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1924年北海道函館生。5歳のとき映画「母」で子役デビュー。以後「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など 300本を超える作品に出演。キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール女優主演賞ほか、受賞数は日本映画界最多。55歳で引退。名随筆家としても知られ、日本エッセイストクラブ賞を受賞した「わたしの渡世日記」他、夫・松山善三との共著「旅は道づれアロハ・ハワイ」等著書多数。2010年12月死去。享年86歳。※養女は作家の斎藤明美。 |
1.巴里ひとりある記 2.まいまいつぶろ 3.私のインタビュー 4.わたしの渡世日記 5.台所のオーケストラ 6.旅日記ヨーロッパ二人三脚 ※ 鑑賞した出演映画 |
1. | |
●「巴里ひとりある記」● ★★☆ |
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2011年11月 2015年06月
2011/12/25
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雑誌「波」に連載されている斎藤明美「高峰秀子の言葉」を読んでいて、高峰さんの人柄に惹かれて読んだ一冊。 本書は、高峰さんが初めて書いた本であると共に、独身時代唯一の著作だそうです。 本書については、明解できびきびした文章が小気味良い。 出発/ブラッセルまで/パリについた日/マドモワゼル・ソレイユ/パリのチャーチル会/パリ祭/アッシィの教会/セーヌ河のシャンソン/パリの素顔/蚤と裸と名画/マロン・ショウとすみれの季節(ころ)/アメリカかけある記/徳川無声さんとの対談/あとがき |
2. | |
●「まいまいつぶろ」● ★★ |
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2011年11月 2015年04月
2011/12/25
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5歳の時に松竹に入ってから結婚するまでの道のりを語った、初期のエッセイ本の復刊。 木下恵介監督の元で助監督を務めていた松山善三さんとの結婚、数多くの温かい祝福に女優として歩んできたことの喜びを感じる一方で、結婚式における報道陣の心無い仕業。 はしがき/私の顔/私の歴史/縁の下の人たち/私はこんな人に支えられて仕事をしている/雑記帳から(ミルク・卵・チーズ/ふらんすの下宿/真珠の首飾/七歳の浮雲/ジキル博士とハイド氏/花束)/「二十四の瞳」小豆島ロケ先にて/平凡で、誠実で、ありのままで/私の見た内側の人物論(外側は書けないから)/小さいコトやんのこ/と結婚まで |
3. | |
●「私のインタヴュー」● ★★ |
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2012年06月
2012/07/13
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高峰さんが1年間にわたり、12回行ったインタヴュー(「婦人公論」連載)をまとめた本の復刊。 12回中8回は、相手が職業をもっている女性ですから、同じ職業婦人として共感するところが多いのだろうと思います。 もちろん、当時の世情を知ることが出来る「産児調節運動者」、映画“喜びも悲しみも幾年月”の当事者である「灯台を守る人たち」奥さんたちの話を聞く等々、興味引かれる回もありますが、前述したとおり、それ以上に高峰秀子さんの人柄が生に現れているところが本書の読み処です。 はじめに/アメリカから帰った原爆乙女/芸者さん/「親探し運動」で再会した親子/産児調節運動者/希交会の女中さん/灯台を守る人たち/街の美容師さん/撮影所の裏方さん/セールスウーマン/サーカスの女性たち/ニコヨンさん/日本を碧い眼でみる |
4. | |
●「わたしの渡世日記」● ★★★ 日本エッセイスト・クラブ賞 |
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朝日,文春文庫化 2012年01月
2012/03/10
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1975年05月〜76年05月「週刊朝日」に連載され、同年単行本刊行された高峰秀子さんの半生記。 計 750頁に渡る長大な半生記ですが、真に読み応えたっぷり。 時におきゃんな言葉づかいが飛び出すところに高峰さんの飾らない人柄が、またその言葉の内容に自分を見誤ることのない確かな人柄が表されていて、本書の尽きない魅力です。 雪ふる町/旅のはじまり/猿まわしの猿/土びんのふた/つながったタクワン/父・東海林太郎/母三人・父三人/ふたつの別れ/お尻がやぶけた/鎌倉山の女王/一匹の虫/八十三歳の光源氏/神サマのいたずら/紺のセーラー服/血染めのブロマイド/鬼千匹/ピエロの素顔/兄は馬賊だった/にくい奴/ふたりの私/馬/青年・黒澤明/恋ごころ/鶴の化身/神風特別攻撃隊/同期の桜 |
5. | |
●「台所のオーケストラ」● ★☆ |
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2000年11月 2012年07月
2012/08/01
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高峰さんの愉しい食エッセイ106篇+美味しそうな簡単レシピ129品という一冊。 レシピはどれも簡単な一品ばかりですが、ちょっとひと工夫加えるところに味わいも美味しさもある、という風です。 <和風> |
6. | |
「旅日記 ヨーロッパ二人三脚」 ★★☆ |
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2016年06月
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日記を書き残さなかった高峰さんですが、旅記録は小さなノートに58冊も遺していたそうです。高峰さんが亡くなって1年後、それらのノートの中からそのままエッセイとも言える一冊が発見されたとのこと。表紙に「No.2」とだけ記載されていたノートが本書という訳。 とにかく高峰さんが楽しそうです。ウキウキしている気分が行間から立ち上っている気がします。 高峰さんの文章は、常に簡潔でテンポよく、無駄というものがない。 |
<鑑賞した出演映画>
・母(1929)
・銀座カンカン娘(1949)
・宗方姉妹(1950)
・カルメン故郷に帰る(1951)
・稲妻(1952)
・女の園(1954)
・二十四の瞳(1954)
・浮雲(1955)
・喜びも悲しみも幾年月(1957)
・放浪記(1962)
・乱れる(1964)