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11.朝霧 12.謎のギャラリー・謎のギャラリー特別室 ※アンソロジー 13.謎のギャラリー特別室2 ※アンソロジー 14.謎のギャラリー特別室3・謎のギャラリー最後の部屋 ※アンソロジー 15.月の砂漠をさばさばと 16.盤上の敵 17.リセット 18.北村薫の本格ミステリ・ライブラリー ※アンソロジー 20.詩歌の待ち伏せ(下) |
【作家歴】、空飛ぶ馬、夜の蝉、秋の花、覆面作家は二人いる、六の宮の姫君、冬のオペラ、スキップ、覆面作家の愛の歌、覆面作家の夢の家、ターン |
街の灯、語り女たち、ミステリ十二か月、ニッポン硬貨の謎、北村薫のミステリー館、紙魚家崩壊、ひとがた流し、玻璃の天、1950年のバックトス、北村薫のミステリびっくり箱 |
北村薫の創作表現講義、野球の国のアリス、鷺と雪、元気でいてよR2-D2、いとま申して、飲めば都、八月の六日間、慶應本科と折口信夫 、太宰治の辞書、中野のお父さん |
遠い唇、ヴェネツィア便り、小萩のかんざし、中野のお父さんは謎を解くか、中野のお父さんと五つの謎 |
●「朝 霧」● ★★ |
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2004年04月
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「私」と円紫師匠シリーズ第5冊目。 本書の3篇、短編とはいいながら、そのひとつにはいろいろな話が詰め込まれています、信じがたい程。何の関係もないと思って読み進んでいくと、最後の謎明かしではちゃんとチェーンのようにつなぎ合っていることが読者にわかり、こちらはだらしなくもスッと腑に落ちてしまう。そこが北村作品の巧さであり、魅力だろうと思います。「私」の成長物語という伏線がしっかりしているから、何の揺るぎも無い、といった感じです。 山眠る/走り来るもの/朝霧 |
●「謎のギャラリー」● ★★ |
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1998/08/29 |
北村さんと編集者の対話方式で進む名著名作探訪。 1.リドル・ストーリー/2.中国公案小説と日本最初の本格ミステリ/3.こわい話/4.賭け事、あるいはゲーム/5.恋について/6.謎解き物語について |
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●「謎のギャラリー・特別室」● ★★ |
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1998/08/30 |
いろいろな話がつまっています。 1.都井邦彦「遊びの時間は終わらない」/2.里見ク「俄あれ」/3.梅崎春生「猫の話」 /4.別役実「なにもないねこ」/5.南伸坊「チャイナ・ファンタジー」3作/6.ヘンリー・カットナー「ねずみ狩り」/7.クレイグ・ライス「煙の環」/8.ジョン・コリア「ナツメグの味」/9.樹下太郎「やさしいお願い」/10.阪田寛夫「歌の作りかた」/11.フランソワ・コッペ「獅子の爪」/12.マージャリー・アラン「エリナーの肖像」 |
※ 「謎のギャラリー」各冊は、2002年2月、新たに加筆・追加・再編集され、新潮文庫化 |
●「謎のギャラリー・特別室2」● ★ |
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1998/12/08 |
前回は「ギャラリー」における北村さんの語りで興味が募り、「特別室」で実際に味わうという、組み合わせの妙がありました。
本書は追加版のため、その楽しさは味わえません。したがって、前回ほどの面白みを感じなかったのも仕方ないところ
かなと思います。 1.ゴフスタイン「私のノアの箱舟」/2.ソログープ「光と影」/3.フィニイ「死者のポケットの中には」/4.ホーニグ「二十六階の恐怖」/5.山下明生「親指魚」/6.オサリバン「お父ちゃん似」/7.ガーネット「狐になった夫人」 |
●「謎のギャラリー・特別室3」● ★★ |
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1999/06/01 |
本書では、何と言っても乙一「夏と花火と私の死体」が圧巻! 1996年の集英社第6回ジャンプ小説・NF大賞受賞作。作者はこの時高校生だった、というから驚きです。でも、そんな若い人だからこそ書けた、というようなみずみずしさが感じられます。 1.宇野千代「大人の絵本」/2.乙一「夏と花火と私の死体」/3.ヘンドリクス「定期巡視」/4.古銭信二「猫じゃ猫じゃ」/5.ジャクスン「これが人生だ」 |
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●「謎のギャラリー・最後の部屋」● ★★ |
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本書では頁数の半分以上を「真田風雲録」が占めています。それもその筈、今回続刊についての北村側条件がこの作品を収録することに在ったということです。 1.林房雄「四つの文字」/2.ミューヘイム「埃だらけの抽斗」/3.西村玲子「かくれんぼう」/4.城昌幸「絶壁」/5.福田善之「真田風雲録」 |
●「月の砂漠をさばさばと」(絵・おーなり由子)● ★★ |
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2002年07月
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9歳のさきちゃんとお母さんの毎日を描く、大人の童話のような本です。 くまの名前/聞きまちがい/ダオベロマン/こわい話/さそりの井戸/ヘビノボラズのおばあさん/さばのみそ煮/川の蛇口/ふわふわの綿菓子/連絡帳/猫が飼いたい/善行賞のリボン |
●「盤上の敵」● ★ |
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2001年11月
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主人公・末永純一が自宅に戻ろうとすると、散弾銃を持った強盗殺人犯人が妻の友貴子を人質に立てこもっていた、というのが事件の本格的幕開け。 本作品は主人公の現在の行動と友貴子の回想が交互に織りなし、それが最後に交錯して初めて事件の全体像が見える、そんな凝ったストーリィ構成。 |
●「リセット」● ★★ |
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2003年07月
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“時と人の三部作”最終作。 待ちに待った最終作。けれども読み始めて戸惑いを感じたのも事実です。過去の2作が現代ストーリィだったのに対し、本書は太平洋戦争の頃、昭和30年代と過去の時代を舞台にしています。 ※奇しくも本ストーリィは、恩田陸「ライオンハート」と共通する部分があります。でも、小説としては全く別もの、という印象。読み比べてみるのも一興だと思います。 |
●「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」● ★ |
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収録されているストーリィの面白さという点では、「謎のギャラリー・特別室」の方がずっと楽しめます。 ただ、本アンソロジーの趣向は「ギャラリー」と異なり、こんなミステリもあるんですよ、本格的な“謎”はこんな風に楽しめるんですよ、というのが狙いのようです。 本書は、今ではなかなか読めない作品を中心に収録しているとのこと。西條八十さん自身のミステリ、翻訳ものが収録されているのも、それ故でしょう。 T
懐かしの本格ミステリ−密室三連弾+1 ※本書と併せて「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」をお薦めします。 |
●「詩歌の待ち伏せ(上)」● ★★ |
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2006年02月 2020年07月 2002/06/30 |
これまでの北村薫作品からすると、意外な感に打たれるのがこの一冊。 とはいえ、愛書家である北村さんを思えば、本来何の不思議もないことなのでしょう。 本書は、北村さんがふと巡りあった詩歌の数々を、思い出をこめて語ったエッセイ集。「オール讀物」に2000年2月〜2001年8月まで掲載されたものです。 私にとって、詩は苦手です。せっかちな性分と、想像力に欠けている所為だと自分では思っています。けれども、本書を読んでいると、気持ちが静かに落ち着いていくようです。 気軽に、普段着の気持ちで詩歌を楽しむ、そんな北村さんの姿勢に影響された所為かもしれません。 本書中では、親子の関係をうたった、「悲しみ」(石垣りん)、「れ」(豊田敏久・3歳)、「いたそうね」(岡山孝介・小4)が印象に残りました。 |
●「詩歌の待ち伏せ(下)」● ★ |
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2006年03月 2020年07月 2003/12/02 |
下巻に収録されたのは、「オール讀物」に2001年9月〜2003年1月まで掲載された分。 相変わらず詩歌に対する北村さんの造詣の深さ、それと対照的に自らの感応力の貧しさを思わざる得ない一冊です。 率直に言って、詩そのものとなると理解が及ばないのですが、“言葉”の使い方に関する部分となれば文句なく楽しい。 とかく気ぜわしい現代小説を読む中、一服の清涼剤とも言いたい一冊です。 |
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