平安時代ノート07

2018年7月

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07/01/日
このノートも7月になった。もう半年以上このタイトルだ。早く次に行きたいのだが、今月に『平安時代の反体制文学』のゲラが出るので、タイトルはこのままにしておく。次に何をするのかも実は決まっていない。海竜社に渡した原稿は『小説を深く読む』というタイトルになるはずだが、平安時代と並行して書いていた。次は平安時代のままで行くか、壬申の乱となるか、50年前の高校時代の話になるかのどれかだと考えているが、まだ編集者との詰めができていない。いずれにしてもこの夏休みはまだ準備の段階なので、じっくりと先のことを考えたいと思う。
昨日のサッカーはフランスとウルグァイが勝った。やはりポルトガルはロナウドが調子を落としていた。ただウルグァイもスアレスの次のポイントゲッターが負傷したので、次のフランス戦に出場できるのか。いずれにしてもフランスは絶好調だ。さて、本日はスペイン対ロシアがある。スペインを応援する。もう1試合はどうでもいいので、酒を飲みながら眠くなれば寝てもいい。明日は昼休みに会議が設定されているので、10時に起きたらすぐに出かけないといけない。火曜は夕方にマッサージがあるだけなので、3時からの日本戦は見られる。11時からのブラジル対メキシコも、一波乱あるかもしれない。昼間、車を動かしに羽田まで行った。今月の後半にスペインの長男一家が来るが、自分の仕事が入っていて、妻一人に迎えに行くことになる。羽田の国際線ターミナルは行きにくいので、確認のために行ってみることにした。2年前に長男の次女を送っていったことがある。環八から入るのだが、空港中央で高速を出てから環八に行くのがわかりにくい。まあ、二人で表示を確認しながら駐車場に入った。車を降りてターミナルまで歩いていったところで、突然、妻が、長男一家は関空に着いてそこから国内線で到着すると言いだした。それなら国内線のターミナルで、環八に来る必要はなかったのだ。もっと早く思い出してほしかった。それで国内線の方に戻って、第二ターミナルの前からクルッと回って第一ターミナルに向かい、さらにクルッと回って駐車場に入った。すぐにそのまま出口に向かい、そこから高速に乗るルートを確認。それから高速に乗り、そのまま長男一家の宿泊所に向かった。湯島天神の近くだ。一方通行のわかりにくいところ。何とか行けた。そこから自宅に戻るのもけっこう大変だ。このあたりはふだんの散歩のコースなのだが、車で行くとやたらと一方通行が多く、すぐそばまで来ているのに目的地へ到達することができない。しかし確認しておいてよかった。

07/02/月
昨日のサッカーは延長戦のあとPK戦でロシアが勝った。スペインは相手のオウンゴールで先制したもののハンドの反則でPKをとられて同点になった。結局自力では1点も入れられなかった。後ろでパスを回すだけで得点を入れる気がないとしか思えなかった。ロシアが全員守備をしていたので、あのパス回しでは点をとれそうな感じがしなかった。当初からスペインを応援していたので残念だった。3時からの試合はどうでもいいので寝てしまった。当初のわたしの予想ではベスト4はブラジル、ドイツ、スペイン、ポルトガルだった。そのうち3チームがすでに姿を消してしまった。それ以外に前評判がよかったのはベルギーとフランスで、似たチームだ。スペインのいなくなったゾーンのもう1試合はこれもPK戦でクロアチアがデンマークに勝った。ロシアはまた勝つかもしれない。スイス対スウェーデンはどちらが勝つかわからない。イングランドとコロンビアはコロンビアの方が強そうだ。まあ、順当に行けばクロアチア対コロンビアの準決勝になりそうだが、どこが勝ち残っても、フランス、ブラジル、ベルギーの敵ではない。ブラジル対ベルギーが事実上の決勝戦ではないか。日本がベルギーに勝つ可能性はまったく考えていない。コロンビア戦のようにまたレッドカードが出るなどという神風はもうないだろう。しかし元寇の時は神風が二度吹いたといわれる。もし勝てば、オリンピックでブラジルに勝った西野采配がまた勝てるかもしれない。まあ、そううまくは行かないだろう。いちおう日本を応援したいとは思っているが、負けたらその後はベルギーを応援したい。反対側のゾーンではコロンビアを応援したい。コロンビアが優勝すれば、コロンビアに唯一勝利したのは日本だということになる。さて、本日は大学で2つの会議に出席した。それだけの一日。これからサッカー2試合を見る。

07/03/火
昨夜は午前3時からの日本対ベルギー戦を見た。まだ腰が万全ではないので、立ったまま見たが、後半立ち上がりに原口と乾のシュートが決まって2対0となった時は、立ったままうろうろと動き回っていた。まだ後半が始まったばかりで残り時間が長すぎる。これだけ時間があると引いて守るわけにはいかない。攻め続けるしかないところだが、相手に攻められる引きっぱなしの状態が続いた。そこから同点にされ、やむなく攻め込んで、コーナーキックで勝負をかけにいったところを逆襲で決勝点を決められた。日本はよく動き回ってベルギーと互角に闘ったが、延長になれば体力がもたなかっただろう。相手の背の高いルカクなどはただ立っているだけだったから体力が余っている。まあ、よくがんばって楽しい試合を見せてもらった。これからはベルギーを応援したいのだが、日本に2点も入れられたところを見ると、ベルギーのバックスが弱そうだ。ブラジルが勝ってしまうと、ウルグァイとフランスの勝者(たぶんフランスが勝つ)ということになるが、今回のブラジルは得点力不足の感じで、フランスの方が強そうだ。もう一つの山は本日のコロンビア対イングランドの勝者が決勝戦まで行くのではないか。さて、本日は休みだが、マッサージを受けに新宿まで行った。帰りに自宅の下にあるスーパーに寄って、ウィスキーを買う。腰を傷めた日にウイスキーを3本買った。それで腰を傷めた。それから3週間ほど経つ。週に1本の割で飲んでいるのか。まあ順当なところだろう。本日は安全のために2本しか買わなかった。

07/04/水
昨夜はスイス対スウェーデンを仕事をしながらパソコンの画面のすぐ上にあるテレビの画面を見ていた。見ていたというよりも、何かあったら見るという程度だ。するとこの試合はほとんど何もない状態で時間ばかりが経過した。結局ほとんどテレビの画面を見ることはなかった。スイスが攻め、スウェーデンが守るという展開だったようだが、数少ないチャンスをものにしてスウェーデンが1点を先制した。あとは守りに守るということだったようだ。もう1試合はどうでもいいので見ずに寝た。起きてからネットで確認すると、内容のない引き気味の試合で、イングランドがPK戦で勝ったようだ。コロンビアは運がなかった。前評判の実力がついに出せないままだろった。さて、本日は大学院のゼミ。梶井基次郎の「Kの昇天」を読む。それから学部長会議を始め、4連続会議。会議の好きな大学だ。とても疲れた。本日はサッカーのない日。というか、スペインも日本も負けてしまったので、応援するところがない。まあ、日本に勝ったベルギーか、19歳の若者が大活躍するフランスを応援するか。長男が4年ほどブリュッセルに留学していたので、ベルギーに4回ほど行った。次男をつれて遊びに行ったり、スペイン人の嫁さんの両親と対面したり、東欧旅行に行く前後に長男の新居に泊めてもらったり、もう一回は何だったか、そうだ長男の結婚式でスペインに行く前後にもベルギーを経由したのだった。土地勘ができていたので何かにつけてベルギーに行っていた。まだテロなどが起きる前で、平和ないい街だった。経済はオランダ系、文化はフランス系、料理はイタリア人というパーフェクトな街で、しかもオランダ語圏の中に浮島のようにフランス語圏のブリュッセルがあるので、カタコトのフランス語が通じる街だ。EUの本部があるのでブリュッセルでは英語が通じる。ベルギーを応援しよう。

07/05/木
本日は大学のゼミはすべて振り替えにして、ゲーム作家のくしまちみなとさんをお招きして三田がインタビューして、ゲームのシナリオライターとはどのような仕事か。ゲームとラノベの関係などをお伺いした。ゲームに興味をもつ学生も多いのでたいへん有意義なお話だったと思う。ただしクリエーターというのは総合力が必要で幅の広い知識があった方がいいということで、ただゲームが好きというだけではダメだということもよくわかった。ゲームをやるひまがあったら、映画を見たり本を読んだ方がいいというサジェスチョンにはそのとおりだと思った。そのあと、軽く飲み会をやって文芸家協会へのご協力なども依頼した。

07/06/金
今日から4連休。貴重な休み。本日は知人が中目黒の焼き肉屋に案内してくれた。ホルモン系のところで、まあ、楽しかった。夜中はフランスがカバーニのいないアルゼンチンに圧勝する試合をのんびり見たあと、3時からのブラジル対ベルギーを見る。事実上の決勝戦だろう。ベルギーが簡単に2点入れる。日本戦の終了直前から、突然、ベルギーにスイッチが入ったみたいだ。ブラジルもよく守っていたが、スイッチの入ったベルギーには対抗できなかった。次はフランス対ベルギーになる。これも事実上の決勝戦だ。もう一方の山はイングランドの一人勝ちになるだろう。若いチームなので調子を上げていくと、ベルギーといい勝負になるかもしれない。

07/07/土
休みが続く。大学時代の友人が俳句仲間と個展を開いているというので、神楽坂に行く。混んでいた。とにかく友人を見つけて、来たよとだけ言って、すぐに帰った。まあ、散歩だ。行きは新宿線で九段下乗り換え東西線だったが、帰りは大江戸線まで歩いて、春日乗り換えで神保町から歩いた。夜中はイングランドがスウェーデンに圧勝するところと、ロシアがクロアチアに先制点を入れるところを見た。結局逆転された。そこで寝てしまったのだが、そのあとロシアが同点にして、最後はPK戦にまでもつれたようだ。それでもロシアは敗退。延長戦まで見ていると睡眠不足になる。ロシアを応援しているわけでもないので、まあ、どうでもいい結果だ。この山はイングランドが決勝に進むだろう。フランス対ベルギー戦は死闘になる。疲れが残っていると、若いイングランドががんばるかもしれない。イングランドはいつの間に強くなったのだろう。ベッカムやルーニーがいたころは、前評判のわりに弱かった。今回はスター選手がいないが、英国プレミアリーグで外国人選手にもまれている若者たちなので、全員に激しさがある。

07/08/日
本日はどこへも出かけず、パソコンの前に座っていた。腰が回復したので仕事に集中できる。当面の急ぐ仕事はないのだが、大学の仕事で9月に中国でやる講演の要旨を提出しないといけない。講演というものはわたしはその場で、聴衆の顔を見て何を話すか決めるのだが、今回はそういうわけにもいかない。要旨だけ考えるのも難しいので、講演の原稿を完成させてから要旨を書くという手順が必要だろう。アドリブが利かないというのは困ったことだが、とにかく早急に対応したい。全国的に洪水や土砂崩れの災害が広がっている。とりあえず知人で被災した人はいない。オウム真理教の幹部が処刑された。死刑というのは先進国ではほとんど廃止されているので野蛮なことだと思うし、指導者だけに責任があるわけではない。指示に従った実行犯や、彼らを支援した信者のすべてに責任がある。そして、教祖の理屈を信じ込んだ信者が多数いるという社会状況を生み出したのは、バブル経済とその崩壊にあるのだろう。金さえあれば楽しく人生を過ごせるという価値観から締め出された人々が、精神的な支えを求めて宗教に走ったのだ。いまなら引きこもりのゲーム中毒やパチンコなどのギャンブル中毒といった状態になる人が少なくないのだが、世紀末のあの時期には、宗教中毒になって自分を見失った人々が多数いたということだろう。宗教そのものは害悪ではない。文学というのも一種の信仰であり宗教みたいなものだ。作家になりたいという思いが強すぎて自分を見失う人もいるだろう。しかし文学はサリンはまかない。一般の人々に迷惑をかけることはない。そこがオウムと違うところだ。

07/09/月
今日まで4連休。午前中に医者に行き、夕方に秋葉原を散歩。それだけ。明日からまたハードな日々となる。金曜まで仕事がぎっしりとある。連日真夏日と熱帯夜になると天気予報が言っている。洪水の被災者と比べたら暑いくらい耐えないといけない。しかしもう高齢者だから、連日の外出はつらい。今年度で定年となる。夏休みになれば今年度は半分が終わることになる。とはいえこの夏休みにはスペイン台風が襲来する。いまからストレスを感じている。声の調子が戻らないのはそのせいではないか。

07/10/火
まず大学に出向いて留学生入試の判定会。それから文藝家協会に向かい評議員会。いつもは数人の会なのに本日はなぜかほぼ全員集まったのではないかと思われる人数で、一人あたりの発言の時間があまりとれなかったが、久し振りに顔を見た人もいたのでまずは楽しい会だった。そのあと常務理事会。今期から赤川次郎さんに加わっていただいた。赤川さんも昔みたいに超多忙ではないみたいで、文藝家協会の仕事にも参加していただいている。ありがたいことだ。夜中の3時、フランス対ベルギー戦を見る。ほぼ互角の力量に見えて、互いに引き気味に守っている。日本戦でもブラジル戦でも本気でがんばっていたベルギーが、うまくフランスの戦法に誘い込まれたようで、実力が発揮できなかった。結局、偶然みたいにして入った1点をフランスが守り切った。決勝戦がフランス対イングランドになれば、ドーバー海峡を挟んだ隣国対決となって盛り上がるだろう。クロアチアは中盤に実力者がいるのだが、延長戦が続いているので疲労がたまっているのではないか。イングランドは若いチームでだんだん連携がよくなっていく感じだ。

07/11/水
大学院の授業のあと、学院長と面談。後任人事のことなど。こちらの思いは伝えられた。本日はクロアチア対イングランドだが、どうでもいいので寝る。

07/12/木
木曜日は3コマの日。先週は講演会に振り替えたので1コマだったが、また3コマの日が本日を含めてあと3回。学生のプレゼンテーションの時期なので、こちらはあまりしゃべらなくてすんだ。帰ると担当編集社からメールが来ていて、『平安時代の反体制文学』は『源氏物語を反体制文学として読んでみる』ということになったらしい。まあ、タイトルはどうでもいい。本が出ることに威儀がる。授業が2限からあるので昨夜は早めに寝た。サッカーはクロアチアが勝ったようだ。レアル・マドリッドの10番モドリッチがいるし、いいキーパーがいるので順当なところだ。英仏決戦になった方が盛り上がるだろうと期待していたのだが、イングランドもそこまでの実力がなかったのだろう。決勝戦はやはりフランスが有利だろう。クロアチアはトーナメントになってからの3戦すべてが延長戦で疲れが残っているだろう。それでも延長戦になれば、逆に延長戦に慣れているクロアチアが有利になる。フランスは3対1くらいで勝ちたいところだろう。クロアチアに疲れが出ると、ウサイン・ボルト並といわれるエムバペに自在に走られるのではないか。今週も木曜日の山を越えた。金曜も社会人講座があるのでまだ楽になれないが、テキストに沿ってしゃべればいいので、気持として楽になっている。週末は休みだが、次の月曜は2限の授業がある。

07/13/金
三鷹サテライトで講座。今期は月1回の4回連続講座で、しかも仏教と近代文学と、2コマ連続という初めての試みだった。正直のところ社会人相手に2コマ連続は疲れた。先月は声がまったく出ない状態だった。今月はまだ完調ではないが声は出るようになった。とにかく連続講座も本日で終わり。ほっとした。昨日、メールで急に約束して、作家の川西蘭氏と御茶ノ水で飲み会。川西さんとは旧い付き合いで、共通の担当編集者がいたので昔話もできるし、坊さんなので仏教の話もできる。近くの天ぷら屋のような蕎麦屋でのんびりと酒を飲んだ。週末が楽しかったので、一週間のしめくくりとなったが、世の中が明日から3連休なのにM大学は月曜出勤だ。まあ、2日はのんびりできる。

07/14/土
『源氏物語』のゲラにとりかかる。校正者からびっしりとギモンがエンピツで書いてある。仰せに従うこともあるが、念のため、というニュアンスもあるので、そのままスルーすることも多い。文体というか、文章の調子というものがあって、あまりに正確を期すと、流れがスムーズでなくなる。とにかく本一冊ぶんを一週間で見ないといけないが、来週は月曜出勤で、学生の宿題も出てくるので、この週末に半分のところまで行きたい。

07/15/日
ゲラ、第2章終わる。この本は系図がいくつも入る。きっちりページの中に系図が入っているのを確認して安心。古代の話は系図で決まる。系図を見るだけでもわかることがある。藤原道長が入り婿で入った左大臣源雅信の娘の倫子と紫式部は又従姉妹にあたる。しかも紫式部の自宅は左大臣家の土御門殿の斜向かいなのだ。つまり紫式部は苗字は藤原だが、源一族の方に近い。そこに道長が入り婿で入ってきた。このことを把握しているだけでもいろいろなことがわかってくる。『源氏物語』に藤原一族の摂政関白が出てこないのは、皇族を出自とする源氏の左大臣家の女房たちが最初の読者だったからで、いわば摂関家の抵抗勢力の邸宅の人々に対して、紫式部にとっては曾祖父にあたる堤中納言の時代の物語を語る。結果的にこの物語は、一条天皇に評価され、紫式部が仕えた彰子と一条天皇との仲介役にもなった。系図と地図だけでそれだけのことが見えてくる。「源氏物語は反体制文学である」という三田のコンセプトはそこから生じたものだ。あとは系図に沿って状況を説明するだけでいい。ついでに、いつか書こうと思っていた小説の設定を後半に書き込んでおいた。紫式部と藤原道長の恋。昔から言われてきたことだが、この二人が結ばれるのは当たり前のことだ。紫式部のようなプライドの高い女性が、ふつうの男とつきあうわけはない。というようなことを書いた本だ。とにかく校正を進めないといけない。明日は世の中は3連休だが、M大学は出勤。2限に授業があり夕方には教授会がある。これからサッカーの決勝戦を見る。とくにどちらかを応援しているわけではない。昨日の3位決定戦はベルギーを応援していた。ベルギーは何度も行って土地勘がある。ベルギーではカタコトのフランス語が通じる。ブリュッセルの周囲はオランダ語圏なので、カタコトのフランス語がふつうに話されているからだ。いいところだ。まあ、フランスを応援するかな。ジダンが好きだった。あの暗い目つきがよかった。エムバペは明るそうだ。クロアチアのモドリッチもよくがんばっている。チームに勢いがある。フランスが2点くらい先にとると一方的な試合になりそうなので、クロアチアにもがんばってほしい。見ているうちにクロアチアを応援するかもしれない。

07/16/月
予想どおりフランスの一方的な勝利となった。出だしのオウンゴールに始まり、中身のない試合になった。結局、負けた試合だけれどもベルギー対日本の一戦がいちばん充実していたのではないか。クロアチアはよくがんばったけれども、トーナメントの山がもともと楽だったのだ。フランスは攻撃も守備も人材が豊富だった。ベルギーは日本に2点入れられたように守備にもろさがあった。さて、これでサッカーが終わった。アメリカン・フットボールが始まるまで1ヵ月半の空白期間がある。その間を埋めるように孫台風がやってくる。来週、ついに来るようだ。本日は休日だが大学は通常授業。中央線快速が駅を飛ばすので気分がいい。2限の1コマのあと、研究室で作業。宇都宮での講座のテキストを作る。何とかできた。引き続き大学の仕事で長大なレポートを書き始める。1ページ書くのに1時間かかった。締切はまだ先だがこの作業に時間をとられそうだ。自宅に帰って、ゲラの続き。2章まで終わっているので半分できたかと思っていたのだが、この本は5章まであった。まだ半分に達していない。今日の夜中もがんばって仕事をしたい。明日は休みだがこの校正の作業を最終章の始めくらいのところまでやっておきたい。

07/17/火
本日は休み。猛暑。自宅から一歩も出ず。ゲラの校正な集中する。校正者の指摘がびっしりあって、こちらが間違っていることも多いのだが、確認してみるとそのままでもいいことが判明することもある。とにかく指摘がある度、確認が必要なのでたいへんな手間だ。こんなめんどうな作業をやっても、定価の安い新書版なので収入はほとんどない。何のためにこんなに苦労をするのかとギモンを感じないわけではないが、誰かが一言、よくがんばったと声をかけてくれたら、それで報われる。まあ、来年からは大学での雑用がなくなるので、気持にもゆとりができるだろうが、いまは大学の仕事の合間にやっているのでプレッシャーがある。本日は休みなので、何とか最終章には突入したが、まだ少し残っている。明日はなるべく早く自宅に帰って作業を続けないといけない。

07/18/水
水曜日は学部長会議がとびとびにあるのだが、本日は大学院の授業が1コマあるだけ。すぐに自宅に帰って作業に取りかかる。やれやれ、綱渡りのような作業だ。自分では5章の構成にしたつもりで、最終章に突入したと思っていたのだが、もうすぐ終わりと思った段階で6章があることに気づいた。ちょっとアセッたが、何とか夜半前に完了した。のんびり寝酒が飲めた。

07/19/木
2限から4限までのゼミ。学生たちのプレゼンテーションを聞くだけ。暑い。帰りの道が扱った。昨日、ゲラを完了させていたので、気持は楽だ。

07/20/金
猛暑。不要不急の高齢者は外出するなとテレビの人が言っていた。本日は文藝家協会でオーファン委員会。文化庁の委託事業なので出席しないわけにはいかない。三田が委員長ということになっている。開会の挨拶と締めの挨拶。役目は果たした。ゲラを終えたので急ぎの仕事はないと思っていたら、宇都宮のケーブルテレビから原稿が届いた。短篇の審査を担当している。短いものばかりだが20篇ほど読まないといけない。この週末に仕事になる。来週、スペインの孫が来る。妻もわたしも多大のプレッシャーを受けている。四日市の孫も来るらしい。孫というものはラインの写真で楽しむものだ。とにかく、わたしはまだ何やかやと仕事がある。妻の方が大変そうだ。

07/21/土
この週末は休み。地下の駐車場に行って、車の荷室を片づけ、3列目のシートを1つだけ立てておく。水曜日にスペインの孫たちが来る。わたしは所用で迎えに行けない。妻が車を運転して羽田へ行く。スペインの家族は大人2人に子ども4人。運転する妻を入れて7人になる。運転席、助手席、3列シートの1席、それに2列目に子ども4人と考えている。長女はもう高校生だから大人と勘定するのかもしれない。それでも子ども3人で大人2人の計算になるので、大人6人ということで、問題はない。うちの車は8人乗りのはず。ただ荷物があるので、3列目の1席はシートを倒して荷物を積めるようにする。とにかくわたしまで迎えに行くと乗り切れないかもしれない。羽田だからわたしは電車で帰ってもいい。四日市の次男の嫁さんが孫2人連れてきたらどうなるか。そこまでは考えない。地下駐車場から秘密の経路をたどってスーパーに行く。何とわたしがいつも飲んでいるウィスキーが売り切れになっている。そ、そ、そんなという感じ。仕方がない。少し高いのを3本買う。値段の問題ではない。へんな香りのある酒は好きではない。まあ、仕方がない。この熱暑の中を別の酒屋に行く気にはなれない。ウィルキンソン炭酸のドライというのは先日から愛飲している。ただの炭酸とどこが違うのかよくわからないのだが。炭酸水だけを飲むということがないので、炭酸水だけだとどんな味なのかわからない。何が「ドライ」なのかもわからない。グラスに注いだ時の、シュワッと出る泡から、何かしらドライな香りが出てくるようでもある。ただ炭酸を飲むと翌日、腹痛を感じることがあるので、授業がある日の前日は炭酸水も氷も入れずに飲む。ウイスキーを常温の水で割る。それもわるくない。常温の日本酒もわるくない。常温の赤ワインは当たり前だ。ケーブルテレビの候補作は、ネットで発表することを前提としているので、チャットみたいなスタイルのものが多い。2行とか3行とかのアキが多く、すかすかの印象。べたっと活字が並んでいる作品があると、ほっとする。いい作品もある。とりあえず今日は、20篇の候補作を、○と×にわけた。あとは○の10篇に順位をつけてコメントをつける。×のものは闇に葬られる。被災した広島での試合で広島ががんばっている。負けたのは巨人。わたしの関心の中からプロ野球というものが消えつつある。9月からアメリカンフットボールが始まる。8月になればプレシーズンの練習試合が始まる。ドラフト上位でQBを指名したチームが、新人QBをどう使うか気になるところだが、今シーズンはベテランQBの移動があって、各チームの戦力がまだ見えていない。優勝したイーグルスは負傷していたQBウェンツがどの時点で復帰するのか。しばらくはスーパーボウルMVPのQBのままで行くのか。昨シーズン、ペイトリオッツの控えQBを途中から入れて連勝を続けた49ナーズが連勝を続けるのか。カウボーイズがどこまでがんばるか。昨シーズンは不審だったジャイアンツが復活するのか。チーフスからレッドスキンズに移籍したQBスミスが活躍できるのか。それにしてもチーフス(インディアンの酋長)からレッドスキンズ(赤い肌)に移籍というのは、あまり変わった感じがしない。このスミスは49ナーズから追い出されたベテランで、その49ナーズが昨シーズン前半は不審だった。活躍していたキャパニックが国歌斉唱の時の態度がわるいということで干されたからだ。試合の前に国歌なんか歌うなよと異国人のわたしは思う。国歌を歌えない(歌詞がない)スペインはいいなと思う。

07/22/日
本日も猛暑。宇都宮のケーブルテレビが主催する短篇のコンクールの候補作が送られてきたので、選考結果と選評をメールで送った。去年から始めた仕事で、2回目なので慣れている。夕方、妻と東京駅に行く。スペインの孫たちが旅行で大阪方面に向かう時の切符を券発行機から取り出す。ついでに大丸で夕食。地下道しか通っていないのだが、猛暑は地下まで広がっている。

07/23/月
先週に引き続き2限の武蔵野学。文学部の先生方とのリレー形式の講座。専任になってから毎年続けている講座だが、今シーズンで定年なので、この仕事も本日が最後となる。昼休みに特別委員会。この仕事は9月に再開されることになった。難しい問題を抱えている。それで自宅に帰ってもよかったのだが、研究室で大学の報告書を作成する。大部の報告書なのでまだ手をつけただけの段階だ。自宅に持ち帰って夜中に作業する必要があるかもしれないが、資料をもって帰るかまだ迷っている。

07/24/火
本日は休みだが文藝家協会へ。理事、評議員らが、読書推進活動として、お勧めの一冊を5分で語る、というビデオの撮影。タクシーで六本木ヒルズの中のユーチューブのスタジオに向かう。とにかく5分しゃべった。今日も猛暑だが、昨日よりはましだ。六本木は久し振り。昔、ここの映画館で『アバター』を見た。それ以来か。そうでもないか。日脚連で会議があったかもしれない。ミッドタウンには最近行ったような気もする。ヒルズの方は、昔、FMラジオに出た記憶がある。大昔だし、どんな番組だったのか、まったく記憶がないが、出迎えの人がいないと入れなかったことだけは憶えている。さて、明日はたいへんだ。大学院の授業のあと、いったん自宅に帰って着替えてから、歴時クラブ賞の表彰式に出向く。賞状に署名しないてといけない。それから挨拶やら何やらがある。その間、妻は羽田に長男一家を迎えに行く。マンスリーマンションに案内するだけなので、孫たちと会うことはないのか、段取りはよくわかっていない。まあ、無事に着くことを願って、それ以後のことはそのつど対処すればいいだろう。次男一家もまじえて旅行に行くことだけは聞いていて、予定していた検診の日を、本日、連絡して変えてもらった。自分がなすべきことはそれだけだ。今週は金曜も宴会が入っているし、土曜は宇都宮だ。ただ木曜日の授業で、前期の授業は終わる。ただ最終週に学生たちの宿題の提出があって、それを一気に読まないといけない。猛暑はどこまで続くのか。昨日は青梅で40度を越えたということで、そんな日が二度とないことを願う。

07/25/水
大学院の前期最終授業。今期は受講者は4人。いい感じでゼミができた。終わるとすぐに自宅に。とりあえず自宅のパソコンに来ているメールに対応し、それから着替えて飯田橋へ向かう。出版クラブで歴時作家クラブ賞の授賞式。何と神楽坂はお祭。すごい人混みでで前に進めない。何とか会場にたどりつく。選考委員長なので、賞状に署名しないといけない。この作業がたいへんだ。賞状は7枚ある。ハンコも押す。毎年、この作業は緊張する。7枚の賞状が完了すると、本日の仕事はもう終わりという感じになるが、そういうわけにもいかない。控室で受賞者に挨拶。今回は特別賞として林真理子さんをお招きした。賞金のない賞だが、快く来ていただけた。きれいな和服で、まさにパーティーの主賓であった。表彰式が始まると委員長の挨拶。それから表彰状を渡す。委員長の仕事は多い。終わるとぐったりする。二次会にも参加。北海道から来ていただいた浮穴みみさんと話ができたのでよかった。賞金が出ないだけでなく旅費も宿泊費も出ない賞なので、受賞者は持ち出しなのだが、授賞を喜んでいただいた。歴史時代小説というの、団塊世代を中心にファンが増加している。だが、書き下ろし文庫の作品が多く、割りの合わない仕事だし、文芸ジャーナリズムの中でも陽の当たることが少ない分野だ。しかし新人が輩出しているし、シナリオライターから転向してくる人もいる。現代小説の作家が、歴史小説に挑むこともある。パーティーは盛況だった。会費を払ってくださった編集者の皆さんに感謝。スタッフの皆さんにも感謝。ところで、本日はスペインの長男一家が来日する日だ。前日、ヘルシンキ空港でのトランジットの写真がラインで届いていたのだが、朝には関空に到着していた。ほぼ同じ時間に東京行きもあったとのこと。安売りチケットを探していたので、関空乗り継ぎの方が安かったとのこと。しかも乗り継ぎ時間がかなりあって関空にずっと足止めされていたのだが、夕方には羽田に到着。妻が車で迎えに行ってくれた。湯島天神の近くのマンスリーマンションを契約してある。夫婦と孫4人の6人家族なのでふつうのホテルには泊まれない。四日市の次男の嫁さんと孫2人も来ていて、こちらはわたしたちが住んでいる集合住宅のゲストルームを3泊ぶん予約してある。3泊しかできないというのがルールで、前日は嫁さんの妹のところに泊まったとのこと。日本のサラリーマンの次男はまだ仕事。気の毒だが仕方がない。長男と嫁さんは音楽院に勤務しているので夏休みが2ヵ月くらいある。こちらは深夜になって帰ったのでまだ孫の顔は見ていない。

07/26/木
木曜日は3コマある。4年ゼミはいつも雑談をするのだが、本日は14人も集まった。どうしたのかと思ったら卒業アルバムの写真を撮るのだという。授業のあとでカメラマンに来てもらおうとしたら、その時間はカメラマンの休憩ということで、そのまま教室で雑談を続ける。ようやくカメラマンが到着して集合写真。それで終わりかと思ったら、先生とのツーショットを撮りたいと学生が言いだして、結局、14人とツーショットの写真を撮った。わたしは椅子に座っているだけだが、14人はそれぞれの決めポーズをとる。女の子がだんだん大胆になって、ちょっと怖かった。自宅に帰り着くと、誰もいなかったのだが、わずかな時間差で全員が現れ、にぎやかな夕食。ドッと疲れた。まだ初日だというのに、こんなに疲れてしまった。先が思いやられる。明日は文藝家協会の仕事で夜の宴会があるので、孫との会食は避けられる。

07/27/金
孫たちは上野動物園に行ったようだ。夕食は御徒町の吉池食堂とのこと。総勢11人の団体なのでたいへんだ。こちらは文藝家協会主催の教材出版社との懇親会。和田倉堀公園のレストラン。孫たちの喧騒から逃れることができて嬉しい。

07/28/土
年に一度の宇都宮での講座。毎年、快晴の高温というイメージがあったのだが、今年は台風の影響か曇り空。猛暑ではなかった。講座はいつもどおり、熱心な聴衆にがんばって話をして、弁当を食べて宇都宮駅へ。ハイボールの缶を飲みながら帰った。今週はユーチューブでの撮影や歴時作家クラブ賞の贈呈、卒業アルバムの撮影、スペインの孫たちの来訪、文藝家協会の仕事など、行事がぎっしりあって、とても疲れた。この宇都宮の仕事が終わって、ようやく7月が終わった感じがした。疲れがドッと出た。来週は学科会と学部長会議があるだけで、授業はない。ただ学生の宿題を読まないといけない。四日市の孫たちは無事に四日市に帰った。台風が接近しているので早めに帰ったようだ。スペインの孫たちはピューロランド。女の子が3人いるからまあ楽しいだろう。明日は休み。スペインの孫は大阪に向かう。やれやれ。ただし大阪から九州に向かう船が欠航になってのだ、こちらに戻ってくるかもしれない。

07/29/日
今週は連日イベントがあって休みがなかった。ようやく日曜が休み。どこへも行かず。妻は大阪に向かうスペイン一行を見送りに行った。九州への船は欠航になったが、民泊の予約がとれたので、大阪に滞在するとのこと。末の孫は船の旅を楽しみにしていたようなので気の毒だが、女の子にとっては、ユニバーサルでハリーポッターなどを見る方が楽しいだろう。

07/30/月
授業はもう終わっているのだが、会議がある。本日は夕方の学科会だけ。この会議だけのために大学まで行くのは、けっこう遠い感じがする。暑さがぶり返してきた。スペインの孫は大阪。平穏な日々が続く。

07/31/火
先週は毎日何かのイベントがあって落ち着かなかったが、今週は楽なスケジュールだ。本日は休み。すでに前期の授業は終わっている。文藝家協会の仕事もない。スペインの孫もまだ大阪。妻の両親を訪ねたようで写真が送られてきた。高校生から幼稚園までの4人姉弟。いつも思うことだが、これが最後の機会かもしれない。わたしの母は長女と次女は見たはずだ。それから四日市の長男も見たはずで、その直後に亡くなった。父は自分の長男、次男がまだ幼児のころに亡くなった。しかし長兄のところの孫とはつきあったはずだが、曾孫を見ることはなかった。そういうことを考えるのは、自分に6人も孫がいるという事態にやや驚いているからで、スペインの長女はいま高校生だから、5年か10年後には、わたしたちの曾孫が出現するかもしれない。長男のところは長く3人姉妹だった。スペインでは結婚しても苗字は変わらない。子どもは個人名・父の姓・母の姓という長い名前になる。だからわたしの曾孫もミタという姓を受け継ぐことになるのだが、その子の代になると母方の姓は消えてしまう。それでいずれはミタという姓は消えていくのだろうと思っていた。ところが最後にラストチャンスで産んだ子どもは男児だった。彼の子どもはミドル・ネームがミタで、そのまま男系の子孫が続いていけば、ミタという姓がスペインに根づくことになる。まあ、どうでもいいことなのだが。さて、今月もこれで終わり。集英社新書は初校が終わり、来月半ばに再校が出る。タイトルは『源氏物語を反体制文学として読んでみる』という長いものになった。中味はタイトルの示すとおりのもので、隠し味として、「紫式部と道長はつきあっていた」という週刊誌もどきの内容も語られている。書いていて楽しかったので、いい本になっているはずだ。が、校正では苦労した。こんなに苦労しても、受け取るギャラはわずかだ。とはいえ、今年70歳になった身としては、来年度からは勤労者としての収入がなくなる。何とか売れる本を書いて食いつないでいきたいと思っている。



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