1.特徴
伊豆諸島には人気のあるオオクワガタは生息していませんが、
ヒラタクワガタは生息しています。
本州のものに比べ大腮が短い個体が多く見かけます。島ごとにはっきりとし
た違いは見られませんが、利島のものは腹部の末端が丸みを帯びています。
どの島でも個体数は多い方ではありません。
大きさは最大で60mmほどでほとんどが50mm未満で、本州のものと比
べると小型です。
八丈島に生息するハチジョウヒラタクワガタとは、共通した特徴や連続した
変異は見られません。
三宅島の個体は数が少なく採集例があまりありません。
(右は利島のヒラタクワガタで54mmの大型個体)
2.生態
沿岸部に多く、標高の高いところには見られません。分布が不連続で神津島に生息していない
のは、平地が比較的少ないためと考えられます。
成虫はオオバヤシャブシの樹液に集まり、樹皮のはがれた部分やうろに潜んでいますが、
燈火にも集まります。
利島と、式根島のものは歩行性があり、歩行中の個体を見かけることがあります。
幼虫はオオバヤシャブシなどの朽ち木の根を食べて育ちます。
(右は樹液を求める大島のヒラタクワガタ50mm)
(左から、路上を歩く式根島の小型個体、朽ち木から割り出した新島の幼虫と新成虫、樹液に来た新島の雌)