男の自宅介護

車載用車椅子の購入:車椅子の妻と2人でおでかけ

妻の在宅介護がスタートして3年後に福祉車両を購入しました。要介護5の妻のリハビリを兼ねた外出がしやすいように、よりスムーズに乗降させたかったためです。金沢には無料駐車場の公園がたくさんあり、天候のいい季節は毎日のように出かけています。福祉車輌を導入して間もない頃は、普通の車いすで出かけていましたが、しばらくすると車載用の車いすを検討するようになりました。



車載用車いすを比較して購入

在宅介護スタートから3年後に福祉車両を購入し、しばらくは普通の車いすのまま妻を車に乗せていました。

しかし、ヘッドレストがついたものがいいと思い、車載用の車いすを検討しました。
要介護5の妻が長時間の座位を保つには、頭と背中の位置を保持してくれるヘッドレスト付きがいいと考えたためです。
追突事故によるむち打ち症の心配も軽減できます。

そこで最初に試したのは、普通の車いすにヘッドレストを別部品で取り付ける、というタイプの製品でした。
レンタル業者が提案してくれたもので、折りたたみができるというものでした。
しかし試してみるとしっかりと固定されず、ぐらついたのでやめました。

改めて車いすメーカのカタログを探してみると、3社が「車載用車いす」を取り扱っていました。
「車載用」とうたっているものは
「フレームの強度アップ」
「シートベルトの掛けやすさ」
「リフト用と固定用の専用フック」
などの配慮が施されています。

そこでレンタル業者に、これらの車載用車いすについて相談すると
「製品の取り寄せはできるが、介護保険のレンタルとしては扱っていない」
「身体障害者の1割購入も難しい」
とのことでした。

介護保険や障害者支援の対象外ならば、全額自費負担で購入するしかありません。
そこで3社それぞれの製品の機能を比較し、コストパフォーマンスの良い機種を購入することにしました。

特に「ハンドルブレーキのロック」「フットレストのスイングアウト」「肘掛けの跳ね上がり」といった機能に着目。
こうして選んだ機種は、福祉車両を購入したディーラーに置いてあったものと同じでした。
そこでディーラーへ出かけ、妻を試乗させてもらうことにしました。

実際に妻に乗ってもらうとカタログだけではわからなかったことが、いろいろと確認できました。
具体的には以下の点などです。

・ブレーキのロック機構
・座面の高さ
・ヘッドレストの調整方法
・普段使いのジェルクッションが座面に入れ替えられるサイズか
・妻の頭と車の天井に余裕はあるか
・座ったときの姿勢に無理はないか

いずれも問題がなかったので、安心して購入を決めることができました。

3社の製品はカタログ価格に幅があるだけでなく、ネット購入価格、業者の実売価格を比較してもそれぞれに値引き率が違っていました。
この時に決めた機種は、意外にもレンタル業者からが一番安く購入できました。
そのうえ、3機種の中でも最安値でした。

リクライニング車椅子も時々レンタル

車載用車いすの購入後に改めて考え直してみると、リクライニング車いすをレンタルする、という方法でもよかったかもしれません。

当時、レンタル業者からは提案がなかったのですが、リクライニング車いすにもヘッドレストが付いているので、車載の条件を満たしていたように思います。
「強度」もありそうですし、「リフト用と固定用の専用フック」はありませんが、牽引ベルトを引っ掛けることができます。シートベルトもかけられます。

リクライニング機能がある分、買うとなると残念ながら高価で、車載用車いすの2倍以上します。
ですが、リクライニング車いすなら介護保険のレンタルが使えます。月額1割負担の800円です。

妻は数時間程度の座位なら問題はありませんが、以前には長時間の座位で失神したこともありました。
そのため半日がかりの外出となると、やはり心配です。

そのため、外出先にベッドなどの休憩する場所がないところへ半日出かけるときはリクライニング車いすをレンタルしています。

リクライニング車いすは、車載用車いすに比べてサイズが少し大きめです。
金沢福祉用具情報プラザにこのリクライニング車いすが展示されていて試すこともできたので、レンタル前には妻を乗せて車に入るか確認しました。

必要な日数・時間だけ借りられるとよいのですが、介護保険のレンタル期間は最低でも半月単位からになっています。
それでも必要な時は400円の負担で使えるので、便利に活用しています。



外出用と室内用の使い分けで便利に

車載用車いすを購入して3年。
外出専用として通院や公園散歩に大活躍で、使用感には大変満足しています。

購入するまで7年間使っていた車いすは室内専用にして、食事や浴室への移動時に使っています。

1つの車いすで外出していた時は、外出から帰ってくると必ず車輪を雑巾で拭いていました。
ですが、外出用と室内用に分けたことでこの作業もなくなりました。
外出用の車輪があまりに汚れたときにだけ、ブラシで汚れを取る程度の手間で済むようになりました。

その後この車載用車いすは、より快適にお散歩を楽しむためのアイデア装備が加わっていくことになります。




リンク 車載用車椅子をより快適に、11のアイデア装備:介護用品をつくる<7>

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