News >「仕事日記」2007年1月


1月5日(金) ブロードウエイ・ガラ・コンサート 舞台稽古
 
1月6日(土) ブロードウエイ・ガラ・コンサート 本番
 
1月7日(日) ブロードウエイ・ガラ・コンサート 本番
鳳蘭さんの存在感に圧倒された。このジャンルのミュージシャンたちのクオリティの高さに驚いた、とともに有難かった。スタジオミュージシャンともまた一味違うお仕事っぽさに隠れて見えにくくはなっているのだが、仕事は確実だし真面目に積極的に譜面に取り組み、何よりも“ショー・マスト・ゴー・オン”が身に染み付いているところがすごい。

それでもミュージカルというジャンルになぜこれほどまでに人が集まるのか(4000人ほどの観客数)は未だ理解の範疇外であった。日本人が外人のフリをして、本来の役者にイ如何に近いかで喜んでいるようなものに僕にはいまだに見えていてヨクナイのだが、ひょっとすると其処の所に人々は集まるのかも知れず、だとしたら少々忸怩たるものもある。いやいや、もっと僕の見落としている本質的なエンタメのエレメンツというのがあるのだろう。
1月9日(火) 吉祥寺 チャチャハウス
 
1月10日(水) 伝兵衛NHKホールコンサート リハーサル
 
1月11日(木) 事務所打ち合わせ
シーズ(C‘s)田村(コンサート制作)とキックアップ松井(スケジュール管理)との恒例新年会を兼ねた方針会議。両人にお世話になりだしてから足掛け三年目。おかげさまで毎年順調かつ新鮮に仕事が充実している。一年間貯めた人物評も楽しく大笑いのうちにも重要な案件、力を入れる品目(何種類かのユニット)・アーティストとしての方向性やサポートの優先順位などについても有意義な話し合い。
1月12日(金) オフ
8時に起きて参考音源を聴く。“動物の謝肉祭”
コーヒーで目が覚めたところで譜面を書く。木野雅之さんのためのジョージア・オン・マイ・マインド。七つの子。
近所迷惑でなかろう時間を見計らって(10時)ピアノの練習。フランクのバイオリン・ソナタ。
昼過ぎにブランチのあとは、事務仕事。次のコンサートの構成を出したり、契約書に判子を搗いて郵送したり。

実にゆったりと濃い時間の経ち方に満足ではあるが、これがあと一週間ほど続かないと今抱えている諸々が片付かないのを如何せん。
1月15日(月) Pre Bop Groove コスメイト行橋
馬場孝喜(Gi)
中林薫平(B)
さくら さくら 〜 一月一日 ★ 新年ぽい曲を、というリクエストにベタに応えてみた。ノーアイデアで臨んだら結果的に凄く良いインプロビゼーションになった。
りんご追分 ★ こちらは手馴れたマッコイアレンジ。ある意味スペインより受けが良い。そしてスペインより自分流に出来る感じもする。
All The Things You Are M’sアレンジを当日にメンバーに示してやってもらった。ちゃんとついて来る所がたいした若手達である。
Flamingo 高校時代から憧れていた曲が演奏できて嬉しいが、わざわざレパートリィにするほどでもなかった。 
My Shining Hour    
How About You? 

ゴールドベルク変奏曲より アリア・13・21・28・30 ★ 二部のアタマにこれというのはなかなかシブイ構成。多面的佐山ワールドを見せる構成とでもいうべきか。
Noreen’s Nocturn
Falling In Love With Love
Swingin’ On A Star  ベースとギターのチェイス。ベースが12小節弾く度に拍手が起こって嬉しかった薫平君は勢いが素晴らしい。
Matador ★ 実は二部の二曲目に演奏するはずのものを忘れて、メンバーを呼び込んでしまったのだった。お客さんの手元にはプログラムが配られており“ありゃ”と思いながら見たり聞いたりしていたのだと思うと、それも一興。ねじれた言い方だが、プログラムがないとその奇妙な心持も味わえなかったはずだからね。

Hymn To Freedom と、いうことでソロでアンコールに用意したこちらの曲をトリオで。譜面を書いている余裕はないので聞きながら合わせてもらう。このくらいの芸当はできないとなぁ・・・と半ば不安、半ば様子見の意味もあったが見事について来てくれて嬉。
1月16日(火) Pre Bop Groove 大阪ロイヤルホース
 
1月17日(水) Sayamambo 大阪ロイヤルホース
清水興(B)
東原力哉(Dr)

Freedom Jazz Dance
Nothin From Nothing
Fire On The Bayou
Send One Your Love
Sayamambo
Spanish Key
Love And Happiness
Just Two Of Us
Super Safari
T,T,C&T
Sissy Scrut

いや、素晴らしかった。前回(長野JF)前々回(大阪での初演)も楽しかったが、New Orliansでの山岸との邂逅およびセッション見学の余熱で二人に声をかけたものだが、今回はすっかり通り越して、オリジナリティ溢れるユニークな集まり、音楽、になっていた。信頼関係と各自の力量。いずれがかけても成り立たないところで野獣の強靭さと研ぎ澄まされたインテリジェンスが交錯する。選曲と構成も良かった。このままの形であと何度かやりたい。

もう一つ気持ちのよい演奏になった要素と思われることがある。それは、ジャズピアニストモードな一日を送ったこと。抱えているアレンジも練習すべき譜面も持ち歩いてはいるのだが、この日はゆったりと映画を探した。年末の和田誠監督を囲む忘年会での流れから、今年は日本映画を観ようとは思っているのだが、007は外せない、と捜し歩くが時間が合わず、“敬愛なるベートーベン”を観た。とてもよかった。Copying Beethoven だから“べートーベンを写譜して”とでもしてほしかったところ。どうせ字幕ならドイツ語のほうが僕にはよかったのだが、ともかくいい映画だった。そしてホテルに帰ってしばしぼうっとしてコーヒーを飲んで、、、という怠惰といえば怠惰だが、余裕のある時間の過ごし方をして夜のライブに向かった、ということ。
1月18日(木) 6連弾リハーサル 高木クラビア
今日は島健さんとのDUOの練習。Spainもナンだから何か別な曲を、と相談していたら、スタッフからダメが出て“再演ですし、プログラムも出ているのでSpainでお願いします。”
1月19日(金) 6連弾リハーサル 高木クラビア
三台リハ。国府弘子と小原孝でカミーロのオンファイア。小島とさんざん演奏したがこの3人、それも再演となると新鮮さとコナレがいい按配。
1月20日(土) M’s 入間市 アミーゴ
All The Things You Are
My Shining Hour
I’m Old Fashioned
But Beautiful
Yesterdays
Ladies In Mercedez
Falling In Love With Love
On A Clear Day
Let’s Face The Music And Dance
Daddy Blue
Extended Play
All Blues
Spain

一昨年、といっても9月のことで、今は年始早々だから一年前くらいの感覚なのだが、グリーンティジャズフェスティバルに呼ばれた時の好評がこのたびの単独コンサートにつながったという。確かにあのときの演奏はよかった。大雨の中、スタンダード・マインドをひっさげつつ、Ladies In Mercedezなどの新曲にも意欲的だった。なによりもこの足掛け三年でのM’sホールライブの充実ぶりの嚆矢となるイベントでもあったから燃えていた。いまやすっかり大ホール馴れしたM’sだが今日の100人強のホールっぽい&ライブっぽいシチュエイションに加えて客筋のよさにも支えられ、楽しく出来た。
打ち上げはすき焼きパーティ。なんと神社の社務所が公共空間になっていて大広間での食事会。トラ酔いしたひとが一人だけいたが周囲は皆大人の対応で、楽しく打ち上げた。たまごがなんだかとても特殊なものだそうでうまかった。大屋の卵も忘れられないが、こちらはねっとりと味の濃い、黄身がオレンジ色かと見紛うほどのあざやかさ。すき焼きも、うどんもオジヤも美味しくいただいて、プチダイエットで落とした4kgがリバウンド。
1月21日(日) M’s 佐原 コンブリオ
All The Things You Are
On A Clear Day
I’m Old Fashioned
Daddy Blue
Yesterdays
Ladies In Mercedez
The Song Is Ended
―――――――――――――入れ替え―――――――――――――
Falling In Love With Love
My Shining Hour
Let’s Face The Music And Dance
But Beautiful
Extended Play
All Blues
Spain

10周年のお祝いライブが去年の5月。大好評につきアンコール公演となったもの。従前通り入れ替えでそれぞれ満杯のお客様は有難い。ずっと喋っているテーブルがどちらのステージにもひとつずつあるのもご愛嬌。安くもない切符だろうに。
1月22日(月) スイングジャーナルインタビュー
小井君の車に乗せてもらって表参道へ。村井さんという評論家さんは初対面だが、よく聞きこんできてくれてなかなかよかった。三人当分に話を振り分けるのも上手。
6連弾リハーサル 高木クラビア
いよいよ6台のリハ。塩谷哲アレンジの“ボレロ”から国府弘子編曲の“テイクファイブ”。いずれも各プレイヤーから積極的に意見が出されて仕上がって行く。それぞれが音楽監督の現場をいくつも持っている人だから船頭多くしてなんとかになりそうなものだが、そこは皆さんオトナ。真剣ながらも和気あいあいと進む。佐山雅弘書下ろしのブルースも何とか思い出せてよかった。

新年会をやろうと午後4時から隣の居酒屋へ。山下さんだけはお仕事で欠席したが、ピアニスト5人の飲み会(マネージャーやスタッフもいたが)というのはとても面白い。この5人が集まるとほぼ全てのジャンルのアーティストが話しの俎上に乗ってしまう。裏話満載で面白かったが、中でも国府の不二家話に止めを刺された。たまご・カルピス・缶詰。
1月23日(火) 細野義彦セッション 銀座スイング
細野義彦(Gi)
成重幸紀(B)
井上功一(Dr)
小池修(Ts)

銀座店は何年ぶりだろう。楽屋に使う、客席からは隠されている厨房前のカウンタールームに入ると昔からの顔なじみのシェフがいて懐かしかった。
小池修は素晴らしい。セッションは総花的。
1月24日(水) 観劇 ミュージカル“タイタニック”
まぁまぁ面白かったが考えてみたらニュー・ヨークにいてもミュージカルは見にいかないものな。それよりもバス・電車移動(僕には珍しい)とチケット購入など、この日の一日の見聞と感想、それにミュージカルについて書き綴るだけで一冊の本(300頁位)にはなるだろうくらいにあれこれ感じるところが多かった。“書を捨てよ・街に出よう”というのは正しい。
1月26日(金) 伝兵衛NHKホール
永遠と呼べるのは 
雨の匂い
Love Again
天国ゆきのバス ここから僕も参加 コーラスの一行目間違えて大江健三郎が二回出てしまった。
星の数ほど   ポンタ氏登場
Medusa
満月が笑う   DUSTコーナー
嘘が8コ
夢はいつも
言葉のない夜  DUO
Summer Time  トク M’s
On The Sunny Side Of The Street  トク M’s
湘南Rainy Days  伊太地山弦楽団コーナー
椰子の葉陰で
次の音      伊太地山弦楽団ポンタ入り
嘘は罪      ポンタ伝兵衛DUO
あと一杯     伊太地山弦楽団 二番蒲谷克典、間奏佐山、3番石井
         ついにNHKホール歌手になった日
Travelin’     房之介
いつものズブロッカ 
Wes が聴こえる  全員
またしてもHi-Way 全員
ライブがおわれば 伝兵衛ソロ

この日がついにやってきた。なんといっても演出の柳川さんに感謝。演出、としか役名のつけようがないからそう呼ぶのだが立ち上げ方からスタッフ集め、会議の進行からすべて周辺のケアまで。伝兵衛もよく集めた。ステージから見回す分には紅白のときと変わらぬ客席の印象。ということはやはり、全国から集まってくれた人々にアタマの下がる思いである。
博多のシンスケ夫妻と佐呂間のコマちゃんが談笑しているところに出くわした時など感動でうるうるした。敢えて無理強いしなかった佐山商事も集まり、京都からは三木君まで突然来て驚き。それにしてもNHKホールの楽屋を歩いていて出くわす顔が全員知己というのはとても変な気持ちだった。
里見と都城チーム・佐山商事と九州チームなど各所打ち上げに行けなかった(雨脚の強さと人数の関係)のは残念だったが考えてみればしょうがない。一週間から10日のツアーで回って毎日打ち上げるような人々が一堂に会しているのだからね。スグルたちと直にレディジェーンに行って佐山周り小パーティとはなった。
1月28日(日) ジャズ絵本 一戸
ぼく逃げちゃうよ
Here’s That Rainy Day  <<<アドリブ噺考え中のピアノソロ
アドリブ三題噺 猪突猛進・ゆき・いちご
雪女 <<<朗読とピアノ 初演
どんぐりと山猫
まんげつのねこにんじゃ
月のとら

ジャズ絵本はやはりクリエイティブだ。前乗り日のリハーサルから朗読と絵にいくらでもインスピレイションが湧く。以前は浮かんだアイデアに対して“果たしてこれは直感であるか。技術で場成りにこなしてはいないか”などと自問自答しながらの格闘だったのが、この日は青空に飛行機雲を書いてゆくようにくっきりと迷いのない演奏になった。月猫えほん音楽会ではない二人のコラボが久しぶりだった新鮮さもあるのだろう。雪女がことに面白かった。小泉八雲を読んでみよう。
1月30日(火) ミューザ川崎打ち合わせ
8月の小川典子さんとのピアノDUOの打ち合わせ。へ調のコンチェルトを近々なさるということで、来るべき自分の演奏の肥やしにするべく、今回は僕がオーケストラパートを弾いて、ショートカットバージョンにアレンジすることにした。パリのアメリカ人の中のオスカーレバントバージョンを参考にする。
小川さんは僕に、とにかくアドリブでしっちゃかめっちゃかやってほしいとのリクエスト。

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