■   槍 ヶ 岳     東 鎌 尾 根 縦 走            

日程 : 2006/8/13〜17
メンバー : 2名 【muka、SANAE】
-工程-  (GPS測定結果から)

 1日目 : いこいの広場(5:20発) − 一の沢登山口(7:00) − 最後の水場(10:40) − 常念乗越・常念小屋テント場(12:20着)       ・・・
           常念小屋テント場(14:50発) − 常念岳(16:00〜16:40) − 常念小屋テント場(17:40着)
 2日目 : 常念小屋テント場(6:30発) − 横通岳(7:30) − 大天井岳・大天荘(9:40〜11:10) − 喜作新道 − ヒュッテ西岳テント場(14:15着)
 3日目 : ヒュッテ西岳テント場(6:15発) − 東鎌尾根 − 槍ヶ岳山荘(10:10着)     ・・・
           槍ヶ岳山荘テント場(11:40発) − 槍ヶ岳(12:00) − 槍ヶ岳山荘テント場(13:00着)
 4日目 : 槍ヶ岳山荘テント場(6:50発) − 槍沢ロッジ(10:00) − 横尾(12:40) − 徳沢園テント場(14:20着)
 5日目 : 徳沢園テント場(7:40発) − 上高地(9:15着)     ・・・
           上高地 − (バス) − 新島々 − (松本電鉄) − 松本駅 − (大糸線) − 柏矢町駅
SNEと行くテントを担いでの長期縦走は最後かもしれないので、一番好きな槍ヶ岳を選ぶ。
上高地からでは面白くないのと、経験も積んできたことだし東鎌尾根から槍の穂先を目指すことにした。

  今年は梅雨時期に九州、長野で記録的な大雨が続いたため各地で土砂崩れが発生した。
  上高地付近も、通行止めが発生したがお盆休みまでには開通していた。
  ただ常念岳登山口の一の沢と三又までの車道が完全通行止めになっているらしい。
  一の沢の車道が崩れた個所は迂回ルートが作られたため通常より2時間分手前の個所(いこいの広場)から歩けば常念岳から登ることができた。
  豊科駅の芦安タクシーに車を無料で預かっていただき、そこから柏矢町駅を抜けタクシーで憩いの広場まで向かう。
  値段は3300円だった。
  
  登山届けを提出して車道を歩くと所々で崩れている。これでは一般車が通行できるのはしばらく無理そうである。
  一番の崩れていたところはひどかった。ここは上に迂回路があり、徒歩では難なく越えることが出来た。



  言われたとおり歩き始めて2時間で一の沢登山口に到着した。
  普段ならここまで車で入れるのに、、、それでも登山客は沢山いた。
  
  一の沢のルートは胸付八丁まで沢沿いを登るため夏でも涼しくてよい。
  ちょうどいい所で沢にでて岩がごろごろしているため座ってのんびりと休憩がとりやすい。
  空には雲がなく天気は最高で、休憩中に飲む沢の水は冷たくおいしくかった。
  第2ベンチ、、、第2ベンチと休憩場所を過ぎ、最後の水場に到着した。
  今回の山行きはずっと稜線歩きなのでこの沢を過ぎたら水場がなくなる。
  最後の水場で持てるだけ水を汲み常念乗越のテント場に向かう。
  水を汲んだ後は限界以上のザックの重さでペースが落ちた。G/Wほどではなかったがテント場までの時間はしんどかった。
  
  常念乗越まで来ると急に天気が怪しくなり空から青空はなくなっていた。
  常念乗越まで登りきると展望がひらける。はるか先に槍ヶ岳はすばらしくまた帰ってきたという感じがする。
  青空がなくなり、目の前の常念岳は雲で見え隠れしているので、空身ですぐに登りに行くのはやめた。
  のんびりと常念小屋でテントの受付をして、小屋で常念うどんを食べた。
  テント場は2箇所あるのだが、みんなトイレの前までぎゅうぎゅう積めで張っているのには驚いた。
  少し離れたテント場はガラガラで槍方面の景色もよくまだ一組も設営していない。
  隠れて見えないので多分みんなここにもあるのは知らないんだろう。
  すごい狭い場所にテントを設営しようとしている組がいたので向こうにもありますよと教えてあげたら喜んでいた。
  やっぱり、みんな知らないんだ、、、
  テントの中で天気が回復するのを待った。

  槍ヶ岳方面は青空も残っているが、松本の下界から雲が雲が次々と来る。
  3時ごろ常念岳上空が青空に入ったので、急いで出発する。
  登り1時間、カナリとばして歩いたが、山頂で青空の下に出ることは出来なかった。
  それでもバーナーで沸かして作った紅茶はおいしかった。
  紅茶を飲み終わる頃には視界はなくなり雲の中に入っていた。
  
  テント場には5時半頃戻り、夕食にグリコのすき焼丼を食べた。
  槍ヶ岳は夕日が沈んだ後もずっと見えていた。
  


〜2日目〜
  4時半起床。
  外は雲一つない。
  6時半、このテント場からも確認できる西岳ヒュッテを目指す。
  西岳ヒュッテは常念山脈から大天井岳を越え喜作新道からまわりこむ。
  最初から急登だが、横通岳は名前の通りピークには登らずトラバースして越える。
  朝一いきなりの急登を登りきった後は快適な稜線歩きになった。
  
  東大天井岳下の休憩ポイントからのコマクサと槍ヶ岳の展望は見事だった。
  コマクサもこんなガレ場で草もない場所にきれいな花を咲かせふしぎな植物だと実感する。
  10時近くになると、常念山脈より下界側(松本側)は雲で覆われ稜線を越えてくる勢いがあったのでペースをあげて大天井岳のピークへ急いだ。
  
  2年前、燕岳から大天井岳に登った時は、槍ヶ岳さえ見えず雷も聞こえ悲しかったので、今回こそは大天井岳から槍ヶ岳を望みたかった。
  東大天井岳から少し下る。
  
  大天井岳ピークと大天荘は偽ピークが邪魔して直前になるまで現れなかった。
  大天荘にザックを置き空身でピークに急いだ。
  目の前に広がる槍ヶ岳全貌とそこから伸びる北鎌尾根は迫力があった。
  この先の喜作新道と東鎌尾根もはっきりと確認できた。
  槍ヶ岳を見ながらお昼(パンとシチュー)をとる。
  
  槍ヶ岳に向かう大天荘から喜作新道は稜線歩きは少なく、南側の斜面を歩く。
  途中、貧乏沢の看板発見(ここを下りれば北鎌尾根、、、いつかは行きたい)
  そこからすぐにびっくり平に到着。
  ここからの北鎌尾根から続く槍ヶ岳は一番のポイントだと思う。下に流れる天上沢には雪渓が残りそこから尾根まで伸びる北鎌沢も目の前に確認できる。
  びっくり平からは赤抜岳までは稜線の上を歩く。
  後ろから2パーティー重装備を担いだ人が確認迫ってきたので抜かされないようにペースをあげテント場の確保に急いだ。
  
  西岳は登らず脇道を巻いていくと小屋とテント場が見えた。
  テント場は稜線上と一段下がった場所の2箇所に分かれている。
  どこかのホームページで見たが稜線上は風をまともにうけるので、一段下がった場所の方がいいと書いてあったが、
  稜線上のテント場は、視界をさえぎるものがなく東鎌尾根〜槍ヶ岳〜穂高連峰が一望できるので上の方が絶対にお勧めだと思う。
  いままでの中で、一番景色のよいテント場だと思う。多分これから先も日本にこんな場所にはあえないんではないだろうか。
  確認できる山でも、
  乗鞍岳〜穂高連峰〜槍ヶ岳〜北鎌尾根〜水晶岳〜
  大天井〜常念〜蝶ヶ岳〜八ヶ岳〜富士山〜南アルプス
  
  明日行く東鎌尾根はだいぶ標高を下げ、キツイ山歩きになりそうだ、、、
  今日はかなりの距離を歩いたためSNEの足にまめができ潰した。ヒーヒー言って痛そうだった。
  夜、テントに入っても、真っ暗闇の中から槍ヶ岳が見えた。
  


〜3日目〜
  0時頃目がさめてからはほとんど寝れなかった。
  3時頃からは起きてシュラフに包まり槍ヶ岳をボーっと眺めていた。
  穂高岳の方には東京ではあまり見ることの出来ないさそり座もはっきりと見える。
  夜明けは常念岳より少し左側からはじまり、このテント場より先に槍ヶ岳〜穂高の稜線上が陽光で赤く染まり始めている。
  モルゲンロートは長い間続いた。
  真っ赤に染まる槍ヶ岳が普段の色に戻るころ周りのテント場のパーティーは準備を始めた。

  一気に、西岳ヒュッテにいる登山客が出発を始めた。
  さすがにベテランが多いのか朝は早い、、、
  ここから槍ヶ岳までの東鎌尾根はそんなに距離はなさそうなのでゆっくりと出発しようと思う。
  東鎌尾根のコル(水俣乗越)までは鎖場もありで一気に下った。
  右手には天上沢→湯俣から鷲羽岳があり、左手は槍沢から馬場平のカラフルに彩られたテントまでよく見える。
  この荷物を背負って東鎌尾根の登りはきついものがあった。
  ハシゴを越える度に槍ヶ岳が近づいてくる。
  
  西岳方向からヒュッテ大槍は到着するまで全く見えなかった。
  久々にコーラが売ってた。うまかった。
  ここから槍ヶ岳山荘まではアップダウンはなく、槍ヶ岳のすそをトラバースする。
  
  10時10分 槍ヶ岳山荘到着!しんどかった。
  この時期、槍ヶ岳山荘のテント場は受付で場所を決めてから設営しなければいけないらしい。
  一度テント場まで行き、場所を覚えてから受付に向かう。
  このテント場は景色のいい場所は狭く、大きいMSRのテントは設営が大変だった。
  
  天気はいいので、準備をして槍ヶ岳山頂を目指す。
  この登りは崖なのでSNEが心配だったが、小川山で慣れたのかすんなり登っていた。
  急いで目指すも渋滞がひどい。
  登りに一時間以上はかかった、山頂も写真を撮るため渋滞、、、なんなんだ、、、こんなとこまで来て。
  槍ヶ岳は登る山ではなく、周りから見る山なんだと実感する。
  
  山頂からの眺めはすごい。
  東西南北に伸びる尾根
  @東鎌尾根から常念方向
  A西鎌尾根から鷲羽方向
  B穂高連峰、
  C北鎌尾根、  あとここだけだ、、、
  下りはもっと渋滞してるし、、、
  ハシゴ待ちで15人程並んでる。
  こんなとこまで来てこの渋滞は悲しいものがある。
  北鎌に下りたくなる。
  
  お昼は槍ヶ岳山荘でラーメン食べた。
  太陽が出ている間は暑すぎてテントに入ることが出来ないので、常念岳や南岳をみながらボーっとしていた。
  午後4時、さんさんと照る太陽の中、ボーっとしすぎていたか日射病でダウン(頭痛がひどく、気分が悪い。)
  バッファリン飲んで、熱いテントの中でもうろうとした。
  山に来てここまでヤバイ感じになったのははじめての経験だった。
  薬飲んで2時間ほど寝て微妙に復活。食欲ないが、夕飯食べる。
  静かさ、景色とも昨日のテント場の方が良かった、、、
  


〜4日目〜
  朝、早くは起きたが、テント場から出た時には太陽は出ていた。
  本当は南岳を越えて天狗池から下ろうと思っていたが、天気が下り坂のため中止して、槍沢から一気に下ることにした。
  殺生ヒュッテを過ぎ、大きい岩を越えると槍沢から湧き出る水が現われた。
  最高に冷たくておいしい。この湧き水は日本で一番の贅沢な場所の水ではないだろうか。
  この後、左に巻くと槍ヶ岳は望めなくなる。槍ヶ岳また来るぞと思い後にした。
  梓川に向かって槍沢を含め多くの沢が合流している。
  雪渓の幅も大きくなり、雪渓下に流れる槍沢の水に頭を付けたときは気持ちよかった。
  
  馬場平から先は樹林帯となり強い日差しが遮られ歩くのがラクになる。
  槍沢ロッジでお昼でカップラーメンを食べ、横尾、徳沢園テント場に到着した。
  徳沢園テント場は観光客やキャンプにきている人が大勢いて、もう世界が変っていた。
  ここで久しぶりのお風呂、日焼けした肌にはきつかったが、気持ちよかった。
  夜は、徳沢園でおでん定食を予約して食べた。
  


〜5日目〜
  朝起きると、小雨が降っている。
  雨の中、穂高の方に登って行く人もいる。すごい気合だ、、、
  しばらく天気の様子を見ていると止んだので速攻でテントをたたむ。
  カッパは着ないでザックカバーだけ装着。
  ここから先はハイキングコースである。
  明神で休憩して上高地に向かう。
  上高地の河童橋は観光客は大勢いた。
  バス、電車を乗り継ぎ、スタート地点まで戻った。
  


  今回の登山は5日間と長く、天気にも恵まれ最高の山行きだったと思う。
  また、テントならではの楽しみもあった。
  またいつか来れたらいいな、、、



- い ろ い ろ -


・駐車場
  1. 沢渡駐車場(1000円/日)
  2. 三又 登山口駐車場(無料)
  3. 一の沢 登山口駐車場(無料)
  4. 南安タクシー有限会社 柏矢町駐車場(無料)

・電車
  1. 新島々駅〜松本駅・・・松本電鉄上高地線 (始発5:47 680円 29分)
  2. 松本駅〜豊科駅・・・JR大糸線 (@230 19分)
  3. 松本駅〜穂高駅・・・JR大糸線 (@320 25分)

・バス
  1. 上高地〜新島々駅 最終18:45発 19:50着 1900円
  2. 上高地〜松本駅 最終18:45発 20:40着 2400円
  3. 上高地〜沢渡駐車場 接続悪い

・タクシー
  1. 約40分 4500円

・車をどこに駐車しておくのが理想か?
  1. 安全性(5日停める)と無料からタクシー会社の駐車場
  2. 常念岳までのアプローチが短い一の沢林道終点登山口を利用
  3. 値段が安いのは上高地から松本までバス利用
  4. バス2時間乗るので上高地付近でお風呂に入りたい。(他の観光客もいるので) ←徳沢ロッジ
  1〜4の結果から
    ○行き:タクシー会社の駐車場---(タクシー)---いこいの広場(土砂崩れの影響がなければ一の沢登山口)
    ○帰り:上高地---(バス)---新島々---(松本電鉄)---松本駅---(JR大糸線)---柏矢町---(徒歩)---駐車場

・ 常念小屋 
・ 大天荘 
・ ヒュッテ西岳 
・ 槍ヶ岳山荘 
・ 横尾山荘 
・ 徳沢キャンプ場 
・ バス 
・ 南安タクシー 
・ 上高地周辺の温泉 
・ 道路交通情報(松本〜上高地) 

徳澤園食堂
  営業時間 : 7:00〜19:00
  徳澤ロッジ
  営業時間 : 16:30〜19:30   入浴料金 : 400円

上高地アルペンホテル 外来入浴
  営業時間 : 6:00〜10:30 (受付終了 10:00) 12:00〜14:30 (受付終了 14:00)
  入浴料金 : 500円(税込) 入浴休憩 : 1.500円(税込)

上高地温泉ホテル 外来入浴
  営業時間 : 7:00〜9:00  12:30〜15:30
  入浴料金 : 大人 600円、小学生以下 300円 (税込)






- お わ り -
 





戻る