登山NO.0014 赤 城 山( 黒檜山:1,828m ) 1990.3.10登山


 大洞から見た黒檜山( 1990.3.10 )

【赤城山登山記録】

【赤城山登山データ】

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再登山


NO.14 赤城山登山記録

赤城山というのは個別の山の名前ではなく、 天城山八甲田山大峰山のように、その地域、山域を表すもの、 あるいはそこにある山の総称であると考えても良いと思うが、さて百名山としての登頂を考えた場合には、 赤城山というのはどの山に登ればよいのだろうか。

私の場合、観光地化された大洞の風景を思うと、 そこを拠点にして主要なものでも 10程ある赤城の山々を全て登る気にはなれず、 結局のところ最高峰の黒檜山に登ることで良しとすることにしたのだが、そうだとしても私の個人的な山へのこだわりから言えば、 黒檜山へは大洞からではなく麓から登るべきということになり、小さな葛藤が生じてしまったのだった。
しかし、現実を考えると前橋発大洞行きのバスが 9時30分で大洞着が 10時50分、また大洞発前橋行きの帰りのバスが 15時30分発であって、 登山時間は正味 4時間半しかないことから、大洞から黒檜山を登るという最もポピュラーなコースを選択せざるを得ず、 そうなると標高差・距離・所要時間等登山としての内容に若干の不満が残ることから、なかなか登ってみる気になれないでいたのであった。

しかし、雪の丹沢大菩薩嶺がことのほか面白かったことから、 この赤城山も残雪があるうちに登ればそれなりに楽しみが増すのでは と思いつき、急遽赤城山へ出かけることにした。

山行の日は快晴で、朝方少々低かった気温も、前橋へ向かう列車に乗っている頃にはかなり上昇してきて、 残雪の登山を考えプラスチックブーツをはいてきたことを後悔するハメになった。
さらにバスが赤城山に登り始めてクネクネとした道を行く間、周囲に全く雪を見かけなかったために、 完全に失敗した、はずかしいと思ってしまったのであった。
しかし、周囲を山で囲まれた大洞の中に入るとそこは全く別世界で、大沼は凍っており、スキー場も営業中で、 肝心の山にも雪がかなり残っていたので一安心であった。

バスを同じ登山目的で降りた人は 5、6人で、皆でゾロゾロ赤城神社の方に向かい、 ちょっと見には分かりにくい登山口前でスパッツをつけると、あとは個々に登り始めた。
ササの中の急坂を登るとすぐに樹林帯に入ったが、雪は思った以上に多く、また斜面が急なこともあってか、 あるいは登る人も少ないからか、丹沢のように雪の上にハッキリとした道が踏み固められてはおらず、 前に通った人の足跡が雪の穴となって残っているだけであった。
雪の多いところでは、膝下 10センチくらいの深さになるところもあり、ラッセルのマネごとまでやらせてもらえる状況であった。

ずっと樹林帯の中の斜面を進む途中、猫岩と呼ばれる所からは大沼を中心とした大洞の全景を見ることができたが、 凍った大沼とその周囲を囲む地蔵岳や鈴ヶ岳などの雪を被った山々の姿は、ここだけまだ春が来ていないのだという感を抱かせてくれた。
ずっと先頭を切って登っていたが、さすがに雪をかき分けて登り続けるのはしんどく、またバーゲンで買ったプラスチックブーツが大変重かったため、 体力が落ち始め、ついに頂上間際に先頭を明け渡してしまった。抜かれると結構悔しいものである。

雪に悩まされながらも 1時間程で頂上の一角に飛び出したが、最高点は南北に伸びた頂上の北側にあり、 稜線をたどって行ってみると、既に 10人ほどの人が憩っていた。
頂上には三角点もあるのであろうが、雪に埋もれているらしく、小さな標識が雪の中から顔を出しているだけであった。

頂上からの展望は抜群で、谷川岳苗場山を中心とした越後の山々、 奥白根山男体山皇海山などの日光の山々がそれぞれ真っ白な頂を見せてくれており、 その景色の素晴らしさに思わず声を上げてしまったのだが、反対側に見える可能性のある 富士山は、太陽の位置関係からか白い靄の中で確認することができなかった。
実は、あまり私自身は周囲の山々の名を確認することができずにいたのだが、 登山者が何人か集まれば物知りは必ずいるもので、山の名を逐一説明してくれる人がおり、その人の周りに何人か集まって色々教えてもらい、 まるでガイドの解説を聞いているようで大変楽しかった。

頂上から駒ヶ岳の方に向かう途中、南北に長い頂上の南側ピークも通ったが、 そこには " 御黒檜大神 " と彫られた大きな岩が半分程雪に埋もれて置かれていた。
その岩からは気持ちの良いスロープの道で、ほとんど足跡の付いていない雪の上を快調に下り、下り着いた大ダルミと呼ばれる所から今度は低木の中の坂を登っていくと、 そこは駒ヶ岳頂上であった。
頂上と言っても、駒ヶ岳と書かれた小さな標識がなければ、ウッカリ見過ごしてしまうような小さなピークである。

駒ヶ岳からは南へと稜線を下り、やがて樹林帯の中に入ると、こちら側はあまり雪もないため快調にジグザグ道を下ることができたが、 途中から公園のようになって長い階段を降りていかねばならなくなり、やや興ざめしてしまったのだった。
大洞に着いても、バスの時刻までまだ余裕があったので、覚満渕にも行ってみたが、そこもやはり全面氷が張っており、 途中の旅館街も道路横に雪がかき分けてあるなど、まだまだ冬の世界であった。

思ったよりも楽しい登山ができ、頂上からの展望にも大いに満足したが、 やはり体力的には物足りなさが残った。これも止む無しか。
行きと同じようにバスにて前橋に向かったが、大洞を抜けるとまた春を感じさせる風景となり、 このギャップも結構面白かった。


赤 城 山 登 山 デ ー タ

上記登山の
データ
登山日:1990.3.10 天候:快晴単独行日帰り
登山路:@. 大洞−黒檜山登山口−猫岩−黒檜山− 黒檜山南山頂−大ダルミ−駒ヶ岳−大洞−覚満渕−大洞
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(東海道本線)− 東京−(山手線)−上野−(高崎線)−高崎−(両毛線)−前橋−(バス)−大洞
交通復路:大洞−(バス)−前橋−(両毛線・高崎線) −上野−(京浜東北線)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
その他の
赤城山登山
花見ガ原キャンプ場−黒檜山−薬師岳−出張山− 鈴ヶ岳−鍬柄山−地蔵岳−駒ヶ岳−花見ガ原キャンプ場
 (2004年11月23日 : 快晴)
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