男の自宅介護

ラッセル「幸福論」 2017/11/15

ラッセル「幸福論」…介護のおかげで私は自立した強い男になれた 2017/11/15

NHK Eテレの「100分 de 名著」11月始まりました。

「幸福論」ラッセル 2017年11月 (100分 de 名著) 566円


100分で難しい哲学を解説している番組(テキスト)なので
安直にわかりやすく重宝しています。

特にこの年と環境で「幸福」や「人生の意味」といった人生観に惹かれます。



■介護のおかげで自立した強い男になれた(新しい尻尾を生やす)

印象に残るのはイソップ寓話の「尻尾を失ったキツネ」でした。

「尻尾を失ったことを受け入れて生きていこうという精神論を説くのでなく
 新しい尻尾の生やし方を教えようという具体的な行動を教えている」

「不孝な人たちは不幸自慢をして、他人を自分の水準に下げようとする」
幸福を獲得するには「不愉快な経験ですらプラスに転じ幸福の材料にする」と、
ラッセルは「ポジティブシンキング(楽観主義)」を教えています。

介護の”せいで”いろんなことが”できない”のではなく、
介護の”おかげ”で、私は自立した強い男になれた。
そう思う。

家事も栄養計算も裁縫も介護用品作成もできるようになったし、
家財整理も家計簿もライフプランもできた。
金沢の公園や花鳥風月の掌握もできた。
規則正しい生活で風邪もひかなくなったし、人生観もできた。

介護が無ければ、生活を妻に依存していたのではないかと思う。


■世評を無視する 関わらない

「幸福論を読む理由の一つは、自己を否定しがちな現代社会の風潮です。
”負け組”や”ひきこもり”といった負のラベリングが人々をますます不幸にしている」

学者や支援者の支援の理由としている「男性介護者に対する偏見」ネガティブキャンペーンに私は囚われている。負のラベリングで自立を否定していると思う。
「楽しく介護する」同じ考えをもつ介護者にも出会えていない。

ラッセルの言う「世評に対するおびえ」である。
ラッセルの解決策、世評を弱めたり回避できない。少数派が知り合うこともできないとすれば、
環境を変える。無視する。」以外にない。と考えよう。そして同じ考えの人を待とう。

ラッセルの言う「被害妄想」にも当てはまるのだろうか。
ラッセルの被害妄想の予防薬として4つの公理の1つは
「他人は思うほど自分に興味も持っていないし迫害しようとも思っていない」
そうかもしれない。

しかし、「男性介護者に対する偏見」を受け入れるわけにはいかない。


■幸福になる方法---キーワード抜粋-----

・獲得不可能なものはすてて、外界の事物に集中し、自分の望むものを獲得する

・行動を起こす
・競争をやめる
・人生のバランスをとる。
・退屈を楽しむ
・悩みを宇宙規模で考えればたいしたとはない。
・比較をやめる。不必要な謙遜をやめる
・理性で不合理を得心する
・環境を変える。世評を無視する
 
・熱中する
・主義主張を信じる
・幅広い興味を持て 多いほど幸福になる
・根本的な幸福は人や物に対する友好的な関心に中にある
・バランスの取れた熱中…理性によって行き過ぎにブレーキ
・受ける愛情と与える愛情の調和
・仕事(介護)は退屈の予防、成功と野心を実現する機会。
・「技術の行使」と「建設性」で楽しめる
・私心の無い趣味
・努力とあきらめのバランス


■妻と共通の趣味(興味)

・車いすで行く公園。花鳥風月。の収集に熱中している
     ・・・切手収集やラッセルの川の収集と同じだ。





---抜粋----

★幸福とは待っていれば向うからやってくるものでなく自ら獲得すべき能動的な営みである。
 自分で人生を切り開いていこう
・外に目を向けることを説き、実際の行動を最も重視する
・読む意味
 ①自己を否定しがちな現代社会の風潮:負け組、引きこもりという負のラベリングが不孝にしている
 ②平和の意味を考えなおす:国際社会の不安定化、憲法改正

★幸福になれた理由 
 究極のポジティブシンキング 楽観主義 自分で変えられる 理性主義
 ①自分がいちばん望んでいるものが何であるかを発見して、徐々にこれらのものを数多く獲得したこと
 ②望んでいるもののいくつかを本質的に獲得不能なものとして上手に捨ててしまったこと
 ③自分の欠点に無関心になることを学び、だんだん注意を外界の事物に集中するようになったこと

★不幸な人たちはそのことを自慢している 新しい尻尾の生やし方を教えよう
・イソップ寓話の「尻尾を失ったキツネに似ている。
★あなたを自分の水準に下げようとする人のアドバイスに耳を貸してはいけません
★仲間の為ではなく自分の利益の為に仲間へ忠告しても、誰も聞いてくれないという事を教えています
・尻尾を失ったことを受け入れて生きていこうという精神論を説くのでなく
 新しい尻尾の生やし方を教えようという具体的な行動。

★不幸の最大の原因は「自己没頭」
・罪びと:罪の意識に取りつかれた人 道徳から開放されない
・ナルシスト:自分自身を賛美し、人からも賛美されたいと願う習慣を持つ人
・誇大妄想:魅力的であることより権力を持つこと、愛されるより恐れられることを求める人

★不幸の原因と解決策 「思考のコントロール」
・パイロン風の不孝:悲観主義 自分で勝手に不幸な世界観をつくり閉じこもる
 →行動を起こす
・競争:家族など犠牲を生む →人生のバランスをとる。
  ★趣味や欲望、熱意は健康、人並みの能力、必需品が買える収入、妻子への義務 の4つの枠に収まる物でなくてはならない
・退屈と興奮: 狩猟・戦争・求愛は興奮 刺激にはキリがない →退屈を楽しむ
・疲れ:思考をコントロール出来ていない。打つべき手がないのに考えをやめない
 →悩みを宇宙規模で考える 大したことではない。優柔不断は心身を疲れさせる
・ねたみ:悪い所を探す。→比較をやめる。不必要な謙遜をやめる
・罪の意識:不合理な道徳観 →理性で不合理を得心する
・被害妄想:友人は自分のことを多少は悪く思っているものだと認識せよ
 慈善家は人が望んでいない親切を行い、感謝されないことにあきれる。
 →他人は思うほど自分に興味も持っていないし迫害しようとも思っていない
・世評に対するおびえ:周囲の目を気にして不幸になる
 →環境を変える。世評を無視する
■世評を弱めるか回避する方法を見つけるか、
 少数派が知り合ってお互いの付き合いを楽しめる方法を見つける
■世評を無視する
・世評に耳を傾けるのは、自ら進んで不必要な暴力に屈することになる。幸福を邪魔されることになる
★世評に本当に無関心であることは、一つの力であり、同時に幸福の源泉である
・新手の恐れ:マスコミが誰かをターゲットに書き立てる恐れ。中世の魔女狩りに劣らない。
 解決方法は一般大衆が一段と寛容になること。寛容な個人の数を増やすこと。
・理性の力で幸福になる

■幸福になる方法
・熱中すると幸福になれる 達成の喜び 特技を伸ばす
・主義主張を信じる
・幅広い興味を持て 関心を寄せる対象が多いほど幸福になる
・根本的な幸福は人や物に対する友好的な関心に中にある
・バランスの取れた熱中…理性によって行き過ぎにブレーキ
・不愉快な経験ですらプラスに転じ幸福の材料にする
・受ける愛情と与える愛情の調和
・仕事(介護)は退屈の予防、成功と野心を実現する機会。
 「技術の行使」と「建設性」で楽しめる
・人生の目的と仕事が一致すること
・私心の無い趣味の効用:・気晴らし、疲れを取る、・釣り合いの感覚をもつ
 ・世界の提供するおの壮大なスペクタクルを味わう 視野狭窄に陥らず
 ・悲しみを癒す
・努力とあきらめのバランス

★幸福な人とは、
・客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である
 ★客観的とは自己没頭をやめ外に興味を向けた生き方、他人に合わせない
・自分と社会とが客観的な関心や愛情によってつながっている人
 社会が不孝な場合、自分は幸福になれない
★いかなる戦争も正当化されない

ラッセル・アインシュタイン宣言:核兵器廃絶と科学技術の平和利用
 あなたがたの人間性を心に深く刻み、それ以外のことを忘れよ
 戦争は国の利害や主義主張、人種の違いなどを理由に行われる。人間性という共通性

・「外に向かって一歩踏み出せ」





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