The Conti入院g Story of Bungalow Bill 第8章

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【過去の下つゆINDEX

 2018.3/12(月)   71 

1日目 【胆管ひどい雨降りの晩だって】

またしても消化器内科に入院である。1月に胆石を取ったばかりの胆管に早くも次なる石が落ちて詰まったのをほっとけないから処置を繰りかえす。まぁ再発の憂いはあったんだが,それにしても,ね。実際おなじ術式を60日以内に行なった場合は免責という医療保険の条項に引っかかりかけて,事実上きょうまで延ばしたような恰好である。

ただ前回の内視鏡的逆行性膵胆管造影法で十二指腸側の出口を拡げてあるから今回は侵襲が小さいらしい。それで入院が3日間に短縮される。そして「ステント」と呼ばれるパイプを胆管に留めおいて胆汁のとおる道を確保する。三たび胆石が転げおちても胆管を塞ぎきってしまうのを防ごうというものだ。

9時前に病院に着き,ふだん10時のクスリを早く飲む。病室は前回の隣で六人部屋の窓側を取れた。INGRESSのスコープ内にポータルはなく,モチベがほぼ潰滅する。

病院着に着替え,身体測定して176cm・65.1kg。小用を足す(以降P,大はQ)。10時に左腕に点滴ルートが設営され,10時半に右手首にID腕輪を巻かれる。点滴2本立ての開始。36.6℃・113-68mmHg。

胆石除去は入院したきょうやるのだ。

11時に呼ばれてもういちどPに寄り,メガネなしで検査室まで歩く。待合で胃の洗浄剤とやらを紙コップ1杯のむ。うっすら柑橘飲料ぽくてちょっとおいしい。が,朝から飯抜きのせいかバス酔いのような吐き気を覚えた。

寝台に俯せになって顔だけ横向きの姿勢をとる。今回はマウスピースを銜えてから喉麻酔のシロップを一条ぴょろっと撃ちこまれた。こんなんでいいのと思ったが,誘眠剤が3本目の点滴に吊られ,何か質問されてハキハキ答え……たつもりになったのを最後に暗転。

尿意で目が覚めたら病室に戻っていた。14時である。点滴が1本になっている。トイレへ行くのに看護婦さんの付添いが要り,大便座に坐ったがQ空振りで大量のP。胃の辺りに疼痛がある。

14時半に看護計画表を貰う。きょうは絶食絶飲である。レギュラのクスリもなしだ。

16時大量のP。Q空振り。眠くて胃が痛い。17時半36.5℃・98-63mmHg。学園物の夢を見たが思いだせない。

20時Dr.来。胆石はなかったそうである。えーっ。そいつは,どうよ。まぁステント入れとくという目的は達したんだろうが……。退院は木曜日。それも1ん日のびてるし。

21時と29時半に大量のP。概ね寝とおしていて夢をたくさん見た。起きるたびにどこに居るかわからなくてぎくりとする。

今回の入院セットを書きだす。

実はポケットティシューを忘れてしまい,病院の手拭き紙を余分に貰って代用しちゃった。ZenPadを持ちこんで終日けもフレゲームやってようかとも思ったんだけど,そんなに堕落してはいかんなと考えなおした。

 2018.3/13(火)   72 

2日目【世界をブレイク】

6時に採血。寒い。右肩が凝って首が痛い。

8時半入院診療計画書を貰う。右腹が突っぱる感じだがステントの入ったところではないような。

9時半P。Q空振り。清拭。

10時36.7℃・105-68mmHg。点滴終了。

10時半にレントゲンを撮りに行く。息を吐けと言うのを無視した気がする。

昼食が出る。五分粥・鶏肉ジャガ・かぼちゃポタージュ・豆腐お浸し。前回は術後2日目から全粥だったのが1日前倒して五分粥となっている。うめえ。

12時半にレギュラの服薬も再開。抗血液凝固剤以外のけさのぶんを飲む。

甘木さんとSMSをやり取りし,ポプテピピックて何?有名?と訊かれて驚愕する。

16時P。92-52mmHg。血圧低いなー。

夕食は五分粥・吸物・鰆味噌かけ・漬物・フルーチェ的な黄桃プディング。海苔佃煮の小袋が附いていたがお粥さん用ではなかろう。ウチに持って帰って食べよ。

19時歯磨きとクスリ。右腹にズキンと痛みが走る。Qちょっぴり。

21時クスリ。21時半消灯間際にP。今にも痛みだしそうな腹具合である。

23時に起きて大量のP。いつまでも出る。『えの素』で非常に好きな台詞「かれこれ20分も小便してるじゃないか」を思いだす。

29時半Q。午前6時を日の替わり目と考える。

 2018.3/14(水)   73 

3日目【バレンタインでもいいじゃないか,みんなその気で居ればいい】

6時,何か胃が痛い……。

朝食は全粥・味噌汁・ハムと菜・しらす佃煮・牛乳180mL。お,全粥になった。佃煮?は甘辛の飴タイプで,お粥さんに放りこんで実にうまい。

8時クスリ。Dr.来。基本的に様子見モードなのでおれとしてはおもしろくない(お医者を責めるつもりは毛頭ない)。肝臓の数字が悪いと呼吸器の治療に障るのだ。ハラの痛いのがすっきりしないのはたいへん困る。

9時半清拭。今回シャワー室の利用は見送ろう。

10時半36.8℃・105-86mmHg。あや,点滴ルートを撤去されてしまった。もう退院を待つばかりだ。

昼食は全粥・吸物・豚生姜焼き・春雨酢・オレンジ。酢の物の胡瓜と人参はなるべく抓んだが,酸っぱい春雨は無理だった。おれの給食には「納豆禁止」が設定されており,ムカシは単なる好き嫌いであったが今は理由がある。納豆は抗血液凝固剤の薬効を著しく弱めるのである。納豆好きは心臓を悪くしないよう注意してな,本当にドクターストップが掛かる。

14時半Q。入院費の概算を事務方が持ってくる。医療保険の手術給付金が首尾よく出れば大助かりだが,不透明なところはある。

17時P。今回の入院では空き時間を莫迦に眠りこけているが,それでも『JORGE JOESTAR』を読みきってしまった。他にはディーヴァーの『ソウルコレクター』を再読中。

夕食は全粥・味噌汁・焼き鮭・里芋煮・もやしサラダ。

18時半クスリと歯磨き。Q。胃痛は続いている。飯を食うには響かないから胃ではないのかもしれないがそのほうが怖い。

消灯前にクスリとP。今回は耳栓が大活躍であった。六人部屋の入れ替わりは頻繁で毎日メンバの半分が新しくなり,誰かは鼾がやかましい。おれも加害者になりがちなことを今は自覚しておるがな。諸氏も入院する際は耳栓必携をお忘れなきよう。社員旅行で一泊我慢するのよりむかつき度は高いと思うんだ。

29時半Q。ハラ痛い。漂流教室みたいな夢を見ていた。

 2018.3/15(木)   74 

4日目【私がモテないのはどうカンパネルラジョバンニが悪い!】

6時に週イチのクスリ。起きぬけ空腹状態で水180ccと共に飲み,以後30分横になってはいけないという注文の多い錠剤1点である。

朝食は全粥・味噌汁・炒り玉子・湯がきキャベツ・牛乳180mL。

8時クスリ。8時半から退出準備に掛かる。着替えてちゃちゃっと布団と病院着を畳み,ロッカーと枕頭台を空にする。

9時45分に看護師さんのチェックが入って腕輪IDを取ってもらい,あっさりした退室である。お世話になりました。

会計前に自販機の白湯を貰って食間のクスリを飲む。自動支払機でクレジット払いして外に出たのが10時である。退院時の天候は油断ならんから厳冬装備を羽織っているが――あ,初日は冷えてた――きょうはちょい暑いくらい。相変わらずの不安な腹具合で歩きは端から諦め電車で帰った。

今回の入院は胆石がなかったのが寂しいよなー。胆汁の鬱積回避にステントを入れたのが成果であるが,一生もんじゃないから数箇月後には交換するか除去することになるハズ。胆嚢切除までの繋ぎなのだ。

あ,ステントって何製なんだろ。金属だとMRIが撮れなくなるんじゃ。


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