男の自宅介護

アドラー心理学シンプルな幸福論 2017/6/18

今回は図書館で検索して予約。借りてきました。(無料です)
「アドラー心理学シンプルな幸福論」岸見一郎



前回4月7日に読んだ「アドラー心理学入門」岸見一郎 は本屋で偶然見つけ
「アドラー心理学」には納得するところがたくさんありました。



これらの本を読むきっかけは、テレビ「嫌われる勇気」からですが、
さらに解決してくれることがあるように思いました。

1つ目に「男らしく楽しく介護する」という私の人生の課題に対して
同じ志の介護者と巡り合えないという孤立感がありました。
それは、意見の合わない対人関係にもなりましたが、
この対人関係は「アドラー心理学」の「課題の分離」で見事に腑に落ちました。

2つ目に、この歳になって「幸福」や「生きがい」「生きる意味」にも興味ありました。
仕事(競争社会)から離脱して7年。私の平均余命が20年を切って、この20年をどう生きるかということです。

3つ目に、生きる意味の答えを持つことは宗教勧誘などに対して理論武装(自分の信念)になるとも思いました。
他の人に自分の生き方を決められたくはないと思います。

この意味で、岸見一郎の「アドラー心理学」は
「何のために介護するのか」「何のためにブログを続けるのか」
「なぜ介護者の会を主催し離脱したのか」の私の答えになりました。



さて、今回の「アドラー心理学シンプルな幸福論」では
「どうしたら幸福になれるか」「人は何のために生きているのか」
「どう生きればいいかという一つの指針」として
自分との向き合い方、他の人との向き合い方、老い・病気・死との向き合い方
をまとめています。

ポイントを抜粋します。
・ライフスタイル(性格)も、経験に対する意味付けも、すべては自分が決めている。
 自分で決めたのだから今決心すれば変えられる
・自分の人生は自分で決める。(逃げるか立ち向かうか)
・自分を好きになる(自分には価値がある)
・自分の価値は他者への自由で自発的な貢献によって得られる。
・嫌われることは自由に生きている証である。
・深刻でなく真剣に自分の課題に臆することなく立ち向かう
・焦らず今日1日を充実させ完成する。人生を先延ばしにしない
・目先の目標と究極の目標(幸福)を間違えない。

死について
・全体の幸福に貢献する。何かを残すことで後世の人に貢献する。
 子どもという形で、あるいは文化の発展に貢献することが不死の一つの形である。
・報われることを求めない生き方をしてきたのであれば、
 死んでから報われることを求める必要はない。
・よく生きることに専心していれば先のこと(死)は気にかからなくなる。
 死後ばかり意識がむくとすれば、この生をよく生ききれていないからだ。





---私の琴線に触れたものを抜粋しました---

■基礎知識
・対人関係 人間の悩みはすべて対人関係にある。言葉の意味。
・全体論 全体としての自分が行為を選ぶ。二元論で曖昧にしない。
・目的論 行動の目的のために感情や不安を使う。
 ★自分では感情に対してどうすることもできないということは「ない」
 ★今の自分が不幸なのは過去に原因があるのでは「ない」
  未来にある目的は変えることができる。自分を変える決心が必要です
  究極の目的が幸福。
・ライフスタイル(変えられる性格、意味づけ)を自分で選んだと考える
 ・他人を敵とみるか仲間とみるか。どう「意味づける」か。
★自分で決めたのだから今決心すれば変えられる
・意味づけ 経験に対して意味づけが変われば行動や人との関わりが変わる

■自分との向き合い方
★「大切なことは何が与えられているかでなく、与えられているものをどう使うかである」
・自分を好き(長所を見る)にならなければ幸福にはなれない。
・自分を測る2つの基準…勉強できるか。友達が多いか。
・自分が好きであれば、他人も好きになる可能性は高い。
★人の価値は他の人からの評価に依存しない。=他人の評価にとらわれない。
・自分を実際より良く見せようとしない。他人に合わせない=ありのままの自分でいる
・友達がいない(短所)=友達を必要としない。(長所) 違う視点
★自分に価値があると思うことは対人関係を恐れないために必要です(勇気)
・人の期待に合わせたり、満たすのは楽だがそのために生きているのではない。
・他人が自分に期待しているというのは思いこみに過ぎない。
★私の人生だから、私に決めさせてほしい。
★嫌われることは自由に生きるための代償であり、嫌われているのはその証である。

・基本的な欲求、行動の目的は所属感=共同体に所属している感覚。ここにいていいと思うこと
★自分の価値は他者への貢献によって得られる。
・貢献とは自己犠牲や自分を後回し、奉仕、義務ではない。動くこと。自発的な営み。
 貢献とは、見返り、感謝、賞罰を求めず、完結する。
・意識せず、したいことをすることが役に立つのがいい。

■他人との向き合い方
・他の人を「仲間」だと思えは、所属感、貢献ができる。
・自分が他の人の期待を満たすためにいきていないのであれば
 他の人も私の期待を満たすために生きているのではない。
・してほしいことは、命令でなくお願いする。言葉で援助を求める
★私は可能な限り自分でできることはしよう、他の人が援助を依頼してくれば
可能な限り引き受けよう
・劣等性と劣等感と劣等コンプレックス
 劣等感を理由に課題から逃げている。何もしない決心をし正当化する
・共同体感覚=他者への関心
★自分の経験によって決定されるのでなく、経験に与える意味によって決定する
・人に強制できないことは「尊敬」と「愛」です。
★あらゆる関係は対等でなければならない。
 「幸せにする」「守る」は対等ではない。二人が力を合わせて幸福になる努力をする。
・共感能力 理解するというのは自分を相手と同一視すること。
・競争しない:仲間と見ない。貢献しない。自分にしか関心がない人
 勝った人は精神的に安定していない。勝たなければ安心できない。他人は敵。
・本当に優れている人は優れていることを証明する必要がない。
・他の人を蹴落とす。自分さえよければいい。自分だけが幸福になれない
・成功より困難に立ち向かい、切り抜ける力
★好きなことには努力は要らない。苦痛にならない。
・失敗する勇気。不完全である勇気。:失敗を恐れ課題に取り組まないより、取り組む方が重要。

・主張する・言葉でお願いする・怒りや感情で人を動かすと怒りをコミニケーションに使う
怒りは人を引き離す感情である
★課題から逃れることなく「はい、私がします」と言えることが責任を果たすということ
自分が正しいと思うことを主張することに伴う責任は他者に嫌われることを引受けることです。
=自由に生きること。
・存在がすでに貢献することになる。(子供、愛する人)

■老い、病気、死との向き合い方
★報われることを求めない生き方をしてきたのであれば、
 死んでから報われることを求める必要はない。

★人生最後の試験は加齢と死を恐れることである。
子どもという形で、あるいは文化の発展に貢献したことを意識することで、
自分の不死を確信している人は、加齢と死を恐れることはない。
・共同体から完全に消え去ることがないのは、「全体の幸福に貢献する」ことである。
 その例は、子どもと仕事。何かを残すことで後世の人に貢献できる。
 成果を自分自身で見られなくても後世に何かを残すことが不死の一つの形である。
・残す事例「国家のために使う富」「事業」「思想」「生涯」「言葉」

・先のことを考える必要がないくらい充実していれば、心配も不安もない。
★よく生きることに専心していれば先のこと(死)は気にかからなくなる。
 死後ばかり意識がむくとすれば、この生をよく生ききれていないからだ。

■幸福になるための発見
・1日は今ここで完成するとみれば先のことを不安にならなくていい。
・明日を今日の延長にしない。今はリハーサルでなく本番なのです。
★「人生を先延ばしにしない」
・今に集中していれば好機を見逃さない。
・同時に「永遠の時間があるかのように」事に取り組むことも必要です。
・自信があり、人生の課題と対決するまでになった人は、焦燥したりしない。
・究極目標が「幸福」。 目先の目標と究極の目標を間違えない。
・究極の目標にフォーカスし、撤退や別の道もある。途中の景色も楽しめばいい。
・生きてきてよかった。生きてみる価値はありますよ。といってみたい。
 そのために、目を逸らさず自分のできることをする。
・悪や困難があるこの世界で、自分の課題に適切に臆することなく立ち向かって行くなら
★「世界を改善するにあたって、自分が果たすべき役割がある」
・真剣に向き合う必要があるが「深刻」になる必要はない。遊び心。
・人間にとって最も幸福なのは、喜び楽しんで一生を終わることだ」
★人生の課題に立ちむかう=勇気


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