Menu対談・2008)(人間の巣の考察茜・新理論研究所子孫に残す未来型都市

 
 
未曾有の国難     【日本版・ニューディール政策】      【茜・新理論研究所】

        子孫に残す未来型都市       


             
私たちは、子孫に何を残してやれるのか

  
 
                                      

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   INDEX                                          

プロローグ     T 《日本版・ニューディール政策》  2007.12. 8
No.1 〔1〕“緊急展開”の発動/道路建設よりは、〔人間の巣〕の建設を 2007.12. 8
No.2 〔2〕軍事/安全保障・・・その、大局展望は 〔3〕・・・ 〔4〕・・・ 2007.12.22
 2008年    U 《官 僚 組 織 を リ セ ッ ト   2008. 1.28
No.3 〔5〕国民生活・・・政治/文化/社会の再構築 2008. 1.28
No.7 〔6〕 維新改革は! ・・・  国家のOSをバージョン・アップ 2008. 1.28
No.8 〔7〕公共放送・NHKも・・・ OSのバージョン・アップを 2008. 1.28

 

       V 《子孫に残す未来型都市   
プロローグ   2008.2.28
No.9        <コーヒータイム・・・> 2008.2.28
No.10 〔8〕  私たちは、子孫に何を残してやれるのか? 2008.2.28
No.11      世界経済の破綻は・・・大艱難時代の序曲か?> 2008.2.28
No.12 〔9〕 弱者こそ・・・〔人間の巣〕の展開を・・・ 2008.2.28
No.13      <文明史的・決断の時・・・ 2008.2.28
No.14      <あらためて、政治は子孫に何を残してやれるのか?> 2008.2.28
        新ページとして分離/リニューアル...推敲 2008.4. 2

  

   プロローグ                

「ええ、秋月茜です...

  このページは、未曾有の国難として、昨年から続いているものです。《日本

版・ニューディール政策》《官 僚 組 織 を リ セ ッ トに続き、さらに、新しいペー

ジ/《子孫に残す未来都市を立ち上げることになりました。ともかく、日本にとって、

喫緊の重要課題です。どうぞ、よろしくお願いいたします...」

 

  ポン助が、いそいそと【茜・新理論研究所】の自動ドアから入って来た。両手で、石

焼き芋の入った竹カゴを抱えていた。ユキちゃんがそれを受け取り、事務テーブルの上

に置いた。

 

「ええ...」が、その様子を見ながら言った。「ポンちゃんの、石焼き芋も届いたようで

すね。ここで一息入れたいと思います」

   <コーヒータイム・・・>     

             wpe4D.jpg (7943 バイト) 

  ユキちゃんとポン助が、コーヒーカップを並べ、準備した。ポン助が、包丁で

半分に切った焼き芋を、それぞれ皿に載せてに配った。その後から、ユキちゃ

んがコーヒーを盆にのせ、インターネット・カメラが作動している作業テーブル・

エリアに運んだ。

「どうぞ、」ユキちゃんが言った。

「ありがとう、ユキちゃん」茜が、ホカホカの焼き芋の皮をむきながら言った。

「話は...」青木が、ユキちゃんに言った。「ユキちゃんには、まだ難しいか

な?」

「はい!難しい言葉がいっぱいです!」

「はは...」菊地が笑った。「そんな頃が、いいですね、」

「そのうちに、」茜が、肩をかしげた。「ユキちゃんにも参加してもらうわね。高

校生の立場の意見でいいの、」

「はい!」ユキちゃんが、目を輝かせた。

「コーヒーを入れるのはよう...」ポン助が言った。「《クラブ・須弥山》で、弥

生に教えてもらうといいぞ。弥生は、そういう事はみんな知ってるよな、」

「はい!」ユキちゃんが、うなづいた。「弥生さんは、よく知ってます!《小鹿温

泉》には、よくいらっしゃいます!」

「うーん...」茜が、焼き芋を食べながら言った。「そういえば...弥生さんは

温泉が好きですね...私もよく誘われていますわ。鹿村《小鹿温泉》にも、

何度かご一緒しています」

「はい!

  響子さんも、《清安寺》の方にはよくいらっしゃいますよ。響子さんには、勉

強を教えてもらいます」

「そう...今度は、私にも聞いてくださいね、」

「はい!」

「後でよう、」ポン助が言った。「《クラブ・須弥山》に連れて行ってやるぞ、」

「はい、ポンちゃん...」ユキちゃんも、立ったままでコーヒーを飲んだ。

 

  〔8〕  私たちは、子孫に何を残してやれるのか?

              

「ええ...」茜が、ノートパソコンのキイボードを叩いた。「ともかく...

  いよいよ、日本の社会が壊れ始めています...私たち国民が、しっかりしなくてはなり

ませんね、」

「そうですねえ、」青木が、うなづいた。

「私たちには、お馴染みの...

  もう一人の家族と言われてきたテレビも、最近はコンテンツ(内容)の質が著しく劣化して

います。フォーマル(正式の)の場での緊張感がなく、見ていると、かえってストレスの溜まる

ものになって来ました...それゆえに、私たちはそろそろ、“脱・テレビ文化”を考えた方

がいのかも知れませんわ」

「すると、」菊地が言った。「インターネットですか?」

「うーん...

  インターネットと、新聞...読書趣味...そうしたもので、再構成する必要がありそ

うですわ...受動的な、騒々しいテレビから離れ、静かな日常生活を取り戻すチャンス

なのかも知れません。そうした中で、良いテレビ番組だけを、選択的に見て行くということ

かしら」

「そうですね...」菊地が言った。「それはいいことだと思います。自分の時間を取り戻

すということですね、」

「うーん...」茜が、天井を見た。「この、未曽有の大混乱の中で...

  私たちは、《子孫に、どのような未来社会を残せるのか?》、という事が、決定的に

重要になって来ました。それを、真剣に考えなくてはなりません...

  これは、逆に言えば、現状は絶望的な社会になりつつあるということですわ...でも、

希望のある目標/夢の持てる社会的器を創出することによって、私たちの未来社会を再

構築していくことは可能です」

「そのためにも...〔人間の巣/未来型都市〕を展開していくことは、重要な課題にな

りますね」

「はい...」茜が、うなづいた。「そういうことですね...

  現在の“世襲政治”...“天下り行政”...それから、“官僚化した公共放送・NHK

もとでは...将来展望の持てる社会構築の話を、聞いたことがありませんわ。もちろ

ん、“形式的なかけ声”はよく耳にします。でも、自らが“モラルハザード社会”を創出して

いては、話になりませんわ」

「うーむ...」青木が、体をのり出した。「そうですねえ...

  何もかもが矮小化(わいしょうか)され...目先の権力闘争/目先経済競争に走り...肝

心なことが議論されなくなりました...その目先の議論も、ただ怒鳴り合うだけです。

主主義が劣化していますねえ...

  誰もがマラソン人生の中で、余裕/・・・ゆとりというものを失っています...だから、

“まるで面白みのない社会”になってしまいました」

「これは...」茜が、顔を上げ、青木と菊地を眺めた。「日本ばかりではなく...世界的

な傾向ですが...民主主義社会が、何故、こんなに大混乱の様相になったかということ

ですわ...

  それは、経済至上主義/・・・市場主義原理が...あまりにも、トーン(/音の調子)が強く

なり過ぎていることと、深くかかわっていると思いますが...?」

「その通りです!」菊地が、深くうなづいた。「そのために...

  人間の精神的な部分/“社会的慣習法”が、大きく後退したことがありますね...

会形成・文化形成エキスである“社会的慣習法”が...唯物史観/唯物論弁証法/

科学主義で、大きく後退したことがあると思います。同感ですね...

  科学的・市場主義ダイナミズムと...精神的・“慣習法”との構造的な乖離が、過

度にに進んでしてしまったということです」

市場主義と、」茜が言った。「社会的慣習法”とは、相反するものなのでしょうか?」

「いえ...」菊地が、首を振った。「必ずしも、そうは思いません...

  ただ、市場主義のスケールが、無限大に拡大したことがあります...市場原理・経済

原理というのは、経済科学です。つまり、科学ですから、“社会的慣習法”精神性とい

うものとは、別の流れになります。それは、文化になるのです...

  市場主義・経済原理ダイナミズムは、グローバル化によって世界規模で構造化され

て、ますます乖離が起こってしまいます」

「はい...」茜が、小さく息をつき、首をかしげた。「面白いのですが、ずいぶんと観念的

な話になってしまいましたわ」

「続けますか?」菊地が聞いた。

「ええ...」茜が、微笑してうなづいた。「新しいページを立ち上げたので、スペースは十

分にありますわ...続けてください」

「はい...」菊地が、エンジンを再始動するように、ボールペンを指先でクルクルと回転さ

せた。「ええ...“社会的慣習法”というのは...

  勇気・勤勉・努力・優しさ...それから、社会奉仕の精神などを、高く評価する不文律

です。それから、偉大な人物に、心から共鳴する心などもそうですね...社会を形成す

物質的側面に対する、文化・精神的な側面です...

  20世紀は、科学的・合理主義が、物質的・価値観に傾き...必然的に、精神的・価

値観が失われてきた時代です。こうしたことから、心が砂漠化が起こったのです...

会形成のエキスである、“慣習法”が失われてきたために、心が砂漠化したのです...」

「はい...」茜が、首をかしげた。

“民主主義の牙城”/“日本文化の守護神”である公共放送・NHKが...まさに、

僚化してしまいました。官僚と同様に、組織を私物化し、組織防衛に走り、日本“社会

的慣習法”を、平気で破壊するようなことをしています...

  むろん公共放送・NHKが、悪いコトだけをしているわけではありません...しかし、

仮にも、“国民の浄財”で運営されている、“民主主義の牙城”/“日本文化の守護神”

すからねえ...

  そこが、“慣習法”を破壊し、内輪のサークルを作り、組織を私物化していては...国

民は民主主義と、日本文化の旗印を失ってしまいます...」

「それは、菊地さん...」青木が、こぼれるように笑った。「茜さんの持論でしょう。NHK

批判は、」

「うーん...」茜も、ニッコリと笑った。「そうですね...菊地さんは、本当にいい人です

わ、」

「それは、どうも...」菊地が、頭に手をやった。

 

世界経済の破綻は・・・大艱難時代の序曲か?>  wpeD.jpg (8229 バイト)

              

「でも、」茜が、両手をそろえた。「菊地さんの言うように...

  科学的・合理主義が...政治軍事文化教育日常生活にまで...あまりにも

い影響を及ぼしていますわ...日本人は、精神性の側面が失われ...深刻なほど、

が砂漠化しています...

  その上で、ダイナミックな市場経済原理で...富の寡占格差社会競争社会が進

行しています...宗教性の喪失/無宗教性は、日本の特殊事情によりますが、経済至

上主義は、世界を席巻しています...拝金主義が、津波のように、〔世界市民〕を押し

流し始めていますわ」

「そうですね、」菊地が言った。

〔極楽浄土〕とは、まるで、逆の流れになっていますわ...

  〔地獄〕のような、弱肉強食の社会を作り出しています。しかも、この世界経済システ

ム/世界金融システムは、非常に脆弱化しています...その先にあるのは、システム

の大混乱と、飢餓・暴動による、混沌世界です」

サブプライム・ローン(アメリカの、優良顧客向けでない住宅ローン)問題が...」青木が言った。「これ

ほどの、世界金融不安を引き起こすとは、正直、想像もつきませんでしたねえ...

  むろん、金融の当事者もそうなのでしょう...しかし、このシステムには、もともと金融

のモラルハザードが内包していた様ですね」

「そうです!」菊地が、強くうなづいた。「バーチャル金融脆弱性を、もろに直撃しました

ね」

「いずれにしても...」茜が、モニターに目を落とした。「様々な、マイナスの相乗効果

重なって来ますわ。この“世界経済の後退”が、混沌世界への序曲になるのかも知れま

せん...

  これが、“大艱難の時代”入口なのかも知れませんわ...世界は、予想を越えて

人知を超えて...ダイナミックに動きだしている様子です...非常に、変動値の大きい

時代になったのを感じます...

  このままでは、大多数の弱者が...物理的な非情さで...淘汰されて行くと思われ

ますわ...大量発生したホモサピエンスの、生態系における激減の風景になる可能性

濃厚になって来ました...

  そこに、ヒューマニズム(人道主義)は存在しませんわ...あるのは、生態系ホメオスタ

シス(恒常性)の、非情なメカニズムです。ともかく、適正な数量まで激減して行きますわ」

「うーむ...」菊地が、口にコブシを当てた。「つらい風景になりますね...」

「はい...

  でも、結局は...地質年代的に記録されている、“種の大量絶滅”が起こるのかも知

れません。そうなれば、強者弱者も関係ありませんわ。恐竜時代の終わりのように、

球生態系の激変の風景になります。地球生命圏では、こうした“種の大量絶滅”が、カン

ブリア紀(約5憶4000万年前〜5億年前/古生代の中で、最古の時代)以降でも、5回ほどあったようです。

  現在、ジーン・バンク(遺伝子銀行)による“種の保存”が進められていますが、絶滅種

滅危惧種は膨大な数にのぼっているようです...生態系では、“種”そのものが新陳代

し、新種に変遷して行くわけですが、人類分明由来の絶滅種が圧倒的に増えて来て

いるようですね...」

「それで、」菊地が言った。「ジーン・バンク“種の保存”ですか...そろそろ、最終的な

シナリオが見えてきたわけですね、」

「はい...」茜が、コクリとうなづいた。「そういうことが、いよいよ文明史的・大課題とし

て、身近な問題になって来ました...私たちの周囲から、絶滅種が急速に増えてきてい

ます...

  その視覚/感覚的証拠として...何よりも、風景が単調になって来ました...それ

に、生態系多様性・複雑化のベクトルが、力を失っているのを感じます...大自然の

中に、息を呑むような感動の風景が激減しています...

  これは、人間の側の感性ということもありますが、生態系本来の力強さを失っている

ことあると思います...」

「そうですね、」

 

  〔9〕 弱者こそ、〔人間の巣〕の展開を・・・ 

        wpe89.jpg (15483 バイト)house5.114.2.jpg (1340 バイト)     

 

「ええ...」茜が、両手を固く結んだ。「ともかく、何とかしなくてはなりません...

  世界の信用システム/世界構造の骨格も、いよいよ、変動期に入ってきている様子で

す...現在、世界の信用システムを、辛くも支えているのは、アメリカの軍事力ですね。

その“覇権主義”による世界秩序です。また、核保有国の、恐怖支配の残滓(ざんし)です。

  それらが、ボンヤリと国連主義の殻をかぶって、世界秩序を維持している状況でしょう

パックス・アメリカーナ(米国支配による平和)の時代が終わり、アメリカ文化世界の標準

目標である時代は終わりました...

  アメリカ・ドル世界通貨の力を失いつつある今、世界秩序/世界システムを辛くも支

えているのは、アメリカの軍事力/世界に展開する暴力装置だけということになります。

でも、その軍事力の神通力も力を失い、経済的にも、それを支えるのが困難になりつつ

ありますわ...」

「確かに...」青木が言った。「巨大軍事力というものは、形骸化していますねえ...

メリカは、軍事力でも世界を押さえられなくなっています。アフガンでも、イラクでもそれを

証明してしまいました...

  もともと、パレスチナ問題でも、アメリカ中立的な調停者の立場を放棄しています。

それから、核軍縮の問題でも、アメリカは明らかにダブルスタンダードになっています。

スラエルインドパキスタン核兵器は事実上認めていますが、イラクイラン北朝

核兵器は、認めないというわけですねえ...また自らも、“核弾頭更新計画”を推

進しています...」

「あ、大川さんたちが進めているページですね、」

「そうです...

  アメリカの立場は、要するに、世界標準ではなくなったということです...著しく、力が

落ちてきたということです。まあ、軍事力そのものが、“テロとの対決型”になってきたと

いうこともありますがね...アメリカ軍も、その方向へシフトしていますが、これは押え切

れるものではないでしょう...」

「はい...」茜がうなづいた。「この現在の世界システムは、長くは持ちませんわ...

  まさに、“覇権主義”による世界秩序は、沈没しつつあります...形骸化しつつありま

す。また構造的にも、“覇権主義”“地球温暖化”促進するベクトルとして働きます。

その行き着く先は、文明社会の泥沼化ですわ。そして、生態系の崩壊ですね...」

「そういうことですねえ...」

 

「ええ...」茜が、口に手を当て、モニターに目を落とした。「そこで、私たちは...

  国連組織をバージョンアップして...“世界政府/地球政府を創設する時期に来て

いると考えているわけですね...人類文明は、強力な“世界政府”を形成する時期に来

ています...また、そうでないと、“地球温暖化”と、それに続く“大艱難(だいかんなん)の時

代”は、乗り切れないのではないという事ですね、」

「確かに...」青木が、ゆっくりと肩を後ろに引いた。「世界通貨/アメリカ・ドル後退

は、必至の情勢ですねえ...時代は大きな流動期に入って来ました...

  時代は、予想以上に、ダイナミックに変容して行く様子です...信用の後退...世界

経済システムの混乱...食糧や富の奪い合いによる混乱...〔世界市民〕は、その

乱の時代に備えておかなければならないでしょう...

  世界中で対応可能な方法は、〔人間の巣〕を展開することでしょう...そして、自給自

足農業で、各自が自立していくことが急務になって来ました...そうした自立した〔人間

の巣〕の単位で、人類文明は力強く生き残っていくでしょう」

「その通りですわ...」茜が、コクリとうなづいた。「それに、世界システムの破綻だけで

なく、人口爆発“地球温暖化”という要素が重なります...

  “文明の折り返し”は必至ですわ...そうした時代の潮流は、“覇権主義”による

界秩序も、終息させて行きますわ...いえ、そうしたものは、終息させて行かなければ

なりませんね」

「うーむ...」青木が、脚を組み上げた。「仮に...

  終息の方向へ行かないようだと...“種の大量絶滅”の方向ですねえ...経済

だけを見ていると、ますますグローバル化の方向にあります...また、“原発”核兵

さえも、まさに世界中へ拡散していく方向にあります...まず世界標準を、“持続可能

な発展”から、〔エコ/文明の存続〕へ、本格的にシフトしていくことでしょう」

「はい...

  現在のパラダイムで戦っている、その最前線の人たちは...まさに、その競争に熱

しています...旧パラダイムで、最大級の加速度がついています...それを減速

せるのは、容易ではありませんね...でも、減速ではなく...やがて、破綻がやって来

ると思います」

「なるほど...」青木が、唇を結んだ。「壊死していくわけですか...」

「そうですね...」茜が言った。「単に...

  車の形態や、エネルギーの形態が...クリーン・カーや、クリーン・エネルギーに転

換すればよいという問題ではありません。私たちが必要としているのは、“脱・車社会”

あり、“脱・エネルギー社会”であり、“文明の分散化”です。つまり、“文明の折り返し”

ということですわ...

  “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の、熱量運搬型・エネルギーから、

“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の、情報運搬型・エネルギーへの、パラダイ

ムシフトが求められているということです...それが、文明の進むべき方向ですわ。

  クリーン・エネルギーであっても、熱量運搬型/大エネルギーパラダイムでは、そ

れだけで生態系に大きな負荷をかけているのです...私たちの棲む地球生態系は、

そもそも、そんな粗雑な大エネルギーは必要としないのです。それは原始・人類文明時

の、初期段階のエネルギー形態だということです...」

「ま...」青木が、天井を見た。「そうですねえ...過渡期としてはやむを得ませんが、

“脱・大エネルギー”ということですねえ...

  いずれにしろ、急速な“文明の折り返し”が必要でしょう...ところが産業世界には、

別の企業的事情があるわけです。つまり、これまで蓄積してきた技術開発という財産を、

一気に吐き出す方向にありますねえ...

  これが、グローバル化加速度の中で...“最後の環境破壊”を敢行することになり

ます...まあ、やがて空っぽの高速道路空っぽの新幹線が残ることになります。そ

して、“原発”の展開では、厄介な高濃度・核廃棄物が残ることになりますねえ...

  現在の日本の状況では...これが現実の問題になるのは、遠い将来のことではあり

ません。ほんの20年30年後の未来のことです...しかし、日本の政治は、その近未

でさえも、あえて語ろうとはしませんねえ...」

「頭の構造が、」菊地が言った。「そういう風には、できていないのでしょうか...?」

「うーむ...それはあるかも知れません...

  官僚は、現在の延長線上で物事を考えますし...日本の政治は、官僚に支配されて

いますからねえ...だから、こうした時代に...“少子化対策”や、“少子化担当大臣”

というような、時代錯誤な政策になってしまうのです。他にやることは山ほどあるのに、そ

んなトンチンカンなことを平気でやるわけです」

    

「はい...」茜が、うなづいた。「そこで...

  現在、何が必要なのかと言えば、やはり、〔人間の巣のパラダイム〕だいうことです

“万能型・防護力”/〔人間巣〕の展開によって、〔世界市民〕生存基盤を安定

させ、“文明の第3ステージ”へとシフトして行くことです。

  〔人間の巣〕によって、“脱・原発”容易なはずです...“脱・車社会”“脱・航空機

社会”容易なはずです...“自給自足・農業社会”を、スムーズに確立できます...

〔人間の巣〕細胞単位になれば、現在、世界で起こっている全ての紛争も、必ず終息

します」

  青木がうなづいた。

〔人間の巣〕の単位で...」茜が続けた。「それぞれに、独自の〔理想郷〕が実現でき

れば、紛争を起こす意味無くなります。そうした細胞単位〔理想郷〕を...人体でい

ば、各臓器が統括し、さらに脳が管理することになります。そのにあたるのが、“世

界政府/地球政府”ということになりますね...」

「賢い方法ですね、」菊地が言った。

「はい...

  〔人間の巣〕を、人体の細胞単位と見るのは...生物体/命のシステムが、そうなっ

ているからですわ。自然界に存在する“新陳代謝のシステム”/構造化・進化のシステ

が、そうなっているからです。このシステムは、エントロピー増大宇宙の中では、唯一、

構造化/進化するシステムなのです。人類文明も、この永遠性のシステムを導入する必

要があります」

「うーむ...」菊地がうなった。「これが...

  私たちが子孫に残していける、〔未来型都市/千年都市〕になるわけですね...

来社会への最大の遺産になりますね...20世紀は、大戦争と環境破壊の世紀でした

が、最後に私たちは、〔千年都市〕子孫の世代に残していけるわけですね、」

「そうですね...」茜が、宙を眺めた。「でも、現実は...

  “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”パラダイムが、最後の加速を行って

います...経済原理のダイナミズムで、“原発”道路新幹線拡散していく方向

すわ...まだ、〔人間の巣〕パラダイムとして確立されていませんわ...その方向に

は、文明全体が動き出してはいません...」

「そうですね...」菊地が、額にコブシを当てた。

「そうしている間にも...

  中国インドロシア、それにブラジルなどでは...旧・パラダイムインフラが、

発的に増大していますわ...この“最後の加速”が、地球環境に与える莫大な負担に、

はたして生態系が耐えられるかどうかが、当面の課題になります...

  この“最後の加速”で、“地球温暖化”/“海洋の酸性化”が、全てをなぎ倒してしまう

かも知れません」

「そうですね...」

「でも...そうした状況が到来する前に...

  地球生命圏の、恒常性/ホメオスタシスが起動して来るかも知れません...すでに、

感染症が動き出しています...エボラ・ウイルスや、エイズ・ウイルスや、新型肺炎/S

ARS・ウイルスや、強毒性/インフルエンザ・ウイルスや...その他、無数の未知の病

原体が、ホモサピエンス文明の動向をうかがっている様子ですわ...

  それと...気候変動海水面の上昇は、環境面からの壮大な警告を出し始めていま

すわ。この状況でもなお、文明のグローバル化経済競争を、人類文明継続して行く

のかという事ですわ...まさに、滑稽なほど、愚かな姿になって来ています...」

「そうですね...」菊地が、肩を落とした。

「ともかく...

  “最後の加速”が、生態系の命の炎を吹き消してしまうことが心配です。臨界値/最終

ラインを越えてしまえば...もう地球生態系復元することは困難になります。つまり、

いくら植林をしても、元に戻ることがないということです。

  そうした状況下で...世界人口90億100億に達しようとしています...人類

含めた生態系の風景が、どうなるかは明白ですわ...」

「その、最終ラインを越えてしまえば...」菊地が言った。「2つに1つの選択になります

ね...生態系の大崩壊か...文明の崩壊/人口激減の風景ですね...どっちにして

も、文明の軟着陸は、非常に難しくなります...」

「そこで....」茜が言った。「いずれにしても私たちは...

  すぐにでも...次の環境への、適応の準備を開始しなければなりません。そして、そ

れもまた、〔人間の巣〕ということになります...過酷な環境に耐えることができるの

は、〔人間の巣〕バリエーション(多様性)ということになりますわ...したがって、〔人間

の巣〕世界展開は、早いほどいいという事になります」

「まず、弱者こそ...」菊地が言った。「〔人間の巣〕を準備し...やがて来る、混沌の

時代に備えることが必要ですね...

  身の回りで、自給自足農業を展開し...安定して自立できる社会基盤を確立しておく

必要がありますね。〔人間の巣〕世界展開していれば、生き残る確率は高くなると思

います」

 

「はい...」茜が、ノートパソコンを見ながら、うなづいた。「そうですね...

  〔人間の巣〕は、基本的にはアリの巣のようなものですわ...頑丈な構造物に、厚く

土をかぶせるだけです。弱者でも、結束すれば、十分に建設が可能なものです。そして、

周囲に自給自足農業を展開します...これも、大自然と協調する姿ですね...他の動

植物と一緒です...

  それだけで、〔極楽浄土〕インフラが完成しますわ...専守防衛非常に強固な、

“社会の殻(から)ができます...この〔人間の巣〕が、〔世界市民〕を守ってくれるでしょ

う...もし、大量破壊テロや、核戦争などの文明破壊の事態が起こっても...それに良

耐え抜いて、生き残っていく〔人間の巣〕が、存在していると思います...」

「はい...」菊地が、作業テーブルでコブシをそろえた。

 

<文明史的・決断の時・・・

              house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「さて...」青木が、自分のモニターから顔を上げた。「アメリカの、老朽化・原子炉が、

いよいよ更新時を迎えていますねえ...

  “スリーマイル島の原発事故”以来、アメリカでは30年間も、新規・原発建設が凍結

されたままです。ヒューマン・エラーによる不可避な事故が、アメリカ新規・原発建設

長らくためらわせていたわけです。しかし、既存の原発がいよいよ老朽化し、更新時期

迎えています。

  そこで、ブッシュ大統領が、新規・原発建設GOサインを出しました...どういう事に

なるのでしょうかねえ...」

「それに、」菊地が言った。「日本の原発企業が飛びついたようですね。なにしろ、アメリ

では、新規・原発建設30年間もやっていませんから、」

「そうです...

  核大国であり、原子力空母原子力潜水艦原子炉は建設していましたが、商業ベ

ースの新規・原発建設は、30年間もやっていません。しかし、原子炉研究開発が、最

進んでいるのは、やはりアメリカなのです」

「うーん...」茜が、首をかしげた。「あの、ペンシルバニア州/ゴールズボロー/スリー

マイル島の...“スリーマイル島原発事故(1979年)は、レベル 5大事故だったかし

ら?」

「そうです...しかも、ヒューマン・エラーによる不可避な事故でした...

  まあ、その点、日本は唯一の被爆国でありながら、不祥事のオンパレードで、さらに

僚的な無責任さで、お気楽にやって来ましたねえ...したがって、もし今度そうした“原

発”大事故が起こるとしたら...まさに、日本かも知れないと言われています...」

「うーん...」茜が、うなづいた。「本当に、そうかも知れませんわ...

  是非、しっかりして欲しいと思います...官僚的・無責任体質には、もううんざりです

わ...とりあえず、活断層に近い“新潟県/柏崎刈羽原発”や、“静岡県/浜岡原発”

心配ですね...」

「うーむ...」青木がうなづいた。「ともかく...

  “軍事力・覇権主義”も含めて、大きな文明史的・選択の時が迫っています。日本

治的決断も、決定的に重要になってきました。このままの状態では、【京都議定書】さえ

クリアできないでしょう」

「そうですね、」

“地球温暖化対策”は、【ポスト・京都議定書】で、本格化するわけですからねえ...

  これから先が大変だというのに、公平・不公平のレベルで議論をしています。今、肝心

なことは、ともかく可能な所から、OOの排出を減らしていくという事でしょう。そうした意

味では、目に見える形で確実に減らしていけるのは、〔人間の巣〕の展開です」

“北海道/洞爺湖サミット”は、本当に、沈没してしまいそうですわ、」

「そういう事ですねえ...

  ようやく、政府も重い腰を上げた感があります...“環境モデル都市の構想”というも

のがあるようですが...これは、〔人間の巣〕のようなものなのでしょうか...それとも、

いつものように、官僚が単に、重点都市を指定するだけなのでしょうか...

  いずれにしても、日本の社会的インフラが、気候変動の猛威に耐えられなくなっていま

す。また、食料自給率の向上にも、本格的な対策が必要にって来ました...そうした

問題に全て答えているのが、自給自足農業を展開する〔人間の巣〕なのです」

COだけ、配慮すればいいわけではないですね、」菊地が、ボールペンを回した。「全

ての配慮が迫られていますね...

  やはり、《日本版・ニューディール政策》のようなものが、必要になって来るのではな

いでしょうか...ともかく、国民が夢の持てる将来展望を、示して欲しいものです...」

「それを、決断して欲しいものですねえ...」

 

<あらためて・・・政治は、子孫に何を残してやれるのか?>

    wpeA.jpg (38590 バイト)    

「ええと...」茜が言った。「話を戻します...

  ともかく、私たちは、《子孫に何を残してやれるのか?》という事ですわ...政治・官

僚レベルの、不毛な議論には、もううんざりですわ...あの人たちの頭は、一体どうなっ

ているのでしょうか...?

  現在のままでは...私たちは子孫を、崩壊した文明のまま、“大艱難の時代へ送り

込むことになります...その“大艱難の中で、人間大量発生したイナゴのように、

口を激減していくことになるでしょう...

  私たちは、今できる対策を、しっかりと実行しなければなりません。政治行政に任せ

ておけないのなら、主権者/国民がしっかりとしなければなりませんわ...」

「まあ...」青木が、大きなため息をついた。「現在の日本の政治家は、30年後日本

の姿を、まるで口にしませんねえ...禁句にでもなっているのでしょうか?」

「しかし...」菊地が、けげんそうに言った。「本当に、何故なのでしょうか...?」

「さて...分かりませんなあ...

  その能力がないのでしょうか...ともかく、タワケた話です...政界再編と言っても、

麻雀パイをかき回し、並べ替えるだけのようです...麻雀パイそのものが、入れ替わる

わけではないのです

  ここでも、新理論の導入が必要ですねえ...茜さん、ひとつ、【茜・新理論研究所】

の方で、考えておいてもらえませんか、」

「はい、検討してみますわ...でも、それには、青木さんのお力が必要かも知れません

ね、」

「もちろん!私の担当ですから、いつでも呼んでもらって結構です!私も、言いたいこと

はあります!」

「はい...」茜が、コクリとうなづいた。「でも、確実なことが1つありますわ...

  それは、行政組織がバージョンアップすれば、政治も確実に変わっていくという事で

すわ。まず、そちらの方を変えていくという事が先決ですわ。それに、公共放送・NHK

も、近い将来、パンクするのは確実です。

  それから...公共放送をバージョンアップするのであれば、私たちは次に、どんな

共放送にするのか、その青写真時間的余裕をもって準備しておくことが必要です。例

えば、行政組織のトップダウン型に対して、国民からのボトムアップ型ソフトを開発して

おくことが必要ですわ...

  行政組織動脈だとすれば、新・公共放送静脈として機能するのがいいと思いま

す。私たちの人体も、この動脈静脈がうまく機能して、全身の組織に血液が循環する

わけです。現在の日本社会には、公共放送・NHK本来任務の放棄で、この静脈

能不全に陥っています...だから、民主主義社会日本文化全体が、うまく機能しない

わけですね」

「うーむ...確かに、その通りでしょう...

  これまでは、世の中/世間様に対する暗黙の遠慮というものが機能していました。最

近では、それさえも無くなっていますからねえ...」

「それは、」菊地が言った。「“社会的慣習法”が、脈々と生きていたという事です...

  ところが、NHK内輪のサークルのようなものを作り、それを既得権のようにしてしま

いましたね。官僚組織政治の、既得権の構造化と同質のものです。その上、全てが、

不祥事の温床のようになっています。つまり、モラルハザード社会の創出です。

  国民は今では、褒章勲章というものをまるで信用していませんね。“慣習法”が壊れ

てしまっています。かつては、青木さんの言うように、世の中/世間様に対する暗黙の

遠慮というものがありました。それが、“慣習法”を機能させていたのです...」

「はい、」茜が、コクリとうなづいた。

 

              

「茜です...

  ご静聴ありがとうございました。ページが長くなりましたので、以降は、再度

ページを再編集し、内容を充実させたいと思います。どうぞご期待下さい!」

  
 

           

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