探査日記(20117月〜20121月)

 

 

南アルプス金鉱探査センター 石川潤一

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ディーゼル油の販売店に集まる人々(71日,ゾンバ)

 

2011年7月1日
   UPDATE: Malaysia Stalls Lynas Rare-Earth Plant
 
2011年7月5日
   the Atlantic
   「かつて今まで誰も深い水中の希土類鉱山を稼行したことがない。誰もど
    んな技術が必要かも分からない。そして、いずれにしても誰もその技術
    を開発していない。」

2011年7月6日
   http://mrb.ne.jp/newscolumn/5685.html より気になる部分を抜粋。
    
江西省・龍南県ではすでにレアアースの採掘が停まっている。430日、
    レアアース採掘停止を通知。硫酸アンモニウム供給停止。731日まで
    に注入した硫酸アンモニウムの片づけを求められている。周辺で採掘
    ライセンス88件の効力及び採掘を停止。鉱区統合計画は既に画定。
    環境評価及び安全監督管理など各種準備作業を行う。88件の採掘ライセ
    ンスを、一鉱区の面積拡張により2011年末までに42件まで減らす方針。

2011年7月7日
   HighREE島探鉱地(pdf) すごい「地名」である。
   鉱化は、 ペグマタイト脈、石英−磁鉄鉱脈、アプライト質脈に伴われた
   fergusoniteallanite,ジルコンの析出。

   探査日記のファイルを分割。

2011年7月8日
   マラウイのロータリー・クラブ、日本の津波被災者に義援金

   渡辺寧さんの話題提供があった模様。

2011年7月9日
   石油探鉱、2社に認可

2011年7月10日
   乾季であるが小雨が降り肌寒い。

2011年7月12日
   Tete Moatize woo Malawian investors
   鉄道改良やCaborabassaダムからの電力供給などの、マラウイ南部の
   インフラ改善にもつながるのだろうか?

2011年7月13日
   ムカンゴ社の試錐完了。

2011年7月15日
   金の税抜買取価格4,008.00/g4,000/gを突破。

2011年7月16日
   「鉱業法61年ぶり改正へ
    海底鉱床など重要資源については先願主義を取り止め、国が開発業
    者を募集した上で審査を行い認可する制度へと移行。
    経済産業省によると、2010年3月末時点での鉱業権数8179件のうち
    8割が事業に着手していないという。
    探査についても、外国の活動に一定の歯止めをかけたり、国内外か
    らの資源探査を全体的に把握するために許可制度を導入する。
    日本の排他的経済水域(EEZ)に進入してくる外国海洋調査船に
    対しては現状の法律では取り締まることはできない。」

2011年7月17日
   20日に主要都市でNGOによるデモが予定されている。

2011年7月19日
   グローブ社、モザンビークでレアアース探鉱ボーリング、ほぼ終了

2011年7月20日
   ムカンゴ社、マラウイの大臣からの支持を得る
   この記事には20年以上前に、日本のJICA-金属鉱業事業団によって調査
   されたSongwe丘のレアアース確認・鉱量推定のことも記載。

   なお本日の反政府運動で、ゾンバではデモはあったものの比較的平穏。
   一時混乱。
   ブランタイア、リロングウェ、ムズズでは激しい行動や暴動があり、ムズ
   ズで1名が亡くなった模様。
   これら四大都市とサリマ以外では特に抗議や事件の報を得ていない。

2011年7月21日
   世界のレアアース市場 2011-2015 誇大表現は当然なのか?
  「この国は我々全員のものだ。大統領は弛緩している。我々には変化が必要だ」

   当地の治安は落ち着いてきたようだが、817日にまた大規模デモが計画
   されている。

2011年7月22日
   ムタリカ大統領「悪魔に率いられたデモは敗北する」
   死者は18人に。カロンガでも。
   逮捕者は、リロングウェで約200人、ゾンバで約45人、ブランタイアで約30
   ムタリカ大統領、ゾンバで警察官達に演説、野党幹部等を非難

   温泉からレアアース採取、秋田大グループが成功

2011年7月23日
   カエレケラ鉱山、2週間閉鎖を計画。

   新聞によれば、ゾンバ出身の人がムジンバで草刈りをしていたところ、
   保護区から逃げ出したゾウの群れによって瞬時に殺されたという。

   鉱業法の一部を改正する等の法律(平成23年法律第84号)の公布について

   麻雀で地和(チーホー)をやられた。

2011年7月24日
   Vale、ブラジルのMinas-Gerais州とGoias州でのレアアース開発を推進。

2011年7月25日
   7月6日付けで書いた内容と重複するが、以下に要約する。

   レアアースの乱、プリウス悩ます 中国の産地で採掘停止
     −中央政府の「横取り」に反発、調達なお難航−
                    日本経済新聞(07/24)

   ・ジスプロシウムの調達は難航か。江西省カン州では4月〜5月に採掘を
    停止。
   ・中国政府が1月、「環境保護のための管理強化」との名目で竜南地区を
    含むカン州のレアアース鉱区11カ所を「国家計画鉱区」に指定。これま
    で採掘権は地元企業が保有。
   ・政府はさらに4月にレアアースの新たな探査や生産の許可を2012年6月
    末まで発行しないと表明、5月にはカン州など中国南部のレアアース生
    産の80%以上を上位3社に集約する方針を発表。
   ・これまで中国五鉱集団や内蒙古包鋼稀土高科技、中国アルミなどが中央
    からカン州に進出してきたが、いずれも加工分野にとどまっていた。
    上流分野は地元採掘会社88社が牛耳っていた。
   ・さらに採掘に不可欠な硫酸アンモニウムは地元政府が影響力を持つレア
    アース採掘最大手、カン州稀土鉱業が一手に手がける。同社が供給を停
    止し、88社の採掘も中止。
   ・地元企業が突然の生産停止に踏み切ったのは、中央政府や国有企業をけ
    ん制する狙いもあるが、「政府の今年の生産枠を守るため」。
   ・中央に対抗するため、カン州の地元政府も独自に新素材開発などの下流
    分野に注力する方針。2月に研究所を設立。昭和電工と地元企業との高
    機能合金生産もその一環だ。
   ・カン州は客家の故郷。客家は中華文化の発祥地である黄河中下流域から
    南部に移動を繰り返し、独自の言語や文化、商習慣を守り持つ人々で結
    束が固い。
   ・地元と中央政府は戦っているように見えるが、レアアースで利益や 影響
    力の拡大を狙う点では一致していて、対立が収束しても、日本側に安価

    なレアアースが大量に流れ込むことはないという見方も

   その他
   ・中国海洋石油、カナダのオイルサンド会社を買収
   ・中国漢龍鉱業が豪州企業を買収、西アフリカの大鉄鉱山を入手
   ・中国南部のレアアース業における勢力図が確定

   ついにWikipediaで、2011 Malawian protests

2011年7月26日
   中国企業が南アにレアアース処理プラント グレート・ウエスタンと提携
   コウ(章+のまたかんむりの下に貢)州虔東が関わるのは南ア某鉱山だけ?

2011年7月29日
   モリコープの主要契約価格更改

   http://mrb.ne.jp/newscolumn/5984.htmlより抜粋:
   
「最近では中国企業もそのような海外での鉱山開発事業に進出しようとして
    います。
    しかし日本にはそのように海外での本格的な鉱山開発を行う企業はありま
    せん。」
   そんなこともないのだが、そう思われても仕方がない。

   イラン、マラウイに5千万米ドルの鉱業支援
   昨日から今日にかけて、イラン地質調査所の4名がGSD(ゾンバ)を訪問。
   イランでは石油とウランは地質調査所以外の組織が管轄しているので、それ
   ら以外の地下資源と防災、Medical Geology等で協議。

   グローブ社、サランビドゥエで新たな探鉱作業

   南アでArcelorMittalの不正疑惑を捜査

2011年7月30日
   NGO、更に強烈な「プランB」を警告

2011年7月31日
   Molycorp modifies contract to reap higher pricing
   Molycorp to sell 75% of Mountain Pass lanthanum to one customer
   どこの会社に売るのだろうか。風聞によればW.R.グレイスであるが。

   中国環境保護部、レアアース保証金制度の徹底を図る

2011年8月1日
   アラフラ・リソース、ノランズボアで、より浅部のレアアース鉱化を発見

2011年8月3日
   金価格、また高値更新。

   マラウイの貿易不均衡が拡大

2011年8月5日
   以前に、海外で働く資源地質屋の必要条件として最低限の専門性(技術)、
   語学および体力の三つを書いたが、それらに準じて重要なのが、やはり最低
   限でもよいが炊事能力だろう。日本から送られた材料でなく、現地で買える
   もので、自分の喉を通る食事をつくることである。
   短期なら人を雇ってつくってもらってよいかもしれない。都市なら金を払え
   ばホテルがあるかもしれない。しかし特にインドやアフリカでは、集団でぞ
   ろぞろ来るような古いタイプのサラリーマンでなく、人の手配から申請まで
   全て一人でやる前提の日本人資源地質屋は、自炊しなければ継続的食生活を
   維持するのは難しい。当地の住民のようにシロアリやネズミを食べろとまで
   は言わないが、たとえばヤギの肉や地域特有の干し魚を自分が食べることが
   できるように加工することが求められる。

   アフリカに来る前に資源地質学会に再入会したのだが、何十年ぶりかでその
   名簿を入手。日本から2ヶ月以上かかって郵送されてきた。
   「勤務先・所属先」の所在地がアフリカになっている人が、私以外にもう一
   人いる。私より一世代も若い方らしいが、そういう地質屋がいるのは日本に
   とって救いだと思う。

2011年8月6日
   Mt Weld rare earths mine officially open

2011年8月8日
   金価格、更に急騰。税抜買取価格4,212.00/g

   The "Lion" of Malawi ムカンゴはチェワ語で「ライオン」のこと。
   Lynas says too soon to discuss Malawi ore
   ライナスはカンガンクンデについてほとんど沈黙

2011年8月9日
   金が値上がりする原因は、「基軸通貨」としての米ドル(以下、ドル)の信
   用度が低下していることにある。もちろん「円高」の原因も同じだ。
   米国政府の借入金額の上限問題に端を発した米国債の格下げによって、世界
   的な債券不安が生じている。円高を恐怖しながら相変わらず何一つ有効な対
   策を案出しえない日本の経済界と政治家たち。せいぜい円を売ってドルを買
   うという為替介入を行うだけで、なんら抜本的な対策をなしていない。

   私なりに抜本的な問題点を摘出するなら、「基軸通貨」という概念の見直し
   であり、日本の政治担当者や経済界が、全く新しい国際関係や経済社会パラ
   ダイムを構想することである。

   今日の新聞にある、マラウイの通貨クワチャの公定レートが対ドルで10%
   切り下げというのは、状況は異なるが、調整できなくてオタオタしていると
   いう意味で共通性はある。タウンの両替所をいったん停止させてレートを見
   直させたようだが、野外で扇風機の逆風をおこして風向きを変えるような限
   定的な意味しかないだろう。自給自足経済(アウタルキー)が無理なら輸出
   できるものを生産するしかない。

   マラウイの輸出産品は半分強がタバコ。以下、紅茶、砂糖、衣類、綿花、落
   花生等で、一昨年よりウラン(イエローケーキ)が加わった。
   輸出用農産物については、今後も高く売れる作物を奨励・助成し、地下水開
   発と灌漑設備導入などで生産性を向上させるべきではないだろうか?
   たとえばコーヒーなどが候補である。

2011年8月10日
   
"MINING REVIEW" Vol No3/2011 12

 

 

article

page

 

   

Buoyant prospects for mineral sector

1

 

PROSPECT OF MINERALS INDUSTRY IN MALAWI

2

 

Exploration boom - Rare earths on the limelight

2

 

Rare opportunity - More potential sites identified for rare earth exploration

3

 

Great expectation - GSD upbeat on remapping exercise

3

 

Specracular first year - SEAM reports exciting results in preliminary gold exploration

4

 

LANDMARK AGREEMENT - Work on track at Globe's Kanyika Niobium Project following ECE deal

5

 

Rare earth rush

5

 

Kayelekera Social Development Programme Benefits Community

6-7

 

Uranium Exports Boost Malawi's Foreign Earning by MWK 22.6 Bn

8

 

Kayerekera Mine Employees Receive Safety Bonus

8

 

EDITORIAL - New chapter for Malawi's mining industry

9

 

Projects in progress

9

 

Golden targets - Mota-Engil identifies two targets in Kirk Range exploration

10

 

Minister hails progress at Songwe Hill rare earth project

11

 

Roaring for rare earths - Mkango Resources pursues drilling programme for Songwe Project

12

 

Mkango Resources launches rare earth exploration project at Thambani

12


     問い合わせは歓迎しますが、機器状態不良のため配信はしません。

2011年8月11日
   グローブ社役員人事異動。中国(香港)企業から役員。
   「5年間、国外企業が中国レアアース企業の優位を揺さ振ることはあり得ない」

    
さて、どうなるでしょう。

2011年8月12日
   モリコープ、2011年第2四半期で9960万ドルの純利益。同社と日立金属、
   原料供給で合意。住商はモリコープとの提携について9月に調印の見通し。

2011年8月14日
   Analysis: Japanese rare earth consumers set up shop in China
   こういうせっぱ詰まった情勢なのに、仮にうまくいっても生産開始まで十年以上
   かかる事業や研究が報じられて、問題が解決したかのように人々が錯覚するらし
   い。オメデタイ話だが、笑い飛ばしておけばよいことかもしれない。

2011年8月15日
   金またも急騰。税抜買取価格4,310.00/gテキサス州で「新ゴールドラッシュ」
   このWebの閲覧者数も普段より多い。

2011年8月16日
   マラウイの人権団体、デモを延期、明日の徹夜行動は中止
   ということである。

   ジンバブエ政府、国有鉱山会社設立を認可。

2011年8月17日
   モリコープが日立金属と大規模なレアアース供給で合意
   731日付けでW.R.グレイスと書いたが日立金属だったようだ。

   Chanco students and lecturers hold vigil

2011年8月18日
   Police fire bullets, teargas to break Chanco vigil

2011年8月19日
   金価格、また上昇。税抜買取価格4,493.00/g
   Lynas Rare-Earth Plant in Malaysia Faces Up to 2-Year Delay

2011年8月20日
   ベネズエラ、金鉱山を国有化、海外に保有の金211トンすべて本国へ

2011年8月22日
   Globe completes legal requirements for Niobium Project
   Chanco students begin indefinite vigil

2011年8月23日
   World Demand ForRare Earths Is Forecast To Expand 7.1% Annually Through 2015

   英企業、マラウイで石油探鉱
   大統領、内閣を解散
   市民団体、第二弾のデモと抗議行動を9月21日に予定

2011年8月24日
   警察、Chanco学生の抗議行動を阻止。学生は大学理事会を批判。

2011年8月25日
   レアアースを追って、国外企業が中国に進出

   半年前の雑誌に『現地を食い物に…中国の“資源漁り” 日本人「とてもかな
   わない」』という記事があったが、日本人はアフリカに来ようともしない。
   「とてもかなわない」ではなくて、初めから不戦敗なのである。
   日本人が最も尊敬する人物は坂本龍馬だというが、本当だろうか?
   坂本龍馬が「藩」という枠組みを超えて行動したことから学ぶのであれば、
   現代の日本人は「会社」とか「国」とかいう枠組みを超えなければならない
   はずである。

2011年8月26日
   地下資源開発のビジネスに青年海外協力隊(JOCV)の経験者を活用しようという
   意見が昔からあるが、そういう考え方が広範に浸透しているとは言えない。

   地下資源に関わる職種の隊員があまりいないということもあるが、協力隊員が
   日本に帰国した後で職探しで苦労する例が少なくない。日本の産業界に適応で
   きずに海外で「自分探し」をしていたと敬遠されることもある。

   協力隊に参加するために職場を辞める人が多い。辞めずに現職参加しても、ラ
   インからは外れてしまう。そういうことに執着するのが馬鹿馬鹿しくなったの
   かもしれない。

   私のみたところ協力隊員は感情が豊かで、精神的な病気からはいちばん遠い人
   たちのように感じられる。現代のビジネスパーソンにとって鬱病などの精神病
   が深刻な問題になっている。協力隊員はそういう袋小路に入り込むのを(無意
   識にだろうが)避けているようにもみえる。逆の観点でいえば、精神的な病気
   を患えば海外でのボランティア活動なんて考えないし、万一考えても実行でき
   ない。

   従来型の日本の組織(会社組織や公共機関)の共同性を絶対的とする立場から
   は、青年海外協力隊というのは違和感をもたれてネガティブにみられることも
   あるのだろう。しかし現在、従来型共同性を支えてきた前提が急速に崩壊して
   いる。日本社会は、外向きの開かれた層と内向きの底辺に階層が二極化すると
   言われる。私達や協力隊OB・OGが国内社会・国際社会の動向を自覚的に洞
   察できれば、今までより高い次元での社会的使命を引き受けることができると
   思う。

2011年8月27日
   レアアース業が低迷 相次ぐ川下企業の操業停止

2011年8月28日
   高等裁判所、大学閉鎖に撤回指示
   今年のEid ul-Fitr(ラマダン明けの祝日)は明後日(30)だろう。乾季なので
   新月を確認できるだろうから。

   以下、訂正をお願いしても何も変わらないので、せめてここに記載しておく。

   
「さて、このレアアース(希土類)、何で中国がそんなに大量に生産してるのか、
    と思うでしょう。
    実は、中国といってもたった一箇所、モンゴルとの国境に近いバイユンオボ鉱床
    (Bayan Obo)だけから生産されている。」
             「中国がレアアース輸出規制したって怖くない理由」より
   レアアースがバイユンオボ鉱床だけから生産されているとは与太話に過ぎない。
   誤情報で「怖くない」と煽れば中国からなめられて、レアアース確保に努力して
   いる人々に水を差すことにもなりかねない。

   
Globe Metals And Mining Limitedがマラウイでの初のレアアース発見を発表」
             「アジア市場活動レポート 2011年5月6
   このレポートは英語の原文の日本語訳である。原文タイトルは「Globe Metals And
   Mining Limited (ASX:GBE) Announce Virgin Rare Earth Discovery In Malawi
   である。本文で
   "the first ever rare earth and specialty metal mineralisation at Mount
    Salambidwe in southern Malawi."
   となっていて、南マラウイのSalambidweで初と書かれているだけだ。つまり、こ
   れまで知られていなかった鉱徴地であり、"Virgin Rare Earth Discovery" とは
   Salambidweは今まで他社が手をつけたことがない処女探鉱地だという意味だ。
   今頃になってマラウイで初めてレアアースがみつかったのではない。まったくの
   誤訳である。

2011年8月29日
   パラディン・エナジー「カエレケラのプラント、メンテナンスで一時的に停止」
   マラウイ法律協会「大統領は司法を侵害」

2011年8月31日
   結局、今日がラマダン明けの祝日である。ゾンバの学生運動もお休みか。
   「レアアースの投資は、2企業の株だけに集中するべき」??
   パラディン「ウラン鉱山により大きな投資が必要」

2011年9月1日
   インド、レアアース生産を再開

2011年9月2日
   高等裁判所は、抗議行動中止・Chanco閉鎖・学生自宅待機、および22日までの
   (4名解雇への)抗議に対する当局による回答を命令したという。

   市民団体の21日の全国デモは中止で、座り込み行動になる見込み?

   「シアルテック・マイニング、非合法の希土類採掘との戦いを支援

2011年9月3日
   ある時期以降、小説をあまり読まなくなった。小説に書かれていることより実
   際に起こっていることのほうが刺激的に思えてきたというのが一つの解釈だが、
   自分には文学的資質もないし、年齢を重ねてますます鈍感になってきたという
   ことなのかもしれない。
   この十年位、日本では有元葉子等の料理本ばかり読んでいた。
   アフリカにはあまり本を持って来なかったので、電子辞書の百科事典をとりと
   めもなく読んでいるうちに寝るのが習慣になった。

2011年9月4日
   レアアース 原料調達から加工まで 中国進出加速 東京新聞
   中国依存「4、5年は続く」=レアアース規制で昭和電工 時事通信社

2011年9月5日
   Kayelekera uranium production up 126%

2011年9月7日
   Malaysia's Rare Earth Goal
   China seeks Japan tech in rare earth deals -media

2011年9月8日
   マラウイ、新内閣発足。省庁・閣僚の数を縮小。

2011年9月9日
   【レアアース】中国、日本に技術提供を打診 したたかなやり方に非難の声

2011年9月11日
   今まで助けあってきた協力隊員が任期を終えて日本に帰る。寂しくてしようが
   ないのだが、雨季になれば雨が降り、時期が来れば鳥が巣だっていくように、
   仕方がないことだ。

2011年9月12日
   GTSO、モンゴルのレアアース岩芯試料を韓国に送る
   Malawi has significant potential for rare-earth elements

2011年9月13日
   「JICA派遣の2人、県へあいさつ − さきがけonTheWeb

2011年9月14日
   ムカンゴ社のリリース(pdf)
 
2011年9月15日
   新聞によれば、やっぱり21日は全国規模の座り込み抗議行動実施か?

2011年9月16日
   中国のレアアース埋蔵量が5年で激減、価格高騰は必至
   このニュースの真偽は不明だが、探鉱者が当面することに変化はない。

2011年9月17日

   先月、金価格急騰に際して、日本でも個人として金鉱探査に興味をもつ人が
   増えた。また、情報の出所は書けないが、北海道の光竜鉱山の取り明けに何
   らかの関心をもつ企業がいくつかあるらしい。露天掘りの鉱山ならともかく、
   坑道掘りの鉱山の再開はいろいろ大変なこともあるだろうが。


2011年9月18日
   > 中国、レアアースの埋蔵量が5年間で37%減 − 人民網日本語版
    「中国国土資源局が2006年に発表した全国鉱山資源埋蔵量によると、
     2005年末の時点で確認されていたレアアース総量は8731万トンだったが、
     米国地質調査所(USGS)の探査結果によると、2010年現在、中国のレアア
     ース埋蔵量はわずか5500万トンとなっている。つまり、2005年から2010
     までの5年間で、レアアース埋蔵量は37%も減少していることになる。 」

   はっきり言って大嘘である。
   この「探査日記」の6月21日と同24日の部分をみればわかる。年間12万
   トンか13万トン程度の生産で、埋蔵量が5年間で3231万トンも減るわけがない。
   算出方法の異なる別々の統計を持ってきて素人をだますようでは、なにか下心が
   あると勘ぐられても仕方がないのではないだろうか。

   「埋蔵量」という用語の意味をよく知らないでやっている「中国のレアアース
   埋蔵量は世界の30%だから」というような素人談義にも問題なしとしない。

2011年9月21日
   反政府側、自宅待機抗議を呼びかけ。大きな混乱なし。
   ゾンバではジンカナクラブ付近の庁舎前で座り込みの動き。大したことなし。

2011年9月23日
   ムカンゴ社のリリース

2011年9月26日
   環境ビジネスで使う希土類のコスト、2017年までに12億ドルに達する

2011年9月27日
   新華社「江西省のレアアース生産停止 精製各社、海外脱出の動き」
   Kazakhstan To Produce 1,500 Tons Of Rare Earth Metals In 2012

   
ムジンバで宝石市場開設 − THE NATION
   土曜日から。小規模採掘業者向けに採掘用具貸し出し・資金提供・販売所開設。
   関係者は各地の鉱山を見て回り、とりあえず4鉱山の支援に全力を注ぐ。

2011年9月28日
   途上国に来る日本の商売人は「ウィンウィン」という言葉が好きらしい。
   「自分も勝ち、相手も勝つ」、「取引などにおいて、関係する両者ともに
   メリットのある状態であること」という意味である。自分の国と相手の国
   と両方にとって利益があると言いたいわけだ。

   対極的な用語は何かと言えば、「新帝国主義」とか「新植民地主義」とか
   いうような言葉かもしれない。大半の日本人には解らないかもしれないが、
   世界的にはまだそれらの言葉は死語になっていない。数年前にモロッコに
   いた時、モロッコ人の地質屋から半ば冗談にではあるが「新帝国主義者」
   (New-Imperialist)と呼ばれたことがある。

   昔の植民地時代でも、資源獲得などを目的とした<帝国主義>国は、自分た
   ちの植民地支配が植民地の住民の利益にもなると、つまり「ウィンウィン」
   と同じことを言っていた。話は少しややこしいのである。
   たぶん「ウィンウィン」というのは間違ってはいないが、言葉にもうすこし
   ひねりが欲しいところだ。

2011年9月30日
   USGS Releases Resource Estimate for Afghanistan Rare Earth Prospect

2011年10月2日
   フィリピンでレアアース探査開始

2011年10月3日
   The Fast Growing Rare Earth Crisis In The United States - Part 2

2011年10月5日
   ゾンバで昼に雷雨。その後も雨が断続。雨季に入ったかもしれないが早すぎる。
   Gold Rush Alaska: the rare earth boom version

   「資源確保へ権限強化 資源機構、探鉱権を独自に取得」(日経)

2011年10月8日
   ゾンバでは昨日から涼しくなり晴れている。まだ本当の雨季ではないのだろう。

2011年10月10日
   マレーシアのライナス社プラントに1000人がデモ

2011年10月12日
   ほんらいHREEがないと思われていた場所で「ある」とリリースするのが流行って
   いるようだ。

2011年10月13日
   「岳人」10月号に中村繁夫氏の記事。

2011年10月14日
   The Future of Rare Earth Elements (USGS)

 


   ・希土類はその比類ない特性によって需要は増大し続けるだろう。
   ・健全な価格競争の下では、20152016年頃、需要に十分みあう資源量が
    確保される現実的な可能性がある。
   ・今後数年間、希土類はその供給が緊迫して高価格であろう。
   ・新規開発の鉱山が計画通りに操業されない深刻な不確定リスクがある。

   37(Worst Case Scenario)は刺激的である。

2011年10月15日
   マラウイの農村地帯では例年よりかなり早く雨が降ってきたので、化学肥料
   を買う行列ができている。

2011年10月19日
   中村繁夫『紛争メタルが生むパラドックス』 (pdf)

2011年10月26日
   Heavy Rare Earth Element Arena Seeing Movement

2011年10月27日
   昨年の乳児死亡率(1000人あたり)は、マラウイで65人、日本で3人。
   同じ人として生まれながら不条理なことである。

   私が生まれた昭和31年の日本の乳児死亡率は40.6人だった。

2011年10月28日
   豊田通商、双日:ベトナムでレアアース開発へ−2013年生産目指す

2011年10月30日
   30年も地質屋をやっているのだが、「経験」を売りにするようになっ
   たら堕落である。
   30年だろうが50年だろうが、人が経験できることには限界がある。
   「経験」を直感でつなぎあわせたり、「経験」を安直に「応用」したり
   しても確実性が喪失していくだけである。

   たとえば日本国内の熱水鉱床の調査ばかりやっていた者が、海外の現場
   に行って「ここの岩石は日本ほど変質していないから駄目だ」と言った
   とする。しかしKipushi型・Tsumeb型など、熱水変質の弱い銅鉛亜鉛鉱床
   はありうるし、「変質がないから」と言って探鉱を止めて有望な鉱床をみ
   のがすならば、「経験」などないほうがよいということになりかねない。

   探鉱家に必要なのは、「経験」よりも「推論力」や「思考力」である。

2011年10月31日
   China's Monopoly on Rare Earth Metals

2011年11月1日
   昨日の日越首脳会談に係る「ベトナムのレアアース開発に係る協力に関する
   日越政府間の文書(概要)」(外務省・経済産業省)より以下に抜粋を示す。
   1 本文書の下での協力(略)
   2 主な協力内容
   (1)協力分野
    (ア)ライチャウ省ドンパオ鉱床に関するレアアースの開発分離精製事業の実施
    (イ)ベトナムにおけるレアアース共同調査・探鉱
    (ウ)資源探査における人材育成
    (エ)持続可能な資源開発のための環境に配慮した技術の移転
    (オ)レアアース分離・精製・応用に関する共同研究、人材育成及び技術移転
    (カ)世界市場へのレアアースの輸出促進
    (キ)ベトナムのレアアース産業振興のマスタープランの策定
   (2)ドンパオ鉱山開発
    (ア)ベトナム政府によるドンパオ鉱山の「採掘権」認可,日越合弁企業の設立
    (イ)「F3」鉱床先行開発及び右協力結果を評価した上で、「F7」鉱床開発
    (ウ)ドンパオ地区の環境保全措置
    (エ)ライチャウ省の福祉改善のためのODAによる支援の検討
   (3)共同探査・探鉱、人材育成、共同研究、技術移転等(略)

2011年11月2日
   グローブ社、Salambidweでまた探鉱作業
   「中国以外でREE生産を志す244社で生き残るのはHREEを生産する10社以下だろう」

   ゾンバに来て一年半以上過ぎたが、物流については今日が最悪の日だろう。
   ガソリンスタンドに並ぶ車列が最大規模。2列になっている。
   ところどころに警官。時に軍の車両。
   コカコーラもミネラルウォーターも店にない。
   中国人の雑貨屋のうちの一つが店を閉めた。

   燃料はヤミで買えば公定価格の3〜4倍、国境付近のヤミだと2倍ぐらいだが、
   品質が悪いとエンジンを洗うことになる。

   燃料難の主因は外貨の不足。あえて付言すれば、リビアから比較的よい条件で買え
   なくなったこと。パニックによる買い占め。

   昨日は銀行(セービング・バンク)でちょっとした騒動があった。

2011年11月3日
   昨年来、日本の鉱床探査の状況を象徴する主題に沿ってこの「探査日記」を書いて
   きた。そのために通俗性を排除した結果、読む人がほとんどいなくなってしまった
   かもしれない。理由があることなので反省のしようもない。

   最近の私の造語は「床屋鉱談」である。「床屋政談」をもじったもので、通俗ジャ
   ーナリストによる「レアアースの埋蔵量のうち中国が世界に占める割合は3割に過
   ぎないから大した問題でない」、「日本のハイテク技術で地下資源は簡単に見つか
   る」といった類の、程度の低い談義である。
   そういう「床屋鉱談」を相手にするのを止めるか、時々からかったりする程度にす
   ると、この「探査日記」になるのだが、近いうちにコンセプトを変えようかと思う。

2011年11月5日
   この探査日記の10月19日付けで触れたAMJ中村社長の『WEDGE』のエッセイによ
   れば、タンタル、タングステン、錫および金が「紛争メタル(Conflict Mineral)
   と呼ばれているらしい。アフリカに出遅れた米国が人権擁護の名目でこれらの資源
   を奪おうとしているという。

   少なくともルワンダに関する限り、反政府勢力が非人道的な鉱山経営で大きな利益
   を得たのは過去のことで、この数年は民族対立が解消して経済成長が著しい。
   しかし、米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)1502に、コンゴ民主共和
   国(DRC)および隣国産の紛争鉱物(Conflict Minerals)を製品に使用する企業のSEC
   (米証券取引委員会)に対する報告義務項目が記されている。
   その結果、米国が「コンフリクト・ミネラル」の市場を奪い、現地の鉱山で大量の
   失業が発生しているという見方があるのだ。

2011年11月8日
   どの企業が勝つのか?
   John Kaiser: Rare Earth Companies Poised for Comeback

 

 

 

 

after Kaiser Research Online

 

Domestic = what users pay in China;
FOB = what export users outside of China pay;
FOB + domestic value = total projected output in 2016 at today's REE prices

2011年11月9日
   また米やパンが値上げ。
   マーケットの米は、この3ヶ月の間に150MK/kgから200MK/kgに。
   燃料は、ガソリンの公定価格が380MK(190)/リットルに値上げ。

   マラウイ南部では、口蹄疫を追跡している農業省による牛肉禁止令により、牛肉が
   深刻な供給難になっている。
   魚類の入荷も減っている。

   マラウイにおける注意喚起
   「燃料値上げにより物価上昇、物不足、不満の蓄積、治安悪化の懸念あり。
    常に安全対策徹底と食料備蓄を。」

2011年11月10日
   ライナス社、マラウイのカンガンクンデ・プロジェクトで、探鉱権の紛争に直面

2011年11月11日
   カナダPacific WildcatがケニアのMrima Hill鉱徴地(ニオブ・希土類)に注目
   産業界が合衆国政府にレアアースのサプライチェーン再建を促す
   Avalon社、Nechalacho(Thor Lake)の製錬、掘削、許認可情報を更新

   ゾンバでは、この数日また、反政府を示す赤い布きれを巻いた車両や人が目につく
   ようになった。今日は、そうした車両が約20台も「パレード」。
   大学の職員解雇の問題は一応片付いたらしいが、経済問題は更に深刻になっている
   ようにみえる。

2011年11月12日
   モリコープ、生産見通しを下方修正。

2011年11月14日
   ムカンゴ社、ソングウェ鉱化帯拡張部捕捉。
   パラディン社(カエレケラ・ウラン鉱山)、9月四半期純損失。
   リソーススター社、リビングストニア・ウラン探鉱地拡張。強気の見通し。

2011年11月16日
   昨夕から雨で、時々強く降っている。本当の雨季に入ったかもしれない。
   マラウイ航空、経営難で運航休止。

   レアアース生産者−抜け駆けの利点
   レアアース鉱業参入者は、思った以上に慎重にならざるをえない

2011年11月18日
   アングロゴールドの世界戦略
   「ギニア、コンゴ(DRC))、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアおよび
    オーストラリアに大規模な新探鉱地を有する」
   コロンビア、タンザニアでも・・・。

2011年11月19日
   今年の箴言。
    126:名無しさん@涙目です。(江戸城)2011/10/17() 01:02:42.54 ID:OGKQF7EY

    日本は権威論証がガン。これによってまずモノを言うのに
    偉くなんなきゃいけない。偉くなるためには周囲と協調しなきゃいけない
    協調した結果しがらみができる。守りたいものもできる。
    結果、此処まできたのに本当に言いたいことが言えない。行動も出来ない

    →イノベーションは日本では起きない。
                           哲学ニュースnwkより
2011年11月20日
   西アフリカのゴールドラッシュで掘削機がひっぱりだこ

2011年11月23日
   タンザニア南部のNgualla探鉱地は、豪Mt.Weldに類似したレゴリスタイプ
   JOGMEC、白金族金属を南アフリカで確認
   ムカンゴ社による、マラウイ・ソングウェの探鉱状況
   グローブ社、マラウイ・マチンガでまたボーリング調査開始

2011年11月24日
   世界のレアアース市場は2010年で14億ドル,2017年までに41億ドルの予測。

2011年11月27日
   2012年までに、アフリカの大半の国を少なくとも9本の光ファイバーケーブルで
   接続! 更にアフリカと、南アメリカ、北米およびヨーロッパを接続!

   ケニアに初の金製錬プラント
   タンザニア Wigu Hill のレアアース探鉱状況

2011年11月29日
   ケニアのKwale地区Mrimaのプロジェクトで更にレアアースが見つかる
   (カーボナタイト型で軽希土中心。
    Pacific Wildcat Resourcesが更なるニオブ-REE探鉱を計画。)

2011年11月30日
   第167 片野 裕(11月21日放送)NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

2011年12月1日
   ネオジム酸化物が1kg約108ドルで売られる一方、ジスプロシウム酸化物(FOB)
   1kg2,000−2,200ドルで売られている。

2011年12月2日
   JOGMEC、「マラウイの投資環境調査 2010年」を掲載!

2011年12月3日
   【METI】資源・燃料政策に関する有識者との意見交換会(第1回)‐配付資料

2011年12月4日
   S.Korea's KORES joins rare earth project in S.Africa
   (韓国鉱物資源公社、南アのレアアース事業に参加)
   Zandkopsdrift (Namaqualand) は、カーボナタイトが風化して希土類が浅成富化
   したMt.Weld類似の鉱床。

2011年12月5日
   タンザニア Wigu Hill レアアース鉱の選鉱・湿式製錬試験
   Namibia Rare Earths selects area for resource drilling at Lofdal
   ほとんどの国で貧富の差が拡大。 収入の上位10%と下位10%の比は日本でも10:1

2011年12月6日
   タンザニア最大の金鉱会社、10年間で生産量を倍増へ

2011年12月7日
   新しい探鉱モデルで中国の変化しつつある役割とその必然
    中国の地質屋は未だに記載的で、データを活かしてないということか?

2011年12月8日
   "Save Malaysia. Stop Lynas!"
   3月8日の日記でライナスのCEOについて「男はかくのごとくありたいものだ。」
   と書いたが、こういうWebを読むとほんの少し息がくじける。
   しかし、彼のように、リスクに立ち向かう、危機に強い男でなければ何もできない
   という考えは変わらない。
   産業と環境のどちらを優先するか。ではなくて、止揚し両立させるしかない。

2011年12月10日
   ナミビア・ロフダル地域のレアアース探鉱状況

2011年12月12日
   Miners in Africa seen at more risk if fight taxes
   「増税拒否はリスク アフリカ鉱業各社」

2011年12月13日
   ウガンダにいる日本人学生のブログを読むと「援助業界」について書かれてある。
   論旨に異論はないが、私もかつては「援助業界」の片隅にいた。「業界」という
   言葉の意味を広くとるなら、いまでもその中にいると言える。

   私なりに描くなら、建前と本音の乖離。それらをご都合に合わせて使い分けている
   だけの事務屋・小官僚。
   ある企業や業界に入って、その企業や業界の方針と個々の構成員のポリシーが完全
   に合致することがあるのかどうか、考えてみたことがあるが、結局、本当の意味で
   ポリシーを持っている人がほとんどいないので、幸か不幸か大問題にならないだけ
   なのだろうと思った。しかしそのこと自体は大問題だと思う。

   「援助業界」だけでなく、今日なら「原子力業界」がその矢面に立たされているの
   かもしれない。その業界を辞めた大前研一とか武田邦彦なら自在な発言ができるの
   だろうが、生活のために業界にいなければならない人も沢山いる。一瞬気の毒だと
   感じるが、そんなことを言っても仕方がない。制度や技術についての議論とともに、
   個々の人たちの振るまいに注目するしかない。

2011年12月14日
   豊田通商、カナダのマタメックとキパワ鉱床の開発に関する予備調査で覚書。

2011年12月15日
   マラウイの鉱業紙 Mining Review No.4 が発行。
    内容は以下の通り。

Mining shoulders hope for Malawi economy - As firms scale up exploration activity

Government efforts in mining reaping fruits

Search for hydrocarbons - Govt. to monitor Lake Malawi oil exploration

Not rare at all - Malawi to become major rare earth supplier

Landmark results - Mkango Resoureces discover more rare earths at Songwe Hill

Mkango Resoureces Ltd. - News Release

Kanyika on course to start production in 2014

Potential target - Surestream Petroleum upbeat on Lake Malawi oil prospects

Lake malawi oil search - British firm prioritises environmental protection in exploration plan


   最後の頁に、マラウイだけでなく、DRコンゴやタンザニアなど、大地溝帯沿いの
   石油探鉱地鉱区図が集中しており、リフトバレーに石油があるという考え方には
   根拠があるようだ。

2011年12月19日
   中村繁夫のブログ-『山師の手帳(第一回):レアアースを一発で掘り当てた幸
   運の女神』

2011年12月22日
   マラウイの物価上昇はとどまるところを知らない。トウモロコシ粉が50%も
   値上げされるらしい。マラウイ人には大打撃である。
   ガソリンの公定価格は190/リットルだが、ヤミでは450/リットル。

2011年12月23日
   U.S. Department of Energy Updates "Critical Materials Strategy"
   (米国エネルギー省,『重要物質戦略』(レアアース等)を更新)

2011年12月24日
   「悪徳業者一覧」に資源関係を名乗る業者が目につくと思うのは気のせいか?

2011年12月26日
   西アフリカ鉱業の重要性 West Africa, a New Mining Focus #Mininginafrica
   ・この数年、世銀が西アフリカで多くの事業を推進した。
   ・法令はまだ不十分。
   ・例えば金・ダイヤモンドの密輸、各国制度の相違による資金調達の困難など。
   ・インフラや行政機構も未整備。
   ・以下の詳細はWest Africa Resource Watch (WARW)報告を参照。
   ・シエラレオネ、チャド、ナイジェリアおよびコートジボアールでは、天然資源
    をめぐる抗争。
   ・全ての国、特に石油以外の鉱産物に頼るガーナとシエラレオネでは、税収を増
    やそうとしている。
   ・ギニア(コナクリ)は、相対的に高い税収益性を有する。
   ・例えばボーキサイト10%、アルミ5%、鉄7%(FOB)、金精鉱3.5%
   ・精製部門は多国籍企業が支配。
   ・ガーナ、ギニアビサウ、ギニア(コナクリ)およびシエラレオネでは多くの企業
    が探鉱権を持つが、全国規模の企業がない。
   ・つまり多国籍企業と競争できる地域企業がない。
   ・西アフリカは世界のボーキサイトの9%、金の8%を供給する。
   ・更に金、鉄鉱石およびボーキサイトの大規模な事業が期待されている。
   ・ウラン、銅およびダイヤモンドの未開発資源もある。
   ・従って現在、多数の開発者が参入している。西アフリカでは、362億ドル以上が
    53の活発な鉱業関連の大事業に投資されている。
   ・例えば、Azumah Resources Ltd, ArcelorMittal, Vale SA, African Minerals,
    Ltd, Rio Tinto plc, Anglo American plc, Vedanta Resources plc
   ・西アフリカの大部分がまだ未探鉱であるにもかかわらず、鉄鉱石の最大の供給源
    の一つになるのではないかと期待されている。現在の世界の生産の4分の一の
    年間5億tを生産する可能性が考えられている。
   ・中国は最近、鉄鉱石鉱業で多くのJ/VM&Aを始めている。これらの事業で年間
    25000tの鉄鉱石を生産するのではないかと考えられている。
   ・例えば、SUNDANCE RESOURCES/HANLON, MBALAM PROJECT (CAMEROON), AFRICAN
    MINERALS/SHANDON, TONKOLILI (SIERRA LEONE), RIO/CHINALC, SIMANDOU JOINT
    VENTURE PROJECT IN GUINEA, BELLZONE/CHINA INVESTMENT FUN, KALIA IN GUINEA,
    CMEC, BELINGA PROJECT (GABON)
   ・ブラジルのValeは、次の5年間でアフリカ事業に120億ドル以上の投資を計画。
    特にモザンビーク、ギニア、ザンビア、マラウイ、コンゴおよびリベリア。
 
2011年12月31日
   Shortages to Hybrids and EVs Remains Unclear

 


2012年1月1日
   
2011,世界の鉱業界10大ニュース
    Natural disasters, gold price among Top Mining Stories of 2011
    1.豪クィーンズランド洪水で石炭鉱山打撃、コークス高騰
    2.日本の地震とウラン暴落
    3.金価格の高騰と乱高下
    4.ペルー,チリ,インドネシアでストライキと抗議行動
    5.カナダで油送管延長計画と反対運動
    6.Vale,鉄鉱石価格設定方式の変更をめざす
    7.豪Pilbara鉄鉱山大幅拡張
    8.PotashCorp暴落
    9.BHP,ダイヤモンドから撤退,シェールガスに参入
    10Caterpillar(CAT),Bucyrus社の買収を完了

2012年1月5日
   首都で露天商と警察が衝突

2012年1月6日
   JOGMECによる、昨年の金属鉱物資源分野における10大ニュースは次の通り。
    1.東日本大震災と生産障害
    2.福島第一原発事故とウラン海外資源開発
    3.中国レアアースの価格高騰
    4.日本企業とJOGMECの海外資源開発事業の拡大
    5.改正鉱業法とJOGMEC新海洋資源調査船「白嶺」の進水
    6.金属価格の高騰
    7.資源ナショナリズムの高まり
    8.資源消費国や資源メジャーによる直接投資の活発化
    9.ストライキと反鉱業運動の活発化
    10.紛争鉱物に対する規制の進展

   JOGMECのほうは日本が中心になり、金属関係だけになるので、1日付
   けのmining.comのものとは違うのだろう。
   資源ナショナリズムの高まりは、私も気になっている。

2012年1月16日
   20015月のこの探査日記で「やっぱり資源探査を業とするかぎり、一生に
   一箇所でよいから、稼行対象になるような鉱山を開くべきではないのか。
   それが男ではないか。そう思っている。/ 広島県の甲山鉱山も、敗戦後に
   山師がみつけた金鉱脈を採掘した金山だし、そういうのを見習いたいと、
   心底思わずにいられない。」と書いたが、今でもその志は変わらない。

   資源地質屋にとっては、鉱山になるような鉱床を発見して開発することの
   ほうが、博士号や技術士のような資格を得るよりもずっと重要だと感じる。
   私の先輩で、今でも某鉱床は自分が発見したと主張したり、某国で数百万
   円もの私費を投じてボーリングしたりする人がいるが、気持ちとしては
   とてもよく理解できると思う今日このごろである。

   It's much more glorious for prospectors to discover and develop an
   ore deposit than to acquire any awards or qualifications.

2012年1月17日
   鹿児島県・串木野鉱山が2009年に金採掘を再開したことを今頃になって知る。

2012年1月18日
   Paradin Energy Ltd.
   Quarterly Activities Report for Period Ending 31 Dec 2011 (PDF)
   カエレケラ・ウラン鉱山,2011年第4四半期に60%増産。

2012年1月23日
   Tropical Cyclone Funso still threatens southeastern coast of Africa
   モザンビーク海峡にサイクロン。アフリカ南東海岸で被害。
   ITCZにのった雨雲でマラウイでも大雨。

2012年1月28日
   日本の薬屋で売っている薬は、アフリカの下痢や発熱にほとんど効かない
   と思ったほうがよい。
   当地で売っている薬は強いが、人によっては副作用もあるのだろう。だか
   ら、多種のアレルギーのある人とか、準備運動をしないとプールに飛び込
   むのが不安な人とかは、アフリカに住まないほうがよい。

   しかし、日本以外の先進国でも強い薬は普通に買えるし、日本がいちばん
   「安全」かつ軟弱な国になってしまっているように思える。普段リスクを
   忌むばかりでは、それでも運悪く本当の危機に遭遇したときに何をしてよ
   いかわからなくなるのではないだろうか。

   集団で安全を考えるだけで個人で安全を考えないから、安全も括弧付きの
   虚構になってしまう。ある人にとってある薬が、Aという集団に属してい
   る時には副作用があり、Bという集団に属している時には副作用がないと
   という事態は想定できない。

 


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