「草野球の窓」

第74章
「幽霊部員」

【質 問】
 現在部員21名いますが、幽霊も増えてきました。チームの取りまとめをしていますが、いちいち幽霊部員に試合結果や日程を連絡するのが本当に馬鹿らしく思えます。会費を払ってもらってるので無視もできず困っています。一度解散して、やる気のある人だけ再結集するとか、いろいろ考えますが、どうすればすっきりいくのでしょうか。

 読者の方から質問をいただいた。大抵の草野球チームには、いや草野球に限らず報酬を伴わない組織には必ずこの手の人がいる。何も日本人に特有の現象ではない。国の東西を問わず、この手の人は存在する。私が関係しているある国際団体にも大勢そういう人がいて、inactive member をどうするかということが国際会議の場で議論される。つまり、人間であれば誰でもinactive member になり得る。

 一生懸命活動している人達からすれば、部員である以上「幽霊部員」を無視するわけにはいかず、かといってどうせ参加してくれないのに、いついつ試合があるから来れるかといった連絡を取るのはめんどうである。まして、人数がギリギリな場合、参加交渉して頭を下げてやっと来てもらうといった場合、心の中で「コイツ、自分を何様だと考えているのだ! ざけんなよ!!」とむかついてしまうのも当然である。

 「幽霊部員」の多くは野球が好きで、チームのことは気になっており、自分が参加できないことを内心では申し訳なく思っている。しかし、
「仕事や家庭の事情で活動できない」
「野球はやりたいのだがゴルフとか釣りなど他にやりたいことがあり、野球の優先順位は低い」
「暑かったり、寒かったりするとやる気がしなくなる」
「チームの運営や人間関係に不満がある」
「自分は下手で参加しても試合に出してもらえない、だから人数がギリギリで確実に試合に出れそうな時しか参加しない」
「このような事情で不参加状態が長く続くと、参加できる状況になっても何となく気兼ねして参加できない」
などなど様々な理由がある。

 したがって、チームに参加することが何より楽しいという状況を工夫する必要がある。試合や練習の後、皆でビールを飲みながら試合の反省やチームの運営を話したり、逆に試合のことは一切忘れバカ話やカラオケをやるのもよい。下手でもチームにとっていかに重要で存在価値があるかを皆でワイワイ言い続けるのもよい。とにかく、野球をやることが楽しいという状況を皆で考え、実行していくことだ。

 私は個人的には「幽霊部員」のことをチームにとって大事なサポーターと考えることにしている。自分は殆ど活動しないのに、チームのことを気にかけてくれ、部費を払ってくれる。サポーターと考えれば、ファンサービスも気にはならない。ものは考え方で180度変わってくる。

これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。  (平成10年9月3日掲載)



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