N・E・ボード作品のページ


米国の覆面作家。米国ニューヨークのマンハッタンに住む男性作家だと自称しているが、実はフロリダ州に住むジュリアナ・バゴット Julianna Baggott という女性作家らしい。子供向けの読み物を書くときにN・E・ボード名義を使っているもよう。

 


 

●「本だらけの家でくらしたら」● ★★
 
原題:"The Anybodies"       訳:柳井薫 絵:ひらいたかこ




2004年発表

2009年12月
徳間書店刊
(1500円+税)

 

2010/02/07

 

amazon.co.jp

11歳の女の子ファーンの周りには、不思議なことがいろいろと起きてばかり。コオロギの本からコオロギが飛び出したり、道を歩いていた修道女がいきなり街灯になったりと。
でも、生真面目な両親はうそは嫌いだとファーンを叱り、ファーンの唯一の楽しみは本を積み上げて部屋中いっぱいにすること。
ある日、突然に現れた見知らぬ男性と男の子。
ファーンが生まれた病院で赤ん坊の取り違えがあったのだと主張し、ファーンはその男性ボーンと一緒に家を出ることに。

ボーン、ファーンは不思議な能力をもつ<ダレデニアン>の血を引いているという、さらに亡き実母エリザが持っていた「<ダレデニアン>になる方法」という本を悪人マイザーが狙っているのだという。
そして二人はセールスマン父娘と偽り、エリザの母親の本でいっぱいの家に乗り込むことに。

本探し、<ダレデニアン>の謎探し、そしてファーンにとっての自分らしさ探し、自分の居場所探しストーリィ。
何といっても楽しいのは、本だらけのストーリィであること。
本が好きな女の子ファーン、本で一杯の祖母の家。そして下宿人は読書家だけと言い、読書家判別テストを繰り広げる祖母。
ストーリィ中、名作児童文学作品の引用、物語部分の引用が、それこそいっぱいです。
本好きの方、児童文学好きの方に、是非お薦め。
なお、「ハリー・ポッターと賢者の石」ストーリィと照らし合わせながら読んでみるのも一興と思います。

※引用された児童名作で私が既読だったものは次のとおり。
オリバー・ツイスト」「ハリー・ポッターと賢者の石」「ピーター・パンとウェンディ」「世にも不幸なできごと」「ナルニア国ものがたり」「ハイジ」「赤毛のアン」「秘密の花園」等々。
既読ではありませんが有名なものとして、ホビット、指輪物語、シャーロット、パディントン、ピーター・ラビット、子ねずみラルフ等々に何と海軍提督ホーンブロワーまで。

          


 

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