「草野球の窓」

第19章
「打撃の工夫」

 高校野球、K高(以下ケーコー)対K商(以下ケーショー)において、ケーショー打線はケーコー投手に全く手が出なかった。
 ケーコー投手はサイドスローから威力のある直球及び鋭いカーブを外角ギリギリの厳しいコースに投げ、最後はストライクからボールに大きく曲がるカーブでケーショー打線を打ち取っていた。この投球パターンは初回ケーショーの4番打者を三振に打ち取ってから、最終回まで終始変わらなかった。逆に言えば、ケーショー打線は、ケーコーのこの投球パターンに対して全く手が出なかったのである。

 ケーコーバッテリーは外角中心、特に逃げるカーブを振らせる組み立てをしていた。こういう場合、右打者はバッターボックスのホームベース寄り、かつ投手寄りに立ち、カーブの曲がり際を右方向に打つ。打てなくても打つ構えを見せる。バッテリーとしては、内角の速球、シュート、或いはシンカー中心の組み立てに変わる。そこを狙うのだ
 といっても、この日のカスキョー投手の出来は素晴らしかった。内角に投げさせてそこを狙う戦法をケーショーが取ったとしても、そう簡単には打ち崩せなかったであろう。
 それならば、バッテリーの配球を読み、バッテリーのサイン交換が終わったら、一球毎にボックスでの立つ位置を変えてみる。外角にスライダーを投げようとした時、打者がボックスの前の方に動けば、一瞬ヤバイと思い、微妙なコントロールが狂うかもしれない。バッテリーにしてみたら、こういう打者はイヤである。ただでさえバッテリーは一球毎に神経を使うのに、なおさら神経を使わなければならない。もし、1番から9番まで全員に対して普段の何倍もの神経を使わねばならないとしたら、調子良くスイスイ投げられたであろうか。ケーショーにこうした工夫が欲しかった。

 我がチームでも同じである。どんな投手、投球に対しても全く工夫のない打ち方をしている。あれこれ工夫しても、好投手を打てるかどうかは分からない。

 しかし、何もしなければ絶対に好投手を打ち崩すことはできないのだ。

相手を嫌がらせる、相手に圧力をかける。こうした工夫が流れを変えることがある。

 これゆめゆめわすれることなかれ。



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