多摩丘陵・町田市相原の七国峠古道その5 地図はこちら

町田市と八王子市の境の道への分岐点から峠の古道を更に北へ進みます。左の写真の付近は背の高い木が繁り深山のような鬱蒼とした様相を呈しています。この先にとんでも無い光景が出現するとは想像が付かない静かな林の中の道です。

そもそも七国峠という名前は、遠くまで視界が開け七つもの国々が望めるようなところにある峠であったからそう呼ばれたわけですが、ここまで歩いてきてそのような遠望が効くようなところはどこにもありませんでした。ところで七国峠と呼ばれる峠は、ここ以外にも幾つかありまして、そして私が知る七国峠はすべて中世以前の古道伝承の残る峠なのです。

再び深い切通しが現れました。ここの切通しは幅が狭く道を遮る尾根を強引に切り開いて通した感が伺われます。或いは関所の跡とも思われているところのようです。
ここの七国峠古道のことが詳しく載っている本が最近出版されています。(『鎌倉街道伝説』宮田太郎著・ネット武蔵野)という本です。宮田氏自身が作成された古道の詳細なイラストマップが載っています。私も参考にさせて頂きました。お薦めの一冊です。

ここの七国峠は古代まで遡る可能性がある道と考えられているようですが、『鎌倉街道伝説』の本には「特殊な測量技術を用いて何者かが設計・建設した、極めて珍しい道路であった可能性があります。」と書かれています。この古道の付近には古代住居遺跡や窯跡群が存在し、また、古代牧跡地が道沿いにあったのではないかともいわれています。

道はその先でまた切通しがあり、そこのところに「立ち入り禁止」の立て札が立っています。ここの切通しも尾根を強引に削り取って造ったような感じのところです。切通しの北側は大きな樹木も少ないようで視界が明るい気配が伺われます。

上の写真と右の写真は立ち入り禁止の立て札が立つ切通しの北側に入ってすぐのところです。この辺りも何か人手の加えられて地形が随所に見られます。そしてこのすぐ北側は八王子ニュータウンの建設現場のようです。その先で突然に林が終わっているのが確認できます。立ち入り禁止の立て札は建設現場に伴って立てられたものなのでしょう。

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