開票日。すんごい大接戦で、なんだか面白い。アメリカ大統領っていうと、殆ど世界の大統領みたいなイメージですから、周りでも「どう?」とかって話題になっていました。朝、昼、夕方とインターネットで確認していたのですが、朝ダッシュしたのはブッシュ、その後ゴアが一気に盛り返していたのですが、夕方ちょうど16時半に「ブッシュ当確」がCNNなどで一斉に報道されてました。なんだか競馬みたいですね。。。

帰りにふと前のオジサンの夕刊紙の見出しが目に入ってきたのですが「ゴア優勢」って書かれています。ふふん、インターネットではもうブッシュが当確したことがわかってるんだよ〜って思ったのです。ところが家に帰ると、その開票が取り消されて開票をやり直すだか、投票をやりなおすだかと言ってるのです。あらま、どうなるんでしょ。こうなると面白いですね。別にどっちが贔屓ってわけじゃないのですが、やっぱり接戦だと面白いものです。結局大統領選の行方は、先に持ち越されることになったみたいですね。今後また大接戦があると、この時の話が出てくるんでしょうね。キリのいい年だから覚えやすいですし。

一方でヒラリーは上院議員に当選したとか。初の女性大統領(しかも元ファースト・レディ?)が誕生するのもそう遠いことではないのかもしれません。

[椰子の実の立ち読み]:セクシーな日本

セクシーな日本 / マーガレット・プライス著
NECクリエイティブ, 2000.9

日本通のオーストラリア人による日本文化のエッセイ。面白いですね。「枯れ山水のほうが西洋の庭より面白い」「日本は本音と建て前が対立していない」。。。客観的に見るからこそみえる日本っていう感じですね。隣の花は赤いというのは私は真理だと思うのですが、それでも自己批判精神の強い日本と言う国で、こういう見方っていうのは難しいかもしれないです。人の振り見て我が振り直せというのは、あくまで他人を見ていて「これは嫌だな」と思うことを自分はやらないように注意することですよね。他人が絶対的に良いと思って、自分を迎合させていくだけならただの猿真似になってしまうわけで、日本と言う国はもう少し「自分」を持ったほうがいいと思うんですけどね・・・ってやっぱり批判しちゃうんですね。

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00年11月10日 (金)

司書の七つ道具

司書にとって必要なもの。いろいろあるのです。NDC(十進分類法)、AACR2(Anglo American cataloging rule rev.ed)、NCR(日本目録規則)、あとはパソコン・・・・。そのなかに、非常に懐かしいものがあるのです。腕貫。いや、最近はアームカバーとも言うらしいですが、やっぱり腕貫です。先日、野間美由紀さんのサイトで西澤氏と腕貫の話が話題になってました。なんだか西澤氏のサイトでも流行のようです。ガンバレ腕貫。とっても便利なやつなんですよ〜。寒いときは暖かいし、服の袖は汚れないし。パソコンのキーボードをずっと打っていると、どうしても上着の袖がだめになっちゃいますよね。そんなときは腕貫がつよーい味方。最近はファッションにも取り入れられているらしく、この前は山手線でノースリーブのセーター(?)に、腕貫をしているおねえさんを見かけました、はい。この腕貫ですけれど、意外にどこでも売ってます。自分で作るのは面倒な方、エプロンと対になったやつがおすすめ。私はエプロンと腕貫のセットを2つ持っています。なかなか重宝しています。ちなみに腕貫が活躍するのは、長袖を着る冬の間です。夏の間に無理矢理していると、腕の血の巡りが悪くなるばかりでなく、腕にくっきりゴムの跡が残ってしまうからです。

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00年11月11日 (土)

ついつい目を奪われるもの

外を歩いていると、実にいろんなものが目に入ってきますが、ついつい目を奪われるものっていうのは案外多いものです。こうして日記を書いていても前のおじさんの夕刊紙の見出しが気になりますし、中吊り広告は何故かじっくり読んでしまいます。そんな中で、最近目を奪われるもの2つ。

1つ。早朝のカラス。カラスっていう生き物は見ていると頭の良さが伺えて、面白いですね。最近よく見かけるのですが、特に朝、人の少ない通りをひょこひょこ歩いているのが多い。しかもその歩き方が面白い。ちょっと見ているとなんだか肩で風切って歩いているような、あるいは抜け目無く偵察しているような・・・そんな感じ。私がそばを歩いていても逃げていきません。しかもこちらをじろりと見上げてきて、まるで「おまえは3次元移動ができないんだよな、オレにはできるぜ」って言われているような気がしたりもするのです。き〜カラスのくせに生意気〜と思ったりもするのですが、それはきっと私の心が見せる妄想なのでしょう。昨日の朝は電線にとまっているカラスを見かけました。そのカラス、電線が揺れるのが面白いらしく、ユラユラと自分の体を揺らして電線を動かしているのです。いやーカラスは見ていて飽きません。

もう一つ。電車の中の女子高生。最近電車の中で平気でお化粧する女性を批判する記事が雑誌に載っていたりするのですが、あれって見ていて目が離せなくなりませんか?時代は変わるもので、私たちの頃はぺっしゃんこの学生カバンが流行だったのですが、最近はふくらんだ鞄が常識。その中から、魔法のように実にいろいろな化粧道具を出してきて、揺れる電車の中で見事に化粧する様は、正に職人芸。私はついジロジロと見てしまうのですが、あの道具はあんな風に使う物なのね〜と妙な感心をしております。というか、なんでこんなに揺れる電車の中で、左右対称に眉が描けるの?すごーい。たまに眉が二重になってしまう私には絶対できない芸当です。最近の彼女たちの流行はリカちゃん人形みたいな付け睫毛のようで、これまた私は引っ張ってみたい誘惑と闘うのに必死です。あれはマッチ乗るだろうな。なんだか書いていて自分が変態に思えてきたのでやめましょう。

いや、そんなのばっかりに目が行ってるから、電信柱にぶつかったりするんですけどね。カア。

[椰子の実の立ち読み]:「テーマ・内容」で探す本のガイド

「テーマ・内容」で探す本のガイド
東京書籍出版編集部, 2000.9

ああ、こういうの前々からやってみたいと思っていたんですよね。主題で検索できる書誌というのは案外多いのですが、小説に特化したのってないでしょう。例えば「豊臣秀吉が出てくる小説」とか「テーマがカルトのミステリ」で検索できたら面白いと思うんですよね。あとは、「舞台が○○県」なんてのも実用性は低いですけれども、そこそこ笑えるデータベースが出来るような気がするのです。ところが、考えるところまではよかったのですが、ミステリの場合ものすごい制約が。「ずばりのテーマを出すとネタバレになるものがある・・・」。でもちょっと面白いので仕組みを考えてみます。800冊あれば、そこそこのデータベースができると思うので。

ああ、その前に文庫落ちしたものの出版データを追加したほうがいいかな・・・。

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00年11月12日 (日)

うまいコーヒー

昨日は寒かったですね〜。昨日は大学のときの友人と夕食を食べる約束をしていたので、お昼はコンビニご飯でいいかなと思い、「秋の味覚」と「天ぷら」のカップうどんで迷っていたのです。やっぱり「天ぷら」かなと思い、それを買って大学へ。さてさて、昼休みになり、その天ぷらうどんを開けてみると・・・。な、なんと麺が灰色。「そ、蕎麦じゃないかあ。」

自己紹介にも書いているとおり、私は蕎麦粉が苦手。蕎麦は食べられないのです。泣く泣く外に行った私でした。

昨日のお食事は「タベルナ・ロッサーナ」というイタリア料理屋。新宿御苑の駅から歩いて3分くらいのところにあります。ちょっとわかりずらい所為か、人はまあまあの入り。結構おいしかったですよ〜。特にパスタの歯ざわりがよかった。あのニョッキをもう一度食べたい。最後に出てきたエスプレッソがまた良い。イタリアから帰ってきて、初めてエスプレッソを飲みました。そう言えば妹がどこからかエスプレッソマシンをもらってきたのでした。入れて飲もう。

お店の場所は、ここ↓

http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/guide/Tokyo/0202/P009234.html

大人数よりも、デートでとか、女の子同士で行くのがいいです。店員さんも気さくな、雰囲気の良いお店でした。

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00年11月13日 (月)

10年前のワープロ

日曜日はじいさん訪問の日?またまた朝からじいさんがワープロを持ってやってきました。じいさんの持っているワープロは、約10年前のシャープの書院。液晶画面がよく持ってるなあと毎回感心してしまいます。家に来たじいさん、うちの父が使っているノート型パソコンを見てびっくり。「なんだ、こんなに薄いのがあるのか〜。」

結局ワープロのほうは大した話でもなく分かったようなのですが、もうひとつ聞きたいことがあるんだと言い出しました。なんと市役所でパソコン講習会(有料)があるそうなのです。なるほど、「IT革命」っていうのは、市役所で地域の皆さんにパソコン講習会をすることだったのか、と私はとっても感心したのですが、じいさんによると、近日「講習会の講習会」があるとか。よくよく聞いてみると「講習会の説明会」であることがわかったのですが、じいさんはそれに行ってどんなことをするのか聞いてこようと思っているそうです。じいさん、やはり本当にパソコン導入するつもりなのか・・・。うーこんな受講生ばっかりのパソコン教室の先生、超お気の毒。

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00年11月14日 (火)

自尊心の値段

昨日の朝、私はいつものように自販機でコーヒーを買おうと思いました。ところがボタンを押すと、ガラガラガラ!すんごい音がしてコーヒーが出てくるのです。取り出し口を見てみると、なんと私が押したコーヒー以外に、2本の違うコーヒーが落ちてきているではないですか。ラッキー・・・と一瞬思ったのですが、しかし私は考えました。ここで、この怪しい缶コーヒーを飲んでお腹壊したりしたら、本気で「拾い食い」を疑われてしまう・・・というか、事実だから反論できない・・・。私は泣く泣くそのコーヒー2本を諦めました。

昼休み後輩Bがネットで映画情報を見ていました。あれ見たい、これ見たいといろいろあるようなのですが、その彼女、いきなり笑い出すのです。

「ゲイカップルの方は、当日1000円で見られますだって〜。どうやって証明するんでしょうねえ」

確かにウソついてもわからないでしょうけれども、でも、たった800円のために、男2人で映画を見に行って、しかも窓口でゲイだって言う勇気あります?>男性の皆様。そんな話をしていたら、周りにも笑われたのですが、でも絶対自尊心を800円では売れないでしょー。ねえ。あ、ちなみにこの映画は俳優座トーキーナイトで上映している「ヘッド・オン!」です。興味のある方は、是非是非、男性2人で行って、「ぼくたちホモダチです」って言って1000円で見てください。あ、もちろん真性の方なら尚更OKですよね(先輩の言い分だと、逆にホンモノの方のほうが、言いにくいんじゃないかという意見もあったのですが、どうでしょう?)。体験レポート募集(笑)

[椰子の実の立ち読み]:四国百名山

四国百名山
山と渓谷社, 2000.9

裏表紙に掲載された鎖場は、「永遠の仔」の舞台として最近有名になりましたね。愛媛県石鎚山は、西日本最高峰にして「日本百名山」にも名を連ねる名峰だそうです。確かに美しいというか、厳しい姿をしています。昔から修験道が盛んなこの山は、鎖場のようないかにもな修業用の道ばかりでなく、一般道もかなり気合が必要なようです。一度行ってみたいな。

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00年11月15日 (水)

目の錯覚

昨日お昼にういろうの話をしていたのです。ういろうってどこのがホンモノなんだろうねえ、という話になって、またまたgoogleを検索。

するとhttp://www.tohogas.co.jp/health/tokai/mise/uiro.html

このページが出てきました。

よく見てみると、こんなことが書いてあります。「もっちりした歯ごたえと、歯切れのよさはお茶漬けに最適」。私は??と思いました。「ねえ、なんでういろうがお茶漬けに最適なの?」周りも、はぁ??という顔。「お茶漬け?」・・・私はもう一度ページを見てみました。すると・・・

お茶請けじゃないか!!!

ういろうは茶漬けにしないって。

[椰子の実の立ち読み]:ロスト・イン・アメリカ

ロスト・イン・アメリカ / 稲川方人, 樋口泰人編
デジタルハリウッド出版局, 2000.4

新進の映画監督たちが語るアメリカ映画対談。本でも映画でもそうですけれども、純粋な娯楽に対してこうして熱く語ることのできる人たちってすごいなあと思うんですよね。私も含めて、大抵の観客はこんなこと少しも考えてないと思うんです。ある意味「趣味」「主観」を小難しい言葉で包んでぶつけ合っているだけとも思えたりもするのですが、監督ってこういうことをいっつも考えて映画を作っているのでしょうか。というか、「人が面白いと思えるもの」を直感的につかみとって映像にするほうが面白いものができるんじゃないかなあと思ったりもするわけです。そこに妙な気負いや作為を感じないからこそ、人々は純粋に面白いと思ったり感動したりするんじゃないかなあ。それが例え10年20年先の人々の記憶に残らなかったとしても、そのときに面白いと思ったり感動できたりしたということが勲章になること、それが消費社会の娯楽作品が持つ運命じゃないかと思うのです。

エンターテイメントは時代を映す鏡。長く残ったとしても所詮100年。例えば今も出版されている文芸作品で、著作権の切れたもの(作者の死後50年)がどのくらいあるでしょうか。反対にその時代に異常に売れた、異常に当たったということが10年20年先に人々の心で蘇ることもあるでしょう。そう、夏メロで「一発屋」の歌を聞くとその頃のことを思い出して懐かしいように。

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