平安時代ノート01

2018年1月

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01/01/月
新しい年の新年を迎える。例年どおり浜松の仕事場。東側に浜名湖があるので自宅にいた初日の出を拝める。これから『平安時代の反体制文学』(仮題)という新書を書くことになるので、ノートのタイトルを「平安時代ノート」とする。できれば平安時代でもう一冊本を書きたいと思っている。去年まで書いていた「古代ロマン」は結局、実現できないまま中断してしまったが、構想はできあがっているので早い時期に再挑戦する。その期間には『こころにとどく歎異抄』を並行して書いていた。これはもう本ができている。もう一つ、『小説って何だろう』というのも途中まで書いたのだが、小説の歴史を書こうとするとどうしてもサイズが大きくなりすぎるので、通史を省いて、アラカルトふうの軽いエッセーする。もう「はしがき」は書いた。これを送って編集者と打ち合わせをするという段取りになる。書きかけの通史はいずれ続きを書いて別のところから出すことになるだろう。正月Footballと重なるのはめったにないことだが、早朝に起きてネットで状況を見守る。Nカンファはファルコンズが勝てばOKという状況で、ファルコンズが勝った。ファルコンズが負ければチャンスのあるシーホークスは、始めは負けていたのだが、最後に逆転勝ちした。やれるだけのことはやったということだが、最後に届かなかった。Aカンファはとても複雑。タイタンズとレイブンズが勝てば問題なくプレーオフ出場が決まるのだが、タイタンズの相手のジャガーズは強豪なのでどうかと思っていたが、やはりモティへーションがなかったようで、タイタンズが勝ってプレーオフ出場を決める。あとはレイブンズが勝てば問題はなかったのだが、わたしがネットで確認した段階ではまだ負けていた。そうなるとチャージャーズとビルズにもチャンスがある。両チームが勝っている。タイタンズが負ければもっと多様な難しいルールが適用されるところだが、タイタンズが勝ったので可能性は限定される。タイタンズが負けて、レイブンズが勝つという条件では、ビルズにも可能性があったのだが、タイタンズが勝った時点でビルズは消えた。チャージャーズは直接対決でビルズに勝っているのだが、レイブンズが勝って三者の比較になると弱いという、そういう状況だったのだが、タイタンズが勝った時点で、そういう可能性は消えた。わたしがネットで確認した時点ではレイブンズが負けていたので、これはたいへんなことになると思ったのだが、やがてレイブンズが逆転したので、これでタイタンズとレイブンズで確定したと思ったのだが、次男一家とともにお節料理を食べ始めてから確認すると、レイブンズが逆転負けしていた。こうなるとチャージャーズがプレーオフに出場することになる。こういう最終的なドタバタが、Footballのおもしろいところなのだが、この愉しみを満喫している人は、日本人では数人ではないかと思う。とにかく、これでプレーオフのトーナメントが確定した。ファルコンズが勝ったので、伝統のシーホークスは敗退が決まった。シーホークスは怪我人が多かった。わたしはこのチームが好きなので、来シーズンの復活を期待する。Aカンファは。チャージャーズとビルズにもチャンスがあった。わたしがネットで確認した時点では、まだ勝敗はさだかではなかったが、チャージャーズとビルズは圧倒的にリードしていた。タイタンズは勝つしかないという状況だったが、強敵のパンサーズに勝ちきった。あとはレイブンズが勝つだけ。わたしがネットにつないだ時にはレイブンズは負けていたのだが、すぐに逆転した。気の毒なのはビルズで、自分が勝って、タイタンズが負けて、レイブンズが勝つという条件でないとプレーオフ進出はできない。チャージャーズに直接対決で負けているからで、このあたりが複雑なところだが、わたしがFootballを愛するのはこういうところなのだ。タイタンズが勝って、ビルズの可能性は消えた。チャージャーズもビルズはかんばって勝ったのだが、レイブンズとタイタンズが勝てばそれで終わりという状況だった。だがその最後のぎりぎりの段階で、レイブンズが逆転負け。わたしはレイブンズは嫌いなので、やったぜという感じだが、この結果、チャージャーズがプレーオフに進出することになった、これでプレーオフのトーナメントが決定した。いずれにしてもAカンファはペイトリオッツとステイ―ラーズの決勝戦になる。NカンファはトッフのイーグルスはQBのウェンツの負傷でたぶんプレーオフ出場チームで最弱だろう。バイキングズのキーナムの経験が浅い。わたしはベテランQBのブリーズが率いて、RBのイングラムとカマラという二枚看板のいるセインツがスーパーボウルに進むと見ている。対抗馬はラムズだ。QBの新人のゴフだが、RBのガーリーが驚異的な活躍をしている。それでもラムズ対セインツになればRBのイングラム、カマラという二枚看板をまつセインツが有利だと思う。Aカンファはペイトリオッツかスティーラーズ。これは間違いないの思う。ということで、スーパーボウルはペイトリオッツ対スティーラーズの勝者と、セインスの対決。セインツが勝つ、という夢を見たいと思う。
さて、新年にあたって、今年の抱負だ。武蔵野大学文学部長の仕事はあと1年続く。慣れた仕事なのでこのままて何とか最後まで全うしたい。70歳で定年ということなので、一般の企業に比べれば定年が遅いのだが、大学の先生は就職するまでの試行錯誤があるので、こういうことになっているのだと思う。わたしも大学の先生をするようになったのは40歳近くなってからで、それからでも30年ほど仕事を続けてきたので、まあ、よくやったと思う。ただ定年になればリタイアするということではない。作家という仕事は無限に続くし、これからが勝負だと思っているので、定年までがんばればそれで終わりということではない。これからの1年間は、フリーのライターとして仕事をしていううえでの、準備の期間だと思っている。とはいえ大学の仕事があるので無理をしない範囲で、少しずつ売れる仕事に移行していきたい。小説を書きたいというのが基本的なコンセプトだ。ただ最近は小説が売れないので、企画をプレゼンテーションしないと、本が出ないということになっている。本を出すというのは作家のモチベーションの基本ではあるのだが、作家になる前は、発表のあてもない原稿を書いていたので、書くモチベーションされあれば、書けるはずだと思っている。とはいえこの業界に長く生きてきた人間なので、現実的な対応をしないといけない。とりあえずオファーのある新書などでヒットを重ねたいと思っているのだが、昨今の出版状況では、再版が出る本はめったにないので、何をヒットととらえるかも難しい。とりあえずは、自分の書きたい企画が通って、とりあえず本が出るということを喜びたいと思っている。今年も、何か本が出ることは間違いない。小説の企画がこの時点で決まっていないのだが、大学の先生をしているのだから、流行作家のように次々と企画を出すというわけにもいかない。とにかく新年を迎え、いまのところ2つか3つり企画があって、書く作業を進めることができるというのは、ありかたいことだ。おりを見て小説の企画を売り込みたいと思っている。

01/02/火
この仕事場は別荘地の中にある。毎年2日には管理棟の前でモチツキがある。列に並んで餅を受け取る。一家6人で食べる。故郷と孫は遠きにありと思うもの、と思っているのだが、たまには孫といっしょにすごすのもいい。とはいえ、なるべく孫とは関わらず、あとの時間はパソコンを叩き続けた。小説と違って、新書の文章は軽く書いていけるからいい。気取らずにふつうに書いていくのが新書のコツだ。今回はですます調ではないが、それでも話すように語っていく。平安時代の歴史を語るだけだから、楽な作業ではあるが、わかりやすく書くためには緊張が必要だ。気を抜くと理屈っぽくなってしまうし、大学の先生をしていると無駄口が多くなる。話が脱線した方が学生が聞いてくれるからだ。夕方、食事の準備が始まったので、食卓の隅に置いているパソコンから離れて、年末に三省堂で買った『ふたご』を読み始めた。わたしがいまいちばん好きなのは欅坂46だが、その次に注目しているのが世界の終わりだ。本当はローマ字表記らしていが、頭の中には「世界の終わり」というフレーズがあって、そのように認識している。ボーカルの男子と、キーボードの女子、あとは目立たないギター奏者と、機械を操作するピエロのマスクの男。そういうグループの出世の話かと思っていたが、読んでみるととても深刻な、孤独な魂を描いた作品だった。抑制された文章が安定していたが、最後の部分はセンチメンタルになっていて、そこがまたよかった。他人の書いた小説を読むのは、大学の宿題の小説や、歴史時代作家クラブ賞など、いくつかのコンペの候補作だけで、自分で本を買って読むのは久し振りだ。藤崎さんは『文学界』にエッセーの連載があって、しっかりとした文章が書ける人だということはわかっていたし、ストイックで理屈っぽいところのある女性だということも知っていたが、センチメンタルになった時のインパクトの強い文章にも魅力があることがわかった。正月らしくのんびりしたいと思うのだが、今日は自分の仕事に集中しすぎたと反省している。本を読んだのも、学生たちに話題を提供したいとか、そういう下心があったのだが、わたしの学生たちはジャニーズのファンが多く、シシャモが好きだと言ったらばかにされしまった。シシャモは世界の終わりの次に好きなグループで、今年は後半歌合戦に出ていたので感動した。ちなみに紅白歌合戦でいちばん感動したのは、やはり欅坂だ。センターの平手はじめ3人が過呼吸で倒れたということだが、平手さんの「ぼくはいやだ」という2回目の叫びは、いつもより気合いが入っていた。ステージの上であれほど感情をこめてしまうと、倒れてしまうのは当然かもしれない。他のメンバーも死にそうなほどに気合いを入れて踊っていた。平手さんは舞台の上に身を投げ出すように倒れこんでいたので、そのダメージがあったのかもしれない。さすがに正月なので、大学関係のメールも入っていない。まだ卒論を全部読んでいないので、大学が始まると研究室に閉じこもることになる。大学っていつから始まるのだろう。今年のわたしの仕事始めは、9日の文藝家協会の新年会からだ。もちろん自分の仕事は正月でも休みなく続いている。働き過ぎかもしれないが、パソコンを叩くのは自分の趣味みたいなもので、こういう仕事のない日々こそ、自分の仕事に集中できる。昨年後半は「古代ロマン」というタイトルのノートをここで打ち込んでいたのだが、作品が仕上がらないうちにノートのタイトルを変えることにした。『平安時代の反体制文学』というタイトルで、「伊勢物語」や「源氏物語」のことを書く。「伊勢物語」については、『菅原道真』や『なりひらの恋』で小説として描いた。本当は紫式部の小説も書きたかったのだが、企画が通らなかった。まあ、準備のための勉強を続けていたので、今回の新書のための勉強をする必要はないが、いちおう何冊か新たな資料を買って読み込んではいる。「反体制文学」という時の「体制」というのは、藤原摂関家のことで、だから菅原道真も在原業平も反体制の人物ではある。紫式部も気骨のある反体制の人物で、道長ともつきあっていたのだろうが、道長自身が当初は弱者の立場だった。まあ、その経緯を書いていけば、おもしろい本になるだろうと思っている。

01/03/水
次男一家とともに志都呂イオンに行く。帰りに浜名湖の湖岸でタコ揚げ。のんひりした正月。

01/04/木
孫たちはミカンをとりにいった。例年どおり。こちらはひたすら仕事。いい感じで進んでいる。レイブンズ対ベンガルズを録画で見た。正月は朝からネットで最終週の結果をチェックしていたのだが、最後まで結果が判明しなかったのがこの試合だった。レイブンズは負けてもタイタンズとチャージャーズが負ければプレーオフが決まる。前半、選手の動きは固かった。気温が低く、強風が吹いていて、フラッコのパスが安定しなかった。一時は1点差で負けていた。後半、タイタンズもチャージャーズも勝っているという情報が入ったのだろう。勝つしかないという執念で、最終クォーターに逆転した。ただ残り時間が8分ほどもあった。それでもベンガルズの攻撃を抑え、第4ダウンのギャンブルで、ここを抑えれば勝てるという状況で、攻撃的なディフェンスができず、ロングパスを通されてしまった。奇蹟の逆転負けで、レイブンスのプレーオフ進出の可能性は断たれた。ベテランQBのフラッコでも、こういう失敗は起こる。レシーバーにもランニングバックにも人材がいなかった。まあ、そういうこともある。結果として、まったく想定外のビルズが進出することになった。夕方は孫たちと百人一首。自分の二人の息子たちとも正月は百人一首をやった。理科系の次男がいちばん強かった。いまでもかなり暗記しているようだ。そういう父親の姿を見て、孫2人も張り合って暗記している。意味はわからなくとも、子どもころから古語に親しむというのは大事なことだ。それから恒例の坊主めくり。坊主めくりは日本の伝統文化の中で、最も優雅でナンセンスなものだ。なぜ坊主が嫌われるのか、よくわからないが、坊主を引き当てると大人も子どもも落胆する。そこがおもしろい。そして蝉丸。なぜこの人だけ頭巾をかぶっているのかもしわからないけれど、どのカルタでも蝉丸は頭巾をかぶっている。頭が見えないから坊主かどうかわからないのだが、これは坊主なのだと昔から理不尽に定められている。そこがまたおもしろい。

01/05/金
孫たちは別荘地のテニスコートの隣にあるパターゴルフに出かけた。散歩に出てその近くを通ると、孫の声だけが響き渡っていた。元気な子どもたちだ。夕方は人生ゲームなどをしてすごした。仕事も進んでいる。『平安時代の反体制文学』。ここまでは藤原摂関家の専横と、抵抗勢力としての源氏の姿を描いた。ここから紫式部の時代に話を進めていくのだが、ここで改めて抵抗勢力とは何かということを示しておきたい。ここまでの話では、源氏一族の他に、在原業平や菅原道真の話もした。さらに摂関家から離れた傍流の藤原氏までが、抵抗勢力に加わっていく。摂関家の独裁が強まれば、摂関家以外の藤原一族は抵抗勢力になっていく。つまり平安貴族の多くが抵抗勢力だったわけで、『源氏物語』を支持した人々の多くは、抵抗勢力の子女だったと考えられる。さらに一条天皇の母の詮子も含めて、道長の親族の中にも、道長に反発する人々がいた。そういう平安中期の政治状況を示した上で、紫式部の生涯をたどっていくことになる。

01/06/土
嫁さんと孫2人が四日市に向けて出発。次男は残っている。これから東京へ行って、学生時代の仲間と飲み会だそうだ。クラブの仲間なので、理科系でない人もいる。貴重な仲間といまでもつきあっているのはいいことだ。わたしもW大学の教養課程の友人、それから高校の同窓会には出ている。羽田プロジェクトでも高校の友人たちとの出会いがある。友人知人というのは、貴重だ。その次男を鷲津の駅まで送っていく。東海道線の駅で20分くらいで浜松に着く。駅に自由に弾けるピアノが置いてあったので、通行人の前で弾いたそうだ。長男はプロのピアニストだが、次男は7歳でピアノをやめたド素人だが、いまは調子に乗っているみたい。鷲津のイオンで買い物をして仕事場に戻ると、当たり前だが、誰もいない。急に寂しさを覚える。孫がいた間は騒がしかったが、いなくなってみると寂しい。まあ、われわれも明日は東京に戻って、日常生活が始まる。が、明日の朝はFootballだ。プレーオフが始まる。チーフス対タイタンズは微妙だ。両チームとも好不調の波がある。タイタンズのQBマリオタは膝の負傷が充分に回復していないようだ。チーフスのRBハントが活躍するとチーフスが少し有利か。ファルコンズ対ラムズ。昨年のスーパーボウルで逆転負けしたファルコンズだが、昨シーズンのような勢いがない。QBゴフ、RBガーリーという新人2人が大活躍のラムズが圧勝するだろう。明後日は東京に戻っているのでテレビ中継が見られるはずだが、時間が早過ぎる。ビルズ対ジャガーズはどうでもいい試合。レイブンズが負けたのでタナボタで出場が決まったビルズだが、RBが最終戦で負傷したようだ。ジャガーズのQBボートルズも波のあるプレーヤーだが、どうせ次の試合でスティーラーズの負ける。Aカンファはペイトリオッツとスティーラーズが抜け出ているので、ワイルドカードの試合はどうでもいい。Nカンファは逆にシードの2チームが弱そうで、ワイルドカードの勝者が決勝まで行きそうだ。そこで明後日のセインツ対パンサーズの同地区対決は、スーパーボウルの出場チームがそこで決まってしまうかもしれない重要な試合だ。勝ったチームがそのままの勢いで新人2人が引っぱるラムズにも競り勝つのではないか。とにかく明日と明後日のNカンファの試合は注目しないといけない。明日のファルコンズ対ラムズ戦は東京への移動中なのでスマホで経過を知るしかない。ドキドキする。

01/07/日
東京に向かって新東名を走る。出発前にFootballの途中経過を確認。チーフスが18点差でタイタンズをリードして前半を終える。やっぱり走れないマリオタでは難しいかと思っていると、後半はタイタンズが一方的に攻撃して、19点を挙げて1点差の逆転勝ち。これはすごい試合だ。第2試合はファルコンズ対ラムズ。ラムズが有利だと思っていたのだが、最終戦で主力選手を温存した影響が出るかと懸念していた。最後の1枠にすべりこんだファルコンズは、前週を命がけで戦っている。トーナメントの場合、そういう勢いが大事だ。懸念したとおり結果はファルコンズの圧勝だった。ビリのファルコンズが勝ったので、次は1位シードのイーグルス。この鳥対決は、勢いのあるファルコンズが有利だ。イーグルスはQBのウェンツが負傷して出場できない。ビリでプレーオフに出場したファルコンズがスーパーボウルまで進みそうだ。そうなると昨年の雪辱戦になる。相手がペイトリオッツだと、まさにリターンマッチだ。そのペイトリオッツの最初の相手が今日勝ったタイタンズだが、タイタンズにも勢いがある。マリオタが走れるようになったのだとしたら、いい勝負になるのではないか。それにしても、チーフスは惜しい逆転負けだ。前半大量したチームは守りに入って、無駄に時間を費やすことがある。さい、新東名のドライブは快適だったが、海老名の先で事故渋滞があった。それでも4時には自宅に帰りついた。明日は早起きしてセインツの試合の中継を見たい。

01/08/月
月曜だが祝日で休み。正月は孫たちがいて落ち着かなかった。丸一日休めるのは久し振りだ。早朝に起きてFootballの中継を見る。ジャガーズ対ビルズというどうでもいい試合は終わっていた。ジャガーズ圧勝かと思っていたが意外に接戦になっていた。さて、このシーズンを通じて、徐々にセインツのファンになりつつある。ニューオリンズが大洪水の被害を受けたそのシーズンにセインツはスーパーボウルで優勝した。その時のQBブリーズがいまも健在だ。やたらとパスを投げるQBだった。39歳になったいまもパスを投げまくる。今年はベテランRBのイングラムに加えて、カマラという新人が入った。ワイドレシーバーもリターナーもつとめる万能選手で、足が速くステップが巧みだ。カマラ一人のファンになったといってもいい。対戦相手はニュートンのいるパンサーズ。2年前のスーパーボウルでボン・ミラーのブロンコスに負けたチームだ。あの試合は守備対守備の戦いだった。ブロンコスはペイトン・マニングが引退して一挙に没落したが、ニュートンは今年も健在だ。この地区は3チームがプレーオフに出場し、昨日ファルコンズは勝ち上がった。地区優勝はセインツだが、接戦だった。パンサーズは最終戦に勝てば地区優勝だったが、ファルコンズに負けた。ファルコンズは負けるとプレーオフ出場を逃すという状況だった。本気度が違ったのだろう。しかし負け癖がつくと調子が落ちる。試合が始まると、パンサーズの守備はイングラムとカマラを確実に抑えていた。ランが進まないと見たブリーズはパスを投げ始めた。そのパスがことごとく決まってタッチダウンの山を築いた。パンサーズのニュートンは前進するものの詰めが甘くフィールドゴールで終わることが多かった。タイプポゼッションはパンサーズが圧倒しているのに得点はセインツが大幅リードという状況で終盤まで進んだのだが、最後にニュートンのパスが決まりだして、5点差となり、タッチダウンで逆転という状況で、ニュートンが敵陣に迫った。数秒残した第4ダウンとなり、ここはヘイルメアリーパスしかないと思われた最後のパスは、QBサックによって投げられなかった。セインツの守備がよくがんばった試合だった。イングラムとカマラは最後まで抑えられてしまった。パンサーズの守備がすごかったのだろうが、何となく二人とも元気がなさそうに見えた。昨日の試合でビリのファルコンズが勝ったのでトップシードのイーグルスと当たる。QBのいないイーグルスだから楽勝だろう。セインツはバイキングスと当たる。キーナムという知らないQBのいるところ。守備が強そうだ。カマラが復活するのか。バイキングスは今年のスーパーボウルの開催地が本拠地なので話題になっている。いままで開催地のチームがスーパーボウルに出場したことがない。開催地は温かい地域かドームスタジアムだが、プレーオフは酷寒の地での試合となるので、寒いところで練習しているチームの方が有利だ。今年でいえば、フィラデルフィア・イーグルス、ニューイングランド・ペイトリオッツ、ピッツバーグ・スティーラーズ、どこも寒い。とくに今年はニューヨークに大寒波が来ているとニュースで報道していた。最終戦の試合も寒さでパスがうまく通らない試合が多かったようだ。セインツはニューオリンズで温かいところ。ミネソタ・バイキングスはミネアポリスで、寒そうな感じのところだ。新しいスタジアムだが屋根があるのかどうかは知らない。寒いとブリーズのパスが決まらなくなる。イングラムとカマラがバイキングス守備陣に勝てるかどうか。週末はセンター試験があって中継が見られないのたが、スティーラーズもセインツも月曜の早朝なので、早起き(朝3時に起きられるか)すれば中継を見られる。日曜日と試合はネットで経過を確認するしかない。

01/09/火
文藝家協会常務理事会、理事会、新年会。多くの人々と、賀詞を交換した。二次会は原発反対の人々の流れに巻き込まれた、加賀乙彦さんといい話ができた。わたしは原発反対の流れには合流できないのでそのことを告げた。原発は賛成ではないが、反対でもない。何が何でも反対という人とはつきあえないということだ。いまの日本企業の原発管理は危険だという認識はもっているが、そのことと、原発そのものへの反対とは違う。ビジョンをもって取り組めば、原子力には可能性がある。やたらと風車を建設したり、太陽電池のパネルを風光明媚な地域に敷き詰めけるみたいな愚行と、原発とは、等価だと考えている。廃棄物の処理に莫大な費用がかかることを誰もが認識した上で、可能性を探るという考え方があっていい。確かに日本人の体質から考えると、原子力を管理できる国民性に欠けているということは、ある程度、認めないといけない。しかしそれは日本民族の愚かさの認識であって、原子力の可能性を全否定する根拠にはならない。少なくとも研究は続けた方がいいし、研究者のモチベーションをスポイルしないような未来を探らないというけない。まあ、理屈っぽいことはどうでもいい。今日も飲み会の席で、三田さんは不可解だと言われた。それでいいと思っている。

01/10/水
今年初めての大学。大学院のゼミ1コマだけ。必要な講義は終わっているので新春の雑談。ただ大学の雑用がいろいろあって研究室で作業にあたる。それでも早めに自宅に帰って『平安』を書き進める。調子が出ている。センター試験の入試本部長になっているので、金曜日から有明キャンパスの隣のホテルに前泊する。パソコンをもっていくのでホテルでは仕事ができる。入試を実施している時は待機していないといけない。本部長として緊急事態に対応する必要があるので、パソコンでの作業はできないが、資料を読むくらいのことはできるだろう。書きかけの原稿は大学のアドレスに送る。明日、研究室でプリントする。このプリントや資料を読めば時間を有効に使えるだろう。

01/11/木
大学。2年と3年のゼミ。3年生は授業に慣れているのと、ユニークなキャラクターが揃っているので、プレゼンテーションをやらせると笑いが起こる。いいムードだ。休み時間に大学院2年の学生2人が来る。修士論文提出の書類に押印。よかった。2人とも明日には提出できる。去年は担当している学生が提出できなかったので、9月卒業になった。今年は大丈夫だ。本日は研究室でしばらく作業をしていると、『歎異抄』の本が届いた。大学の出版部なので、印税の代わりに本をくれる。自分で本を売れば儲かるのだが、教科書に指定して学生に買わせるというわけにはいけない。高齢者向けの仏教の本だ。三鷹のサテライトでは講座を開くことにしているのだが、この現物支給の本は、とりあえず先生方に配ることにする。自宅に帰って2ページ分を書き進んだので、これは自宅のプリンターでプリント。明日は夕方にホテルに入ればいいので昼間は自宅で仕事ができるだろう。ただ少し資料を読み込みたい気もする。

01/12/金
夕方まで自宅で仕事をしてから有明へ。M大学有明キャンパスの隣にあるホテルに入る。ビジネスホテルだが、国際展示場のすぐそばなので、かなりの規模のホテルだ。大阪くらいなら日帰りすることが多いので、ホテルに泊まるのは久し振りだ。講演とか授業があるわけではなく、センター試験のある2日間、会場で待機していればいいというだけの仕事。試験監督の先生方の前で、最初に挨拶するのが主な仕事で、何よりも早朝に起きて、大学まで歩いて行くというのが、仕事のすべてだといってもいい。むろん何かトラブルが起これば、責任者としての判断が必要なのだが、そんな事態が起こらないことを祈っている。全国的には雪が降っている地方もあるようだが、幸い東京は、寒波が来ているというだけで、本日も快晴だった。とりあえず本日は夜中まで仕事をしたいので、パソコンの入ったバッグと、衣類と資料の入ったバッグを用意。どちらも重い。千代田線、有楽町線、ゆりかもめと乗り継いで、ホテルまでたどりつく。荷物を置き、パソコンをセットする。有線ケーブルの穴があるし、無線も出でいる。パソコンは有線ケーブルでちゃんとネットにつながった。メールのやりとりもふつうに出来る。昔、スペインの長男の家に滞在していた時は、なぜかメールは受信できるのに送信できなかった。プロバイダーとの相性がわるかったのか。プロバイダーのホームページにはつながったので、そこからメールサーバーに入って送信するという手間が必要だった。このホテルは問題ない。浜松の仕事場にいるのと変わらないネット環境なので、調べながら原稿を書くことができる。iPadは持ってこなかった。まあ、2日間だけのことだから、iPadは要らないだろう。少し仕事をしてから、向かいのビルに行く。有明キャンパスで午前も午後も仕事がある時は、いつもこのビルのモスバーガーを利用する。今日はホテルに泊まっているので、持ち帰って部屋で食べる。コンビニでビールなども買った。これで夜中まで仕事ができる。寝酒のウィスキーも用意してある。

01/13/土
昨夜は夜中まで仕事をして、ウィスキーを飲んで寝た。快適な目覚めとはいえないが、自宅から持参した時計の音で目が覚めた。朝食には行かず、部屋で一時間くらい、体調を調えてから、大学へ。大学までは5分もかからない。半分の学部の学部長が結集。それぞれ勝手に自分の仕事をする。皆、パソコン持参。こちらも持参しているのだが、ノートパソコンではなく、業務用のやや大型のもの。電源はあるがネットにはつなげない。調べものはスマホで代用。かなり進んだ。朝の挨拶と、終了の挨拶。簡単に済ませた。それだけが今日の仕事。本日は機械を使う英語のリスニング試験があったのだが、トラブルもなく無事に終わった。よかった。大学の先生方は1日で終わりだが、事務の人と本部長のわたしは、明日もある。昨日と同じようにまずホテルに戻り、コンビニでビールを買い、モスバーガー。モスバーガーがあれば生きていける。これからまた夜中まで仕事をしたいのだが、朝が早かったので早めに寝るかもしれない。明日はFootballがある。スマホで確認するしかない。充電をしておく。明日はどうでもいい試合だ。月曜の早朝に大事な試合がある。朝3時に起きられるか。まあ、とにかく明日の仕事が終わってから考えよう。

01/14/日
昨日に続いて、センター試験。昨日の学部長のメンバーとは違うメンバー。通常は1日来るのだけでいい。本部長の三田だけ、両日来ないといけない。まずは挨拶。本日は文学部の先生方が何人か来ている。あとは本部の部屋で待機。学部長の先生方は全員パソコンを打つ。皆さんはコンパクトなノートパソコン。わたしだけ業務用の重いパソコンを持参している。わたしは自宅と研究室でしか仕事をしないので、ノートパソコンの必要は感じない。ネットも必要ない。今日も調べ物はスマホで済ませた。Footballをやっている。Aカンファは最初にタイタンズが得点したので期待をもって経過を見守ってみたが、ペイトリオッツの楽勝。Nカンファはファルコンズが勝つと思っていたのだが、QBを負傷で欠いたイーグルスが辛勝した。ディフェンスが強いのかもしれない。明日は早起きして中継を見たい。終了の時間になってもなかなかOKが出ない。解答用紙の数が合わないらしい。30分くらい遅れてようやくOKが出た。本部長として最後の挨拶をして、長い2日間が終わった。ホテルでの作業と待機中の作業で、たっぷりと仕事ができた。

01/15/月
センター試験の責任者となって、大学の隣のホテルに前泊も含めて2泊するという初めての体験を経て、疲れがたまっている。疲れたのは、早朝に試験監督の先生方に挨拶をするのと、終わった時に解散を宣言することだけが責任者の任務で、それ以外は本部に待機することと、前夜から早朝まではホテルにいるという、ただそこにいることが任務ということで、だから本部にいる時も、ホテルにいる時も、ひたすら自分の仕事をしていた。それで疲れたのだ。ふだんは大学の仕事と文藝家協会の仕事があるので、自分の仕事ばかりやるということはないし、自宅にいる時は、妻の相手をしたり、散歩に行ったり、iPadで週刊誌を読んだりしている。今回はパソコンしかもってこなかったので、ひたすらキーを叩くしかなかった。それで疲れてはいるのだが、酒を飲んで仮眠したあと、早朝3時に起きてFootballの中継を見る。これのためにスカパーと契約しているのだ。スティーラーズ対ジャガーズ戦。ジャガーズのボートルズは新鋭で、大したことのないQBだと思っていた。ただ守備のいいチームだ。プレーオフの初戦、ビルズ相手に、10−3の勝利で、相手にタッチダウンを与えなかった。ところがゲームが始まると、ボートルズのパスがどんどん通っていく。攻撃はシャットアウトされる。あっという間に大差がついた。しかし後半、スティーラーズも盛り返して、よく頑張ったのだけれど、結局3点及ばず惜敗。点差だけを見ると惜敗だが、一度もリードすることがなかったので、印象からすると惨敗だ。これで今シーズンのスティーラーズが終わった。スティーラーズ本命のファンなので、ひたすら応援していた。このカンファにはブレイディーのペイトリオッツという強敵がいる。決勝戦でペイトリオッツに勝ち、スーパーボウルに出場することを期待していたのだが、伏兵に足元をすくわれた。研究不足だったのではないか。フットボールは戦略ゲームの要素があるので、綿密な作戦を立て、それを実現する練習をしないといけない。ペイトリオッツの研究ばかりやっていたのだろうし、それは正しい。ペイトリオッツに勝たないと先に進めないからだが、ボートルズなどという知らないQBに負けてしまった。がっくりして、寝ようかとも思ったのだが、もう1試合ある。セインツ対バイキングズ戦。バイキングズのキーナムも知らないQB。第3番目の控えQBだったのが、エースの復帰が遅れ、2番手も負傷して、シーズンのわりと早い段階で先発を任されたのだが、ずっと勝ち続けていた。エースと2番手が戻ってきても、勝ち続けているQBを外すわけにはいかないのでそのまま先発を続けている。しかしキャリアのまったくないQBなので、プレーオフでは弱いだろうと思っていたのだが、強かった。バイキングスも守備の強いチームで、セインツのブリーズのパスを封じ、イングラムとカマラというRBの2枚看板も抑えられた。前半は17−0という悲惨な状態だった。テレビをニュースに切り替えて、しばらく仕事をしていた。しばらくしてまたスカパーを見ると、6点差に迫っていた。そしてカマラへのタッチダウンパスが通って、逆転した。だがまだ時間が3分以上ある。キーナムのパスが何本か通ってフィールドゴールとなり、逆転された。しかしブリーズも頑張って、フィールドゴールでまた逆転。残りが25秒なので、勝ちを確信した。ところが奇蹟が起こった。ヘイルメアリーも届かない場所で、短いパスを受けて外に出ても、50ヤードくらいのフィールドゴールで入る確率は2分の1だが、とにかく短いパスを防げば終わりという残り5秒で、とんでもない奇蹟が起こった。夢のような信じがたい光景だった。何が起こったのか、しばらくは信じがたかった。バイキングスの本拠なので観客は喜んだが、奇蹟の逆転負けというのは、ショックが大きい。結局、カンファの準決勝にあたる4試合で、応援しているチームが全敗した。わたしにとって、今シーズンのFootballが終わった。そのショックのままで大学に向かった。本日は会議だけ。その会議が長びいた。会議が終わっても、決まったことを事務方に報告しなければならず、8時ごろまで大学にいた。長い1日だった。自宅で、静かに酒を飲んだ。ヤケ酒みたいなものだ。Footballに負けたからといって命をとられるわけではないのだが、Footballというゲームは、人間が考え出したものの中で、もっともよくできたシステムだと思う。日本の将棋というものも、よく考えられてはいるのだが、コンピュータに負けてしまう。Footballは戦略ゲームを肉体をもった11人の人間が実現しなければならない。肉体が追いつかず、戦略通りに事が運ばないことも多いし、信じがたい肉体のパフォーマンスが、戦略を粉砕することもある。セインツの奇蹟の敗戦は、まあ、言ってみれば、偶発的な奇蹟というしかない。パスを投げたキーナムも、とりあえず投げただけで、それがタッチダウンになるとは、100%、夢にも思わなかったのだろう。こうなるとバイキングを応援したくなる。次の対戦相手は、天才QBのウェンツを欠いたイーグルスだ。しかしイーグルスは守備も強いし、攻撃のフォーメーションもしっかりしている。ただQBがいない。それで勝てるのか。バイキングスが有利だろう。ジャガーズはペイトリオッツに挑む。わたしはペイトリオッツがきらいだ(ほんとは好きなのかもしれない)。どこでもいいからペイトリオッツに勝ってほしい。日本にも昔はアンチ巨人ファンがいた。いまならアンチ白鵬の人がいるだろう。とにかくまだカンファ決勝戦と、スーパーボウルが残っている。Footballそのものを愉しみたいと思う。

01/16/火
今日は休み。週末がセンター試験でつぶれたので、実に久し振りの休みだ。夕方、秋葉原を散歩。疲れがたまっている感じがする。

01/17/水
大学。今週で授業は終わる。本日は大学院。それから学部長会議。その後も雑用をこなす。例年、このシーズンは学生の文集を編集する。現代詩と短歌は入稿した。これから学生の宿題が出る。それを見て優秀作を選ぶのだが毎年、あわただしいことになる。早めに入稿できるものは入れておきたい。幸い、4学期制になったので、2学期、3学期で従業が終わっているところがあるので原稿が届いていた。児童文学も入稿できる。前期の優秀作品もデータが届く。ページ数が決まっているので、毎年、ページが埋まるのか、原稿を集めすぎて載せられないものが出てくるのか、はらはらする。毎年、奇蹟的にぴたりと収まるのだが、今年はどうか。週末に自分の仕事もがんばったので、少しは休憩したい。

01/18/木
大学。2年と3年ゼミの最終回。まだわずかした宿題の小説が出てこない。作業を少ししたあとで宿題を自宅にもって帰る。明日も休み。土曜も休みだが、日曜は大学院の入試がある。

01/19/金
医者にいく。いつもは薬をもらいにいくだけだが、本日は血をとられた。秋の人間ドックの数字がよくなかったので、経過を見る。毎日5000歩をこころがけているので、少しはましになっていると思うのだが、正月は飲み過ぎたので悪化しているかもしれない。四日市の次男がリクルート活動で母校に行くらしい。荷物を受け取ってほしいというので、医者から御茶ノ水駅まで急いで行く。スーツなど来ているのですぐには息子とわからなかった。改札口で大きなスーツケースを受け取った。彼はそのまま四谷に行くのだろう。息子が就職した時は就職難だったが、いまはその反対で、なかなか学生が集まらないらしい。夕方、マッサージ。少し早く新宿三丁目に着いたので、紀伊國屋の方まで散歩。本日は四日市の下の孫が一人で新幹線に乗りたいというので、学校が終わってから名古屋まで嫁さんが送っていったらしい。家族のラインで新幹線の前にいる孫の写真が届いた。ヌイグルミなどさまざまなお友だちをつれているらしい。次男が東京駅まで迎えに行ったようだ。そして、孫が現れた。いつもながら元気でよくしゃべる。こちらはあっけにとられていただ眺めているばかりだ。

01/20/土
土曜日は休み。孫は次男とともにお台場の科学未来館に行った。やれやれと思ったら、孫がどこかで抱いていたジェラトー二を紛失したとの知らせ。片時も離さず抱いていたものがどうしてなくなるのだ。結局、有楽町駅のホームで見つかったとのこと。妻は地下鉄に詳しくなるので、いっしょに日比谷まで行き、有楽町駅の事務所に。無事にジェラトーニを救出。帰りは丸ノ内まで歩いて、タイ料理屋で昼食。生涯でいちばんまずい食べ物だった。夕方、次男の荷物を車に積んでお台場へ。明日は大学院入試で採点や面接をしなければならない有明キャンパスの前を通って科学未来館へ。いかにも土建屋を設けさせたといった建物の前に駐車。嫁さんの妹夫婦と合流して、今夜はそちらに泊めてもらう。車の座席を一つ増やして待つうちに孫たちが現れる。りんかい線のテレポート駅まで送る。これで務めは果たせた。帰りは暗くなっていたので、妻の運転は負担だったろうが、ナビをするこちらもたいへんだった。東京の道は非論理的だ。とにかく自宅に帰りついた。明日は大学院の入試。初めての博士課程の応募者がある。博士課程設立のための書類づくりがえらい手間だったが、こうして応募者があるのはありがたい。

01/21/日
日曜日だが出勤。有明キャンパスで大学院入試。去年から開設した博士後期課程、今年は初めての受験者。まずはめでたい。しかし博士後期課程は、学科試験と小論文と面接があるので、時間がかかる。まあ、無事に終わった。採点などもしていたので、センター試験の待機の時のようにアキ時間はなく、自分の仕事はあまり進まなかった。今シーズンのわたしのFootballはもう終わっている。明日は大学の用事があって午前中に出勤する予定だったのだが、急にキャンセルになって明日が休みになった。せっかくだから早起きして中継を見るか。ペイトリオッツが負けるところを見たい。もう1試合はどっちでもいい。

01/22/月
大学出勤日のはずがキャンセルになったので、朝5時に起きてFootballのカンファレンス決勝戦を見る。ジャガーズはディフェンスが強い。準決勝でスティーラーズを圧倒していた。前半、最強のペイトリオッツをいいところまで封じていたのだが、前半の終了間際にタッチダウンを許して接戦になった。そこまではジャガーズのランが快調で、もしかしたら勝つのではないかと思って見ていたのだが、結局、最終的にはペイトリオッツが逆転勝ちした。今年もまたペイトリオッツが勝つというのではおもしろくない。Nカンファに期待をかけて、どちらでもいいから強い方が勝ってくれと思っていたら、イーグルスがバイキングズに圧勝した。セインツに奇蹟の逆転勝ちをしたバイキングズが、コテンパンに粉砕されてしまった。今シーズンのイーグルスは、もとから強いディフェンスに加えて、ウェンツという新人天才QBが加わり、無敵の快進撃だった。途中からアジャイーという協力RBも入って、これならペイトリオッツにも圧勝するだろうという勢いだったのだが、QBのウェンツが負傷して今期絶望となった。控えQBのフォールズは肩は強いのだが、フットワークがまったくダメで、走れない。ウェンツのようにQBが走れないと、RBも走れなくなる。フォールズのパスは安定してはいるのだが、意外性がまったくなく、短いパスを通すだけだ。これでは大量点はとれない。そのうち負けるだろうと思っていたら、去年スーパーボウルに出場したファルコンズを撃破して勝ち上がってきた。バイキングズも控えQBなので、試合は互角だろうと思っていたのだが、フォールズが別人のように大胆なロングパスを連発して、まったくの圧勝だった。今日、フォールズは、QBとして開花したのではないか。この勢いのまま自信をもってロングパスを投げれば、ペイトリオッツが相手でも互角に戦える。スーパーボウルはいい試合になるかもしれない。残念ながら、今年のスーパーボウルは月曜に入試があって中継を見られない。待機しているだけなのでスマホで試合経過を確認しながら、はらはらするしかない。

01/23/火
大学。火曜日は本来は休みだが、大学院の修士論文の口述試験が2件ある。昨日の雪がまだ残っている。一昨年に近くの小川町のスポーツショップで購入した雪沓を初めてはく。快適。いつものように武蔵境駅から大学まで歩く。院生、少し遅れてきたが、副査の先生がその前の時間にも試験をやっていて、ちょうどいいくらいの時間になった。午後にもう1件。両方とも留学生だが、100枚の論文をしっかり書いている。あとは学生たちの文集の編集。毎年、この時期に編集作業がある。まだ後期の宿題の作品が出ていないので、前期の優秀作と、卒論小説を入稿する。現代詩の短歌のゲラが出ている。必要な作業を終えて帰宅。この時期は自分の仕事はあまりできない。

01/24/水
大学。まだ雪が残っている。本日は授業はない。ひたすら編集作業。午後4時から能楽資料センターの会議と新年会。隣の先生が日本酒を注文したのでいっしょに飲む。今日から3日連続の飲み会だ。

01/25/木
大学。授業はないが宿題提出日。先週提出した学生は赤字で評価を書き込んだものを取りに来るので研究室で待機。シラバスの入力を少し。研究費をまったく使っていないので、歴史事典の揃いと広辞苑を買う。ネットで購入せよとの指示だが、やり方がよくわからないので、従来の備品購入の用紙に書き込んで学部事務課に持っていく。受け付けてもらえた。それから田馬場へ。歴史時代作家クラブの幹事会と新年会。幹事会ではいろいろと議論があったが、こちらは顧問なのでただ聞いていただけ。でも聞いていてよかった。組織の空気がわかった。あとは飲み会。加賀乙彦さんの隣になり、結局二次会までご一緒した。少し飲み過ぎた。三日連続の新年会の2日目が終わった。

01/26/金
本日は大学は休みだが著作権関係の会議が2つある。文藝家協会でオーファン委員会。2度目の実証事業がほぼ終わった。3月のシンポジウムに向けて論点をまとめる必要がある。そのため会議が続くことになる。いったん自宅に戻ってから、教育NPOとの定期協議。今回は会議はせずにいきなり新年会。自宅から徒歩で行けるところ。あらたに2名の理事が加わって教育業界の雑談。初めて知ることも多く勉強になった。3日連続の宴会が終わった。喉鼻に変調がある。予防注射を打ってあるのでインフルエンザではないと思う。明日は休みだが学生の宿題を読まないといけない。日曜は入試の待機がある。

01/27/土
土曜は休み。やや風邪気味なのでどこへも出かけず。ロビーに夕刊をとりにいっただけ。この集合住宅では朝刊は配達してくれるのだが、夕刊は郵便受けに入るので、ロビーまで取りに行かないといけない。休みの日でも散歩には出るので問題はないのだが、今日のように妻も自分も外出しないと夕刊をとりにいくことになる。まあ、よい運動になった。数日前、西部邁さんが亡くなった。そのことを時々考える。西部さんとは雑誌の対談で知り合ったのだが、その時のテーマは「子育て」だった。その話がおもしろかったので、もう一度会って、続きの対談をやり、一冊の本が出た。それ以後は何かの会合で顔を合わせると挨拶をするようになり、飲みに行ったこともある。江藤淳さんも奥さんが亡くなられたあと自決された。自分は妻よりも先に死にたいと思っている。どんどん酒を飲んでいればバタッと死ねるのではないかと思っているのだが、足腰が立たなくては困るから毎日5000歩をノルマにしている。酒も翌日に持ち越さないように控えてはいる。80歳までは生きたいと漠然と考えている。

01/28/日
日曜出勤。入試の待機。無事に終わる。書きかけの新書の原稿を途中までプリントしてあったのを読み返す。紙が真っ赤になるほど手が入る。歴史について書くのは大変だ。小説ならストーリーに関することだけ書いていればいいが、通史を語るとなると必要なことはすべてチェックしないといけない。とにかくセンター入試、大学院入試、と続いた入試。日曜出勤の3回目が終わった。来週の週末はお休み。ただその次の月曜日に入試がある。おいおい、スーパーボウルの当日だぞ。しょうがない。ネットで経過を見るしかない。

01/29/月
先週の後半から喉が痛かったのだが、昨日から咳が出始めた。わたしの風邪は概ねそういうコースをたどり咳が長びくことが多い。早めに医者に行って薬をもらう。それから大学へ。夕方の学科会までにやらねばならぬ作業がたくさんある。中心は学生の文集を編集する作業。まだ見ていない宿題もある。卒業小説など、OKのものは入稿しているのだが、まだページが半分くらいしか埋まっていない。月末までにすべて入稿したいのだが大丈夫か。学科会の最中も校正作業をやっていたが、残りは自宅に持ち帰ることになる。

01/30/火
著団協の新年会。会長代理で挨拶をする。あとはただ飲むだけの会。文集の編集作業を進めている。手持のデータを入稿していく。こういう作業をすべてネットで出来るのがすばらしい。これで飲み会は当分ないだろう。風邪で体が重いし声が出ていない。

01/31/水
目黒の喜多能楽堂で武蔵野大学文学部協賛の土岐善麿の新作能『夢殿』を観る。学部長としての挨拶。ついでに「聖徳太子と親鸞」という短い講演。あとはただ先生方の解説を聞き、能の舞台を観るだけ。咳が出ないか心配だったが、大量に薬を飲んでいるおかげで大丈夫だった。しかし声の調子はわるく体が重い。この土岐善麿の新作能復活上演の企画は今年で3年目。去年は武蔵野キャンパスの講堂でやり、一昨年は同じ喜多能楽堂だった。目黒はその時以来か。二年前に目黒に来た記憶が欠落している。その時も風邪でダウン寸前だった。目黒というのは、あまり行かない場所だ。作家になったばかりのころ、角川が毎年、雅叙園で麻雀大会を開いていた。それには参加していた。まだ八王子に住んでいたころで、車を運転していったこともある。次男の中学受験の時、日曜テストがある期間だけ目黒だったことがある。当時の四谷大塚は試験会場にランクがあった。次男はランク外の池尻大橋から出発して、少しずつランクアップしていったのだが、ついに最高ランクの御茶ノ水会場には到達しなかった。いまその四谷大塚は自分の住んでいる集合住宅の同じ敷地の別棟に入っている。自宅に帰る時、受験生たちとすれちがうことがあって、何やら胸が痛む。目黒に行くことはめったにないので、どうやって行くか少し考えた。御茶ノ水から秋葉原か神田まで乗って、あとは山手線というのがわかりやすいが、いまは目黒に日本も地下鉄が通っている。乗り慣れた千代田線で国会議事堂前まで行き、南北線に乗り換えた。帰りは来た方の電車に乗ればいいと思っていたら、ホームに止まっていた電車に飛び乗ると南北線だったので、同じコースで帰った。都営三田線だったら神保町で乗り換えて小川町だが、このところ歩数が少なくなっているので神保町から歩くのもいいかと思っていたのだが、行き先を見ずに電車に飛び乗ってしまった。同じホームの向かい側にも電車がいて、そちらは満員すし詰め状態だった。そちらは東急の日吉方面に行くのだろう。夕方のラッシュになっていた。出がけに卒論をもう一本載せるように依頼した。卒業生はもう大学から離れているので、大学のアドレスのメールを見てくれるか心配だったのだが、帰宅すると返信が届いていた。ただデータがPDFだったので、わたしのパソコンでは編集作業ができなかった。ワード文書をすぐに遅れとメールを出すと、すぐにワード文書が届いた。よかった。これで残りは俳句だけだ。俳句の先生は毎年、必ず送ってくださるので安心している。
今年も1月が終わった。新書の斡旋を頼んでいる専用のエディターからようやくメールが届いて、最初の企画どおりに進行していいという連絡があった。去年の暮れに企画を出して、OKという返事はもらっていたのだが、まだ細かい打ち合わせをしていなかったらしい。編集部からの注文はとくになかったということで、これまで半分くらい書いた原稿はそのまま活かせる。その原稿はプリントにして、先週の入試待機の時に赤字を入れる作業を進めたのだが、紙がどんどん真っ赤になっていく。わずかしか進まなかった。次の月曜、火曜も入試の待機があるので、作業を先に進めたい。いまもう一本、新書の仕事をしているので、並行して進めることになるだろうが、いまはとにかく大学の仕事を片づけないといけない。文集の編集、来年のシラバスと成績の入力。それが終わると楽になる。4月までは授業がないので少しはのんびりできる。


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