労働審判

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Last updated 2012.5.22mf

相談:上司の告げ口で解雇された

私は、ある食肉販売会社(従業員21名)に勤務して、5年経ちます。 人事異動で、私の上司なった課長と、うまくいきません。先日は、課長から、「今までのおまえのミスと、対処方法を書け」と言われました。これは、小さなミスで、既に、終わっているものです。 私が、書類を作っていると、課長は、部長に「くだらないことと」注意されたのでしょう、書類作りは中止となりました。
ところが、課長は、社長に、私のことを、「会社の悪口を客に言いふらし、会社の信用を害している」と言ったため、社長は、私を呼び、「この会社には、向いてない。今日で、こなくてよい」と言い、解雇を言い渡されました。
私は、顧客に会社に対する不満を述べたことは、ありますが、会社の悪口を言った覚えはありません。
1か月経過しましたが、会社は先月分の給料(働いた分)も支払いません。私の給料は、月額30万円です。弁護士に依頼したいのですが、請求額が小さいので、弁護士費用が払えるかと心配です。
自分で、裁判できますか。

回答:労働審判なら自分でできる

即時解雇ですから、会社は、労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)申請をして、認定を受けなければ効力はありません。労働基準監督署は、よほどの解雇事由がないと、この認定はしないでしょう。あなたのケースでは、認定はされないでしょう。従って、即時解雇は無効です。
あなたは、次のどちらかを請求するとよいです。1.の方が要求としては強いですね。
  1. 解雇は無効であるので、これまで通り、雇用契約は存在している。しかし、会社は就労を拒否しているので、働かなくても、解雇を無効として、給料を請求(バックペイ)する。
  2. 解雇は認めて、働いた分の給料と1月分の解雇予告手当を請求する。
実際の手段としては、内容証明郵便で、給料などを請求し、他方で、労働基準監督署に行き、雇主に対し、給料などを支払うよう勧告してもらって下さい。
それでも、会社が払わなかった場合、裁判所に訴える必要があります。労働審判手続きの申立がいいでしょう。
平成18年4月1日、労働審判法が施行されました。労働審判手続きの申立があると、原則として、調停により解決し、調停が成立しない場合は労働審判を行うものです。調停を利用する点で、弁護士に依頼せずに本人の申立てで処理できる可能性があります。
労働審判では、裁判所は、3回の審理で、労働審判をしてくれます。
審判に不服のある当事者は、2週間以内に異議の申立てをすることができ、その場合には、労働審判はその効力を失い、訴訟に移行します。
この手続きなら、自分でできます。

労働審判の流れ

労働審判手続きの申立書 提出申立書には次の事項を記載する必要があります(労働審判規則 条1項)
(1)申立の趣旨、理由
(2)予想される争点、当該争点に関連する重要な事実
(3)予想される争点ごとの証拠
(4)当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む)。
答弁書 提出、証拠提出答弁書には、次の事項を記載します(規則16条)。
(1)申立書に対する認否
(2)答弁を理由づける具体的事実、予想される争点、当該争点に関連する重要な事実
(3)予想される争点ごとの証拠
労働審判期日/調停、証拠調べ期日は3回以内
労働審判の送達、または、告知
異議の申立2週間以内
通常訴訟
以下工事中
東京都港区虎ノ門3-18-12-301(神谷町駅1分)弁護士河原崎法律事務所 電話 03-3431-7161