松本侑子著作のページ


1963年島根県出雲市生、筑波大学第一学群社会学類卒。テレビ朝日勤務を経て作家。87年「巨食症の明けない夜明け」にて第11回すばる文学賞、2010年「恋の蛍−山崎富子と太宰治−」にて第29回新田次郎文学賞を受賞。アン関係の著作多。


1.ヴァカンスの季節

2.赤毛のアン の翻訳物語

3.誰も知らない「赤毛のアン」

4.赤毛のアンに隠されたシェイクスピア

5.アンの青春の明日が輝く言葉

6.結婚貧乏(※8人の作家によるアンソロジー)

7.ヨーロッパ物語紀行

8.恋の蛍−山崎富栄と太宰治−

9.みすゞと雅輔

  


  

1.

●「ヴァカンスの季節」● 


ヴァカンスの季節画像

1997年03月
新潮社刊



1997/04/15

本の装丁、カバーのイラスト、とても洒落ている一冊です。気分がウキウキする印象があります。
欧米各地の旅行話、アリスミルンブロンテ姉妹等の縁の地を辿る旅、故郷出雲をめぐる話、関西住まいのあれこれと、題材は豊富で、そこに惹かれて読みました。ただ、良質のエッセイと思いますが、ちょっと物足りず。
本書は、これまでの短いエッセイをまとめたもののようで、5年前に遡るものが多くあります。徐々に一人暮らしの実況も入りつつ、最後には結婚報告で終わります。
正直言って、本書より、「波」に掲載された著者自身による紹介文の方が面白かったです。既に結婚後2年を経過。ちょうど仕事が面白くなり、ワーカホリック状態だそうです。折角の旦那様は、殆ど放りっぱなしとか。「君って忙しいんだね」という夫の言葉に、「とうとう来たか」とギクッとしたりする。それでも家事を顧みず(著者自身の弁)、仕事に夢中。そんな妻を黙ってみている夫に感謝している。そんなところが愛敬あって楽しいです。
本書の中で、松本さんの結婚したい男性像として、自立した男であること、という文章があります。炊事、洗濯、家事全般を含めての自立、との由。成る程と納得しました。

     

2.

●「赤毛のアン の翻訳物語(鈴木康之・共著)● ★★

  
赤毛のアンの翻訳物語画像

1998年08月
集英社刊
(1700円+税)



2001/03/21



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本業は作家であり、翻訳向けの勉強をした訳ではないという松本さんが挑んだことは、パソコン、インターネットを駆使して海外の図書データベースを漁りに漁り、「アン」の引用文献を徹底的に調べることでした。その副産物として、本書はパソコンおよびネット機能の活用およびハード拡張の記録史にもなっています。
 
松本さんは、著述にワープロ、次いでMS-DOSパソコンを早くから取り入れた由。その積極果敢な姿勢には、本当に頭が下がります。また、小気味良さを感じます。
 
当初はFDが中心、HDD 利用開始した時の容量は僅か40MB。89年パソコン通信に入会すると、即海外図書データベースの検索開始。91年集英社から翻訳依頼を受けた後は、資料とすべくCD-ROM版シェイクスピア全集、電子ブック版英文聖書を購入。92年Windows3.1パソコン、93年レーザー・プリンター購入。95年ジャストビューにてインターネット、サーチエンジン利用を開始。
 
96年 Windows95、CD-ROM版大百科事典購入、翻訳ソフト利用も試行、米のネット書店で書籍を初購入。メモリは→16MB→32MBと増設、CPUはODPによりペンティアムに。外付けCD-ROM、高速通信ボード(28.8kbps)を追加、スキャナとOCR ソフトも購入して文献資料を電子データ化する、等々。
Win95 導入以降は、私自身のPC拡張経験と共通するところがあり、楽しくなります。
 
これだけ奮闘したうえでの、松本新訳「赤毛のアン」ですから、一気に読んでしまうのはもったいない。したがって、少しずつゆっくりと味わって読んでいます。

文学賞めざしてワープロ開始!/「赤毛のアン」の翻訳が来た!/CD-ROMの辞典と文献を手に入れる/インターネット開始!モンゴメリとアンのサイトを見る!!/ウィンドウズ95を導入する/新しい電子辞書、そして翻訳ソフト/オンラインで本を探して注文する/パソコンをパワーアップ、速い速い!/インターネットの英米文学サイト/モンゴメリの引用論文、カナダから届く!/「赤毛のアン」に隠された英米文学−CCL第56号より(その1)/同(その2)/同(その3)/ハードディスクにアン図書館をつくる/英米文学を電子データにする−FTPによるダウンロードとスキャニング/スキャナとOCRで英文を電子データに/英国図書館で本とCD-ROMを探す/モンゴメリの家を訪ねる−カナダ・オンタリオ州紀行

    

3.

●「誰も知らない赤毛のアン」● ★☆

 
誰も知らない赤毛のアン画像

2000年06月
集英社刊
(1700円+税)



2001/03/24



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赤毛のアン翻訳仕事から生まれた、翻訳物語に並ぶ産物といえる本。
 
「アン」を翻訳するためには当時の時代背景、舞台となったプリンス・エドワード島、キャベンディッシュ(アヴァンリー)のことを良く知る必要がある、というのが松本さんの弁。その成果をまとめたのが本書です。副題として「背景を探る」とあります。
中でも興味を惹かれるのは、「時代背景」「モンゴメリ、しられざる人生」です。前者では、アンの暮した生活風景が具体的に浮かび上がってきます。こうしたことを知ると、もっと「アン」が楽しく読めることでしょう。
 
それに対し、「人生」の方は、アン・ファンにとっては意外なことと受け取められるかもしれません。モンゴメリ自身の家庭生活は、決して幸せなものとは言えなかったこと。「アン」シリーズの続編を書き続けることについて、繰り返し嫌だ、嫌だと言っていたこと。嫌な理由は、読者の好みに合う(モンゴメリが書きたい女性像と異なる)アンを書き上げねばならないということだったようです。それにも拘らず書き続けたのは、子供の教育費を稼ぐ必要の故す。しかし、作者の思惑以上に主人公に人気がでてしまうと、そんなものではないかと思います。
 
なお、執筆順序もそうした事情から、ストーリィ順とは異なったものだったようです。(注:執筆順序については、モンゴメリのページに掲載しました)
背景が判った分、さらに「赤毛のアン」への興味が増します。

「赤毛のアン」の時代背景/「赤毛のアン」の植物園/モンゴメリ、知られざる人生/モンゴメリの生涯をたずねるカナダ紀行

 

4.

●「赤毛のアンに隠されたシェイクスピア」●  ★★☆


赤毛のアンに隠されたシェイクスピア画像

2001年01月
集英社刊

(1900円+税)



2001/02/19



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シェイクスピアの名前に惹かれて読み出したのですが、読んでいる途中から無性に赤毛のアンをまた読みたくなりました。
本書は、単に「アン」に引用されているシェイクスピア等の作品を紹介するに留まらず、「アン」の隠された魅力をさらに教えてくれる一冊です。
 
「アン」の中にシェイクスピア作品の幾つかから引用がある事は、驚くことでもありませんが、アンの村Avonlea が、シェイクスピアのストラットフォード・アポン・エイヴォンAvon から取られたのではないか、とか、アンはシェイクスピアの妻および妹の名前、ギルバートは弟の名前と指摘されると、松本さんならずとも深い繋がりを感じざるを得ません。
 
シェイクスピア、アーサー王伝説との関わりまではフムフムと読み進んだのですが、アンが次々と引用する詩の数々をイギリス、スコットランド文学の原典を追うと、その素晴らしさに陶然とします。アンは詩、文学に深く愛情をもつ少女ですから、引用することに何の不思議もないのでしょうが、「アン」の後ろに一気に英文学の奥深い世界が広がった思いにとらわれます。
「アイヴァンホー」で親しんだサー・スコット「湖上の麗人」等の一部を読むだけでも感激がありますし、ギルバートが暗誦した「ライン河畔のビンゲン」の原典に、ギルバートのアンへの想いが汲み取れたりすると、もう堪えられません。
 
本書は、「アン」ファン、英文学ファンにとって、尽きない魅力に富んでいる一冊です。
松本さんは、10年間にわたり、英米の図書館で古典書をさぐり、パソコン通信、後にはインターネットを駆使して、アンが引用した原典を探し回ったそうです。その熱意と努力に賞賛の言葉を捧げたいと思います。

1.シェイクスピア劇/2.登場人物の名は、シェイクスピア劇のパロディ/3.アーサー王伝説/4.イギリス文学/5.英米の女性詩人/6.スコットランド文学/7.アメリカ文学

   

5.

●「アンの青春の 明日が輝く言葉」● 


アンの青春の明日が輝く言葉画像
 

2002年05月
ディスカヴァー・トゥエンティワン

(1200円+税)

2002/06/30

「赤毛のアンの今日が幸せになる言葉」に続く一冊。
松本さんの後書きをそのまま引用すると、アンの青春から、「未来への輝かしい希望がわき上がってくる言葉を選んで、コラムをそえ」たという本です。
 
選ばれた文章はいずれも短いものですが、こうして抜き出してみると、アンの前向きな姿勢が改めて感じられます。そして、どの言葉も、我々を励まし、そして明日への希望をもたらしてくれるものばかりです。
“アン”シリーズが人々を魅了してきた理由のひとつがここにあります。
 
本書の中で私が最も惹かれたのは、「今日は終わり、明日はまだ何の失敗もしていない新しい一日がやってくる」という言葉。

松本侑子ホームページから、メールマガジン「アンの青春の明日が輝く言葉」の購読申込と、同バックナンバーを見ることが出来ます。

  

6.

●「結婚貧乏」● ★☆


結婚貧乏画像

2003年07月
幻冬舎刊

(1400円+税)



2003/11/04

8人の女性作家による、結婚を主題としたアンソロジー。
どれも軽いストーリィですが、一冊で何人もの作家の作品を味わえるのがアンソロジーの楽しさ。そのうえ、8人中6人が初めて読む作家、その作品傾向も様々と、魅力充分です。

共通したテーマは、心も身体も生活もすべて満足できる結婚生活なんてあるのか、ということらしいのですが、結婚生活の一翼を担う男性として耳の痛い話が幾つもあります。
空しい、切ないなぁと気持ちが沈めば、その後にはカラッとユーモラスな話(「森を歩く」)あり。また、危ういなぁと危惧する話(「シンデレラのディナー」)があれば、定番のような話の裏に強烈な対抗心が秘められていた話(「次はあなたの番ね」)ありと、その多彩さが楽しめます。

どのストーリィが一番面白かったか、などと問うのは、野暮というものでしょう。どれも女性らしいストーリィであり、様々なパターンがあってこそ面白いのですから。
なお、「オーダーメイドウェディング」については、その結末を見てみたかったという気持ちが多分にあり。
最後の「ぼくの秘めやかな年上の恋人」は、艶めいた一篇。

平安寿子:ロマンスの梯子/宇佐美游:玉の輿貧乏/春口裕子:オーダーメイドウェディング/三浦しをん:森を歩く/内藤みか:シンデレラのディナー/真野朋子:次はあなたの番ね/森福都:グッドマリアージュ/松本侑子:ぼくの秘めやかな年上の恋人

  

7.

●「ヨーロッパ物語紀行」● ★☆

 
ヨーロッパ物語紀行画像

2005年11月
幻冬舎刊
(1500円+税)



2006/01/02



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名作の舞台を訪ねる旅。本好きなら誰しも一度や二度、してみたいと思ったことが必ずあるのではないでしょうか。
本書は、松本さんがそんな夢を抱えて旅した紀行文です。

単に紀行文というだけでなく、名作のストーリィの紹介がまずあり、そのうえに名作が生れた時代背景や作家自身のことを判り易く紹介してくれているのが、とても有難い。
名作「カルメン」をなぜか今まで読んでいなかったので、本書でその内容を知ることができたのは嬉しいことでした。
また、松本さんが訪ね歩いて知ったその土地ならではの風景や様子から、まるで名作の鼓動が感じ取れるようです。それは予想以上に楽しかったこと。
私としては、フランダース地方(フランダースの犬)アンダルシア地方(カルメン)の土地柄が特に印象に残りました。
それと、ケストナーはやっぱり素晴らしい。

私だったらここに行って見たい、という場所は誰しも持っていることでしょう。私だったら、フェルスター「アルト=ハイデルベルク。もっともハイデルベルクは観光地としてかなり一般化していますから、わざわざ取り上げる必要はないのかも。

ロミオとジュリエット(イタリア−古都ヴェローナ)/ローマの休日(イタリア−永遠のローマ)/
フランダースの犬(ベルギー−アントワープ、ボーボーケン)/
カルメン(スペイン−アンダルシアの華セビーリャ)/エル・シードの歌(スペイン−地中海の華バレンシア、城塞都市ハティバ)/
みずうみ(ドイツ−北海の港町フーズム)/エーミールと探偵たち(ドイツ−新しい文明の都ベルリン)/点子ちゃんとアントン(ドイツ−大恐慌時代のベルリン)/エーミールと三人のふたご(ドイツ−バルト海の避暑地ヴァルネミュンデ)

※本書は著者の松本侑子さんからプレゼント本として頂戴しました。末尾となりましたが、松本さんにお礼申し上げます。

      

8.

「恋の蛍−山崎富栄と太宰治−」● ★★☆       新田次郎文学賞


恋の蛍画像

2010年08月
光文社刊

(1800円+税)

2012年05月
光文社文庫化



2012/01/30



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玉川上水で心中死した山崎富栄太宰治2人の、そこに至るまでの軌跡を描いた力作。

読み終えた感想をまず言うと、痛ましい思いでいっぱいです。
本作品で松本侑子さんが描き出した山崎富栄という人、世に言われるような印象とは全く異なる女性でした。
日本で初めて文部省認可を受けた「お茶の水美容洋裁学校」を創設した山崎晴弘の愛娘で、父親からその後継者と期待され、一級の美容技術を身に着けた先進的な女性。
それなのに、何故そんな死を迎えることになったのか。
若くして戦争未亡人となった悲運の所為とも、父親の期待に応えようと懸命に頑張った心の反動だったとも、そうした純真さをもっていたからこそとも言えます。
一方の太宰といえば、何度も自殺未遂を繰り返し、本妻、愛人、そのうえ富栄とも関係をもっていたというのが当時の状況。
普通であれば、年上の男の方こそ非難され、女の方は同情されるような事件だったのではないか。しかし、相手は太宰治だった。太宰の小説家としての才能を惜しむ関係者が太宰を擁護しようとしたが故に、逆に 山崎富栄は悪しざまに非難されることになった、そうとしか思えません。

何もかも捨てて一途に恋に生きようとした女性、その結果の痛ましさ、哀れさは、言葉にしようもありません。
太宰についていえば自業自得とも言えますが、それが太宰という作家であり、そうである他なかった点に、一人の人間としてはやはり哀れさを感じざる得ません。
2人の気持ちが各々どうだったのかを他人が言っても詮無いことですが、少なくとも本書は、山崎富栄という女性への鎮魂歌になる力作だと思います。お薦め。

(補足)
太宰治といえば、高校生あたりの青春期に読んで虜になる作家の一人だと思いますが、私が思うに、太宰治と三島由紀夫、そのどちらを選ぶかという分かれ道があるのではないか。
現に私はといえば、太宰治の持つ陰鬱さに馴染めず、三島由紀夫の方を選んだという口。
それでも太宰治という名前は常に目の前にあり、太宰治作品が引用されることは多くあり、太宰治賞という文学賞があり、井上ひさしにも太宰治の評伝劇
人間合格があります。
とはいえ、太宰治の心中経緯には疎く、一緒に死んだ女性も色めいた相手だったかな、という程度の認識しかもっていませんでした。恐らく多くの方がそうではないか。
本作品によってその経緯が判る訳ですが、それだけではなく、同時に太宰作品が生まれた経緯も知ることが出来る一冊です。

※本書は著者の松本侑子さんからプレゼント本として頂戴しました。末尾となりましたが、松本さんにお礼申し上げます。

        

9.

「みすずと雅輔 ★★★


みすゞと雅輔

2017年03月
新潮社刊

(2000円+税)

2020年05月
新潮文庫



2017/04/21



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詩に疎い所為か、金子みすゞという童謡詩人の名前、若くして亡くなったことは知っていましたが、その人物像をきちんと知ってはいませんでした。
金子みすゞという名前だけでは手を出すことはなかったと思います。実弟の
上山雅輔との関わり、本書の書評を読んで読みたいと思った次第。

本作の主人公は
正祐。下関の上山文英堂の跡取り息子として母親フジの溺愛を受けて育ちます。その母フジが雅輔13歳の時に病死し、フジの姉である伯母ミチが父の松蔵の後妻となって上山家に入り込んできます。
それがきっかけとなって仙崎の金子文英堂に残ったテルと正祐の間に行き来が生まれ、共に詩や文芸に強く惹かれる心を持っている2人は互いにかけがえのない仲間となっていく。
正祐は2歳年上の従姉としてテルを慕いますが、テルは正祐が実弟であることを承知しており、母親の再婚で義姉弟関係にもなったという状況。
しかし、叩き上げの苦労人である松蔵は店を正祐に継がせたいという気持ちを捨てることはなく、それは結果的にテルと正祐の2人を追い込むことになっていきます。

テルと正祐、励まし合う力強い仲間であった一方で、お互いの人生を運命づける大きな要因になっていたことが否定できません。
そうならしめたのは頑なに店を正祐に継がせたいという願望を抱き続けた松蔵といえますが、松蔵を責めることはできません。
あの時代、その土地柄からして、松蔵の願望は当然だったことでしょうから。

要は、すべて掛け違い、常に掛け違いがあらゆる問題の原因としてあったとして過言ではありません。
だからこそなおのこと、金子みすゞという詩人の生涯も、後に文筆で身を立てた雅輔という人物も、余りに切ない。

本作は、金子みすゞという童謡詩人を雅輔という一番身近な近親者から描くことによって、立体的に、かつ深くその人物像を描き出していると言って差し支えありません。
そのみすゞの、覚悟を決めたうえでの自死には、雅輔ならずとも衝撃を受けずにはいられません。
読了した時には、みすゞの面影に圧倒され、余韻がいつまでも消え去りませんでした。
松本侑子さんの力作と言って間違いなし。お薦めです!


※金子みすゞ:1903-1930、本名は金子テル。童謡詩人。山口県仙崎村生まれ。
※上山雅輔(かみやま・がすけ):1905-1989、本名は上山正祐(うえやま・まさすけ)。劇作家・小説家。2歳の時上山家に養子。1930年妻と娘と共に劇団若草を立ち上げ。


序章.電報/1.「カチューシャの唄」中山晋平/2.「赤い鳥」鈴木三重吉/3.「かなりあ」西條八十/4.「片恋」北原白秋/5.「金の鈴」上田正祐/6.「芝居小屋」金子みすゞ/7.関東大震災/8.「大漁」金子みすゞ/9.「沼」島田忠夫/10.結婚/11.「ジャン・クリストフ」ロマン・ロラン/12.芸妓花千代/13.「映画時代」古川緑波/14.「東京行進曲」菊池寛/15.「鯨法会」金子みすゞ/16.「復活」トルストイ/終章.朝日丸

  


 

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