みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報

みちのくの温泉めぐり byONKEN21


第2章 鳴子・花巻の温泉

(行き:国道4号線沿線/宮城県北部・岩手県の温泉)

 白石からR4で仙台を通り越し、大和町から岩出山町方面へR457の横道に反れます。やはり宮城の温泉と言えば、鳴子温泉を通り過ぎることはできないですね(^^) 岩出山では独眼竜・伊達正宗が仙台へ進出する前の本拠地。城跡に正宗の銅像や「有備館」と言う美しい庭園もあります。 

そんな岩出山からR47号に入り、半年ぶりの鳴子です。今度は一人旅なんで、昨秋 のように時間に追われ、はしご湯が嫌いな同行者がいたりして入浴できなかった借りが返せると言うものです。

田畑から山合いに入り、JR川渡温泉駅を過ぎR47が右折する交差点を直進、川渡温泉 のゲートをくぐり江合川の川渡大橋を渡ります。橋を渡ってすぐに右折。少し行くと共同浴場の「川渡温泉浴場」があります。最初、勘違いして奥の山すそを探しまくっていました(^_^;)。共 同浴場が掲載された地図があります。

 

5.川渡温泉浴場

川渡温泉浴場は旅館街と言うより住宅街の中にあり、駐車場も特になく、付近の路駐するか、西の方にある川渡公民館の駐車場に止めるより他なさそうです。中へ入るといきな り、「組合員以外の入浴は固くお断りします」との掲示があり、何だ、ジモ専か、これは入ってはいけないな、と一瞬思ったのですが、「但し、組合員以外の方は200円を料金箱に入れて下さい」 との掲示が。

この矛盾した掲示に入浴していいものかどうかしばらく考えていましたが、お金を払ってマナーよく利用すれば問題ないのだろうと考え、入浴しました。他の温 泉のHPでも多くのレポを見かけていますし…。ただし、こう言った掲示が出ると言うのは、外来者がかなり問題を起こしている証拠だと思われます。完全ジモ専にならないよう、無銭入浴など 論外ですが、マナーよく利用したいものです。

脱衣所に入り、200円を料金箱に入れます。脱衣所と浴室はガラスで仕切られ盗難防止にはいいですね。浴場へ入ると目に飛び込んだのは「茶緑色の湯」。これはいきなり強そ うなお湯でかなりビビリました。浴槽は結構広く20〜30人は入れるかな。地元のお年よりが10人くらい入浴していました。

お湯は脱衣所側からやや加水された湯が投入され、掛け流しにされて います。お湯に入ると白っぽい湯の花がビッシリ漂っています。においは少し硫黄の香りあり。ちょっと熱い(地元の方によるとそれでもぬるめだそう)のと、濃い成分のせいです ぐにのぼせてきてノックアウトです。

「かっけ(脚気)川渡、かさ(皮膚)鳴子」と言われる川渡の湯ですが、その強烈な湯には驚きました。地元の方も私に「この湯は入浴中は何でもないけど、後で(疲れて)くる よー」とおっしゃっていました。にもかかわらず、この後、無謀にも鳴子の「滝の湯」へはしごするわけですが、滝の湯は意外とあっさりしていて拍子抜けしたほどなんです。鳴子の湯は奥が深そう ですね。 

成分表ですが、脱衣所にありました。鳴子と言えば屋代さんのHPのものが詳しいので、そちらをご覧下さい。実は鳴子では記録用のデジジタルビデオカメラが不具合を起こし、成 分表が記録されてなかったんです。鳴子以外は何とか記録できたのですが、屋代さん、助かります。一部抜粋すると

源泉名:川渡支所前源泉
泉 質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉 (旧 名)含重曹-硫黄泉
泉 温:54.0度 pH値:7.2 密 度:1.0018
溶存物質計:1143.9mg/kg 成分総計:1161.8mg/kg
参考:鳴子観光協会屋代さん熊谷さん仙台から行く日 帰り温泉うふっ(*^^*)さん



6.鳴子温泉「滝の湯」

いよいよ道中最強温泉、宮城県の鳴子温泉共同浴場「滝の湯」に入ります。 

川渡温泉からは車で8KM10分位です。滝の湯駐車場は意外な場所にあります。滝の湯前は 駐車禁止なので戻って左折、さらにすぐ左折して坂を上がります。小学校入口を入ると、温泉神社の境内があり、その敷地にたくさん止められます。駐車場から石段を下りると、共同浴 場の裏手に出ます。つまり車で大回りする感じですね。 

滝の湯裏手には数々の樋や湯だめなどが目に付き、中には御神湯が流れています。湯は触ってはいけません。管理人から「やけどするよ」と注意されます(昨秋の経験)。私の 触ったお湯は熱くはなかったですが、所によっては熱いかもしれませんし、共同浴場の御神湯なので汚したくないのもあるんでしょうね。 

滝の湯前を少し通り過ぎると「ゆさや旅館 」の前に入浴券の券売機があります。実は千年以上の歴史のある滝の湯を代々管理してるのがゆさやなんです。ゆさやの宿泊客は滝の湯の入浴料が無料だそうです。ここで150円という格安の入浴券を買います。滝の湯へ入り、受付に入浴券を渡します。滝の湯の受付の上にはこのような古めかしい分析書がありました。

瀧の湯定量分析表(酸性泉)1/1000
色 無色澄明 沈ぎん 少許
臭気 硫化水素(微少) 味 酸味
源泉温度(平均)61.5度 浴槽温度(平均)42度
比重(於摂氏15度)1.0025 
硫酸ナトリーム1.1721 硫酸カルシウム 0.0993 硫酸マグネシゥム0.0163 硫酸亜酸化鉄0.2786 硫酸アルミニゥム0.4984クロールナトリゥム0.0886 クロールカリウム0.0316 クロールアムモニゥム0.0044 燐酸アルミニゥム0.0026 メタ酸0.2727 硼酸0.0042 遊離硫酸0.5642 遊離硫化水素0.0041
以上定量分析ノ成績ニ依レバ本水ハ酸性泉ニ属ス
依テ之ニ適応スル湯治効能ノ概要ヲ掲レバ尤ノ如シ
〔効能〕
劇症ノ粘液漏及慢性加答児 産前産後 梅毒性潰瘍及頑固ノ潰瘍 小児クサカケ一切病癖○及粘膜ノ弛緩ヨリ来ル下痢 眼病 虚性出血 其他慢性皮膚病 頭痛眩暈逆上等

右大正六年五月分析

内務省東京衛生試験所所長
    衛生試験所技師 薬学博士 田原良純
    主任衛生試験所技手 瀬川林次郎

浴室の中へ入ります。草津の共同浴場のような古い木造の建物に白濁した湯が満た され、本当、東北の温泉に来たなといった情緒を感じます。手前は広い浴槽に上から湯が注がれ奥は狭く区切ってあり、数本の打たせ湯があります。奥は結構ぬるく長湯できる感じ。打たせ 湯に打たせると気持ちいいです。

お湯は少し硫黄臭がし酸っぱい感じがします。でも川渡温泉浴場や早稲田桟敷湯に比べ、想像以上にあっさりした感じがしました。早稲田桟敷湯は数秒でダウンでし たが、滝の湯はそれほどではありません。川渡の強烈なお湯に入った直後だけに滝の湯でダウンしないか心配でしたが、これなら大丈夫です。滝の湯のすばらしいお湯に出たり入ったりして1時 間は満喫しました。浴後はホカホカして非常に暑いです。この日は寒い日の夜でしたが…。 

最新の分析書は脱衣所にありましたが、あまりに暗い場所なので、見えませんでし たし、ビデオも写ってませんでした。なので、屋代さんの分析書をご覧下さい。一部引用すると、

源泉名 町有下地獄混合源泉、温泉神社硫黄泉
泉 質 酸性含硫黄-ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄(2)-硫酸塩泉
     低張性弱酸性高温泉 (旧 名)酸性含明礬・緑礬 芒硝硫化水素泉
泉 温 46.2度 pH値 2.8 密 度 1.0009

※参考HP:鳴子観光協会、屋代さん(川渡の項参照)、ゆさやNHKふだん着の温泉仙台から行く 日帰り温泉※みしゅらん関係:みしゅらんめがねさん、うふっ(*^^*)さん 

もっと鳴子の湯に浸かってみたい気がしましたが、道中は長いです。夜も更けてきました。鳴子は2湯で切り上げて、栗駒町を通って、岩手県に入ります。一関や平泉を通り、 前沢からそれて、R343の北上川の藤橋のたもとに「道の駅みずさわ・川と緑の花街道」があります。 ここは北上川のほとりで非常に静かな環境にあり良かったです。おまけにあの鳴子滝の湯の成分を肌に残しての車中泊でよりすばらしいですね(^^)。朝の散歩も快適でした。



7.大沢温泉

いよいよ岩手県の温泉に入ります。みちのくの温泉めぐり3日目の5/2(金)の日程は以下の通りでした。

道の駅水沢6:15(594.2km)→<R4他>→花巻・大沢温泉7:55〜10:35(647.0km)→
鉛温泉10:45〜12:15(653.1km)→<県道37・R4>→盛岡・岩手公園14:55〜15:55(716.7km)→<R282・県道23>→八幡平・御在所18:15(772.5km)→<R282=東北道と並行>→ 湯瀬温泉(秋田県)19:30〜20:20(833.1km)→<R282小坂・坂梨峠経由>→道の駅碇ヶ関(青森県)22:55(895.7km)  

早朝の道の駅水沢を出発し、牛丼店で朝定食を食べ、北上の少し先で左折します。途中から県道12号に出て、山あいになると花巻温泉郷です。松倉、志度平、南花巻 渡、大沢、山の神、高倉山、鉛、新鉛と続きます。 このうち栃木のSさんおすすめの大沢温泉と鉛温泉に入浴することにしました。 

花巻温泉郷に入ると満開の桜が出迎えます。一番きれいだったのが大沢温泉入口。 近くでは北上の展勝地の桜が有名ですが、花巻もなかなか。 

最初、温泉と縁の深いお社(立派な金精様の像があります)を参拝したあと、豪華な新館の旅館部・山水閣を横目に、木造の自炊部にある受付に向かいます。旅館部も自炊部 も従業員が玄関に立ってサービスに努めている点は好感が持てます。温泉へ入る前から一発で今度は泊まりたいと思った程です。受付で入浴料400円を払います。  

大沢温泉では「豊沢の湯」(山水閣半露天風呂)、「南部の湯」(菊水館木造風呂)、「薬師の湯」(自炊部大浴場)、そして有名な「大沢の湯」(自炊部混浴大露天風 呂)の4ヶ所に日帰り入浴できます。400円で入り放題ですから、お得ですね。もちろん4ヶ所すべてに入らせていただきまいした。その他、山水閣専用の「山水の湯」「家族風呂」もあ るそうです。4ヶ所を風呂別に述べます。

(1)南部の湯 
9時から清掃時間に入るとのことで、最初に入りました。自炊部から一旦外に出て露天風呂の眺めがすばらしい豊沢川の橋を渡って、別館で茅葺きの屋根が印象的な「菊水館」に 入ります。ログハウス調の浴場はまだ真新しく、木の香も香しいです。風呂は10人程度は入れる小ぶりなもので、窓はなく半露天風呂の趣。桜が美しい花見風呂。無味無臭無色透明の肌ざわりの優し い湯が掛け流されています。

(2)大沢の湯 
いよいよ一番の名物の露天風呂です。再び自炊部へ戻り、階段を下りると露天風呂へ出ます。平日とあってお客も2〜3名と少な目。若い女性の方も入浴していました。  

ここの目玉は何といっても露天風呂からの川の眺め。露天風呂の浴槽の壁の向こうは川です。向こうには菊水館と背後の山々を望めます。この日は雲ひとつない晴天で暖かい“露 天風呂日より”、最高の湯浴みを満喫させていただきました。こんなにいい温泉は山みず木以来数年ぶりです。 温泉は2ヵ所から豊富に投入され、下流側で川に捨てている掛け流しです。

(3)薬師の湯 
自炊部に入り、浴室棟へ入って2階から1階へ下ります。入り口からさらに階段を下ると脱衣所があります。浴室は川面と同じ高さにあるんでしょうか。お湯を掘ら ず、浴槽を低い場所に設置するのは鉛温泉も同じで、いいお湯が期待できそう。 浴槽は2つ。両方とも10人くらい入れます。ここの湯は少し熱めで一番効きそうな 感じがしました。さすが湯治客の多い自炊部だけはありますね。

(4)豊沢の湯 
自炊部の受付を通り過ぎ1階へ下り、旅館部の山水閣の建物に入ります。豊沢の湯 入口から先は山水閣専用で日帰り客や自炊客の立ち入りはできません。ヘアトニックやリキッド類、ブラシもあり。 川べりの方の窓がない豊沢の湯と同じ半露天風呂。でも浴槽は数十人は入れると思 われるほど広いです。でも温泉はきちんと掛け流しでした。ちょうど清掃を始めたところでしたが、念入りに掃除をやっている姿に感心致しました。 

最後に成分表ですが、4ヶ所の浴場の脱衣所すべて同じものが掲示してありまし た。

温泉の成分
1.源泉名 大沢の湯
2.泉 質 アルカリ性単純温泉
3.泉 温 51.3℃(気温20.4℃)
4.pH 値 9.2
5.ラドン(Rn)含有量 2.05×10^10キューリラドン/kg(0.56マッヘ/kg) 
6.温泉1Kg中の成分及び分量
H=0.0 Na=181.8 K=0.9 Mg=0.0 Ca=4.4 総鉄=0.1 Al=0.4 陽計=187.7
F=4.6 Cl=60.8 硫酸=20.48(実際は214?) 炭酸水素=92.9 炭酸=12.3 陰計=384.6
メタケイ酸=27.2 メタホウ酸=0.0 遊離炭酸=0.1 遊離硫化水素=0.1 溶存物質・成分総計 0.5995g/kg
総ひ素=検出せず
7.温泉分析年月日(分析書発行年月日) 平成5年7月30日
当温泉はこれらの病気に特効あります
●神経痛 ●リュウマチス ●胃腸病 ●婦人病 ●その他病後の保養

みしゅ らんレポ http://www.oosawaonsen.com/



8.鉛温泉「藤三旅館」

岩手県花巻市の大沢温泉に寄ったあとは日本一深い立ち湯の温泉として長年気になっていた鉛温泉へ話のタネに行ってみることに。大沢温泉からは豊沢川をさらに上流へ。 車で10分とかかりません。さらに鉛の奥、新鉛はすごく近代的なホテルですね。 

通りから坂を下った川沿いに鉛温泉の一軒宿「藤三旅館」があります。藤三旅館は 旅館部と自炊部があり、入口はそれぞれ異なっています。私は旅館部の玄関に。その玄関がまた古びていて情緒があります。まさに懐古。古き良き温泉を思い出させます。  

中に入ると旅館の方が実に丁寧に対応して下さいます。大沢温泉に負けず劣らず。まず旅館部に入って上流側にある浴場を目指します。1階が龍宮の湯、2階が白糸の 湯(アトミック風呂)でしょうか。男女交代で使用しています。残念ながら私が行ったお昼時は掃除中で入れませんでした。浴場は見させていただきましたが。後で知ったのですが、ここは「上の 湯」という他とは別源泉らしいです。残念。 

次に下流側、自炊部浴場の「河鹿の湯」へ入ります。4〜5人くらい入れる小さな浴槽に、無味無臭無色透明(まろやかな味)の熱い温泉が掛け流しとなっています。窓からは 豊沢川の流れが望めます。ここは「下の湯」という源泉らしいです。分析書は下の投稿をご覧下さい。 

いよいよ日本一深い温泉「白猿の湯」へ向います。自炊部と旅館部の中間あたりに その浴場があります。炊事場や売店、廊下もまたレトロチックで古き良き温泉場の風景を連想します。白猿の湯入口の扉を開くとはるか下にその浴槽があり驚きました。階段をはるか下へ 下ると脱衣所があり、そのそばに円形の深い浴槽があります。端の方にはぬるくて浅い浴槽もあります。この日は湯治にいらした男女のお年寄りが2〜3人入っていました。  

ついにその深い浴槽に足を踏み入れます。いきなり深いと危ないので2段になっています。一番深いところに入ると肩まで入ってしまいました。私って背が低いので、溺れない かと一瞬ヒヤリとしました(^_^;)。うーん本当深いですね。子供は溺れてしまいますね。一番深いところにはパイプが通じ、温泉が注入されています。注入面は川の水面と同じなんでしょう か。でもだんだん深くなっていると言う話を聞いた事があります。 

お湯はぬるめで長湯向け。源泉名は「桂の湯」で無味無臭無色透明、河鹿の湯(下の湯)とほぼ 同じ感じがしました。もちろん溢れており掛け流しです。白猿の湯は本来は混浴ですが、午後7:00〜8:30(編注)までが女性専用時間帯となるそうです。日帰り入浴については 7:00〜20:30(閉館21:00)で入浴料500円です。すべての浴室に入浴できます。 (編注:jaiさんからの情報により訂正)

最後に旅館部の若旦那さんに源泉についてお尋ねしました。全部で4つの源泉があ り、上の湯(白糸・龍宮)・下の湯(河鹿)・桂の湯(白猿)の他、「中の湯」という源泉もあるそうですが、現在は使われていないそうです。その若旦那さんには帰りの時は、日帰 りなのに「また是非いらして下さい」との丁寧な挨拶とともにお見送りまでしていただき感激しました。

若旦那さんはたぶん私と同世代とお見受けしましたが、にもかかわらず、みちのく人って本当に情が深いです ね。 次回は是非泊まってみたい宿でした。

みしゅ らんレポ
鉛温泉藤三旅館 
岩手県花巻市鉛字中平75-1 旅館部TEL0198-25-2311 自炊部TEL0198-25-2901
http://www.ginga.or.jp/namari-onsen/

鉛温泉の2源泉の成分分析書及び湯治の方法・適応症は以下の通りです。

※自炊部浴場にて
温泉の成分
1.源泉名 鉛温泉(下の湯)
2.泉 質 単純温泉(弱アルカリ性単純高温泉)
3.泉 温 50.2℃(気温5.0℃)
4.pH 値 8.4
5.ラドン(Rn)含有量 0.21×10^10キューリラドン/kg(0.06マッヘ/kg) 
6.温泉1Kg中の成分及び分量
H=0.0 Na=167.1 K=2.5 Mg=0.1 Ca=14.3 総鉄=0.0 Mn=0.0 Al=0.0 陽計=184.0
F=2.5 Cl=59.2 硫化水素=0.1 硫酸=256.6 炭酸水素=98.9 炭酸=2.1 陰計=419.4
メタケイ酸=52.0 メタホウ酸=4.4  非解離計=56.4 遊離炭酸=0.7 遊離硫化水素=0.0 
溶存物質=0.6598g/kg 成分総計=0.6605 
総クロム<0.005 銅<0.01 Cd<0.001 鉛<0.001 総ヒ素=0.079 総水銀<0.0001
7.温泉分析年月日(分析書発行年月日) 平成14年1月18日
8.分析機関 社団法人 岩手県薬剤師会

※白猿の湯にて
鉛温泉(桂の湯)分析成績表
本泉は微かに硫化水素臭を有し無色透明、痕跡的に苦味を有す
泉温45.5度(気温1度) 
反応はアルカリ性(pH7.8)にして 本泉一立中に含有する各成分の匙量次の如し
固形物総量 736.8 塩素64.0 硫酸285.5 ヒドロ炭酸132.0 硫化水素0.8 遊離炭酸0.6 珪酸59.8 硼 酸11.0
ナトリウム199.1 カリウム2.3 カルシウム20.7 マグネシウム微量 鉄 微量 アルミニウム 微量 放射能元素
分析者 東京大学教授 野口博士 名古屋工業大学教授 下方博士
ラジウムエマナチオン1.18 トリウム4.0
以上の成績に依り本泉は含芒硝硫化水素単純泉に属するものとす

湯治の方法
一、入浴の心得
1.本泉の温度は浴槽で摂氏42乃至44℃である
比較的ぬるい湯は鎮静作用があり熱い湯は興奮作用がある。従って神経質、心臓病の人、睡眠前の入浴の場合はぬるい湯の方がよい。
2.入浴する前には全身にかけ湯をし脳貧血、血圧の急激な変動を避けた方がよい。
3.入浴は朝夕、特に午前六時乃至八時頃がよい。満腹時、疲労時は避けた方がよい。
4.入浴回数は一日に通常二回、三回を限度とす。
5.入浴時間は一回十乃至15分とし心臓・血管の弱い人、のぼせ性の人は微温浴にし 時間を短縮する。又は頭に冷湿布しのぼせを予防する。
6.入浴後一時間は必ず袴中に臥し保温休養する。
7.湯治期間は通常三乃至四週が適用である。
ニ、飲湯の心得
1.温泉水は湧き口で汲んだものがよい。
2食前半時間又は空腹時(例えば午前六時乃至八時)に一口づつゆっくりと十分かニ十分を費して飲む。
3.温泉水はそのまま薄めず一日に湯呑みで一杯乃至十杯を一回か二回に分服する。           鉛温泉医学研究所

鉛温泉適応症
一、浴用
1.疲労回復・病後保養
2.神経系疾患…神経痛・ヒステリ及神経衰弱・軽度の脊髄疾患・各種中枢性及末梢性 神経麻痺
3.運動系疾患…各種ロイマチス・腰痛・関節炎・五十肩・外傷による後胎症
4.胃腸疾患…胃酸過多症・慢性胃腸カタル・胃潰瘍・常習便秘
5.新陳代謝病…糖尿病・肥満病・痛風
6.小児疾患…一般虚弱体質・腺病質
7.循環器疾患…軽症なる心臓疾患・高血圧
8.呼吸器疾患…慢性気管支炎・喘息
9.各種慢性婦人科疾患
10.慢性皮膚市疾患・痔等
ニ、飲用
慢性消化器諸病、常習便秘、貧血、軽症なる動脈硬化
肝臓疾患・慢性腎臓炎・痛風・糖尿病、肥臓病

※湯治パック6,000円〜(平日)
※自炊部得とくパック(室料+布団+テレビ、1泊2食付き)平日/税別3,900円〜
★夏季2,600円〜(室料+布団+テレビ+浴衣)
★冬季3,300円〜(室料+布団+テレビ+丹前+毛布+コタツ)
●室料(一人)1,500円〜●昼食500円〜 ●定食1,800円〜
※お鍋・食器類は無料貸し出しです。



◎花巻温泉郷 

鉛温泉をお昼頃出発。次はぐるっと山を廻りこんで花巻温泉・台温泉を下見。実は第1回温泉旅行検定※で花巻温泉郷が出題され、間違えた記憶があるんです。正解を自分の目で 確かめる時がきました。花巻温泉は近代的なホテルがありますが、その奥、湯元の台温泉は山の中のこじんまりした旅館街で風情がありますね。中には猛烈に蒸気を噴出す源泉井戸があり、花巻に こんな高温の温泉が出るんだ、と驚きました。

※第1回温泉旅行検定試験より(2000年6月11日実施)

3.以下の文は彫刻家・詩人として知られる高村光太郎が戦後7年間にわたり独居・自 炊の生活をしながら、最愛の妻智恵子をなくした心の傷をいやすため、創作活動を続けた花巻温泉郷についての印象を綴った随筆の冒頭部分です。〔「旅の手帖」昭和31年3月号から〕 文中の( )にあてはまる温泉地並びに説明にあてはまる温泉地を、それぞれ記号で選びなさい。

『花巻市から、ちょうど宮沢賢治の詩の中に出てくるような、夢の話みたいな可愛ら しい電車がトコトコと東西へ分かれて走っている。東の方が花巻温泉へ行く花巻線でその奥に(101)があり、西は(102)、(103)、鉛の各温泉を経て西鉛温泉へ至る鉛温泉郷である。この東西の温 泉郷を総称して花巻温泉郷と呼んでいる。この頃新しい旅行者たちは、花巻駅に降り立つとたいてい高級車を駆って一目散に目的の温泉に飛び込んでしまうが、そのひと飛ばしの距離を、花 巻へは半時間、鉛へは1時間かけて走っていく軽便鉄道は、いかにもローカル色豊かで旅情をそそられる。 鉛温泉の一番始めにあるのが温泉プールで名を挙げた(102)で、現在はオリンピッ クの水泳選手の合宿所にもなっている。雪が降っても水泳ができるのが売り物で、よく雑誌の口絵などを飾っている。次の停車駅は(103)で、豊沢川を挟んで両側に温泉宿が建っている。(102)よ りも風景も勝れ、人々も純朴で、温泉の質もなかなかいいので、私もよくここの山水閣に行って泊まった。』

(104)豊沢川の渓谷を望み、3つの大浴場すべてが露天風呂付きで温泉を楽しめ、坂上田村麻呂が発見したと伝えられる歴史ある温泉地はどれか。
(105)湯治場の情緒が残り、湯量の豊富さが花巻温泉随一の温泉地はどれか。

(101)〜(105):選択肢a.〜d.共通
a.志度平温泉 b.台温泉 c.鶯宿温泉 d.大沢温泉
http://www.jtb-hrs.co.jp/

(※編注:答えは第5章のこちら

日程が遅れ気味なので、台では入浴せずに出発、盛岡を目指します。R4号では「道の駅石鳥谷」に立ち寄ります。ここは岩手県第1号の道の駅で図書館併設なのが珍しいです。 ちょっと現地の温泉本を読んできました。無明舎出版の「青森の温泉」「青森の公共温泉」という本を見つけ、以前行った黄金崎不老不死・浅虫・奥薬研・古牧・大鰐・健康ランド・さんない及び これから行く湯ノ沢・古遠部のページを読みます。無明舎出版では東北各県の温泉本も発行しているようです。


◎盛岡のじゃじゃ麺 

R4号を快調に北上、盛岡に入ります。盛岡の名物と言えば「わんこそば」に「冷麺」に「じゃじゃ麺」ですね。そのうち、宮城の小原郵便局員の方がオススメしていたのがじゃ じゃ麺なんです。るるぶ北東北を見ていたら、「白龍(パイロン)」と言うじゃじゃ麺発祥の店が載っていたので、 そこで食べることに。ただし駐車場がないので岩手公園地下の有料駐車場に止めます。1時間300円。 

白龍に入ると中は人でいっぱい。人気ありそうですね。メニュー見て、いきなり 「鶏卵湯(チータン)下さい」と言ったら、店の人は変な顔しました(^_^;)。実はじゃじゃ麺を食べ終わったあと、その残り汁 と生卵とチ−タンを混ぜ合わせて飲むスープなんです。後で食べ方を書いた張り紙を読んで、初めて食べるものはコワイナと恥ずかしくなるのでした。ちなみにじゃじゃ麺の大盛 りは普通盛の2倍だそうです。 

きしめん風の麺を皿に盛り、肉みそやきゅうり、ラー油を混ぜ合わせた焼うどんみたいな感じですね。食べ終わった後、チータンの卵スープもおいしくいただきました。最高にう まいっす! 

この後、さらに北上、八幡平の温泉を目指すも、17時以降夜間通行止めで、八幡平アスピーテラインの御所平でバーが下りていました。やむなく引き返して東北道と並行するR 282の安比・安代経由で秋田県鹿角市を目指します。P.S.南三陸地震(5/26発生)で被災された方々へ、お見舞い申し上げます。


もどる目次すすむ