吉村 昭 記録文学に特に秀でた作家。地味ですが読み応えはかなりのもの
書 名 |
出版 |
読了 |
ひとこと |
星への旅1963他 |
新潮文庫 |
1992 |
「少女架刑」に注目。透き通るような魅力あり 太宰治賞 |
戦艦武蔵1966 |
新潮文庫 |
1992 |
記録文学の傑作と思う。「武蔵」という巨大な機械の生命を感じる |
大本営が震えた日1968 |
新潮文庫 |
1998 |
太平洋戦争開戦前夜、奇襲攻撃をめぐるドキュメント |
三陸海岸大津波1970.07 | 中公新書 中公文庫 文春文庫 |
2011 | 明治、昭和、チリ地震による3度に亘る大津波の被害、惨状を記した実録の一冊 |
漂流1976 |
新潮文庫 |
1999 |
江戸時代に孤島で12年を過ごして帰郷した男の実録小説 |
高熱隧道1977 |
新潮文庫 |
1992 |
記録文学。技師たちと人夫たちとの関係を冷徹に暴き出す |
零式戦闘機1978 |
新潮文庫 |
1992 |
ゼロ戦の優秀性と犠牲の部分 |
ふぉん・しいほるとの娘(上下)1978 |
新潮文庫 |
1993 |
涙を抑えかねる感動と先覚者の運命を描く 吉川英治文学賞 |
ポーツマスの旗1979 | 新潮文庫 |
2002 |
日露戦争・講和交渉を描く。臨場感溢れる外交交渉場面は凄い! |
破船1982 | 筑摩書房 新潮文庫 |
2002 |
江戸時代、僻地の貧しい漁村の厳しさと過酷な運命を冷徹に描く |
破獄1983 |
新潮文庫 |
1995 |
サスペンスのようだが、事実であったことが凄い 読売文学賞 |
冷い夏、熱い夏1984 |
新潮文庫 |
1995 |
凄絶とも言える実弟への看護記録。肉親間の葛藤も凄い |
蜜蜂乱舞1987 |
新潮文庫 |
1989 |
養蜂への案内と家族ドラマ |
仮釈放1988 |
新潮文庫 |
1992 |
やりきれない辛さ。帚木蓬生「閉鎖病棟」と読み比べて欲しい |
桜田門外ノ変1990 |
新潮社 |
1991 |
何故“尊王攘夷”が“倒幕・開国”に変わったのか。詳細に史実を追う読み応えある作品。水戸藩絡みbP |
白い航跡(上下)1991.4 |
講談社 |
1991 |
第2大戦に通じる陸軍と海軍の違い。森鴎外が主要人物として登場 |
黒 船1991 |
中公文庫 |
1996 |
通訳としての先覚者の記録 |
私の文学漂流1992.11 |
新潮社 |
1992 |
良質の自伝。是非読んで欲しい |
天狗争乱1994.5 |
朝日新聞社 |
1995 |
凄烈な幕末史。水戸藩絡みbQ |
彦九郎山河1995.9 |
文芸春秋 |
1995 |
幕末における先覚者の記録 |
プリズンの満月1995.6 |
新潮社 |
1995 |
終戦後の巣鴨プリズンの記録。戦争は一度に終わったわけではない |
朱の丸御用船1997 |
文芸春秋 |
1998 |
江戸期の漁村が巻き込まれた歴史的悲劇 |
遠い幻影1998 |
文芸春秋 |
1998 |
良質かつ硬質な短編 |
わたしの流儀1998 |
新潮社 |
1998 |
堅実で硬質な作風はエッセイでも変わらず |
生麦事件1998.9 |
新潮社 |
1998 |
歴史の大転換を検証する質の高い歴史小説 |
天に遊ぶ1999.5 |
新潮社 |
1999 |
超短篇とも言うべき21篇を収録した短篇集 |
アメリカ彦蔵1999.10 |
読売新聞社 |
1999 |
漂流して米国に帰化し、幕末日本の激動期を体験したジョセフ・ヒコの半生記 |
夜明けの雷鳴2000.01 |
文芸春秋 |
2000 |
箱館戦争に身を投じた医師・高松凌雲の半生を描く歴史長篇 |
島抜け2000.08 |
新潮社 |
2000 |
流刑となった種子島から脱島した講釈師を描く表題作+2篇 |
敵討2001.02 | 新潮社
新潮文庫 |
2001 |
幕末・明治と2つの敵討事件を取上げ、敵討の切なさを描く2篇 |
見えない橋2002.07 | 文芸春秋 文春文庫 |
2002 |
静かに人生を描く6篇と、これまで未収録だった私小説1篇 |
大黒屋光太夫2003.02 | 毎日新聞社 新潮文庫 |
2003 |
漂流してロシアに救われ、10年余を経て帰国を果たした漂流民譚 |
彰義隊2005.11 | 朝日新聞社 新潮文庫 |
2005 |
戊辰戦争で唯一人朝敵となった皇族、輪王寺宮の軌跡を描く維新史 |
死顔2006.11 | 新潮社 新潮文庫 |
2006 |
遺作となる短篇集 夫人・津村節子氏の後書き付き |
回り灯籠2006.12 | 筑摩書房 |
2007 |
遺作となるエッセイ集 吉村さんの人柄を改めて偲べる一冊 |
ひとり旅2007.07 | 文芸春秋
文春文庫 |
2007 |
最後となる著作物。吉村さんの人柄、作風が偲ばれ味わい豊か |