平安時代ノート02

2018年2月

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02/01/木
本日は休み。俳句が届いた。自分のパソコンにデータを取り込んで編集する。画面上はきっちり編集されていてそのまま仕えそうに見えるのだが、編集記号を表示させると、スペースが全角のものと半角のものが混在している。このままで入稿するとレイアウトが壊れてしまう。けっこう手間のかかる作業だ。学生の原稿もすべてわたしが編集している。とくに最近のワードは、1行下げで段落を書き始めて、改行マークのリターンキーを押すと、次の行の1字下げの場所にカーソルが移動する。それは見かけ上1字下げになっているだけで、行頭にスペースが入っていないので、そのままデータを印刷所に送ると、1字下げになっていない状態で初校が出てくる。ゲラで直すのがめんどうなので、すべてパソコン上で作業してから入稿することにしている。俳句が無事に入稿できたので、これで目次と後書き以外はすべて入稿できたと思われる。初校がすべて揃ってページ数を確認しないと何ともいえないし、明日大学に行くと、締切を過ぎた宿題が届いているだろうから、その中に珠玉の作品があれば追加で押し込みたいのだが、明日もかなりハードな作業になる。しかも雪が積もるかもしれない。あとはシラバスの入力だと思ってネットにつなぐと、大学のシステムがダウンしている。まあ、ほぼすべて去年のぶんをコピーするだけなので単純な作業だ。成績は明日、出でいる宿題をざっと読めば、時間があれば入力できるだろうが、自宅からも入力できるので、自宅に持ち帰ってもいい。明日は先日の入試の判定会と大学院の修士論文公聴会がある。そのわずかな隙間にゲラを読む作業が必要だが、これも持ち帰ることになるのかもしれない。

02/02/金
判定会議と大学院の修士論文公聴会。雪なので早めに行く。ゲラが届いている。昨日、俳句を入稿したので、これで全体の台割ができる。編集後記を入稿し、残りは目次だけになった。これは少し時間がかかる。成績の入力は自宅からでもできる。成績入力の資料と届いたゲラをもって帰る。久し振りに週末の土日が休みになる。とはいえ月・火と入試がある。待機の時の仕事として、やりかけの文学史と古代ロマンをプリントしておく。これを読み返して今後の展開を考えたい。

02/03/土
昨日の夜中、シラバスと成績の入力を終えた。ゲラの校正はあと1つ。これが終われば自分の仕事ができる。とりあえずは『小説を深く読む』というエッセーのようなものを書き進めていきたい。これで大学の雑用もほとんど終わった。授業はないが入試の待機や会議があるので大学には行かないといけない。ゲラの再校も出てくる。来週でほぼかたがつくのではないか。このところ毎週、日曜日は入試でつぶれていたのだが、今日と明日は休み。今日は外出もせず。まだ風邪っけが残っている。スーパーボウルが迫っている。今年は応援していた4チームがカンファの準決勝ですべて敗退したので、今シーズンは終わったものと思っていたのだが、カンファ決勝のイーグルスの圧勝を見て、もしかしたらこの勢いならペイトリオッツに勝てるのではないかという気がした。去年のファルコンズ戦、三年前のシーホークス戦、どちらもペイトリオッツが逆転勝ちした。あまりに強すぎるといやになる。新しいヒーローを期待したくなる。今シーズンはイーグルスのQBウェンツの大活躍で、大本命だと思ったのだが、プレーオフに入る前に負傷した。代わりに出たフォールズは肩は強そうだが、動きの鈍いQBだ。ウェンツの魅力は、タイトエンド並の体格で、しかも足が速い。RBが2人いるようなもので、相手の守備はラン攻撃に備えなければならない。だから逆にパスが思い通りに通る。それがウェンツの魅力だった。対するフォールズは鈍重そのもので、ポケットの中から一歩も動かずにパスを投げる。まったく魅力がない。そう思っていたのだが、決勝のバイキング戦では、ぎりぎりでブリッツをかわしてロングパスを連発した。その肩の強さは並ではない。この試合に限っては、攻撃陣の全体がフォールズの個性に対応してチームとして機能していた。ようやく全員がフォールズの特徴をつかみ、そのフォーメーションに慣れてきたのだろう。これならペイトリオッツとも互角に戦えるのではと希望をもった。だが相手のベリチック監督は、すでにフォールズの特徴を研究して、戦略を立てているだろう。7対3くらいでペイトリオッツ有利と見る人が多いのではないだろうか。当日の月曜日はこちらは入試の待機で試験本部につめていなければならない。中継は見られない。だからまあ、どうでもいい、といった気分で冷静に結果を受け止めたいと思う。

02/04/日
日曜の朝はニコライ堂の鐘で起こされる。センター試験から連続3週間、日曜は早朝出勤だったので、そのことをすっかり忘れていた。午前中に仕事がない日は目覚ましを10時にセットしておくのだが、鐘は9時50分くらいから鳴り始める。とても寝てはいられないボリュームだ。近隣の住民の中に、日曜は寝だめをして昼間で寝たいという人はいないのだろうか。こちらは老人だから、寝過ぎると体調を崩すので、とにかく起きることは起きるのだが、どうも寝覚めがよくない。昼食のあとでうたた寝をしてしまった。夕方、神保町まで散歩。昨日はどこへも出かけなかった。そのせいか、少し歩くと疲労を覚えた。これだから老人は困る。毎日身体に負荷をかけないと体力が消耗するようだ。大学関係の仕事はすべて完了した。昨日の夜中に作成した文章の目次を送付。あとゲラは出てくるだろうが、俳句と目次を除く初校はすべて見たので、あとは初校の直しと付き合わせるだけでいい。明日はまた入試の待機なので、『平安時代』の半分ほど書いた草稿のプリントをもっていく。先週も見たのだが、直しが多く捗らなかった。まだ直すところがたくさんありそうだが、コツコツやるしかない。明後日も入試。留学生の面接の日だが、面接の割り当てはないので、本部で待機しているだけでいいはず。

02/05/月
入試の待機。とくに問題もなく、自分の仕事ができた。明日はどうやら面接を担当することになりそうだ。Football。ネットで情報を確認するだけ。最初見た時はイーグルスがかなりリードしていたのだが、次に確認した時はわずかな差だった。そのまま前半が終わりかと思ったら、イーグルスがタッチダウン。しかもQBのフォールズがパスをキャッチしという表示。では誰がパスを投げたんだ。正月、浜松からの帰途、サービスエリアでタイタンズの試合をネットで調べたら、QBのマリオタがパスを投げ、しかもマリオタ自身がキャッチしてタッチダウンという表示があった。意味がわからなかった。あとで映像を見ると、マリオタのパスを相手ディフェンスが手で叩いて空中に上がったボールをマリオタがキャッチしてそのままタッチダウンしたのだ。今回のフォールズのパスキャッチは一種のトリックプレーだろう。まあ、あとでゆっくりとビデオを見る。その後、ペイトリオッツが逆転したので、ここまでかと思ったのだが、イーグルスが再逆転して逃げ切った。フォールズの300ヤード以上投げて最高殊勲選手になった。しかしブレイディーは500ヤード以上投げている。ペイトリオッツのディフェンスが機能しなかったのだろう。これはイーグルスのオフェンスコーチの勝利といっていい。明日も早朝からの入試なので、ビデオをゆっくり見るのは火曜の夜になりそうだ。

02/06/火
入試の待機と留学生の面接。面接は疲れる。面接が終わっても試験の待機はまだ続いている。昨日に続いてプリントを見る作業。全体の半分くらいまで。ここから先は新たに打ち込む作業になりそうだ。かなり赤字を入れたので、まず修正部分を入力する作業が必要。明日は学部長会議、金曜に判定会がある。来週はしばらく休みになりそうだ。夜中にスーパーボウルのビデオを見る。イーグルスの控えQBのニック・フォールズが獅子奮迅の活躍でMVPに選ばれた。思い出すのは、何十年前かわからないが、ジャインアンツがスーパーボウルに勝った時のこと。プレーオフまではシムズというQBがいて勝ち上がってきたのだが、カンファの決勝戦で負傷。スーパーボウルはホステトラーという誰も知らない控えQBが先発した。ひょろっとした頼りにならない感じの人物だったが、ものすごいロングパスを連発して快勝した。次のシーズンはレギュラーになったのだが、活躍は長くは続かなかった。瞬間的な活躍だったようだ。今回のフォールズの場合は、負傷した正QBのウェンツが2年目と若いので、来年もフォールズが控えに回るだろう。もしかしたらトレードで新たな活躍の場が得られるかもしれないが、イーグルスは手放したくないだろう。契約はあと1年残っているらしい。どうなるかが注目される。

02/07/水
学部長会議があるので大学に行く。いつものように往路は歩く。裏道を通っていくとまだ雪が残っているところがあった。文集のゲラが届いている。目次のゲラも出ていたが、こちらが数ページ計算違いをしていた。印刷屋の方で調整してくれたようで、問題は何もない。これでほぼ完成といっていい。毎年のことだが、この作業は各先生方から原稿や推薦を集めるのが大変でスリリリングだ。卒業小説が篇出ているので、卒業式の日に学生に文集を渡さなければならない。まあ、この時期にほぼ校了となったのはめでたいことだ。あとは印刷屋に任せてしまえばいい。自宅に帰って、学部長会議の報告を学部の先生方にメールで送る。いくつか事務からの要請があって、とにかく次々と送られてくるメールを見ないといけない。メールというものがないとこうした書類のやりとりは大学にいないといけないので、昔の学部長はずっと大学にいなければならなかったのではないか。記憶をたどってみると、わたしの先任の学部長のころには、秘書のような事務の人がいた。その人はパソコンを使わない火とだったので、文学部だけの事務の人がつきっきりだったのだ。わたしの代になると、その秘書のような人はいなくなった。事務の削減に貢献したことになる。さて、夜中はまたFootballのビデオを見る。昨日は日テレG+の中継を見ていたのだが、今回はNHK。解説の人が変わると違った視点から見られる。日テレの方はタレントががやがやと応援する。臨場感があってそちらもいいのだが、静かに解説だけを聞くのもいいものだ。日テレの中継はまだハードディスクに残してある。次のシーズンが始まるまで、そのビデオを何回も見ることになるだろう。この試合でペイトリオッツのブレイディーは500ヤードも投げた。それでもイーグルスが勝てたのは、ディフェンスががんばって、タッチダウンを何度か防いだからだろう。残り2分を切ったところでブレイディーをサックしてファンブルを誘った。結局、勝因はディフェンスだと思う。これはコーチの戦略だろう。それとフォールズの才能を見抜いて控えQBとして確保していたことだ。フォールズはラムズを解雇されて失業状態だった。そのフォールズを、イーグルスは2年契約で迎えたのだ。来シーズンはウェンツが戻ってくる。トレードに出さない限り、フォールズはまた控えQBに戻るだろう。しかしウェールズは走るQBだ。今年のケガがどこまで回復しているか。回復していたとしても、またケガをするかもしれない。控えQBは必要なのだ。2年前、ペイトン・マニングはシーズンの途中から出場して、スーパーボウル勝利をもたらしい。前半はオズワイラーという控えQBが活躍していた。当然、マニング引退のあとはオズワイラーがブロンコスの正QBになるものと思われたのだが、他のチームに飛び出して、不本意なシーズンを送った。QBはオフェンスのラインに守られている。パスを受けるレシーバーやRBにも助けられている。フォールズの活躍も、チーム全体が支えていたのだ。だから来年もイーグルスにいた方がいいと思う。

02/08/木
本日は休み。プリントに赤字を入れたものを入力していく。入力しながら、必要な調整をする。この作業はなかなか大変で時間をとられる。かなり厄介な仕事だ。とにかくしばらくはこれを続けたい。夜中、Footballのビデオをまた見る。何回見ても飽きない。前半だけにとどめる。

02/09/金
大学。判定会。夕方、評議員会がある。新校舎が建った系列の千代田学園でやるはずだったのだが、日程変更の通知が来た。判定会の前のアキ時間に確認すると、場所が有明キャンパスに変更されていた。あぶない! 千代田学園に行くところだった。千代田学園は近いので、大学まで往路を徒歩で行ったのだが、有明まで行くとなるとかなり歩く。帰宅して万歩計を確認すると1万3000歩になっていた。これは歩きすぎだ。老人は歩きすぎると膝を傷める。場所の変更に早く気づくべきだった。大学入試で、キャンパスをまちがえる受験生がいて、どうしてそんなまちがいをするのかと思っていたのだが、こちらがキャンパスまちがいをするところだった。

02/10/土
今日からしばらくは大学に行かなくていい。世間並みに3連休のあとも会議などはない。とにかく自分の仕事に集中したい。今日は住んでいる集合住宅のすぐそばの本屋に行き、ぐるっと回ってコンビニでアイスクリームを買っただけ。

02/11/日
しばらく車を動かしていないので、代官町から高速に入ってお台場を回って箱崎の手前の福住で出るというコースを走った。住んでいる集合住宅から小川町の方に向かうと、機動隊がゲートを作ろうとしていた。一周して帰ってくると、わが住居の前にも機動隊の装甲車が並んでいる。何事ぞ、と思って、車をガレージに入れてから一階に出てみると、スマホやケータイを手にした人々で広場が埋まっていた。これはポケモンだが、それで機動隊が出てきたわけでもないだろう。中の一人に機動隊が声をかけると、あと一分で何かが出てくる、という答え。その何かというのは、新種の怪物なのだろう。わたしと妻はいぶかりながら秋葉原の方に向かうと、昌平橋の交差点がゲートで閉ざされていた。まったく通行不能。すると街宣車が大音量で機動隊を非難している。やがて街宣車は左折して秋葉原の方に消えていった。どうやら機動隊は街宣車の侵入を防ぐためにゲートを設けているらしい。本日は建国記念日なので、建国に反対する人の集会が御茶ノ水のどこかで開かれているのだろう。それを妨害しようとする街宣車を、機動隊が妨害しているという図式だ。ということは、街宣車の人々と、機動隊とは、仲間ではないのだ。似たようなものだと思っていたので意外な気がした。集会を開いているのは左翼なのだろうが、どこでやっているかはわからない。御茶ノ水から駿河台下にかけてのどこかだろう。と思って自分の部屋に帰ると、足もとが騒がしくなった。デモ隊が駿河台の方から御茶ノ水駅前を回り、ニコライ堂の前を下って小川町の方に向かっている。と思ったら、左折して、わが住居の足元の細い道から広場に向かっていくではないか。わが住居は千代田区の公園と小学校のあと地に建っているので、建物の前の広場はそのまま公園となっている。デモ対がそこで解散ということもある。機動隊がぎっしりと道を埋めて、デモ隊を規制している。デモ隊が通り過ぎたあとも、道路上に隊列を組んで防御している。右翼が徒歩で突入してくるのを防いでいるようだ。何だかわたしの部屋の前の直下で、市街戦が展開されようとしているような不穏な雰囲気だ。結局、何事も起こらなかったけれども、これほど機動隊が結集している姿を久々に目撃した。機動隊はよくがんばっている。毎日、Footballのビデオを見ている。わたしが録画したのはスカパーの日テレの番組で、芸人のオードリーと綾部(又吉さんの相方)が騒いでいるので、臨場感はあるものの、何度も見ているとだんだんうるさく感じられてきたのだが、試みに音声多重のボタンを押すと、いつもの解説者二人の解説が流れる。何だ、最初からこれを聞けばよかった。しかしいままでオードリーの声が聞こえるのも楽しかったので、これからまた解説の方を聞きながら何度も繰り返し見ることになるだろう。Footballは奥が深い。解説の人はさすがに詳しい。わたしの知らないメカニズムや、過去の歴史についても言及する。イーグルスのトリックプレーについて、それはかつてペイトリオッツがやったプレーのコピーだというような話があって、なるほどと思った。Footballの作戦に「著作権」のようなものはないので、どんどんコピーされる。将棋の陣形と同じで、新しい先方で誰かが成功したら、皆が真似をすることになる。Footballの場合は将棋の駒ではないので、人間がしっかり作戦どおりに動かないといけないのだが、イーグルスはめったに出ない控えのタイトエンドが投げて、QBのフォールズがパスを受けるというトリックブレ―を見事に成功させた。パスを受けるために走る前に、QBが数呼吸、何気なくその場に佇んでいるのだが、解説の人が「バス停でバスを待つように」と表現しているのが面白かった。全員が激しく動き回るFootballで、一人だけバスを待つようにぼうっと立っているのが何ともおかしい。その演技が巧みだったので、誰もフォールズをカバーしなかったので、易々とタッチダウンパスをキャッチすることができのだ。Footballはまことに奥が深い。今回のスーパーボウルは、ものすごくハイレベルなプレーが錯綜したすごい試合だった。これからもしばらくは毎日ビデオを見て過ごすことになるだろう。一つのゲームは一つの長篇小説のようなものだ。何度でも読み返して愉しむことができる。

02/12/月
祝日。あっという間に3連休が終わってしまったが、わたしの休みはまだ続く。本日は妻と後楽園まで散歩。庭園わきの遊歩道を進んで飯田橋まで行った。1万歩。少し疲れた。大した興味ももっていないが、いちおうパソコンを叩きながらテレビをつけているので、オリンピックは見ている。高木が銀、高梨は銅。金メダルでなくても、メダルをもって帰れるというのは喜ばしい。ナンバーワンでなくてもいいとはいえ、メダルがないと有名選手は格好がつかないだろう。

02/13/火
今日も大学は休み。ただ眼科の検診の予約を入れていた。半年に一度の検査。妻は自宅の目の前にある有名な井上病院に行く。ものすごく待たされるらしい。わたしは反対方向にある小さなクリニックに行く。予約を入れておけば待たされることはない。つねに院長が見てくれるので安心できる。何事もなし。何かあっては困るのだが。小説家だから目は大事だ。パソコンに向かう時はつねにブルーレイ除けの黄色いメガネをかけている。外出する時も必ず茶系統のサングラスをかける。大学でもつねにサングラスをかけているので胡散臭い奴と思われているだろうが、目は大事だ。

02/14/水
今日も休み。ようやく赤字の入力が終わった。あとまだ少しプリントが残っているのだが、前半に赤字で書き出したので、全体のストーリーが少し変わっているので、ここから先は廃棄して、まったく新たに書き直した方がいい。69ページまで来ている。全体は100〜110ページと考えているので、あとわずかだ。ここで結論めいたものを盛り上げないといけない。その69ページまでをプリントする。明日の入試の待機でまた最初から読み返す。ざっと読んでから新たな部分はノートにメモしていけばいい。センター試験の待機の2日間はパソコンを持っていったのだが、それはホテルに泊まったからで、日帰りの時はパソコンをもっていかない。パソコンをセットするよりも手で書いた方が早い。

02/15/木
大学の入試待機。今シーズン何度目か。あともう一回と、大学院が一回あるようだが、ゴールが見えてきた。中央線で人身事故。大部分の学生は少し早めに大学に到着していたので大丈夫だったが、一部の学生が遅れたため、1時間遅れの別室試験を実施。正規の終了時刻に大部分の先生方には帰宅していただいたが、別室の監督者が残っているので本部はさらに1時間待機を続けた。まあ、こちらは持参した仕事を続けるだけなので問題はない。しっかりと仕事が出来た。『平安時代の反体制文学』の修正済みのプリントを読み返したのだが、よく出来ている。導入部がスムーズなので、読者もどんどん読んでいける。最後の結論のところはこれから書くのだが、半分以上はできているし、結論の部分も盛り上がるところなので、こちらも乗って書けるだろう。いい感じで進行している。もう一冊の『文学論』の方が遅れているのだが、とにかく一冊書き上げてから次の本に進みたい。

02/16/金
国立国会図書館で協議会。夕方、マッサージ。本日はそれだけ。週末は休みだ。

02/17/土
週末は休み。テレビで男子フィギュアを見ながら仕事。羽生選手の金メダルおめでとう。テレビの速報で中学生の藤井五段が羽生さんに勝ったというニュースが伝えられた。羽生くんが勝って羽生さんが負けたというのはネットでも話題になっていたようだ。夕方は妻と御徒町まで散歩して食事をして帰る。

02/18/日
週末は休み。日曜に休めると本当にありがたい。いつもの日曜のようにニコライ堂の鐘で起こされる。爽やかな目覚め。雑文の締切が近づいているのでとりかかったが完成せず。スケートの小平さんの鬼気迫るパフォーマンスに感動する。しかし夜中はまたスーパーボウルのビデオを見る。Footballの一つの試合は、何度読み返しても味わいどころのある長篇小説のようなものだ。最初見た時、フォールズがパスをキャッチするトリックプレーで、誰が投げたのかわからなかった。しかしカンファレンスの決勝戦を見ると、第2タイトエンドでけっこう出番のあるバトラーという選手だとわかった。その決勝戦ではサイドラインでパスをキャッチしたものの、足が外に出てしまうというミスを犯していた。ダメなタイトエンドだ。しかしFootballでは、タイトエンドを2人起用することもあるし、タイトエンドをフルバックの代わり、あるいはレシーバーの代わりに起用することもある。たまにしか出番がないので、ペイトリオッツもまったく無警戒だったのだろう。レシーバーの位置から突如として現れて、ランニングバックからの手渡しでボールを受け取ると、QBのフォールズに正確なパスを投げた。すごいプレーだが、しっかりと練習していたのだろうし、メンタルも強い選手なのだろう。このトリックプレーで前半を10点差で終われたことが、勝利を決定づけたといっていい。

02/19/月
大学。教授会と学科会のあと、文学部独自の研修会をやって、最後は飲み会。皆さんまだ仕事をかかえていて、飲み会参加者は4人だけだったが、楽しく歓談できた。明日は朝が早いので早めに寝る。

02/20/火
大学。判定会。9時半からということで、早起きして出かける。会議は10分ほどで終わる。自宅に帰ってもまだ11時前だ。早く帰りすぎる妻に怒られる。だが今日締切の仕事があるので仕方がない。雑用一件片づける。

02/21/水
大学。学部長会議。それだけ。研究費関係の書類を事務に提出して、これで大学での今年度の雑用はほぼ終わった。あとは自分の仕事に集中できる。担当編集者からの進捗状況の問い合わせがあったので、目標100ページのうち70ページまで出来ていると答えておいた。これは本当。しかしここからが結論の部分なので、明晰さをアップしないといけない。道長と紫式部の関係を描く。本当は小説に書きたいのだが、小説は売れないので、とりあえず新書にして発表する。まだ誰も描いていない二人の関係を、想像力をまじえた仮説として提出したい。夜はテレビでパシュートを見る。これはすごい。ただ世の中全体が「きずな」とか「組織力」と言い始めるだろうなと思っていなや感じがした。個人のがんばりが何よりも大事だ。組織があるだけでは何もできない。無能な人間が寄り集まって「きずな」と叫ぶことを、ファシズムと呼ぶ。ファッショとはまさに「きずな」ということなのだ。

02/22/木
本日は休み。ひたすらパソコンの前で原稿を書く。結論の部分に差しかかっている。ここは一気に先に進みたい。夕方、住んでいる集合住宅の地下にあるスーパーに出向いてウィスキーを買う。毎日飲んでいるのでどんどん減っていく。アルコールは執筆のための燃料だ。大学の仕事が今週はもう終わりなので、自分の仕事に集中できる。オリンピックもそろそろ終わりだな。まだ夜中にはFootballのビデオを見ている。控えQBフォールズという人物の人生について考える。モバイルQBの全盛時代に、一歩も動かないフォールズは旧いタイプのQBなのだ。しかしマニングもブレイディーもまったく走らないQBだ。自分は走らずにランニングバックを走らせ、時々ものすごいロングパスを投げる。フォールズは偉大な先人たちに並ぶ能力をもったQBだ。だが来シーズンはまた控えに戻るだろう。フォールズの成功は、QBを守り抜くオフェンスラインがあったからだし、個人技に走らない3人のランニングバックがいたからだし、4人だけで相手QBに迫るディフェンスラインがあったからだ。どれも他チームにはないものだ。来シーズン、イーグルスは連覇を目指すことになるだろう。どのチームが立ちはだかるか、半年後が待ち遠しい。

02/23/金
大学は休み。午後、文藝家協会でオーファン委員会。神保町から半蔵門線に乗り、2駅先の半蔵門で下りる。自宅から神保町までと、半蔵門から文藝家協会まで歩いただけで、往復で6000歩。ちょうどいい散歩だ。文藝家協会まで電車に乗らず全部徒歩で行くということも何度か試みたが、一万歩を超えると疲れが残る。電車一本で行くとすると、JRで四谷まで行くというのと、丸ノ内線で赤坂見附まで行くという方法がある。JRの快速だと一駅なのでこれもいいのだが、御茶ノ水駅までが近すぎる。丸ノ内線の赤坂見附まではプリンスの中を抜けていくのだ楽しいのだが、赤坂見附から淡路町まで6駅もある。この時間が息苦しい。というようなことをいつも考えている。疲れているととりあえず一番近い千代田線に乗ってしまうこともある。これだと日比谷で有楽町線に乗り換えか、国会議事堂前で南北線に乗り換える。他にJRが都営新宿線で市ヶ谷まで行って有楽町線というのもある。実は地下鉄路線図について考えるのが趣味だ。孫がいるのでたまにスペインに行く。バルセロナの地下鉄も好きだ。パリの地下鉄も複雑でいい。東京の都営みたいな、料金体系の違い路線がいくつかあるところがまたいい。乗り換えの時に緊張感がある。パリの地下鉄は下りる時には切符はいらないのだが、別の路線に進むためには切符をもっていないといけないのだ。長男が留学していたブリュッセルでは、地下鉄とトラムとバスの共通回数券がある。トラムが地下に入りこんでいる魅力的な路線もある。乗ってから機会に回数券を差し込む。1時間以内なら何回乗り換えてもいい。あの回数券のカードは便利だと思った。いまは日本もICカードで乗れるので、切符が要らなくなった。とりあえず乗り込んでから、行き先や経路を変更することができるので便利だ。さて、週末は休みだ。道長と紫式部の恋の顛末を語りたい。

02/24/土
週末は休み。夕方、軽くドライブに行ったことと、夕食を食べに近所のお好み焼き屋に行った以外は、ひたすら仕事。今日はこの本の中でも最大の山場を書いた。道長と紫式部の恋を、資料を駆使して実証的に描いた。いままでこれほど鮮明にこのことを書いた本はないのではないかと思っている。夜は以前から応援していた高木菜那さんの金メダルと、カーリングの銅メダルの瞬間をリアルタイムで見た。マススタートというのは競輪に似ている。ずっと2番手にいて最後に差せば勝てるのだ。高木選手は戦略どおりにレースを展開した。それが出来たのは、通常のコースの内側にある練習用のコースの急カーブをトップスピードで回る技術があったからだ。体が小さく身が軽いことが逆に有利に働いた。トップを走っていたオランダの選手は最後のカーブでわずかにふくらんでしまい、そこを高木選手に内から差された。これはショートトラックではよく見るかたちだが、通常のトラックでは練習コースも使うマススタートだけに見られる特徴で、高木選手のために設定されたような競技といえるだろう。カーリングは、結局のところ、偶然で勝ち負けが決まるものだという気がする。どんな名人で1インチくらいは手元が狂う。イギリスのベテランスキップも、最後にわずかに手元が狂ったということで、まあ、ラッキーだったということだが、そこまで粘ったことが勝利につながったのだろう。

02/25/日
今日はマラソンの日だ。自宅から淡路町の交差点が見えているので、大群衆で埋まっているのがよくわかる。午後、散髪に行く。混んでいた。1時間待って、刈られている時間は10分ほどだ。週末は混むのか。いまは春休みで学生は少ないはずだが。この前の散髪は12月の始めだったと思う。2ヵ月半。まあ、それくらいの間隔だ。耳が隠れたら、耳が出るまで刈ってもらう。耳の長さだけ短くするということだ。これで3月のシンポジウム、卒業式、4月の入学式まではもつだろう。本日はこれまでの赤字を入力することにした。これをやっておけば、金曜日にできたところまでをプリントし、土曜日の入試待機でまた最初から読み返すという手順になる。小説ではなく評論なので、論理がたたみかけるように展開されているか、何度も読み返して確認したい。

02/26/月
大学。判定会議。入試の度に判定会議がある。入試課の提案した合格人数にただ肯くだけの儀式。午後から学科会。必要な話し合いはできた。今週金曜にも卒業判定の教授会があるので、本日は早めに会議を切り上げる。あとは自宅で自分の仕事を続ける。

02/27/火
本日は休みだが羽田プロジェクトの会議。少し遅れ気味に行ったら人がぎっしりつまっていて驚いた。新しい参加者がいるみたいだ。飲み会は楽しかった。まあ、たまにはこういうメンバーと飲むのもいい。

02/28/水
本日は休み。天気が荒れるとのことで、どこにも出かけずにひたすらパソコンの前に座っていた。赤字の入力は終わった。新しい領域に進む。もう残りページが少ない。エンディングに向けてクールダウンしていく感じ。2月は短い。もう月末だ。3月半ばの完成を目指している。もう一冊の『小説を深く読む』になかなか進めないが、とにかくいまやっている作業を完了させたい。明後日大学で会議があるので、できたところまでをプリントして、土曜の入試待機で読み返すつもりだったが、突然、土曜の待機には参加しなくていいというメールが来たので、自宅で作業することになるが、入試待機の方が集中力があるので、自宅でできるか。とにかく入力作業を続けていきたい。まだ大学の授業のない時間が一ヵ月半ほど続くので、自分の仕事に集中したい。



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