登山NO.0013 天 城 山( 万三郎岳:1,406m ) 1989.11.26登山


 縦走路にあるアセビのトンネル( 1989.11.26 )

【天城山登山記録】

【天城山登山データ】

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再登山


NO.13 天城山登山記録

このところ中央線沿線の山々が多かったので、少し視点を変えてみようと思い、伊豆の天城山を選んだ。
晩秋というか初冬の今頃は、恐らく高い山には雪も降り始めていると思われ、まだ経験未熟の身にとっては、 今の時期この天城山位の高さが丁度良いのではと思ったことが選んだ理由である。
しかし、愛用の " 東京周辺の山 " で紹介している天城山 (万二郎岳・万三郎岳) 登山は、 天城高原ゴルフ場を起点とした歩行時間 3時間40分のコースで、このところ 2,000m以上の山々を登ってきた私にとってはいかにもモノ足りなく感じられたため、 昭文社の " 伊豆 " という地図を買ってきて研究した結果、天城山縦走を試みることにした。
問題は日帰りが可能かということであったが、時刻表上は可能で、ただ一つ懸念されるのが三島駅において東海道本線から伊豆箱根鉄道への乗り換え時間が 1分程しかないということであった。
しかし、何とかなると思いとにかく行ってみることにした。

横浜から三島までは約1時間40分の長旅であったが、読みかけ中であった新田次郎氏の " 栄光の岸壁 " を読み終えるには丁度良い時間で、 本人の不屈の精神と、周りの人の善意、そしてクライマックスのマッターホルン北壁登頂に対する感動が、そのまま私の登高意欲を高めてくれた。
三島駅が近づくと乗り換えのことが不安になってきたが、私の車両がうまく階段そばで停車してくれたので、ダッシュして何とか修善寺行きの電車に乗ることができた。
この電車に乗ることができれば、8時15分修善寺発の河津行きのバスに乗ることができ、後の行程がグッと楽になるのである。

修善寺から予定通りバスに乗り、9時丁度に天城峠で下車したが、天城峠といってもバス停の名前だけであって、 実際そこは天城トンネル入口手前で、本当の天城峠はこれから登る道の途中にあるはずであった。
トンネルの左側の道を登っていくとすぐにまたトンネルの前に出たが、こちらが旧天城トンネルで、よくテレビドラマなどのロケで使われていて見ているので、 初めて見たような気がしなかった。
今度はトンネルの右側にある あずま屋の所からジグザグに登っていき、登り着いた所には天城峠と書かれた標識があった。ここが本当の天城峠である。
峠からは左に道をとり平坦な道を進んだが、紅葉は終わったとは言え黄色・茶色の葉の向こうに冠雪した
富士山が見えた時には、そのコントラストの美しさに足を止めて暫し見とれてしまった (向峠付近)

ワサビ田を左下に見て平坦な道を進んで行くと、ようやく登山道らしい登りとなったが、 やがてすぐに林道にでることになり、そこを左に折れるとすぐの所に展望台があった。
しかし、展望台はかなりの人が登っていて歓声を上げており、とても行ってみる気にはなれなかったので、そのまま通り越して八丁池へと向かった。
八丁池は先ほどの展望台の喧噪がウソのように静かな佇まいを見せており、池の周囲の木や草が枯れて茶色く見える中に青い空を映したその姿は神秘的でさえあった。
八丁池で少し休んだ後、あずま屋の横から腰の高さほどあるスズタケの中の道を進んでまた尾根道に出たが、ほぼ平坦な道が続き、 白田峠を過ぎて戸塚峠辺りまでは登山というよりは森の散策を楽しむという感じであった。

ようやく戸塚峠からは登りとなり、今までとは違って岩が露出した道を登っていくことになったが、 これもやがて広いブナの林の平坦な道に変わってしまった。
この辺は小岳、戸塚山と地図上には書かれているが、いわば小山のような感じで、そこには標識らしきものもあったものの立ち寄ってみることはせず、 そのまま一旦下って登り返し、やがて万三郎岳頂上に着いた。
頂上は狭く、また周囲を木々に囲まれて展望はあまりきかなかったが、晩秋ということで葉がほとんど落ちた木々の上方に 富士山を見ることができた。
また頂上には一等三角点があり、標識も丸太を輪切りにしたようなものを使って、万三郎岳と、1406(m)と数字が書かれたユニークなものが置かれていた。

万三郎岳からは、樹林帯の中をシャクナゲの群落のある石楠立 (ハナタテ) へと下り、 今度はそこからはアセビ林の中の登りとなったが、それも長く続かず、やがて道も平坦となって、 アセビ純林の中のいわゆるアセビのトンネルとなった (アセビの木は背が低いため、溝を掘って通り道にしている)
ここだけは周りの枯れた木々とは違ってアセビの緑の葉が生い茂っており、また木々の間からトンネルに陽が差し込んでいて明るかったので、 気持ち良く進むことができた。

トンネルを抜けるとやがて馬の背と呼ばれるところで、 正面にはこれから登る万二郎岳がズングリとした姿を見せており、さらにその向こう側には太平洋を見ることができた。
また、万二郎岳中腹の岩場からは、遠くに 富士山、その手前に愛鷹山、沼津の町並み、駿河湾、 そして伊豆の山々といったように、富士山とこの岩場までの間が一望でき、 富士山を中心として世の中が回っているような、また全てのモノが 富士山に跪 (ひざまづ) いているような錯覚さえ覚えてしまう見事な光景であった。

万二郎岳頂上は、展望の全くきかない樹林の中の、登山道が途中で左に直角に曲がる角地にあり、 気づかなければ通り過ぎてしまうような、何となく影が薄い感じであったが、それでも三角点と赤い文字で書かれた立派な標識が置かれていた。
万二郎岳からはひたすらに下ることになり、やがて道が緩やかになって沢沿いになってくれば分岐があり、 右方向にそのまま緩やかに登り返すとゴルフ場のバス停であった。
バスの時間は 15時半のため、1時間半ほども余裕があったのでブラブラと車道を進み、正面に見える 富士山の姿を楽しみながら、鹿路庭峠近くの伊豆スカイラインとの合流地点まで歩いてしまった。

天候にも恵まれ、登山と呼べるかどうかは別にして、コースも長く大いに自然を楽しむことができたので、 満足のいく一日であった。


天 城 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1989.11.26 天候:晴れ単独行日帰り
登山路:天城トンネル−旧天城トンネル−天城峠−八丁池− 白田峠−戸塚峠−万三郎岳−万二郎岳−天城高原ゴルフ場−鹿路庭峠
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(東海道本線)−三島− (伊豆箱根鉄道)−修善寺−(バス)−天城峠(天城トンネル)
交通復路:鹿路庭峠−(バス)−伊東−(伊東線・東海道本線) −藤沢−(小田急江ノ島線)−大和−(相鉄線)−瀬谷
その他の
天城山
登山
天城トンネル−旧天城トンネル−天城峠−八丁池− 白田峠−戸塚峠−万三郎岳−万二郎岳−天城高原ゴルフ場 ( 2004.11.28:曇り )
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天城トンネル−旧天城トンネル−天城峠−八丁池− 白田峠−戸塚峠−万三郎岳−万二郎岳−鬼の袴石−赤崩−箒木山−伊豆大川 ( 2009.12.23:快晴 )
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