図書館員のコンピュータ基礎講座

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人名(西ヨーロッパ)

オーストリア

• 言語・文字：ドイツ語(ラテン文字)
• 民族：主にゲルマン民族
• 宗教：キリスト教徒が約80%、イスラム教徒が約5%

特徴：基本的にドイツと同じです。

例：Edmund Gustav Albrecht Husserl (エトムント・グスタフ・アルブレヒト・フッサール、1859-1938) || NDL典拠：Husserl, Edmund, 1859-1938

• ユダヤ人の家庭に生まれました。
• 父：Adolf Abraham Husserl
• 母：Julie Husserl：旧姓はSelinger
• 妻：Malvine Charlotte Husserl：旧姓はSteinschneider
• 子：Gerhart Husserl

例：Sigmund Freud (ジークムント・フロイト、1856-1939) || NDL典拠：Freud, Sigmund, 1856-1939

• 父：Jacob Freud (ヤーコプ・フロイト)
• 母：Amalia Freud (アマーリア・フロイト)：旧姓はNathansohn (ナータンゾーン)
• 妻：Martha Freud (マルタ・フロイト)：旧姓はBernays (ベルナイス)
• 子：Ernst Ludwig Freud (エルンスト・ルートヴィヒ・フロイト)、Anna Freud (アンナ・フロイト)

例：Franz Peter Schubert (フランツ・ペーター・シューベルト、1797-1828) || NDL典拠：Schubert, Franz Peter, 1797-1828

• 父：Franz Theodor Schubert (フランツ・テオドール・シューベルト)
• 母：Elisabeth Schubert (エリザベート・シューベルト)：旧姓はVietz (フィッツ)

オランダ

• 言語・文字：オランダ語(ラテン文字)
• 民族：オランダ人が約80%
• 宗教：キリスト教徒が約40%、イスラム教徒が約5%

特徴：「名+姓」の順に配列します。

姓は「～の、～出身」を意味する接頭辞vanで始まる場合があります。また、この語の後に定冠詞de (デ)、der (デア)、den (デン)が付く場合もあります。これをTussenvoegsel (トゥッセンフーフセル)と呼び、これにより出身地を表していましたが、現代ではその意味はほとんど失われています。貴族の家系は「姓+van+姓」という複合姓を持つこともあります。なお、vanはv、定冠詞はdという省略形になる場合があります。
夫婦同姓・別姓・複合姓を選択可能です。

例：Vincent van Gogh (フィンセント・ファン・ゴッホ、1853-1890) || NDL典拠：Gogh, Vincent van, 1853-1890

• 父：Theodorus van Gogh (テオドルス・ファン・ゴッホ)
• 母：Anna Cornelia Carbentus (アンナ・コルネリア・カルベントゥス)

例：Hendrikus Magdalenus Bruna (ヘンドリック・マフダレヌス・ブルーナ、1927-) || NDL典拠：Bruna, Dick, 1927-

• Dick Bruna (ディック・ブルーナ)の本名です。
• 父：Albert Willem Bruna (アルバート・ウィレム・ブルーナ)
• 母：Johanna Clara Charlotte Erdbrink (ヨハナ・クララ・シャルロッテ・エンドブリンク)
• 妻：Irene de Jongh (イレーネ・デ・ヨング)
• 子：Sierk Bruna (シルク・ブルーナ)、Marc Bruna (マルク・ブルーナ)、Madelon Bruna (マデロン・ブルーナ)

スイス

• 言語・文字：ドイツ語(ラテン文字)、フランス語(ラテン文字)、イタリア語(ラテン文字)、ロマンシュ語(ラテン文字)
• 民族：主にゲルマン民族(外国人が約20%)
• 宗教：キリスト教徒が約80%

特徴：ドイツ系かフランス系かイタリア系かで異なり、それぞれの民族の名前の習慣に従います。

ドイツとは異なり、von (フォン)は貴族の出身を意味しません。

例：Mario Botta (マリオ・ボッタ、1943-) || NDL典拠：Botta, Mario, 1943-

例：Johanna Spyri (ヨハンナ・シュピリ、1827-1901) || NDL典拠：Spyri, Johanna, 1827-1901

• 出生時の名前は、Johanna Louise Heusser (ヨハンナ・ルイーゼ・ホイサー)です。
• 父：Johann Jacob Heusser (ヨハン・ヤコブ・ホイサー)
• 母：Margareta Heusser-Schweizer (マルガリータ・ホイサー=シュヴァイツァー)：詩人で、通称はMeta (メタ)です。
• 夫：Johann Bernhard Spyri (ヨハン・ベルンハルト・スピリ)
• 子：Bernhard Diethelm Spyri (ベルンハルト・ディートヘルム・スピリ)

ドイツ

• 言語・文字：ドイツ語(ラテン文字)
• 民族：ドイツ人
• 宗教：キリスト教徒が約60%

特徴：「名+姓」の順に配列します。公式書面等は「姓+名」の順に記載されます。

「～の、～出身」を意味する前置詞von (フォン)や「～を所有する」を意味する前置詞zu (ツー)を貴族の称号として姓の前に置くことがありました。vonは、姓が無い時代に領主が自らの領地名を名乗っていた名残りといわれています。前者はその領地の出身であることを、後者はその領地をまだ所有していることを意味します。ただし、これらの語が付く名前を持つ人がすべて貴族出身というわけではありません。ドイツとオーストリアでは1919年に貴族階級は廃止されています。
夫婦同姓・別姓・複合姓を選択可能です。

例：Philipp Franz Balthasar von Siebold (フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト、1796-1866) || NDL典拠：Siebold, Philipp Franz von, 1796-1866

• 父： Johann Georg Christoph von Siebold (ヨハン・ゲオルク・クリストフ・フォン・シーボルト)
• 母：Maria Apollonia Josephine von Siebold (マリア・アポロニア・ヨゼファ・フォン・シーボルト)：旧姓はLotz (ロッツ)
• 妻：Helene von Siebold (ヘレーネ・フォン・シーボルト)：結婚前の名前はHelene von Gagern (ヘレーネ・フォン・ガーゲルン)
• 子：Alexander von Siebold (アレクサンダー・フォン・シーボルト)、Heinrich von Siebold (ハインリッヒ・フォン・シーボルト)

例：Michael Ende (ミヒャエル・エンデ、1929-1995) || NDL典拠：Ende, Michael, 1929-1995

• 父：Edgar Karl Alfons Ende (エドガー・カール・アルフォンス・エンデ)
• 母：Luise Bartholomä Ende (ルイーゼ・バルトロメ・エンデ)
• 妻：Ingeborg Hoffmann (インゲボルク・ホフマン)、佐藤真理子

例：Johann Sebastian Bach (ヨハン・セバスチャン・バッハ、1685-1750) || NDL典拠：Bach, Johann Sebastian, 1685-1750

• 父：Johann Ambrosius Bach (ヨハン・アンブロジウス・バッハ)
• 母：Maria Barbara Bach (マリア・バルバラ・バッハ)
• 子：Wilhelm Friedemann Bach (ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ)、Carl Philipp Emanuel Bach (カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ)

フランス

• 言語・文字：フランス語(ラテン文字)
• 民族：フランス人
• 宗教：キリスト教徒が約60%、イスラム教徒が約10%

特徴：「名+姓」の順に配列します。

複数の名(1～5程度が多い)を持っていることも少なくありません。

「～の」を意味する前置詞de (ド)を貴族の称号として姓の前に置くことがありました。ただし、この語が付く名前を持つ人がすべて貴族出身というわけではありません。姓は1804年に義務付けられました。

例：Claude Achille Debussy (クロード・アシル・ドビュッシー、1862-1918) || NDL典拠：Debussy, Claude, 1862-1918

• 父：Manuel-Achille Debussy (マニュエル・アシル・ドビュッシー)
• 母：Victorine Manoury Debussy (ヴィクトリーヌ・マヌリ・ドビュッシー)
• 妻：Rosalie Texier-Debussy (ロザリー・テクシエ=ドビュッシー)、Emma Debussy (エンマ・ドビュッシー)：旧姓はBardac (バルダック)
• 子：Claude-Emma Debussy (クロード=エンマ・ドビュッシー)

例：Charles André Joseph Pierre-Marie de Gaulle (シャルル・アンドレ・ジョゼフ・ピエール=マリ・ド・ゴール、1890-1970) || NDL典拠：De Gaulle, Charles, 1890-1970

• 父：Henri de Gaulle (アンリ・ド・ゴール)
• 母：Jeanne de Gaulle (ジャンヌ・ド・ゴール)：旧姓はMaillot (マイヨ)
• 妻：Yvonne de Gaulle (イヴォンヌ・ド・ゴール)：旧姓はVendroux (ヴァンドルー)
• 子：Philippe de Gaulle (フィリップ・ド・ゴール)、Élisabeth de Gaulle (エリザベート・ド・ゴール)、Anne de Gaulle (アンヌ・ド・ゴール)

例：Jean-Jacques Rousseau (ジャン=ジャック・ルソー、1712-1778) || NDL典拠：Rousseau, Jean-Jacques, 1712-1778

• 父：Isaac Rousseau (イザーク・ルソー)
• 母：Suzanne Bernard Rousseau (シュザンヌ・ベルナール・ルソー)
• 妻：Thérèse Levasseur (テレーズ・ルヴァスール)

ベルギー

• 言語・文字：オランダ語(ラテン文字)、フランス語(ラテン文字)、ドイツ語(ラテン文字)
• 民族：ケルト人、ゲルマン民族
• 宗教：ほとんどがキリスト教徒

特徴：「名+姓」の順に配置します。

オランダ系の姓は「～の、～出身」を意味する接頭辞van (ファン)で始まる場合があります。また、この語の後に定冠詞de (デ)、der (デア)、den (デン)が付く場合もあります。これらの語と姓との間やvanと定冠詞の間にスペースを置かず、1語になる場合もあります(例：Vandeloo、van den Broeck)。なお、ドイツとは異なり、貴族の出身を意味しません。
通常、夫婦別姓または複合姓です。

例：Herman van Rompuy (ヘルマン・ファン・ロンパイ、1862-1949) || LC典拠：Rompuy, Herman van, 1947-

• 父：Vic van Rompuy
• 妻：Geertrui Van Rompuy-Windels
• 子：Peter van Rompuy

例：Maurice Polydore Marie Bernard Maeterlinck (モーリス・ポリドール・マリ・ベルナール・メーテルリンク、1862-1949) || NDL典拠：Maeterlinck, Maurice, 1862-1949

• 父：Polydore Maeterlinck
• 母：Mathilde van den Bossche Maeterlinck
• 妻：Renée Dahon-Maeterlinck

例：René François Ghislain Magritte (ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット、1898-1967) || NDL典拠：Magritte, René, 1898-1967

• 父：Léopold Magritte
• 母：Régina Magritte：旧姓はBertinchamps
• 妻：Georgette Magritte-Berger

モナコ

• 言語・文字：フランス語(ラテン文字)
• 民族：外国人が多い(フランス国籍が約50%、イタリア国籍が約20%)
• 宗教：大部分がキリスト教徒

特徴：「人名+姓」の順に配列します。フランス人を主とした外国人が多く、基本的に各国の名前の習慣に従います。

例：Caroline Louise Marguerite Grimaldi (カロリーヌ・ルイーズ・マルグリート・グリマルディ、1957-) || LC典拠：Caroline, Princess of Monaco, 1957-

• グリマルディ家(Maison Grimaldi)の出身で、Caroline de Monaco (カロリーヌ・ド・モナコ)とも呼ばれます。
• 父：Rainier III de Monaco (レーニエ3世)
• 母：Grace Patricia Kelly (グレース・パトリシア・ケリー)：アメリカ人

リヒテンシュタイン

• 言語・文字：ドイツ語(ラテン文字)
• 民族：主にゲルマン民族
• 宗教：キリスト教徒が約90%、イスラム教徒が約5%

特徴：基本的にドイツと同じです。

例：Josef Gabriel Rheinberger (ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー、1839-1901) || NDL典拠：Rheinberger, Josef, 1839-1901

• 妻：Franziska von Hoffnaaß (フランチェスカ・フォン・ホッフナース)

ルクセンブルク

• 言語・文字：ドイツ語(ラテン文字)、フランス語(ラテン文字)、ルクセンブルク語(ラテン文字)
• 民族：ケルト人、ゲルマン人(外国人も多い)
• 宗教：キリスト教徒が大部分

特徴：混血、外国人が多く、基本的に各民族の名前の習慣に従います。

夫婦同姓・別姓・複合姓を選択可能です。

例：Jean-Claude Juncker (ジャン=クロード・ユンケル、1954-) || LC典拠：Juncker, Jean Claude, 1954-

• 妻：Christiane Juncker：旧姓はFrising