サイト運営者の近況

ロサンゼルス在住のサイト運営者による、映画の話題を中心とした近況録です。
ホームページのアップデート情報は青字で書いてあります。


2002年9月15日
ハリウッドの現役マネージャーが、俳優志願者が知っておくべき業界の仕組みやマナー、心構えなどを書く最新の海外図書「俳優志願者のためのビジネス入門」をアップ。俳優志願者のみならず、エンタテーメント産業に興味のある方に是非ともお薦め!

フリッツ・ラングの米国時代のサスペンス映画「人間の欲望」の解説ページに、同じエミール・ゾラの小説を38年にジャン・ルノワール監督がジャン・ギャバンとシモーヌ・シモン主演で映画化した「獣人」とのストーリー対比を追加しました。

2002年9月1日
マルクス兄弟の映画「ご冗談でショ」の「エブリワン・セズ・アイ・ラブ・ユー」と、「マルクス一番乗り」で映画からカットされた幻の歌「ハッケンブッシュ先生」をアップしました。

2002年8月26日
今回はLAにある珍しい日本関連の史跡の話題です。


写真はLA近郊にある Los Angeles Castle です。1858年の日米通商修好条約の締結を記念して日本から派遣された江戸の大工、熊谷源右衛門によって太平洋を臨むマリナデルレイに2年かけて建設されたのだそうです。(源右衛門の記録によれば"呂州安是瑠寿城"と書いたみたいです。)

建築当初はLA市庁舎として使用され、後に南北戦争の時に北軍の守備隊が立てこもり、南軍の攻撃を撃退したことから、日本建築が高く評価されました。そのためLAに親日的な雰囲気が醸成され、日本からの移民が同地に多く受け入れられるきっかけともなったそうです。太平洋戦争中には反日感情の高まりで城の大部分は壊されてしまいましたが、地元有志により本丸部分は保存され、今日に至っています。日本ではあまり知られていませんが、江戸末期の築城様式を今日に伝える貴重な遺構として、重要視されています。

というのは真っ赤な嘘です。本当は潰れてしまった日本レストランです。

マリナデルレイというのは有名なヨットハーバーで、映画俳優(ニコラス・ケイジなど)や著名人のヨットもあるそうです。

2002年8月25日
本の話題ですが、講談社の「戦争広告代理店」が面白いです。NHKのディレクターが自らの取材した番組をもとに書いたもので、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の際に、ボスニアと契約していた米国のPR会社がいかにボスニアの声をメディアにとりあげさせ、世界の(特に米国の)世論を動かし、紛争をボスニアの有利なように展開したかが書かれています。TVに取り上げられやすいように政府要人の発言を"サウンド・バイト"と呼ばれる短い文で語るとか、TVでは長々と過去の経緯を説明せずに現在起きていることを簡潔に語るとか、記者会見についてもメディアが取り上げやすいように数項目からなる新提案を行うとか、独自のニューズレターを作るとか、企業のPRの仕事にも結構役に立つ内容が含まれてます。「民族浄化」とか「強制収容所」といったメディアがとびつきやすいキャッチコピーを効果的に使った模様も面白いです。日本では食品会社や政治家がメディア対応のまずさから致命傷を負っていますが、これからPR会社というのが益々重視されていくのではないかと思います。Must Read!

金曜日の晩にアメリカンシネマテークにジェリー・アンダーソン特集を見に行きました。本人もゲストとして参加し、初期のTV作品を中心に上映しました。アンダーソンは「サンダーバード」のプロデューサーで、スーパーマリオネットと呼ばれる人形ドラマや実際の俳優によるSF物を多く製作しています。他には「謎の円盤UFO」とか「キャプテン・スカーレット」が有名ですね。金曜日は初期の「スーパーカー」「ファイアボールXL5」という白黒の人形SFと、日本でも放映していたマーチン・ランドー主演のSF物「スペース1999」を上映しました。今でも人気が高いようで場内は満員だったほか、上映後に本人が登場するとスタンディングオベーションで迎えられました。

その後、10時過ぎから日本アニメ「スプリガン」を上映しました。大友克洋が総監修していて技術的には悪くないのですが、もっとキャラクターの人物設計をしっかりやってほしいと思いました。別の人が「アキラ」を焼き直したような安直な感じがしました。キャラデザインが江口寿史というのは驚きました。アメリカの観客は「すすめ!パイレーツ」や「ひばりくん」なんて知らないだろうから、江口寿史なんてピンと来ないだろうけど。国防総省が思い切り悪者にされていて、星条旗がどーんと飾られた部屋でのペンタゴン高官の悪役ぶりには内心冷や汗をかきました。(今のアメリカでここまで軍部を悪者にするのはちょっと勇気がいります。)敵の殺し屋の名前がファットマンとリトルボーイというのも、日本的なセンスとしては分かるのですが、これも冷や汗ものでした。

2002年8月21日
海外書籍に 『"都会のモラルド" と "アニタとの旅"』 を追加しました。フェリーニの未映画化脚本です。

現在 広島でやっている広島国際アニメーションフェスティバルにLAの知合いが出席しています。日本からのCMや映画の撮影のLAでのアレンジや仲介を行うクリエーティブ・エンタープライズ社の阿岸明子さんという方です。阿岸さんは生前のソール・バス(主に映画関係で活躍したデザイナーで、ヒッチコック作品でのタイトルデザインが有名)とも親交があり、同フェスでやるソール・バス作品の記念上映に、バス夫人の代理ということで出席されるそうです。事務所にソール・バスのデザインした『シンドラーのリスト』や『敦煌』のポスターが張ってあります。(どちらも日本でのポスターとは違います。)阿岸さんは米国のエンタテーメント業界で顔の広い方ですが、教育関係の財団も運営しており、LAの日系社会でも高く評価されています。

月曜日にロバート・エヴァンズを見ました。センチュリーシティの書店ブレントンズへサイン会に来たのです。エヴァンズは「ある愛の詩」「ローズマリーの赤ちゃん」「ゴッドファーザー」「チャイナタウン」で知られる名物プロデューサーです。女優アリ・マックグローと結婚しましたが、アリが「ゲッタウェイ」で共演したスティーブ・マックィーンと愛し合うようになって別れたりとか、麻薬のおとり捜査に引っかかったりなど、何かとお騒がせの多い人物です。自伝「The Kid Stays in the Movie」(日本でも「くたばれ!ハリウッド」として出版)を元にした同名のドキュメンタリー映画が公開され、小規模な公開ながら、私が見に行ったウェストウッドの映画館は大入りでした。サイン会で定刻よりやや時間を過ぎて姿を見せたエヴァンズは、だいぶ歳をとって見えましたが、分厚い眼鏡の奥にかつての敏腕プロデューサーらしいカリスマティックな雰囲気を備えていました。書店の店員が目を光らせて、あまり近づけない雰囲気だったので、遠くからしか見られず、写真もちょっと撮れませんでした。あわよくばと持参したサイン帳も使うことはありませんでした。

知り合いの編集者から映画の本を2冊贈っていただきました。エスクァイア・マガジン・ジャパンの「E/Mブックス(1) ヴィム・ヴェンダーズ」「アートアニメーションの素晴らしき世界」です。特にアニメーションの本は売れているそうです。LAでは新刊の映画関係の本はあまり売ってないので、読むのが楽しみです。

2002年8日20日
『デイヴィッド・リーン伝記』を「その他監督」の海外書籍コーナーに追加しました。よく考えれば、デイヴィッド・リーンをその他に入れるなんて恐れ多いですが。

日本は台風13号がそれて、ほっとしてるようですね。それにしても台風が多い年です。ドイツの洪水といい、異常気象が世界的に広がっているようで怖いです。カリフォルニアはあいかわらず能天気ですが、今年は曇りが多くて暑い夏が過ごしやすいので助かります。

土曜日に「サイン」見に行きました。詳しい感想や内容は書きません。例によって、意味がよく分からなかった(人物の行動は分かったが、それが映画全体でどういう意味なのかが分からなかった)ので、日本で見に行った友人に聞くことにしよう。監督のインド人(名前がまだ覚えられない)また出てました。

始まる前に「千と千尋の神隠し」の予告編をやってました。「ディズニープレゼンツ・スタジオジブリズ・スピリテッドアウェイ」と、いかにもディズニーが製作したかのようなでかい顔をした宣伝でした。(まあ、ディズニーブランドがあればこそ、アメリカでの営業もうまくいくのかもしれませんが。)ちなみに「スピリテッドアウェイ」というのが、こちらでの公開名です。多分「神隠し」を訳したのだと思いますが、もうちょっと気のきいたタイトルにすればいいのにね。ちなみに9/10にハリウッドの映画館で先行上映するのですが、宮崎監督本人が渡米して挨拶するそうなので、19ドルという高額な前売りにかかわらず、買ってしまいました。

あと「リング」の予告編もやってました。日本の映画をリメイクしたやつです。(予告編ではリメイクであることには触れていませんでした。)あまりメジャーな俳優は出てなさそうでした。貞子のような人物は予告編では出てきませんでしたが、まだ隠してるんでしょうね。私も本編の方は途中までしか見てないので、TVから貞子が出てくる衝撃のラストは見てません。たしか真田広行と松島菜々子でしたよね。

そういえば先々週の金曜日に見た「ジョーズ」で思い出したのですが、三谷幸喜の「みんなのいえ」も「ジョーズ」を参考にした場面があります。サメ狩りの船の中でリチャード・ドレイファスとロバート・ショーが意気投合して、ロイ・シャイダーが疎外感を味わうところです。意外な映画からパクってくるところが面白いと思いました。あの中の「原爆を運んだ帰りに撃沈され、乗組員の多くがサメの餌食になった」ロバート・ショーの過去は原作にはなく、脚本家がリサーチしている途中で見つけた実際のエピソードを温めて、使ったそうです。脚本を机の上の思いつきだけで書くのでなく、きちんとリサーチして、監督らと討論して書くところが偉いと思います。

昨日、リトル東京にある日系米人博物館へ河野太郎(河野洋平の息子で衆議院議員)のパネルディスカッションを見に行きました。英語が非常にうまかったのには感心しました。顔が父親の河野洋平そっくりですね。

2002年8日13日
新作のロードショーを見ようと思いつつ、なかなか見に行ってません。古い作品ばかりです。

先週はアメリカンシネマテークへ「スタートレック2」を見に行きました。ミスター・カトー(これは日本のテレビ局がつけた役名で、本当の役名はヒカル・スールー)役の日系人ジョージ・タケイもゲスト参加しており、会場のトレッキーからの拍手が大きかったので感動しました。ちなみに他のゲストは、ニコラス・メイヤー(監督)、ウォルター・ケーニッグ(出演者)、ハーブ・ベネット(製作)でした。ジョージ・タケイは日系人社会の名士で、リトル東京にある日系米人博物館の名誉会長をやってます。会社の仕事でレセプションなどに出ると、よく会います。本人による自伝テープを買って、車の中で聞いたりもしました。日本に帰る前にサインをもらいたいと密かに思ってます。
ジョージ・タケイの自伝「星に向かって」を追加しました。アジア人俳優がハリウッドで成功するまでの映画ものとしての要素と、戦争中の日系人の苦難の歴史を描いた自伝です。

翌日の金曜は再びアメリカンシネマテークで「ジョーズ」を見ました。 勘違いしてて、リチャード・ドレイファスとロバート・ショーがゲストで来ると思ってたら、聞いたことのない脚本家(カール・ゴッドリーブ)でした。よく考えると、ロバート・ショーって死んだような気もしますし。映画は劇場では初見でしたが、やはり面白かったです。初めて見た時は海洋大冒険映画みたいな印象でしたが、よく考えると後半のサメ狩りは少し陸から離れただけのところで、わずか2日間の出来事なんですね。ユニバーサルスタジオのサメを思い出しました。

その前にビデオで「スパイキッズ」を見てます。あまりに子供向けなので よほど途中でやめてしまおうかと思いましたが、我慢して(?)最後まで 見ました。でも、油断してると「スパイキッズ2」を見に行ってしまいそうです。 ロバート・ロドリゲスやアントニオ・バンデラスも何考えてんでしょうね。 「アイズ・ワイド・シャット」でカマっぽいホテルのフロント係だった アラン・カミングの憎めない悪役がよかったです。

今週は近所のアート系の劇場で3D映画特集をやっており、 昨日は3Dポルノを見に行きました。どんなにかすごいだろうとわくわくしましたが、立体なのが分かるのは、部屋に奥行きがある場合や手前に椅子やシャンデリアがあるところだけで、人物そのものは普通の映画と同じような感じでした。2本立てでしたが、どちらもビリヤードのシーンがあり、観客に向かってキューを突くというこけおどしの3Dシーンがあったのには場内大爆笑でした。

日曜の朝にはハンフリー・ボガードの「脱出」をTVでやっていて、 ずるずると全部見てしまいました。筋は「カサブランカ」と似てますが、 ハワード・ホークス監督でからっとしており、ローレン・バコールも とてもかっこいいです。あんなにクールになれたらいいですね。

ブニュエルの「ビリディアナ」のビデオを借りたら、ビデオ屋の兄ちゃんが間違えて、同じブニュエルの 「庭園の死」のテープをケースに入れたのを家に帰って発見しました。でも未見だったので、結局見てしまいましたが、こういう間違いがあるところが、アメリカのビデオ屋っぽいです。同じアメリカのビデオ屋に増村保造監督の「卍」もあったので、借りてしまいました。岸田今日子と若尾文子と船越英二の三角関係の話です。実は谷崎潤一郎って、読んだことがないんですけど、市川昆の「鍵」といい、異常な作品が多いですね。「刺青」って小説もたしか異常な話でしたよね。

先週の日曜は、ロスのリトル東京では二世ウィーク祭でした。アメリカに移住した日系アメリカ人のお祭りで、いろいろなお店やパレードが出ます。といっても、日本のお祭りとはかなり異なり、縁日は出ませんし、パレードといっても、おばさんによる舞踊と地元の高校生の鼓笛隊とが交互に行進するシュールなものです。ミス二世クィーンが選ばれて、パレードの花を飾るので、一応(?)見に行きました。日系人であることが条件ですが、見た目完全にアメリカ人という女の子もいます。日本はお盆であることを思い出して、帰りしなに和菓子屋でおはぎを買ってきました。うーん、夏だ。

最近、健康のためにステッピング・マシンを買いました。足で踏むペダルがついている小さいもので、山登りの要領でえっちらおっちらステップを踏みます。10分もやるとけっこう汗をかきます。外に出る時間がない時は便利です。

2002年8日3日
今年話題のSF映画2本の感想を書きます。

「スター・ウォーズ エピソード2」
C3POのクビがすげかえられてしまうところは笑えましたね。ヨーダの戦いのシーンもかっこよかったですし。でも面白い場面は、昔の作品のキャラクターばかりだったのが気になりました。ジャージャーは非常に評判が悪くて、今回は出番がほとんどなかったそうです。アミダラとアナキンのロマンスは平板で、レイアとソロほどスリリングでなかったし・・・。 あと物語の致命的なところは、オビワンがジャンゴ・ヘッド(でしたっけ?) を追って、敵の惑星のロボット工場に行って、そこで最後の対決になるまでの流れですが、筋が偶然に左右されすぎて、もっと大きな悪の陰謀とかのストーリーの流れがないのが、 スケールが小さい気がしました。 偉そうなことを書きましたが、まあスターウォーズはワールドカップ みたいにアメリカ人にとっての国民的イベントですから、見に行くことに意義があるといえるでしょう。

「メン・イン・ブラック2」
私が分からなかったのは、最後になぜ女の人が宇宙へ 帰ってしまったのか、というところです。セリフでは多分説明している のだと思いますが、映像的にも何か示してほしかったです。 マイケル・ジャクソンはなんなんでしょうね。 顔が人工的だったので、CGでそっくりさんを作ったのかと思いました。 トミー・リー・ジョーンズが引退しているという前半の設定や ウィル・スミスの好きな女性が最後に宇宙に帰ってしまうという 別れがあることから、前回みたいに手放しで楽しめるギャグというより ちょっと見終わってさびしい気持ちになりました。 考えすぎでしょうか。

日本から取り寄せた「黒澤明全集 最終巻」がようやく届き、 読み込んでました。E・A・ポーの小説「赤き死の仮面」を脚色した 「黒き死の仮面」が収穫でした。ソ連での映画化を念頭にした脚本 でしたが映画化されず、脚本もこれまで公開されていませんでした。 非常に暗い脚本でしたが、人間模様が重厚で、黒澤の愛読していた ドストエフスキイを彷彿とさせる内容です。
黒澤明の「黒き死の仮面」の解説は、こちらをクリックください→「黒き死の仮面」

あと、「ゴッドファーザー」「ある愛の詩」などで知られるプロデューサー ロバート・エヴァンズの半生を本人のナレーションで映画化した ドキュメンタリー「The Kid Stays in the Picture」を見に行きました。 アリ・マックグローと結婚したが、彼女が「ゲッタウェイ」で共演した スティーブ・マックイーンと不倫して離婚したり、麻薬のおとり捜査に ひっかかって逮捕されたりと、なかなか波瀾の人生です。 最近プロデューサーに復活して、「セイント」とかを製作しているそうです。 LAでは2館だけの公開でしたが、長い行列ができていたので驚きました、 年寄りが多かったです。日本では公開されるかどうか、分かりません。

2002年7日28日
日本はまた台風が来てるようですね。 ほとんどイチローの連続安打記録みたいになってきました。 何かに書いてあったのですが、むかし日韓国交正常化交渉の時に 韓国内で「韓国は自由主義の最前線として共産主義に対する砦と なっており、日本はその恩恵を受けている」みたいな意見があって、 それに対して日本では「それなら日本は南方から来る台風の砦となって 韓国への被害を軽減している」という意見が出たそうです(笑)。

昨夜、UCLAでカサヴェテスの「アメリカの影」修復版の上映があり、 ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル、アル・ルーベン、 リリー・ゴルドーニがゲストとして参加しました。 上映後に当時の思い出話をしたりして、面白かったです。 また会場にはピーター・フォークもラフな格好で来ており、 カサヴェテス一家勢ぞろいといった感じでした。 前から2番目の列で間近に見ることができ、感激でした。

日本では「猫の恩返し」がヒットしているみたいですね。 子供向け、女の子向けという印象がありますが、どうでしょう。 宮崎作品以外のジブリはあまり夢中になれません。 「ほたるの墓」「思い出ぽろぽろ」「耳をすませば(脚本は宮崎ですが)」 どれも、うーん、といった感じです。結局、ストーリーとキャラが大事で 技術はその次という気がします。むかし「ルパン三世」なんかを TVで見てた時は、技術はそれほど高いとは思わなかったけど、 ストーリーが抜群に面白かったので楽しめました。 特定の層向けに同じような映画を作るようになったら、 最近のディズニーアニメみたいになっちゃうんじゃないでしょうか。

あと併映は「ギブリーズ」というんですか? 内容は知りませんが、何となく「どらえもん」で併映だった 「どらえもんず」を思い出させますね。

個人的には黒澤脚本の「海は見ていた」が気になるところです。 私は新潮社から出ていた脚本と絵コンテの本を取り寄せましたが、 映画を見るまではと思い、まだ読んでません。 山本周五郎の原作は読んだので、話はつかんでいます。

山周といえば、市川昆の「かあちゃん」をビデオで見ました。 なかなかよくできており、演技やセットも力が入っていたと思います。 (ちょっとくさいところもなきにしもあらずでしたが。) ただ題材的には映画というより、テレビ向けという気もしました。

2002年7日23日
昨夜は「MIB2」見てきました。 前の方が笑えた気もしますが、今回もよくできてます。 5時にベル即して、5時半のスタートに間に合い、 終わって出たら、まだ明るかった。サマータイム万歳です。 でも、ラストの展開がよく飲み込めなかったです。

あと「ターミネーター3」の予告編をやってました。 来年7月公開だそうです。巨大なロゴと音楽だけで、 実写はまだ出ませんでした。現在LAで撮影中ですが、 芸能ニュースによれば、敵役の女ターミネーターの 女優にシュワルツネッガーが撮影中にセクハラをして、 問題になったそうです。まあ今回は監督がキャメロンでは ないみたいですし、どうなんでしょうか。

土曜日に知り合いとテニスをやって、その後砂浜でフリスビーを やったら、翌日曜は身体が痛く、風邪もひいてしまい、 一日中寝てました。いかん・・・。

2002年7日12日
ビデオ屋に「恋ノチカラ」が入ったので、驚きのあまり 第一巻を借りてしまいました。脚本はチープだし、 堤真一のオーバーな演技も鼻につきましたが、 深津絵里の「30すぎて焦ってるけど、純真な心も 捨てられない」演技が面白くて、見てしまいました。 見てて、「どこかで見たストーリーだなぁ」と思ったのですが、 自分の好きな人を、自分の友達も好きになってしまい、 板挟みで苦しむというのが、寅さんを思い出しました。 やはり日本人の心に訴えるテーマなんでしょうか。

2002年7日10日
今日「トータル・フィアーズ」を見てきました。 といっても、これは和製英語によるタイトルです。英題は 原作と同じく、「サム・オブ・オール・フィアーズ」でした。 まあ、和製タイトルも映画の題っぽいし、「恐怖の総和」 とかよりは、ましだと思うけど(この邦訳タイトルもひどい) 「トータル・フィアーズ」ってのも、なんだかなぁって感じです。

映画の方は、まったく期待しないで行ったら、 割と楽しめました。テロリストの罠で米ロが戦争手前まで 行く話です。設定が4〜5年古い気もしましたが、 大国の指導者が相手の出方を読みながら、次の手を 考えるあたり、「囚人のジレンマ」とか思い出して、楽しみました。 でも日本では多分「核爆弾の被害が広島ほどではない」 とか、的外れの批評が出るんだろうなぁ。 予告編では核爆発のシーンがあったのですが、本編では カットされてました。全体に暴力描写はかなり抑えられてました。

ちなみに音楽はジェリー・ゴールドスミスです。 大御所なので、名前は知らなくても音楽は聴いたことがあると思います。 「猿の惑星」「パピヨン」「スタートレック」「氷の微笑」 「エアフォース・ワン」「オーメン」「グレムリン」「チャイナタウン」 などなどです。横浜へ彼のコンサートに行った時は、観客総立ちになり、 拍手を送っていたので、感動しました。

2002年7日9日
警官の黒人少年暴行の件、昨日の朝のニュースで見ました。 交通違反したティーンエージャーがガソリンスタンドで 捕まり、手錠をされて車のボンネットに放り投げられたり 警官にどつかれたりしてました。 事件が起きたイングルウッドはけっこう家の近くだし、 ちょっとやばいかなとは思いましたが、一方で あのへんは貧困地区ではないし、被害者も 中流家庭っぽかったうえ、警官は白人というより ラテン系のようだったので、ただちにロス暴動みたいな ことにはならないんじゃないかと思います。 まあ暴動になったら、部屋で布団をかぶって 寝てようと思います。

映画音楽界の巨匠ジェリー・ゴールドスミスの 三度目の来日コンサートが決まったそうです。 前回はわざわざ横浜まで聞きに行っただけに、 今回は残念! アメリカでは彼のコンサートの噂を 聞かないんですよね。

2002年7日7日
夕べ、Puffyのコンサートに行ってました。場所は、家から車で30分ほどのサンセット通り沿いのライブハウスでした。スピーカーの近くに立っていた せいか、一晩明けた今でもギンギン耳鳴りがしてます。 早めに行ってステージのすぐ前に立てたので、二人から 3〜4mの距離で見れました。(ほとんど学園祭の距離でした。) チケットは15ドルで、手数料や送料込みでも23ドルほどでした。 武道館とかで遠くの席に何千円も払うのに比べれば安いですね。

曲は「渚にまつわるエトセトラ」「アジアの純真(英語バージョン)」 「これが私の生きる道」等々で、アンコールが「サーキットの娘」で、 後半はロック風のアレンジでした。歌を聴いてるより、 舞台でぴょんぴょん飛び跳ねてる二人を見ているのが 面白かったです。特に大貫亜美は可愛らしかったですね。 途中、1回トークをはさみ、二人で英語で由美の失敗談 (ホテルのシャワーで滑って頭を打ち、このまま救急車で 運ばれたら、裸だからまずいと思ったという話)をしてました。 カンペ読みながらでしたが、けっこううまい英語でした。

LAタイムズの芸能版なんかでも事前に紹介されてたりして、 単に日本人向けだけでなく、アメリカでも本格デビューしようという 気合が感じられました。アメリカ人の客層は、アニメ好きの 10代の女の子やアニメおたくの男だったと思いますが、 帰る時に見たら、2〜30代の普通のカップルも来てました。 うまく表現できませんが、Puffyの子供っぽい衣装や 踊りが、日本アニメに近いコンセプトだったような気がします。

8時開始というので、7時半に行ったのですが、実は8時開場 9時開演で、しかも前座のどこかの米人バンドを延々45分やり、 そのあと休憩を挟んで10時15分から始まりました。 ライブハウスは初めてでしたが、椅子がなくて、ステージのまわりで 立つのですね。11時半に終わりましたが、待っていた時から 合計すると、4時間立ちっぱなしでした。足が猛烈に痛いです。

ああ、まだ耳がキンキンする!

2002年7日6日
独立記念日は特に何もなく、無事に終わりました。ロサンゼルス国際空港での乱射事件や、ロス東部の公園で軽飛行機が墜落したくらいで、他は平和な一日でした。事件のあった空港のターミナルは、私も日本に帰るお客さんを送って行く時によく行きます。イスラエル航空のカウンターはJALやANAからは一番離れたところなので安心ですが、いつも人でごったがえしており、あんなところで乱射した割には死者が(犯人を含めて)3人で済んだのは驚きです。

夜はヨットハーバーで花火を見ました。隅田川ほどではありませんが、アメリカとは思えないすごい人手でした。夜9時くらいから始まったのですが、20分くらいで終わってしまいました。日本だと、えんえん1〜2時間はやってますよね。でも、独立記念日の雰囲気は味わえました。帰りの渋滞もすさまじかったですが、幸い車を30分ほど歩いた遠くに止めたので、何とか回避できました。ちなみに知り合いの男性と2人で行きました。(T_T)

土曜日のロサンゼルス・タイムズに田中康夫の記事が写真入りでけっこう大きく取り上げられてます。論調は比較的中立で、反対派と賛成派の声を両方とも取り上げていたと思います。日本のローカルなニュースが外国の新聞に大きく載るのはちょっと意外でした。こちらの記事の特徴は、多くの人のコメントを実名と職業入りで載せることです。どういう人のコメントを載せるかで記者自身の主張も盛り込まれるわけですが、もちろん記者の名前も載せます。だからというのでもないですが、日本の新聞の「〜と思われる」「〜とする声もある」みたいな無責任な書き方はひどいですよね。

「メン・イン・ブラック」をビデオで見ましたが、まあ楽しめる内容でした。こちらでは2が始まったところで、暇があれば見にいくかもしれません。あと「さよなら小津先生」のビデオも見終わりました。教育問題を取り上げる姿勢と、違法行為で逮捕された過去をもつ元エリート銀行マンという設定はいいと思いましたが、話がうまく進みすぎて、子供たちがすぐ改心してバスケに熱中してしまい、しかも最後の方はお涙ちょうだいになってしまうのが残念な気がしました。あと、こちらの日本語放送では「ショムニ・ファイナル」が始まるようです。

2002年7日3日
「We Were Soldiers」の日本でのタイトルが「ワンス・アンド・フォーエバー」というのは、どうなんでしょう。原題と違ったタイトルをつけるなら、せめて横文字はやめてほしいと思います。メル・ギブソンでは「What Women Want」が「ハート・オブ・ウーマン」というタイトルをつけられてのにもがっかりしました。こちらも見てませんけど。

新書ですが、久々に国際関係もの2つ読みました。岩波新書の「パレスチナ」と文春新書の「日本外交官、韓国奮闘記」です。「パレスチナ」はパレスチナ人の立場からイスラエルを断罪する内容で、目線が低いのはいいのですが、もう少し国際政治のダイナミズムや歴史を丹念に分析してほしかったです。でも現在の泥沼のパレスチナ情勢を理解する上では読んでよかったです。「韓国奮闘記」は、韓国人による日本の悪口が延々とでてきますが、それに対する著者の反論とQ&Aが書かれていて、役に立ちそうです。

明日は独立記念日でお休みです。テロに警戒するようにと、あちこちで叫ばれていますが、去年の9月からずっとそうなので、はっきり言って狼少年状態です。

2002年6日30日
今日はトム・クルーズの「マイノリティ・レポート」を見てきました。スピルバーグがSFでヒッチコックをやっているのが面白かったです。ところでこのタイトルですが、はじめ聞いた時は「少数民族報告」かと思い、ずっと政治物か社会派かと思ってましたが、P・K・ディックの原作を読んで意味が分かりました。映画は原作の短編のおおまかな筋と設定をうまく利用して、別の話に発展させていたと思います。ウディ・アレンの「ギター弾きの恋」で、おしの少女役だったサマンサ・モートンが出てます。「どこかで見た女優だなぁ」と思いつつ、終わってからタイトルロールで気づきました。あとベルイマン作品でおなじみのマックス・フォン・シドーが出てたのには驚きました。少し前から歳をとっていないみたいですね。何かの作品で悪魔の役をやってましたが、まるで本物の悪魔みたいです。

2002年6日24日
前回はワールドカップのネタで燃え尽きてしまったので、映画ネタはあえて飛ばしました。こういう時やオリンピックの時だけ、にわかナショナリスト(?)になります。それにしても、韓国の大活躍のためかワールドカップにおける韓国バッシングが強くなってきていますね。日本がこれにのったりすると、負け惜しみと批判される可能性があるので、中立を保つか、共同開催国の責任として韓国の肩を持つべきでしょうか。

ところで「スパイダーマン」の粗探しがはやってるようです。寛大な(?)私も「おやおや」と思う箇所がかなりありました。粗を探すHPがあって、数十箇所指摘してるらしいです。でもこんなの、「シェーン」の冒頭で遠くにバスが映っているとか、「パピヨン」で海にいかだを浮かべて脱出するスティーブ・マックイーンを海中からささえるダイバーが映っているのに比べると、重みがなさすぎます。

さて、この週末は金土日と、アメリカンシネマテークの日本映画特集を見に行きました。マイナーな作品が多かったせいか、日本人はあまりおらず、100〜200名の観客はほとんどアメリカ人でした。

「ピストルオペラ」
鈴木清順監督、江角マキ子主演のアクション(?)映画。70年代のアングラ演劇風で、ストーリーや前後の脈絡がまったく訳が分からず、「何じゃらほい」でした。それでも終わった時には大きな拍手が起きて衝撃を受けました。沢田研二がチョイ役で出ています。(本当にチョイ役です。)

「黒薔薇の館」
深作欣二監督。三輪明宏(魔性の女役)と田村正和のラブストーリー(?)。三輪演じる魔性の女の魅力にとりつかれた男達の悲劇を描いており、タイトルからも分かる通り、江戸川乱歩風のおどろおどろしい映画です。三輪の女役の演技がわざとらしくて、米人の観客にはうけてました。30年前の映画で、田村正和が若いのですが、当時から古畑任三郎のしゃべり方をしているのが笑えました。

「きみが若者なら」
これも30年前の深作作品で、若き日の前田吟と石立鉄男の青春映画。貧乏な青春悲劇の話ですが、「黒薔薇」の後だったので、すがすがしかったです。でも、よもや前田吟が今や朝のテレビ番組の司会を務めていようとは、アメリカ人の観客も夢にも思わないでしょうね。

(以上の3本は金曜日に仕事が終わった後で見ました。終わったのが夜中の1時頃で、質量ともに疲れる内容でした。)

「女囚さそり 雑居房41号」
さそりというあだ名の女囚が監守や女囚から徹底的にいじめられるが、最後には脱獄して、復讐を果たす物語。梶芽衣子がクールでよかったです。漫画原作とはいえ、昔はこんなおどろおどろしい映画がヒットしたんですね。驚いたことにアメリカンシネマテークでDVD化して、アメリカで販売してます。

「おれにさわると危ないぜ」
小林旭の日活アクション。金塊をめぐる陰謀に巻き込まれたフリーカメラマンの話ですが、主人公の名前が「本堂」で、内容も007のパロディです。タイトルバックに出てくるゴーゴーを踊る女性たちは、ほとんど「オースティンパワーズ」のあの世界でした。ラストに、小林旭が歌う演歌がアメリカ人でいっぱいの映画館に鳴り響き、ものすごく不思議な感じがしました。(こちらもDVD化されています。アメリカ人の趣味は分からん・・・。)

「助太刀屋 助六」
岡本喜八はアメリカでは評価されているようです。話の基礎となる敵打ちがアメリカ人にどこまで理解されているかは分かりませんが、そこそこ受けてました。村の女役が鈴木京香とは最初分かりませんでした。

2002年6日21日
ワールドカップ、トルコに負けて残念でした。こちらでは月曜の夜11時半から放送しており、私も気合で見ました。翌日の朝、日系企業協会の会合に行ったら、その話題で持ちきりでした。中田浩のパスミスは、私も見ていて、「なんじゃ!」と憤るほどの凡ミスだったと思います。しかも本人は「あ、わりぃ、わりぃ」とかいった感じでへらへら笑っていたし。それで、コーナーキックからヘディングでやられたわけですが、あれだけ日本の選手がゴール前に固まって、トルコの選手は一人だけなのに入れられてしまったのが、注意一秒けが一生でした。全体の気迫が、トルコチームに劣ってましたね。1対1になっても、小野以外は相手の球を取りに行かないし。日本は予選で燃え尽きたのではないでしょうか。

対照的に、アメリカはベスト16に進出して、第一戦がメキシコだったあたりから、こちらでも盛り上がってきました。ラジオや新聞でも取り上げるようになってきたし、知り合いも録画して見たりしてます。ただ、英語の放送局は、感情移入をまったくせず、淡々としたアナウンサーなので、非常に評判が悪いです。日本VSチュニジア戦は英語の放送局で見ていたのですが、森岡や中田がゴールを決めても、何も言わないので、「あれ、今の確か入ったよな」と思ってみていると、観客や選手が大喜びしているので、ようやく入ったと分かる始末でした。ところが、メキシコ人向けのスペイン語放送は、ラテンののりで、アメリカやメキシコにぜんぜん関係ない国の放送でも、むちゃくちゃ感情移入して、叫びまくりなので、話している内容はまったく理解できませんが、超盛り上がります。特にゴールを決めると「ゴーーーーーーーーーーーーール」と10秒くらい叫び続けるのが、いいです。どういうわけか、日本人選手の名前に「さん」をつけて呼ぶので、「中田さん、シュート!」とか「小野さん、パス!」とかいった感じで、笑えました。

2002年6日13日
いよいよ、日本vsチュニジア戦ですね。今は夜8時半ですが、一眠りして、11時 半から中継を見るつもりです。上司の夜の誘いも断ってなので、気合入ってます。で も、明日、会社で大丈夫かな・・・。

「模倣犯」いよいよ公開ですね。朝日新聞の批評は辛口でしたが、どうでしょう。確 かに最近の森田監督は、ちょっと普通の作品ばかりでやや物足りないです。「失楽 園」「刑法39条」「黒い家」とか。出来は水準とは思いますが・・・。黒澤明脚本の「海が見ていた」も、6月公開ですね。新潮から出ていた脚本と絵コンテはとりよせで買いました。まあ、こちらでは公開はしないだろうなぁ。ビデオをまちます。「プロジェクトX」を映画化した「陽はまたのぼる」は、どうでしょう。NHKの番組はビデオで見ましたが、ちょっとつめが甘い気がしました。VHSを開発するまでが番組の中心でしたが、実際には開発したあとで、SONYとの競争に勝つ過程が面白いと思うのですが。あと、タイトルも何だかなぁ、です。谷村新司のあの歌が出てくるんでしょうか。どうせなら、「地上の星」とかでもよかったのではないでしょうか。テレビに使われる中島みゆきの歌はなかなかいいですね。サラリーマンを泣かせるというのも分かる気がします。

先日、DVDをいくつか借りて見ました。「ゴースト・ワールド」は日本で公開されているか分かりませんが、なかなかの収穫です。高校を卒業して、就職も進学もせずにぶらぶらしつつ、世の中を冷めた目で見る女の子の話をユーモラスに描いたものです。奈良美智のイラストに出てくる怒った女の子をそのまま映画化したような感じで した。アメリカ人にも、こういう人はいるんだと思うと、ほっとします。あと、「プリティ・ウーマン」のゲーリー・マーシャル監督による「プリンセス・ダイアリー」は、主演の女の子は可愛かったですが、展開がわざとらしくて、ギャグの切れも今いちでした。何より、ジュリー・アンドリュースの女王陛下というのが、まったくリア リティがありませんでした。彼女をべたぼめしている日本の批評も見かけましたが、 この作品では彼女の取り柄が生かされてないです。

あとブニュエルの「小間使の日記」とフェリーニの処女作「寄席の脚光」を借りまし た。どちらも昔の作品で、安心して見れます。ビデオを借りに行った夕方は部分日食 で、いつもよりちょっとビデオ屋のまわりが暗かったです。カリフォルニアの太陽も 日食には勝てないのかと思いました。

2002年6日5日
ワールドカップの日本・ベルギー戦をテレビで前半だけ見ました。夜2時開始だったので、見る気はなかったのですが、目が覚めてしまい、前半だけ見たところで、何となく引き分けの予感がして、また寝ました。スペイン語放送局だったので、解説はまったく分かりませんでしたが、はらはらしながら楽しめました。この調子だとロシア戦も見てしまうかも。でも、スタジアムがほぼ青一色だったのはちょっと不気味でしたね。

夕べは「スパイダーマン」を見てきました。「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督でしたが、とにかくスパイダーマンがビルからビルへとターザンのように移動する様がよくできてました。ドラマ面でも、うじうじした主人公の恋模様とかが丁寧に描かれ、娯楽映画としてはよく出来ていたと思います。会社の上司も見たそうで、「面白かったけど、主人公の相手役の女の子が東欧系でエラがはった顔なのが今いちだった」とか言ってました。私は可愛いと思いましたが。

ところで「パニックルーム」について質問ですが、ジュディ・フォスターの子供が女の子であることははじめは巧みに伏せられていて、途中で女の子だと分かる演出だと思ったのですが、そうですよね? そうすることで、男性の暴力と戦う母娘=女性という構図が途中で生まれ、観客に新たな視点を提供したと思うのですが。朝日新聞の批評だったと思いますが、最初から子供が女の子だとネタをばらしているのがあって、気になってます。或いは日本語の字幕でははじめからそう説明していたのでしょうか。でも、カメラの動きはすごかったです。コーヒーポットの把手をくぐり抜けたり。ヒッチコックが生きていたらCGをこう使っただろうという感じで好き放題やってました。難を言えば、アパートの中という密室の要素をもっと活用して、もう少し騙しあいや知恵比べの要素が欲しかった気もします。

2002年6日2日
日本はワールドカップ一色のようですね。アメリカではあまり(というかほとんど)報道されないので、ワールドカップをやっているという実感が一般の人にはないと思います。たしか開幕の日の新聞の一面はレイカーズのプレイオフの記事でした。韓国人やメキシコ人向けのTVでは試合中継などをやっているので、それらを見たりしてます。日本の放送では権利の関係で静止画しかやってません。でも日本で盛り上がっているのを観ると、日本戦も見たくなりますね。

先週は「スターウォーズ」を見ました。何というか、エピソード1に輪をかけてデジタルな絵づくりでした。子供もたくさん来てましたが、ドラマ部分が多かったので、あまり子供向けではないような気がしました。私が見た映画館はデジタル上映をしていたのですが、途中で一瞬だけブチッと絵が途切れました。デジタル上映といえど、完璧ではないようです。

あと、この前ラスベガスに初めて行ってきました。ロスから車で5〜6時間ほどのところです。ロスは朝晩や曇りの日はすずしいのですが、ラスベガスはまったくの真夏で、長袖長ズボンのジャケット姿の私は異常に浮いてました。仕方なくホテルで買ったTシャツに着替えたりしました。ギャンブルは安めのスロットルマシンしかやりませんでしたが、なかなか面白いところでした。ホテルごとにテーマパークのようになっていて豪華な雰囲気が味わえます。カジノ街は夜遅くになってもまったく人通りが絶えることがなく、アメリカというより、新宿か渋谷みたいでした。

今週も昨日のゴルフで疲れたので(またも散々なスコアだった)、今日は大人しくしてます。夜は、オペラのチケットを買ってあるので、体力を温存しておくつもりです。このオペラはバルトークの「青髭」で、「フレンチコネクション」や「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン監督がオペラ初演出を手がけるというものです。

2002年5日11日
おとといの夜はUCLAでダイアン・キートンを見ました。多少歳をとって、髪も一部白く、しわも増えてましたが、「アニーホール」や「マンハッタン」のダイアン・キートンで、話し方とかは同じでした。一見ぼけているようで、動作はきびきびしてました。知らなかったのですが、彼女はテレビドラマとかの監督もしているそうですね。サインは、気合でお願いすればもらえなくはなさそうでしたが、誰ももらっていなかったので、もらいそびれました。

ちなみに来週はマイケル・マン監督、その次の週はサム・ライミ監督なのですが どちらも会社の仕事で行けそうもありません。特にサム・ライミは「スパイダーマン」が公開されたばかりでタイムリーなのでぜひ行きたいところですが。

LAでサインをもらった有名人は、ドリュー・バリモア、深作欣二、ジャネット・リー、ノーマン・ロイド(ヒッチコック映画の悪役)、ジェームズ・ハリス(キューブリックの初期の共同製作者)などです。イベントにゲスト参加した人で見たことがあるのは、ジャッキー・チェン、チャールトン・ヘストン、ジャクリーヌ・ビセット、リドリー・スコット、ジョン・カーペンター、カーティス・ハンソン、ジョージ・タケイ(スタートレックの出演者で、今は日系社会の重鎮)、広岡達郎(ロスに講演に来た)などです。(もっとマイナーな人もいるが除く。)来週の日曜にレポーターの梨本の講演があるそうで、チケットをもらったので行くと思います。サインは・・・どうしようかな・・・。

ところで、私は「アザーズ」は見てないのですが、見た人の話を聞いたら「シックスセンス」より上手にできていて、面白いと言ってました。どうなんでしょうね。

2002年5日8日
今晩はアメリカンシネマテークで「血を吸うカメラ」を見てきました。おどろおどろしい題ですが、古い英国映画で、連続殺人を扱ったサイコスリラーです。日本でもたまに単館上映してます。おどろおどろな映画かと思ったら、結構丁寧に作られてて、メジャーな俳優はでてないものの、最近のショッカーのみのサイコスリラーより余程面白かったです。被害者を殺す場面を8ミリ映画に撮り、それを見て楽しむサイコキラーの話です。宮崎事件そのものじゃないかと思いました。

明日はUCLAの映画会にダイアン・キートンが来る予定です。ウディ・アレンの映画で何度も見てますが、実物が見れるので楽しみです。映画は彼女のチョイスで「駅馬車」です。もうちょっと新しいのにしてほしかった・・・。

去年5月頃のUCLA映画会にはドリュー・バリモアが特別ゲストとして参加して、運良くサインをもらえました。美人ではないけど、スターならではの独特のオーラでした。「アメリカの夜」のジャクリーヌ・ビセットが完全に普通のおばさん化してたのに比べると、やはり現役ハリウッドスターの匂いを感じました。ちなみにバリモアが選んだのはウディ・アレンの「アニー・ホール」でした。

日本の新聞のインタビューでサム・ライミが「スパイダーマンは子供の時から大ファンだったよ」と語ってましたが、別の記事で映画化を引き受けるまで原作コミックは読んだことがないと書いてあった気がします。どっちが本当なんだ?!

2002年5日7日
独身の友人君がマイホーム購入を考えているそうで、考えさせられました。独身とはいえ、そういうことを考える年頃なのですね。ほかの友人でもマイホーム購入している人はいるし、会社の同期でもぼちぼち買い始めている人はいるようです。のんきにカリフォルニアの太陽の下でゴルフしてる場合じゃないですね。ちなみに日曜日はひとりでショートコースを回りましたが、ひとりでまわるとつまらなかったです。

昨晩はウディ・アレンの新作「ハリウッド・エンディング」を見てきました。始まったばかりなのに、ほとんど観客がいませんでした。やはり西海岸では彼の映画は受けないみたいですね。風刺が効いててなかなか面白かったです。

「スパイダーマン」が出足好調のようです。6月には「スターウォーズ」「マイノリティ・レポート」とSF大作が続きますが、がんばって、見ていこうと思います。

2002年4日29日
昨夜は「アパートがらみの悲惨な体験ベスト3」にも入る大変な騒ぎがありました。昼間、知り合いとゴルフをして、その後で日本式銭湯に入った疲れから、夜9時頃には床についたのですが、11時頃になって、雨のしずくの音で目を覚ましました。「おかしいな、なんで雨が降ってるんだろう」と思いながら玄関に行くと、天井から水が滴っており、部屋の中が水びたしになってました。上の部屋で水道の水があふれて床に流れ出していたようです。あわてて洗面器やゴミ箱で水を受け、雑巾や新聞紙でふいたりする一方、管理人や上の住人に苦情を言いに言ったりして、夜遅くまで大変でした。幸い水の元栓をしめた後、配管工をたたきおこして修理してもらったおかげで12時半ころには水は止まりました。それにしても、こんなこと映画やテレビでは見かけても、実際に自分が体験するとは思いませんでした。

ちなみに他の「アパートがらみの悲惨な体験」としては、
1.風呂の蛇口が壊れて、一晩中湯が止まらず、部屋中が湯気でもうもうとした。(クリスマスだったので、管理人がつかまらなかった。)
2.台所の電気がショートして、一ヶ月暗闇で料理を作らねばならなかった。おまけに留守のうちに修理に来た電気屋が台所の電源を切ったまま帰ってくれたおかげで、もう少しで冷蔵庫の食料が全滅するところだった。
3.上の部屋の住人(今回、水道騒ぎを引き起こした張本人)がしょっちゅうパーティーを開き、夜中まで音楽を鳴らしたり、騒いだりしてうるさい。どしどし音をたてて歩くので、音もうるさい。
4.隣の部屋でシャワーを使うと、滝のような水道の音が寝室の壁から聞こえてきて、熟睡していても目が覚めてしまう。
5.洗面台や台所の排水が詰まり、水が流れなくなった。
6.台所に大量の蟻が発生し、毎朝生ゴミに黒い行列を作る。
などなど、数えていくときりがありません。

ちなみに私のアパートは家賃が月1850ドル(5月から1950ドルに値上りし た)の割りとお高いアパートなのですが、それにしてこの有様です。勘弁してほしいですよね。幸いなことに、玄関近くの床とカーペットが水浸しになった他は、ほしていたシャツが天井からの水で濡れたぐらいで、大きな被害はありませんでした。

土曜日の夜は美術館で上映したトリュフォーの「アメリカの夜」を見に行きました。もう何度も見てますが、出演者のジャクリーヌ・ビセットが来るというので、しょうこりもなく行ってしまいました。映画の前にビセットがトリュフォーの思い出とかいろいろ語ったのですが、ものすごく早口だったため、ほとんどまったく分かりませんでした。サインももらえませんでした。でも「アメリカの夜」は大好きな映画なので、出演者を見れただけでも感激です。

2002年4日23日
「ミステリートレイン」に関連して、工藤夕貴で思い出したのですが、彼女は以前ロスに住んでいて、こちらの日本語ラジオ放送にも出演していました。「日本にいると、離婚した女性という役しか来ないのが嫌でアメリカに来た」とか言ってたのですが、誰かと結婚して別れたんでしたっけ?

あと余談ですが、「新撰組!」の「!」は、「新撰組」だと字画が2字足りないから付け加えたそうです。たしかお母さんの影響らしいんですが、けっこう字画に凝るみたいです、三谷幸喜は。

2002年4日22日
2004年のNHK大河ドラマは三谷幸喜脚本の「新撰組!」だそうですね。朝のニュースで知って、今からわくわくしてます。でも1年間の長丁場で、脚本が間に合うんだろうかと、今から心配になってしまいます。三谷は幕末物の劇をいろいろ書いているから背景の知識はあるんだろうけど、NHKも大胆な賭けに出ましたね。キャストはまだ発表されてませんが、最近のNHK路線だと、思いっきり芸能人で、SMAPあたりでも使うんじゃないでしょうか。近藤勇=中居クン、土方=香取真吾、沖田=草なぎクン、坂本竜馬=キムタクとかね・・・。

土曜日にグループ会社のゴルフに行ったのですが、すさまじいコースでした。コースの一部が荒野になっており、山の上から直径十数メートルのグリーン目掛けて打ったり(グリーンの外は岩と砂だけで、当然私はグリーンになど乗らず、ロストになりました)西部劇に出てくるような岩場の間を打たなければならなかったり・・・(当然、私は岩場に打ち込み、これもロストになりました)。しかも驚いたことに、あるカート道でガラガラヘビが道の上で待ち構えており、前に進めなくなってしまいました。(前のカートに踏まれたのに怒って、攻撃態勢をとっていました。)まあ確かに「ガラガラヘビに注意」という看板は出てはいましたが・・・。しかもヘビが出たのが私がラフに打ち込んだボールを探しているすぐ横だったので、「ガラガラヘビに噛まれたら、労災になるんだろうか」とか考えつつ、怖い思いをしながらボールを探さざるを得ませんでした。スコアは相変わらず悲惨でしたが、コースがコースだから、いいスコアなんか出るわけないです。山の上から遠くに竜巻(小さなやつでしたが)が見えたのは一興でした。

映画はDVDで市川雷蔵の「忍びの者」とジャームッシュの「ミステリートレイン」 を見ました。「忍びの者」は篠田正浩の「梟の城」と何となくストーリーが似てましたが、まあまあでした。「ミステリートレイン」は日本からやってきた工藤由紀と永瀬正敏のカップルのエピソードが大爆笑ものでした。アメリカ人との交流がちぐはぐ で、まったくかみ合っておらず何事も勝手に自分たちだけで思い込んでいるところな んか、本物の日本人そのものでした。今までのアメリカ映画で、もっとも日本人を正 確に(?)描いた作品だと思います。ただ二人のセリフが全編日本語だったのに、英 語の字幕がなかったんだけど、(日系でなく、地元ローカルのビデオ屋で借りた)ア メリカ人はどうするんだろう?

あとアメリカン・シネマテークで黒澤の「天国と地獄」を見ました。今度NYで公開するためのニュープリントによる上映だったので、絵がきれいだったです。やはり最初から最後まで見ていて力が入るのは黒澤作品ならではだと思いました。神奈川県警がかっこよく描かれており、現在のスキャンダルを知ってる我々の目から見ると、ちょっと笑えました。特に仲代演ずる警部がメディアに対する情報操作をするところなんか、かえって現実を先取りしてて恐いくらいでした。(黒澤の意図とは全く関係ないのですが。)アメリカンシネマテークでは今度「どら平太」やアニメ「スプリガン」を6月にやるほか、市川雷蔵&勝新太郎特集を10月にやるんだそうです。

2002年4日10日
もう1週間たってしまいましたが、野茂対新庄を見てきました。ドジャースタジアム は初めてでしたが、内野席とグランドの間にネットがないのが驚きです。(さすがに バックネットはありますが。)われわれの席は三塁側の内野席で、ドジャースのベン チ側だったので、守備を終えて帰ってくる野茂の顔がよくみえました。マウンドでは テレビと同じ投げ方をしてました。この日は不本意な結果で残念でしたが。ボンズが 2本もホームランを打ったのがすごかったです。日本人の観客も結構来てましたが、 球場全体では半分強の入りといったところだったと思います。先日はテレビをつけたら、マリナース対エンジェルスの試合で、ひょこひょこ投げてる小柄なピッチャーだったのですが、よく見たら長谷川でした。次の回には佐々木に代わり、見事おさえてました。西海岸は日本人選手が多いので、なかなか楽しいです。

今夜はジョディ・フォスターの「パニック・ルーム」を見てきました。わりと凝った 作りで、面白かったです。ジョディ・フォスターがティーンエージャーのお母さん役 でした。昔から見てる俳優がああいう役をやるようになると、自分も歳をとったなぁ と思います。

あと森田芳光の「黒い家」をビデオで見ました。前半は犯人の精神の闇に迫っていく 様子が迫力があって面白かったのですが、後半は完全に「13金」化してました。森 田監督で「模倣犯」を製作中だそうですが、これは面白そうですね。

2002年4日1日
この週末はイースターの休みで3連休だったのですが、風邪をひいて寝てました。喉 が猛烈に痛くなり、熱も出てひたすら寝てました。でも、おかげでグループ会社のつ きあいゴルフに出なくてすみました。ゴルフに出なくていいなら、風邪をひくくらい いいや、とも思いました。

ただ困ったことにまた虫歯も痛くなってきて、ごはんがうまく食べられません。風邪 が治ったら、きちんと行こうとは思うのですが、またドリルでチュイーンと削られる かと思うと憂鬱になります。風邪なんか治らなくてもいいや、とも思います。

それから2週間くらい前に台所と玄関と廊下の明かりがつかなくなりました。3箇所 同時なので多分配線の関係だと思うのですが、管理人に言っても、電球を取り替えた きりで、配線だと言ってもフォローなしです。昨日、郵便受けに管理人の手紙を見つ けたのでこの件だと思ったら、来月からの家賃の値上げの通知でした。今日も暗闇の中で味噌汁を作って、ほっけを焼きました。

まあ、幸いなことにこれ以外には大して困ったこともありません。

昨日ビデオで「マグノリア」を観たのですが、結局カエルが落ちてくるのがどういう 意味なのか分かりませんでした。何かですごいオチだと読んで、期待して最後まで 引っ張られたのに、裏切られた気分です。

同じくビデオで観たジョン・キューザック主演の「ハイ・フィデリティ」はまあまあ 面白かったです。原作では舞台がロンドンだったのを、映画ではシカゴに変えてし まったところがアメリカ映画らしいいい加減な感じがしますが、30代半ばで結婚も せず、うまく大人になりきらないまま、ずるずると日々を過ごしている主人公に感情 移入してしまいました。思わず文庫本も買ってしまい、今読んでます。

映画館で観たものでは、先週ジャック・ドゥミの旧作「ローラ」を見ました。なかな か面白かったです。また修復版か何かなのかは分かりません。日本でもやっているで しょうか。今週は同じくジャック・ドゥミの「天使の入り江」をやっており、風邪が 治れば観に行きたいところです。

あと、ついにというか、美術館の上映で「カリガリ博士」をオルガンの伴奏付きで見 ました。実は初見です。仕事帰りで疲れていたため、途中うとうとして、やや危な かったのですが、最後まで無事見ました。なかなか不気味でいい味出してますね。人 を刺し殺す場面を影で処理しており、今日のサイコサスペンスの元祖みたいなところ があります。

最後になりますが、こちらでは昨日が「漂流教室 ロングラブレター」の最終回でし た。昔のNHKの少年ドラマシリーズみたいな感じで、SFも悪くないなと思いまし た。もうちょっと毎回のストーリーのつぼをきめて、話を謎で引っ張ってもらいたい 気もしましたが。でも昨日は風邪をひいて気が弱くなっていたせいか、常盤貴子が死 んでしまうところで、ちょっとうるうるきてしまいました。

2002年3日1日
「マルホランドドライブ」を見ました。アメリカで見た劇場公開映画としては、「ショコラ」の次に面白かったです。でも、後半はまったく分かりませんでした。もともとテレビのパイロット番組として作られたものの、製作の目処がつかず、映画化の話が出て、後半を撮り足したようです。後半に出てくる甦った死体の女の子って、前半のハリウッドにやってきた女の子と同じですか?そこが今いち分かりませんでした。カリフォルニア風に妙に明るい恐怖の老夫婦が笑えましたね。

月曜日にアメリカンシネマテークで「ブラック・ホーク・ダウン」の上映があり、 リドリー・スコットとジェリー・ブラックハイマーがトークをしたので見にいきまし た。話そのものよりも、Q&Aの時に一人の歴史教師と名乗る観客が「この映画や『パールハーバー』のように歴史を映画化してくれて、ブラックハイマーに感謝したい。是非911も映画化してほしい」と言っていて、思わず「『パールハーバー』のどこが歴史だよ? おまえ、本当に歴史教師かよ?」と突っ込みをいれたくなりました。911の後の妙な愛国心の高揚で、こういうアホな発言が堂々とまかり通ってます。911映画化云々の話は、2人とも適当にかわしてました。映画は、ソマリア版「プライベート・ライアン」といった感じで、凄まじいの一言につきますが、「パールハーバー」ほど不愉快ではありませんでした。

アルトマンの「ゴスフォード・パーク」は見てませんが、面白そうです。見に行ったアメリカ人は「英語がよく分からなかった」とか言ってましたが。

2002年2日18日
最近テレビドラマのビデオを借りて見たりしているので、今回はドラマについて。

「スタアの恋」は、1話の最初の30分くらいでやめてしまいました。有名な俳優を使っているだけで、人物の造形に深みや魅力がなく「ちょっとなぁ・・・」でした。ジュリア・ロバーツの「ノッティングヒルの恋人」のパクリですが、本家の方もややシチュエーション先行で、ジュリア・ロバーツ演じるアメリカ人女優の人物が弱かった気がします。

「初体験」は、水野美紀と酒井真紀はいいと思いましたが、しょせんストーリーが少女マンガですね。1話で十分だと思いました。なんで獣医に助手が3人もいるのか?そんなに獣医とはもうかるのか?ちょっとこのへんが甘いですよね。タイトルの洒落た音楽は好きです。

「漂流教室」は、こちらでも日曜の晩に放映されているので、食事をしながら、見たり見なかったりです。シチュエーション先行になりがちで、人物が類型的になりすぎる点もありますが、消してしまうほどではないです。(以前やっていた「ラブレボリューション」はあまりにひどいので、消してました。)

新聞で読むと、深津絵里の「恋するチカラ」あたりは面白そうです。ビデオが入ってないのが残念なのですが。中谷美紀が市長になるドラマ(タイトル忘れた)はいまいちみたいですね。あと「トリック2」は、しょーもないなぁと思いつつ、演出が好きなので多分借りて見るでしょう。

あと野球ネタですが、石井のドジャーズ入りが決まった翌日はあちこちの現地紙にその記事が出てました。が、「コメディアン」とかそんな書かれ方をしていたのが気になりました。英語の会見が中途半端で、あれなら挨拶だけ英語でやって、日本語でやった方がましだったというのが私の感想です。LAタイムズでも「ほほえましい奴」ぐらいの書かれ方だったと思います。まあ勝負は野球のわけですが。

2002年2日13日
今年もアカデミー賞のノミネートが発表されましたので、例によって受賞者を予想してみたいと思います。

作品賞「ビューティフル・マインド」
率直に言うとそれほどの作品ではなかったのですが、他の作品と比較すると、話題性や社会性では一番のようです。主人公の想像上の人物が出てくるので、昔、自主製作で作った映画を思い出しました。

監督賞 ロン・ハワード
「ビューティフル・マインド」が作品賞を受賞すれば、堅いところです。ロバート・アルトマンもダークホースかもしれません。一方、昨年「グラディエーター」が受賞しながら監督は受賞できなかったリドリー・スコットに同情票が集まる可能性もあります。

主演男優賞 ショーン・ペン
黒人俳優が大勢ノミネートされていますが、それゆえに黒人俳優は共倒れになる恐れがあります。障害者ものは受賞しやすいので、ショーン・ペンが堅いのではないでしょうか。

主演女優賞 ニコール・キッドマン
トム・クルーズとの離婚に対する同情票が大いに集まりそうです。「ブリジット・ジョーンズの日記」のレニー・ゼルウィガーがノミネートされたのは驚きでしたが、個人的には彼女が受賞してほしいです。ダークホースですね。

助演男優賞 イアン・マッケラン
「指輪物語」以外のノミネート作品を見てないのでよく分からないのですが、ガンダルフはいい味出してたと思います。魔法使いっぽい感じが出て、ファンタジーっぽくなりました。

助演女優賞 ジェニファー・コネリー
久々のメジャー出演の彼女ですが、分裂病の夫をかいがいしく看護する演技はまあまあだったと思います。中身はないけど、美しさでカバーですね。

(後日談)結局、フタを開けてみれば、作品、監督、助演女優賞しか当たりませんでした。去年は「トラフィック」の助演男優賞を見事当てたのに、神通力が衰えたようです。しかし黒人2人が主演を取るとは、たしかに意外でしたね。

2002年2日8日
毎日ウィルスメールと広告メールばかりで、嫌になります。特にウィルスメールは、いい加減にしろと言いたくなります。そういえば、IT川柳でこんなのがありました。
「ウィルスが 便り届ける 古き友」
「あこがれの 君の名前で ウイルスが」

というわけで、最近見た映画です。

「指輪物語」
とりあえず退屈はしないけど、次から次へとクライマックスといった演出なので、ちょっと疲れるかも。CGは良く出来てます。もっと短くても全然問題ないような気もするんだけど。

「アメリー」
フランス映画なので、英語字幕がつくのはいいんですが、異様に細かい字幕があっという間に流れて行くので、アメリカ映画以上にストーリーについていくのが大変でした。これって「エイリアン4」と同じ監督なんだよね。アメリカンシネマテークにも 監督が来たんだけど、会社の仕事で行けませんでした。

「ハロウィン」「遊星からの物体X」
その代わり、アメリカンシネマテークのジョン・カーペンター特集は行きました。本人のお喋りも聞けたし、まあまあでした。「遊星からの物体X」は昔友達みんなでTVで見てあまりの怪物のすさまじさに友人から抗議が出たのを覚えてます。

「The Man Who Wasn't There」
コーエン兄弟の新作ですが、邦題は何てつけるんでしょうね?白黒撮影が渋い犯罪映画ですが、主人公が床屋というところがちょっと普通の犯罪物と違うところでした。主人公がタバコばかり吸ってるので、嫌煙団体からクレームがつきました。

(後日談)その後、邦題は「バーバー」となりました。シンプルで悪くありませんが、原題のジェームズ・ケインのハードボイルドっぽいタイトルの味も捨てがたいです。

2002年2日4日
Bad News & Good News です。

はじめに Bad News ですが、いよいようちの会社も40歳以上の早期退職を募集することになり、暗澹たる思いです。今日、本社の人と話したら、キャッシュがかつての5分の1に落ち込み、財務的にもかなりやばい状況になりつつあるのだそうです。数日前に社長が本社の主任層(30歳前後)を集めて話をしたそうですが、若手からの不満に社長もうまく答えられてなかったそうです。

一方、Good News ですが、日系スーパーで大根の葉を無料でもらえることが分かりました。緑系の野菜として、ほうれん草やちんげん菜は量に対して値段が高いのですが、大根の葉は味噌汁に入れるのにちょうどいいので重宝します。試しにレジに持っていったら、カウントせずにぽいとビニルに入れてくれたので「ラッキー!」といった感じでした。ささやかな喜びでしたね。

昨日はスーパーボールで、隣近所がすごくやかましかったです。特に私の上の部屋がうるさく、床をふみならしたり、大変な騒ぎでした。よほど注意してやろうかとも思いましたが、撃たれたりディベートになると困るので、我慢して寝ました。

2002年1日19日(土)
エジプシャン・シアターでスタンリー・キューブリックの義弟ヤン・ハーレンによるドキュメンタリー『スタンリー・キューブリック:ライフ・イン・フィルムズ』を見る。監督のヤン・ハーレンもこのために英国からかけつけた。上映後のQ&Aでは芸術家としてのキューブリックの姿勢や作品の舞台裏などの説明をしていたが、面白かったのは25年以上温め続けた企画『アイズ・ワイド・シャット』をウディ・アレン主演で(コメディアンとしてでなく、普通の人間の役で)映画化しようと考えたこともあったということ。また幻の作品『ナポレオン』のシナリオを出版することも検討しているが、キューブリックの膨大なアーカイブは手付かずの状態なので、それを整理することから始めなければいけないとのこと。月並みだが、整理が進んで、新たな資料などが発表されることを祈っている。続いて遺作『アイズ・ワイド・シャット』が上映された。ゲストとして出席予定だったシドニー・ポラックが健康上の理由で出席をキャンセルしたのが残念だったが、製作総指揮を務めたヤン・ハーレンが同様に舞台裏を解説してくれた。

2002年1日16日(水)
エジプシャン・シアターでスタンリー・キューブリックの初期ドキュメンタリー『デイ・オブ・ザ・ファイト』見る。クライマックスのボクシング試合以外は基本的に再現ドキュメンタリーだが、ニューヨークのざらざらした感じがうまく捉えられており、ライティングも処女作と思えないほど、しっかりしている。続いて『殺しの罠』『現金に身体を張れ』を上映した後、ゲストの製作者ジェームズ・B・ハリスがQ&Aを行った。知的で人の良さそうなおじいさんで、キューブリックと喧嘩することなく、話を辛抱強く聞くことができそうなタイプだった。終了後にサインをもらった。「キューブリックとの思い出を本に書くつもりはないか?」と尋ねたところ、「それは面白い意見だ。だが、彼との思い出は本で発表したりせず、大切にとっておきたいね」と語っていた。

2002年1日13日(日)
山本博文氏の「『葉隠』の武士道」(PHP新書)読了。同氏の本は、古文にも現代訳が入っていて読みやすいのと、視点が現代的で面白いので、新書が出るとよく読んでいる。「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」で有名な『葉隠』について、ちまたで言われるような勇ましい武士道についての書ではなく、太平の時代を無難に過ごした老人の処世術にすぎないとする点が面白かった。前半は鍋島藩の歴史や山本常朝の生涯を紹介し、後半で『葉隠』の本文を抜粋紹介してその真意に迫る。後半部分が肝要なわけだが、解説だけでエッセー風になってしまったのがやや残念。山本常朝がどのような人生経験に基づいてそういう結論に達したかとか、その頃の彼の身の上にどのようなことがあったかまで書かれていれば、説得力があって良かった。そういう視点から、山本常朝の生涯をドラマ化するのも面白い。「死ぬことと見つけたり」みたいな勇壮な部分と、現実の保身的なところを対比させると面白いし、人間味も出る。

(後日談)その後、山本博文氏が日本経済新聞に連載していた歴史エッセーが他人の書物からの無断転載だったことが分かり、連載が打ち切られてしまいました。あまり騒がれてませんが、しばらくは氏の著述活動は自粛ということになるのでしょうか。個人的にはファンなので残念ですが、仕方ないですね。

夕方、近所の映画館へ行く。はじめ『指輪物語』を見るつもりだったが、途中の映画館でデビッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』をやっていたので、そちらに変更する。さほど大きくはない映画館だったが、会場は満員。前半は奇妙なキャラクターが次々に出てくるものの、ストーリーを追うことはできたので、「デビッド・リンチも分かりやすくなったもんだ」と思っていたら、後半はあれあれといった感じで、狐につままれて劇場を出る羽目に。観客もみな苦笑いしていた。帰りに寄った書店で映画雑誌を立ち読みして映画のなりたちを知り、半分は納得したが、結局あの展開はどういうことなのか、誰かの説明を聞きたい!ちなみにマルホランド・ドライブは、車で10分くらい(だと思う。行ったことはないけど)北へ行ったところにある。

2002年1日12日(土)
午後、初めてチャイナタウンへ行く。新年の準備で忙しそう。リトル東京より人も多い。最近、台所に蟻が出て困っており、友人が教えてくれた蟻に効くという薬を買うのが目的。でも薬はなかなか見つからず(そもそも、どこで売ってるかが分からない)、帰りかけてようやく石灰岩の砕いたのと思しきものを見つけて買う(1瓶1ドル!)。帰って蟻の通る道にまくが、殺虫効果というよりは、虫除けだけのようである。ガスレンジの裏側などに撒き散らす。

2002年1日11日(金)
UCLAで、ルイス・ブニュエルの『ロビンソン・クルーソー』を見る。白黒だと思っていたので、カラーでビックリした。子供の頃読んだ本だが、童心に戻ってわくわくしながら見た。自分の知恵と力で家を作り、ヤギや穀物を育て、銃で武装するクルーソーの姿に感動。一方でブニュエルらしく、病気のクルーソーが水に浮かんだ父親の幻想を見たり、かかしに着せた女の服が生きているように見えたりするなど、シュールで幻想的な場面も散見される。フライデーが現れてからは人間ドラマとなり、疑惑と和解の物語になる。完全に島だけを舞台にしていて、映画的といえる。続いて併映の『ドリアン・グレイの肖像』を見たが、ジョージ・サンダースの英国なまりの英語がよく分からず、途中で席を立つ。

2002年1日9日(水)
日本の友人から、大河ドラマ『利家とまつ』の感想が送られてきた。今回の大河ドラマはキャストがすごい。松嶋菜々子、唐沢寿明、反町隆史、竹野内豊、のりぴーって、これじゃほとんどフジテレビじゃないか。何考えてるんだ、NHKは。そこまでやるなら、いっそ次の大河ドラマはSMAP主演による戦国ドラマなんて、どうだろう? キムタクの織田信長(前にあったなぁ)、稲垣の明智光秀(いじめられっ子だから)、香取慎吾の徳川家康(ふてぶてしそう)、仲居クンの豊臣秀吉(まとめ役だから)、草薙くんの真田幸村(悲劇の主人公っぽい)というのは? 常盤貴子のお市の方(薄幸の女性)、藤原紀香の淀君(わfsがまま)、松嶋菜々子のおまつ(あ、そのままか)。爆笑問題の伊賀忍者に解説をさせるのもいい。脚本はもちろん三谷幸喜。でも1年分の脚本なんて無理か。

(後日談)その後、04年の大河ドラマに三谷幸喜の起用が発表されました。題は「新撰組!」で、大河ドラマお得意の幕末ものです。この調子だと、SMAPのキャストも実現するかもしれませんね。

2002年1日6日(日)
アメリカン・シネマテークへショーン・ペン特集を見にいく。本人も来て、Q&Aをやってくれるはずだったが、金曜と土曜には来たのに、日曜は都合が悪くなって来れないとのこと。がっくりして帰ろうとも思ったが、前売券も買ってあったので気を取り直して『デッドマン・ウォーキング』『ギター弾きの恋』見る。上映前に隣に座ったおばさんの話だと、昨日ショーン・ペンが話をした時に、「『デッドマン・ウォーキング』では演技の際にスーザン・サランドンの眼を見て、それに対して反応するようにだけ心がけていた」と語ったという。入場前に近所のシナリオ屋で買った『ギター弾きの恋』脚本によれば、冒頭のショーン・ペンが登場する場面は、当初はホテルでショーン・ペンが売春婦と客を監視する場面だった。ちなみにこのシナリオ屋Book City Collectablesは来月から、昨年開場したハリウッド&ハイランドに移転するとのこと。この店では日本からずいぶん、たくさんの脚本を買ったよなぁ。感慨。そういえば、ハリウッド&ハイランドもまだ行ってない。駐車場から『イントレランス』を模した象は見えたけど。

2002年1日5日(土)
昼、ビデオ屋から借りていた『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』を見る。ドラマ『TEAM』で草なぎ君が好きだった怪獣映画だ。知合いの全日空のIさんは子供の頃に見て、怪獣が人を食べてしまうのが恐かったと語っていた。怪獣の性格描写が意外にあっさりしている。良い怪獣サンダが、兄弟である悪い怪獣ガイラと人間との間で板ばさみになって苦悩したり、本当は良い怪獣なのに人間から誤解を受けて傷つくようにすれば、もっと盛りあがったのに残念。
夕方7時からケーブルテレビでプレストン・スタージェス特集3本立てを見る。『凱旋する英雄万歳』『パームビーチ・ストーリー』で、さすがに3本目の『偉大なる瞬間』は途中で眠くなったので、ビデオで録画する。全部CC字幕がついていたが、セリフとタイミングが合ってないので、いらいらして途中から字幕を見るのをやめる。それにしても何度見ても『パームビーチ・ストーリー』のラストは(良い意味でも悪い意味でも)唖然とさせられる。

2002年1日4日(金)
ロマン・ポランスキーの『パイレーツ』をビデオで見る。本物の帆船を使った豪華な作品で、小道具や衣装にも金をかけた時代物だが、いかんせんストーリーがない。ギャグも、ころんだり頭をぶつけたりといったドタバタの域を出ない。ポランスキーが強く希望した企画と聞くが、何でこんな作品を作ってしまったのか。『吸血鬼』の成功を思い出したのかもしれない。主人公はウォルター・マッソーだが、意地汚い中年の海賊でロマンスのかけらもないキャラクターで、興行性がまったく考えられていない。この手の映画にしては珍しく、悪者に連れ去られるお姫様を助けることができず、冒頭のように小姓の若者と2人でいかだに漂うラストは、ポランスキーっぽい。

2002年1日3日(木)
年末に読んだ本をもう一冊。安達元一氏の「視聴率200%の男」(光文社新書)だ。売れっ子放送作家による発想法あれこれで、テレビ業界の舞台裏についても書いている。人から面白いと思われるアイディアを産むための手法が具体例を交えてあれこれ列挙され、それはそれで面白いのだが、一方で次から次へと新しいアイディアや企画を考え実現しては捨てていく、焼畑農法ともいえるその不毛さも感じた。面白さとは、斬新で目新しいものだけでなく、昔から変わらない面白さというものもあると思うのだが、どうだろう。この本自体は楽しめたけど……。

2002年1日2日(水)
昨日はリトル東京で初詣。時間もあったので、日米劇場で家族向けに上映された『メカゴジラの逆襲』を見る。怪獣おたくっぽいアメリカ人もちらほら来てたのがおかしい。
年末から年始にかけて、ミドリ・モール氏の「ハリウッド・ビジネス」(文春新書)を読む。ハリウッド映画産業の内幕、特に著作権などの知的所有権をめぐる争いを詳しく分かりやすく解説しており(著者はエンタテーメント専門の弁護士。私もロスで一度お会いしたことがある)、実に面白い。なぜハリウッドで訴訟が多いのかよく分かる。またアメリカでは映画をビジネスとしてとらえ、様々な工夫をこらしているあたり、興行収入で米国の9000億ドルに対して、1700億ドルと大きく水をあけられている日本は大いに学んでほしい。ましてアメリカの映画入場料金は窓口9ドル(約1200円)、前売5ドル(約650円)なのだから。映画人必読の書。

2002年1日1日(火)
昨日、ハリウッドのエジプシャン・シアターでアメリカン・シネマテークの上映によるキューブリックの『2001年宇宙の旅』70ミリ修復版を見る。2001年の最後の日に見るというのが、また感慨あり。暇人が多いのか、結構人がたくさん入ってる。何度も見た映画だが、「ツァラトストラ」の曲が流れるところはやはり感動。何だかんだ言われた作品だが、時代を乗り越えて残っているところに作品の真の力があると思う。
ロビーでは映画に使われた小道具が展示されている。宇宙ステーションのオレンジ色の椅子(意外に小さい。未来人は小型なのか?)やボーマン船長の着た作業服や宇宙服のヘルメットやらが展示されている。有志が作成したディスカバリー号の実寸模型(撮影に使われたのと同じ大きさの模型)もある。素人の作品らしく、中央部でたわんでしまっているのがご愛嬌。
ところで上映中に天井裏でネズミが駆けてる音が何度も聞こえた。シネマテークの上映が行われるエジプシャン・シアターはロスでも指折りの優良映画館だが、観客の捨てたポップコーンや食べ物のカスで(アメリカの観客のゴミ捨てマナーは最低)ネズミさんにも格好の住処となってしまっているみたいである。


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