■   北八ヶ岳(横岳〜東天狗岳)縦走    - - ピラタスロープウェイから渋温泉へ - -  

日程 : 2006/04/29〜05/01
メンバー : 2名 【muka、SANAE】
-工程-  (GPS測定結果から)
 1日目 : ピラタス蓼科ロープウェイ(8:40発) − 北横岳(10:00) − 槁枯山荘(11:00) − 槁枯山(11:45) − 昼食 −
           − 茶臼山(13:00着) − 麦草峠(14:15着) − 青苔荘(15:15着) ・・・ テント泊
 2日目 : 青苔荘テント場(8:40発) − 高見石小屋(9:30) − 中山(10:50) − 黒百合ヒュッテ(11:30着) − 昼食 −
           − 黒百合ヒュッテ(12:40発) − 東天狗岳ちょい手前(13:50) − 黒百合ヒュッテ(15:10着) ・・・ テント泊
 3日目 : 黒百合ヒュッテ(8:30発) − 渋の湯(10:15着) − タクシーでピラタスへ

-天気-
 1日目 : 天気 晴れ (但し八ヶ岳周辺は雲多し)
 2日目 : 天気 晴れ (但し八ヶ岳周辺は雲多し、朝5時頃に雪、夕方小雨、夜の気温は氷点下)
 3日目 : 天気 晴れ (但し八ヶ岳周辺は雲多し、朝-1℃、下山後下界は+28℃)
  今年のGWは何処に行こうかSNEと相談した結果、キツくなく縦走のできる北八ヶ岳に決めた。
  北八ヶ岳は蓼科山〜天狗岳までの八つの山が連なっていて、南八ヶ岳とは異なり比較的険しくない山である。
  蓼科山は登ったことがあるため北横岳から天狗岳までを縦走することにした。
  とはいっても下界から登るとキツイためロープゥエイを使うことで一気に標高をかせぐことにした。
  85Lザックいっぱいに詰め込んだため今までの山行きで一番の重さかもしれない。30kg以上ある。
  ただ、85Lあっても予定していたものが入りきらずSNEに大きいザックを持ってもらうことにした。
  GWの北八ヶ岳の混み具合も心配だったが、実際のところは、、、
  ピラタス蓼科ロープウゥイ乗り場には車も少なく登山者の格好をした人は数組しかいなかった。
  このロープウゥイ乗り場の駐車場は八ヶ岳では珍しく無料となっている。縦走で数日停めさせてもらうにはもってこいだ。
  ただし天狗岳まで縦走するので渋の湯に下山しても、この場所に戻ってくるのはしんどいかもしれない。
  茅野駅までバスで戻る(\2,200)、若しくはタクシー(\5,500)で戻って来なければならない。

  ピラタス蓼科ロープウェイ下り場の気温は0℃。
  風があたると体感温度はカナリ寒い。
  SNEは4本爪アイゼンを最初から装着した。
  同じロープウェイに乗った2組のグループは北横岳をピストンするらしい。
  
  ロープウゥイ下り場の坪庭は観光者用に歩きやすいよう雪の街道(背丈程)になっていたが、一歩北横岳方面に道をそれると登山者が残したトレースだけとなった。
  駐車場でザックを背負ったときから思っていたが重すぎる、、、今の体力ではロープウェイ分の標高を歩くのは無理そうな気が。
  
  ここから北横岳はピストンだし、ザックは諦め途中に置いていく事に下した。
  登りは遠くから見たらカナリ急斜面に見えたが実際はジグザグに登っていくのであまりキツくない。
  尾根まで登ると木に囲まれた北横岳ヒュッテが見える。
  この先から直登となる。
  雪は多いが固まっていて登りはいいがアイゼンなしの下りのことを考えるとちょっと心配だった。
  手前のピークには風が強く雪が付かないようだ。
  ここから2〜3分程の距離に北横岳がある。その尾根は雪がついていてトレースがなかった。

  10:00 北横岳(標高2,480m)に到着。
  目の前の蓼科山から左に北アルプスが広がり、穂高連峰、乗鞍岳、中央アルプスとすばらしい眺めだった。
  ただ風が強く寒かったのでそこで留まる事はできなかった。
  下りは一瞬だった。途中でこれから向かう縞枯山荘が見えた。
  
  坪庭を周り、縞枯山荘までは背丈以上の雪の壁となっていた。数分間だが気持ちよく歩ける。
  
  縞枯山荘から先は人の気配もなく、4方向の分岐から先は昨日今日のトレースがなくなった。
  ただ冬シーズン中にできたトレースの跡は分かるので道をはずれる事はなかった。
  縞枯山はなだらかな山なのでほぼ直登が続くがザックが重く、SNEについていくのが精一杯だった。
  縞枯山山頂(標高2,403m)はピークを示す標識もなくただ枯れ木が点々としているだけで、ちょっと期待はずれである。
  ここで1組のスノーシューを履いてきた人と会う。麦草峠からきたらしい。この2人とは明日も天狗手前で会うことになる。
  この先のトレースは私たちがつけてきているので大丈夫ですよ。と言われ少し安心した。
  
  次は茶臼山であるが、一度下らされてからの登りになる。
  途中、お昼にする。ロープウゥイからは北横岳山頂以外では地面にはすべて雪が付いていて、GWになってもきれいな雪なので食事には使えそうだった。
  茶臼山手前で登山道から外れ西側の展望台にでるとすばらしい景色が広がった。
  ここでは麦草峠から登ってきたと思われる10人位のグループでにぎわっていた。
  天狗岳から南八ヶ岳が目の前に広がる。
  風がなければ何時間でもいられる場所だった。
  
  茶臼山山頂(標高2,384m)は標識はあるが気に囲まれていて視界がなかった。

  ここから麦草峠まで一気に下る。大石峠をすぎ、国道299号(メルヘン街道)に出ると久々に地面を見た気がした。
  麦草ヒュッテからは先は疲れた体にはキビしく体力の限界が近いのを感じた。
  
  15:15 白駒池にある青苔荘に到着。
  テントがいっぱいで張れなかったらどうしようと思ったが、、、、
  一張りもなかった。
  というか、山小屋のおっちゃんは3月末以来誰もテント張ってないよ。と言われた。
  えー、八ヶ岳ってそんなもんなんですか?って聞いたらGWでもこの辺は混まないとのこと。
  八ヶ岳は厳冬期に行った行者小屋のイメージがあるんだけどな、、、あの時はテント場すごいことになってたけど。
  白駒池はまだ何十センチも氷(雪)で覆われている。
  普通はGW中には溶けるらしいが、今年はいつ溶けるかも分からない、ここ十年こんな大雪はみてないと言っていた。
  水場は白駒池に穴掘ったのでそこから汲んでくださいとのこと。
  実際に行ってみると池の10m先位に穴が掘ってあった。穴を覘くと50cmは氷(雪)の厚みがある。
  水はすごくきれいだった。
  
  誰もいないテント場でどこに張ろうか悩む。
  数日前にも10cm位の雪も降ったらしく、場所見つけてスコップで雪を平らにするのは一苦労である。
  そうこうしていると山岳部っぽい学生がきてテントを張ってからはにぎやかになった。
  テントの中で夕飯を食べ19時には寝た。
  雪と風の音で朝5時頃目を覚ました。これはまずい。一人だったらいいがSNEもいるのでロープウゥイまで戻ることも考えた。
  シュラフから出ると寒いのでまた寝る。
  ざっと12時間位寝だろうか。
  


  2日目


  7時頃目を覚ますと雲も少なくなり、太陽がたまに顔を覗かせていた。
  学生達はテントを設営したまま一足先にどこかに向かった。
  8:40 出発
  ザックの重さは変わらない、、、
  昨日と同じスローペースで高見岩小屋をめざす。
  この小屋の沢山の大きな岩の脇にあり、この高見岩を登ると昨日泊まった真っ白な白駒池が見えた。
  
  中山(標高2,496m)を越し、東側が切れ落ちた尾根に入ると天狗岳が近づいてくる。
  天狗岳は昨日までの山とは違い迫力のある山だと思った。
  
  15:10 黒百合ヒュッテに到着。
  テントは3張りあったが、風が強くその内の一つのテントが逆さまになって今にも飛ばされそうだった。
  横目で見ながら風のあたらなそうな場所を探しテントを張る。
  テントの周りを雪のブロックで覆い風が入らないようにした。
  昼食作るのも大変だったので小屋でラーメンをいただいた。
  
  天気も悪くないので空身で天狗岳をピストンすることにした。
  小屋にいた人にルートを聞き、黒百合ヒュッテから直登してスリバチ池をまいて登った。
  天狗岳山頂までもうすぐというところでSNEがぶーたれはじめ、急な斜面が現れたところで諦めた。
  やはり雪が怖いようだ。
  今回はピークを目指すのが目標ではなかったので、下るコツを教えながら下った。
  テントの中で夕食後、暗くなると風が強くなり小雨も降り出しす。
  外の気温は氷点下となっていた。
  


  3日目


  朝、太陽の日差しで朝からテントの中は温かかった。
  バスの時間に間に合うよう8時半頃渋の湯に向け出発。
  標高が下がってくると地面の雪が氷となり、アイゼンのない私にはキビシいものがあった。
  登山道の端から端まで凍っていると歩くことができなくなり、登山道から上に下にと大きく外れ最後の方はほとんど登山道ではないところを歩いてた。
  
  渋の湯にかかる橋をわたると、全く雪がなくなり、今までの雪山登山が不思議に思われた。
  渋御殿湯で温泉に入りタクシーでピラタス蓼科ロープウェイに向かった。
  この日のお昼過ぎ東京では30℃近くまでいったらしい。3日間0℃位の場所で暮らしていたので下界はひどく暑く感じた。
  


  この北八ヶ岳がなぜGWの山行きに選ばれないか考えた。
  GWでも八ヶ岳は冬山であるが、経験、体力のある人は北八ヶ岳を選ばないのでないだろうか。
  確かに北八ヶ岳はすばらしいと思うが、それ以上に南八ヶ岳、アルプス方面には期待できる何かがある。
  ましてやテントを担ぐ人はなおさら北アルプスに入るような気がする。
  穂高 涸沢のGWはカラフルなテントで多い尽くされると聞く。
  今回の南八ヶ岳縦走は、あまり人と会わず静かに過ごせたのでよい山行きになったと思う。


    ・ ピラタス蓼科ロープウェイ:1100円 x 2名
    ・ 白駒池テント設営料:600円 x 2名
    ・ 黒百合ヒュッテ テント設営料:900円 x 2名
    ・ タクシー代:5500
    ・ 渋の湯温泉代:600円 x 2名





戻る