多摩丘陵・町田市相原の御殿峠古道その6 地図はこちら

私が御殿峠を訪れる前に事前にこの峠道には街道遺構が残されているという情報は有る程度は知っていましたが、まさかここまで多くの街道跡が延々と残っていようとは正直驚きました。しかもその街道遺構は一部がゴミ捨て場となったいるのには複雑な思いに駆られました。

町田市の相原には御殿峠古道のほかに七国峠古道がありますが、七国峠の方は予想外にも古道は整備されていて訪れる人も多かったのに対して、御殿峠古道は案内表示など何もなく訪れる人も少ないようです。ここが歴史ある古道であることを地元の人も知らないのではないかと思われます。地元の人々も最近になって造設された住宅に引っ越してきた人達が大半で、昔からの地元の人はそう多くないのではと思われます。

国道16号線や八王子バイパスが直ぐ傍を通っていて、運良く残された古道ではありますが、果たしてこの先、この古道の運命はどうなることやら、私は鎌倉街道のホームページを作っていますが、本来は歴史古道に関しては素人です。しかし素人ながらも多くの鎌倉街道を見てきました。ここ御殿峠は史跡に指定しても遜色ない素晴らしい古道です。古道というよりも歴史的空間といった方が良さそうです。

右の写真のすぐ先で古道は突然なくなっています。道が途中でスッパリ崖になって終わっているのです。崖の下には舗装路が通っています。その舗装路の右手には白い大きな建物が建っています。日本閣の建物です。さて、どうやって舗装路まで下りたら良いものやら。崖上から舗装路まで下る道がないかよく観察してみると古道が崖になる少し手前右脇からなんとか注意しながら下りられる踏み跡を見つけ舗装路まで下ります。

下り立った舗装路が旧御殿峠越えの道です。現在の国道16号線が出来る前の峠道です。この旧舗装路は本来古道が通っていた尾根を削り取り、切通しに造った道なのでしょう。そしてこの旧舗装路も現在の日本閣の東側の国道16号線に取って代わられて今では通る車も少ないようです。

日本閣の駐車場の上の丘が、本来の古道の御殿峠があるところだといいます。そこに行くには平安閣の駐車場に入らなくては行けません。しかし、関係者以外立ち入り禁止の立て札が立っています。許可を得てそこに行ってみたかったのですが、山道を歩いて来た汚い靴を履いてそこへ入るのに気が引けたので、また次回のお楽しみということにしました。この日本閣の裏山にも掘割状の道があるらしいようです。
左の写真は旧舗装路の道端に立っている「都立多摩自然公園」の碑です。この碑の前に立って辺りを見回してみると、今は自然公園と呼べるような光景ではなさそうです。

右の写真が碑の前の風景です。道路奥の白い建物が日本閣でです。道路の右側の尾根が今まで歩いてきた古道の尾根で、道路の左手の丘の上が本来の御殿峠がある場所です。また写真の右手の尾根の下へ向かう細道が付近にあり、その道を下ったところは御殿峠古窯跡群があり古代の土器や瓦を焼いた窯跡群があるといいます。

峠から北の八王子市側の古道は現在ではその道筋はハッキリ致しません。現在の国道16号線が昔の古道だったのかも知れません。宇津貫町と片倉町の境には道があって、古道の続きのようにも思えましたが、実際に歩いてみて、所々に山林中を通る割りには古道跡の様子は思ったほど伺うことができませんでした。この境の道は古道の続きかどうかは私にはわかりませんが、片倉城跡までの散策路としてはなかなか良い道です。

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