「草野球の窓」

第40章
「投手の肩」

 今、シーズンオフである。野球をしたくてもグランドには雪が残っており練習は出来ない。こんな時こそ、シーズン中に傷めた肩を癒し、溜まった疲れを取り除く。プロ野球の選手なら休養と基礎体力作りを兼ねて温泉に行ったり、海外に出かけるが、我々はそうはいかない。草野球チームの年間試合数は20〜30試合が平均的な数であろう。この程度の試合数なら肩を傷めることはなさそうだが、実際には結構傷めるのである。原因はいくつかある。

 その一つは、我流の投げ方をしているためである。体全体を使わず腕の力に頼るため、片や肘に負担がかかる。草野球ではちゃんとした指導者がいないため致し方ない面もある。しかし、以前書いたように、基本であるキャッチボールで、ただ漫然と肩慣らしをするのではなく、どうすればより正確に、より速い球が投げられるか工夫を凝らすうちに、徐々に正しい投げ方を身につけられるものだ。

 第二に、普段ピッチング練習を殆どしていないのに、いきなり試合で力一杯投げるためだ。筋肉や筋がピッチングを支える状態にないのに、腕の力に任せて投げるために筋肉や筋を傷めてしまう。とは言っても、草野球では日常的な練習などなかなかできないのが実態だ。昼休みなど利用して、キャッチボールをやるだけでも大分違うのだが…。

 第三に、試合終了後クールダウンをしないためだ。クールダウンとは、試合終了後キャッチボールを行い、筋肉や筋の状態を元に戻すことだ。これも、草野球ではグランドの使用時間が限られていて、試合終了後、速やかに次のチームのために明け渡さなくてはならないため、クールダウンのためのキャッチボールをやる時間がないことが多い。道具の片付けやグランド整備は他の選手に任せ、投手だけでもキャッチボールをやるようにするとよい。その上で、ユニフォームを脱ぐときに、仲間同士で軽くマッサージをするとよい。さらに、帰宅後アイシングしたり、筋肉疲労回復用の貼り薬や塗り薬を使用する。

 最後に、最も大きな原因であるが、シーズンオフに筋力アップトレーニングを怠っているためだ。シーズンオフには疲労した肩を休めると同時に、ピッチングするために基本となる足腰腹筋、肩や腕の筋肉をアップするトレーニングを行うべきだ。これを怠っていると、年々筋力が低下し、打ち取っていたはずの球を打ち込まれるようになる。それをカバーするために、尚更腕の力に頼る投げ方をし、筋肉や筋に余計な負担をかける。この悪循環である。

 いいピッチングは日頃の地道な努力の積み重ねである。

 これ、ゆめゆめわすれることなかれ。



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