【2.都市部のワンマン列車とローカルのワンマン列車との違い】


都市の鉄道路線は「駅精算」、ローカルの路線は「車内精算」
【都市路線の場合】
例えば、先に述べた福岡市の地下鉄はワンマン運転が採用されている一路線ですが、切符を買ったりICカードで改札ゲートを通過できたり、精算所で運賃差額を精算できるのは、「駅」自体の機能が充実しているために他なりません。これを「駅精算方式」といいます。なかには一部大手私鉄の各駅停車しか停車しないような下町の駅にもあるような、改札ゲートや精算機が遠隔操作可能なテレビ窓口のようなシステムを導入して、乗客の問合せや運賃清算に対応することにより都市部の駅でも無人化している場合もありますが、これは駅機能の面で言えば後述するローカル路線の無人駅とは全く異なります。
以上をまとめると、駅精算方式を採用している路線では、そこで走っている列車がワンマン列車か車掌乗務列車かは、さほど重要ではありません

【ローカル路線の場合】
しかしローカルの鉄道路線では費用の低減策として、駅の無人化が避けて通れません。無人の駅では改札や切符精算の機能は無くされて、単なる待合室の機能だけになります。それでも運賃の収受自体を無くすことはできないため、列車の側において乗務している運転士や車掌がこれに当たります。これを「車内精算方式」といいます。

【ローカル路線でワンマン列車を利用する場合は乗車口の確認が必要】
車掌が乗務している場合(=ワンマン列車ではない)、無人駅から列車に乗った場合には車内を巡回する車掌に行き先を告げて切符を買えばよく、降車時もその切符を車掌が集めに来るため、駅の機能が充実してなくても利用には問題ありません。
しかし鉄道会社がさらに費用を節約するには、車掌を省略して運転士が運転席にいながら乗客の運賃を受け取る必要が出てきます。これが地方ローカルでよく見られるワンマン列車のスタイルです。路線バスの方式(→詳細を参照する)と同じで、もちろん運転士は運転業務があるため、運転席横に運賃箱を設置してここで運賃を受け取る必要があり、同時に乗客が乗降りできるドアの位置が限定されるので注意が必要です。詳しくはこの後3.のページで説明します。

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