「草野球の窓」くまの穴
第3章(3)三人制審判の連携動作
D.内野ゴロのときの連携動作

 四人制審判のときとは異なって、三人制審判では常にどこか一個の塁は審判員が不在の状態です。内野ゴロが打たれたとき、打者や走者の進塁の具合によっては、その不在となった塁を球審または一・三塁塁審の誰かがカバーリングしなければなりません。この項ではそのカバーリングについて説明いたします。

<走者なしの場合>(図92)
(1) まず最初に一塁塁審が打者走者に対する一塁での判定を行うために移動します。

(2) 三塁塁審は一塁悪送球による打者走者の二塁進塁に備えるため、内野内の二・三塁間に入ります。もし一塁悪送球となって、打者走者が二塁へ向かって進塁を始めましたら直ちに二塁へ走ります。二塁上でタッグプレイが発生しましたときは、その判定を行います。

(3) 球審は内野ゴロに対してフェアを宣告した後、送球の行方と三塁塁審の動きに注意します。彼が二塁へ走りましたら空いた三塁をカバーするため三塁に走ります。したがって打者走者に対する三塁でのタッグプレイは球審が判定します。

(4) 悪送球を機に打者走者が二塁へ向かいましたら、一塁塁審は本・一塁間に移動します。打者走者の一塁触塁を確認することを忘れてはなりません。そして打者走者が二塁に到達し、三塁をカバーするために球審が三塁へ走ったことにより本塁が空くことになりましたら、直ちに本塁へ向かって、打者走者の本塁進塁に備えます。



<走者一塁の場合>(図93)

(1) 内野内に位置している三塁塁審は内野手の二塁送球に備えます。このとき悪送球があったときは、一塁走者の二塁触塁を確認し、打者走者の二進に準備します。以後、一塁上と二塁上におけるプレイに注意します。もし内野手が一塁走者を無視して一塁に送球したときは一塁走者の二塁触塁を確認し、この次起こるプレイに注意します。

(2) 一塁塁審はフォースプレイを判定する位置に移動し、一塁へ送球が行われることを待ちます。一塁悪送球となったときは、打者走者の一塁触塁を確認した後、本・一塁間のファウル地域に出て球審の動きに注意します。

(3) 球審は内野ゴロに対してフェアを宣告した後、送球の行方に注意します。
a) 二塁に悪送球があったとき
 一塁走者が三塁へ走ってきます。これをカバーするために球審は三塁へ走って、一塁走者の三塁触塁を確認し、タッグプレイの判定を行います。悪送球があっても一塁走者が三進を企てなかった際は三塁へ行くことはありません。
b) 一塁に悪送球があったとき
 一塁走者がアウトになっていないときに一塁悪送球となった際は、直ちに三塁へ走って三塁をカバーします。一塁走者がアウトになった後の一塁悪送球の際は打者走者が三進するまで三塁に走る必要はありません。

(4) 一塁塁審は球審が三塁をカバーするために本塁を離れた際には本塁へ向かって、本塁上のプレイに準備します。



<走者二塁の場合>(図94)

(1) 内野内に位置している一塁塁審は二塁走者の動きに注意しながら、内野手の一塁送球につづくプレイの判定を行います。このとき一塁悪送球があったときは、打者走者の二塁進塁に備えます。

(2) 三塁塁審は二塁走者の三進に準備します。内野手が一塁に送球せず、三塁に送球して、なおかつそれが悪送球となったときは、走者の三塁触塁に注意します。

(3) 球審は内野ゴロに対してフェアを宣告した後、送球の行方に注意します。
a)一塁に送球があったとき
一塁のファウルライン付近へ移動し、打者走者の走塁に注意します。もし悪送球となったときは一塁のファウル地域に出て、この悪送球がボールデッド区域に入るか否かを確認します。同時に二塁走者の本進に備えます。 b) 三塁に送球があったとき
三塁のファウルライン付近へ移動し、二塁走者の走塁に注意します。もし悪送球となったときは三塁のファウル地域に出て、この悪送球がボールデッド区域に入るか否かを確認し、同時に二塁走者の本進に備えます。



<走者三塁の場合>(図95)

(1) 一塁塁審は、打者走者に対する一塁での判定を行うためにファウルラインから離れて移動します。

(2) 三塁塁審は三塁走者の動きに注意します。一塁悪送球による打者走者の二塁進塁に準備することも必要なため、内野内の二・三塁間に少し入ります。このとき、内野手の三塁に対するプレイの妨げとならないように十分注意が必要です。打球を捕球した内野手が三塁走者をけん制している間は三塁から遠く離れるようなことがあってはなりません。
 もし一塁悪送球となって、打者走者が二塁へ向かって進塁を始めましたら直ちに二塁へ走ります。このとき三塁走者は球審に任せます。

(3) 球審は内野ゴロに対してフェアを宣告した後、送球の行方と三塁走者の本進に注意します。走者が本塁へ向けて走り出しましたら、本塁上におけるタッグプレイの判定に備えます。

(4) 悪送球を機に打者走者が二塁へ向かいましたら、三塁塁審は二・三塁間のやや二塁に近いところまで移動して、打者走者の二塁触塁を確認します。球審が三塁をカバーできませんので、打者走者の三進に備えるため、二塁に近づき過ぎないように注意します。けれども、二塁上でタッグプレイが発生すると思われるときは思い切って二塁に近寄ります。



<走者が複数いる場合>(図96)

(1) 内野内に位置している一塁塁審は、一塁及び二塁で発生するすべてのプレイの判定を担当します。

(2) 三塁塁審は三塁で起こるすべてのプレイを受け持ちます。

(3) 球審は、内野ゴロに対してフェアを宣告した後、送球の行方と全走者の本進に注意します。走者が本塁へ向けて走ってきましたら、本塁上におけるタッグプレイの判定に備えます。

(4) 走者が複数いるとき、野手の守備がどの走者に対して行われるか、どの塁へ送球するかということはケースバイケースとなり、またアウトカウントによっても異なってきますので、審判員はその都度臨機応変に対処することが要求されます。




   今日も元気に「ストライク!」

(2003.3.9)

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草審判員 くま


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