世界でも伊豆諸島の神津島と御蔵島にしか生息しない珍しい種類です。しか
も、近い種類は遠く離れた中国大陸にすんでいるだけです。神津島のものと御
蔵島のものは形態的には違いはありませんが神津島のものが比較的大型の個体
が多い特徴があります。
神津島では、5月上旬、御蔵島では5月中旬からまず雄が姿を現し、約1ヶ
月ほど遅れて雌が姿を現します。雄は雌の出現する穴を探して陣取り、後から
やってくる雄と戦い勝ったものが雌を獲得します。
交尾の時は雄が雌を大腮で挟みます。時には雌を大腮で挟んで運ぶ様子も観察されてい
ます。
他のクワガタムシのように樹液に集まることは
ありません。移動方法は歩行のみで林床や道路を
歩く姿が見かけますが飛ぶことはほとんどありま
せん。そのため側溝に落ちるとはい上がることが
できずにそのまま死んでしまうことがあります。
幼虫は腐葉土を食べて育ちます。初令、2令
(左の写真参照)、終令と成長した幼虫は地中深
いところに蛹室を作り、羽化した成虫は翌年地上
に出て活動し、1ヶ月ほどで死んでいきます。
ミクラミヤマクワガタの特徴は珍しさだけでなく、色彩も変化に富んでいます。
全身黒いもの、頭と胸が赤いもの、羽に黄色っぽい紋があるものが見られます。
特に羽に黄色い紋がある黄紋型は数が少なく貴重です。
(左から、黒色型、黒色黄紋型、雌の頭胸部赤色型、黄紋型)