第70回(令和元年)パフォーマンス時間観察


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 ここでは、第67回68回69回に続いて第70回歌合戦のパフォーマンス時間について、見てみます。

  1. 全体
  2. 前半と後半
  3. 紅組と白組

全体

 放送時間は、第62回(平成23年)以降9年連続で、午後7時15分から、途中5分間のニュースを挟んで午後11時45分までという、4時間25分の長丁場。 一方で、出場歌手数は42組(ゲスト歌手、特別企画などの歌手は除く)と、途中にニュースを挟む構成になって最も少ない数でした。 42組だと、午後9時開始の時代の第39回(昭和63年)と同じ数になります。

過去20年の放送時間と出場歌手数の関係

 次に、正式な出場歌手のそれぞれの登場順でのパフォーマンス時間の合計を見ると、だいたい2時間5分でした。 前年と比べると、出場歌手が2組減り、合計歌唱時間は9分ほど減っています。

過去20年の放送時間と全出場歌手のパフォーマンス時間
 「夢を歌おう」特別企画や企画コーナーでパフォーマンスを披露する歌手もいましたので、その時間も計算に入れると、放送時間に対して約58%がパフォーマンス時間となりました。 紅組、白組として出場した歌手だけにすると、50%を割ってしまいます。 最近は紅組でも白組でもなく、でも出場回数がカウントされる歌手がいます。 出場回数がカウントされる歌手全体でパフォーマンス時間は60%以上確保して欲しいものです。

 出場歌手一組あたりのパフォーマンス時間を見ると、平均は約3分で、中央値(歌唱時間が長い方から数えて半分くらいの歌手のパフォーマンス時間)は2分36秒くらいと、どちらも前年より短くなっています。 真ん中くらいの歌唱時間だったのは、後半に登場した氷川きよし欅坂46King & Princeあたりです。

過去20年の出場歌手のパフォーマンス時間の平均値と中央値の推移

 ここに、出場回数がカウントされている企画コーナーの歌手(YOSHIKI feat. KISS <YOSHIKISS>、ビートたけし、竹内まりや、松任谷由実)も入れると、平均値も中央値も長くなります。 この4組のうち3組普通の出場歌手よりパフォーマンス時間が長かったからね。

 続いて、下に今回の出場歌手のパフォーマンス時間の分布を示します。

第70回(令和元年)の歌唱(パフォーマンス)時間の分布
 今回はRADWIMPS 三浦透子が唯一6分を超え、5分台はいませんでした。 4分台が6組。 平均値だった3分弱までに含まれるのは16組。 1番多い時間が2分20秒から40秒までで13組。 2分10秒以下だった歌手が8組と、例年より多かったかな、という印象です。

前半と後半

 前半と後半を比較してみます。

比較項目前半後半
歌手数20組22組
放送時間1時間40分2時間45分
総パフォーマンス時間44分00秒1時間15分54秒
放送時間に占める
総パフォーマンス時間の割合
49%46%
平均パフォーマンス時間2分27秒3分27秒
パフォーマンス時間の中央値2分19秒3分12秒
 前半と後半で放送時間が違うのに歌手数はほとんど違わないため、平均パフォーマンス時間も中央値も前半と後半で1分くらい違います。
 後半は中央値でも3分12秒と長いのですが、2分台の歌手も多かったので、長い歌手と短い歌手の差が大きかったのでは、という気がします。

 先に出したパフォーマンス時間の分布を、前半の歌手を青色、後半の歌手を赤色で分けたものが下の図になります。 前半は2分50秒より短い歌手がほとんどで、3分ちょっとのテレビバージョンそのままで歌えたKing Gnu、3分30秒くらいのFoorin、そして4分30秒くらいのメドレーを披露した福山雅治が特別待遇のように見えます。

第70回(令和元年)のパフォーマンス時間の分布(前半・後半別)

 次に、前半と後半でパフォーマンス時間が長かった歌手と短かった歌手の上位5組を見てみます。 まずは前半から。

長い順歌手タイトル歌唱
(パフォーマンス)
時間
1 福山雅治デビュー30周年直前SPメドレー4:28
2 Foorinパプリカ -紅白スペシャルバージョン-3:31
3 King Gnu白日3:06
4 五木ひろしVIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!2:46
5 郷ひろみ2億4千万の瞳 -エキゾチック "GO!GO!" ジャパン-2:41

短い順歌手タイトル歌唱
(パフォーマンス)
時間
1 丘みどり紙の鶴1:47
2 GENERATIONSEXPerience Greatness1:57
3 日向坂46キュン1:59
3 LiSA紅蓮華1:59
5 山内惠介唇スカーレット2:01

 続いて後半。

長い順歌手タイトル歌唱
(パフォーマンス)
時間
1 RADWIMPS 三浦透子天気の子 紅白スペシャル6:06
2嵐×紅白スペシャルメドレー4:59
3 MISIAアイノカタチメドレー4:56
4 松田聖子Seiko Best Single Medley4:28
5 椎名林檎人生は夢だらけ~お願いガッテン篇~4:23

短い順歌手タイトル歌唱
(パフォーマンス)
時間
1 三山ひろし望郷山河 ~第3回 けん玉世界記録への道~2:20
2 Little Glee MonsterECHO2:28
2 水森かおり高遠 さくら路2:28
2 関ジャニ∞前向きにきばってこーぜ!OSAKAメドレー2:28
5 Official髭男dismPretender2:34

 今回は、前半に2分を超えなかった歌手が4組いるのが複雑な思いになります。 5番目でも2分ちょっと。 8番目までが2分10秒より短い時間となっています。
後半は、長い方は上位5組が4分を超えています。 6番目のSuperfly、7番目のゆずまでが4分前後。 一方で、短い方の上位5組は2分台。 上位10組まで見ても2分台です。 長い歌手と短い歌手の差がはっきり出た年かなと思います。
 ちなみに、先ほど挙げた出場回数がカウントされた歌手のうち3組のパフォーマンス時間が4分30秒を超えます。 長い方の4番目から6番目に相当します。

 パフォーマンス時間の分布を、紅組・白組として出場した歌手に、企画コーナーの歌の時間を白色で加えたものが下の図になります。 長めの曲が後半に何曲も登場しています。 このため、紅組と白組の歌手だけだと、後半の放送時間の46%くらいしかパフォーマンス時間がなかったのでしょうか。

第70回(令和元年)のパフォーマンス時間の分布(特別企画含む)

 単純にトップバッターから大トリまでのパフォーマンス時間を横方向の棒グラフで表したものを以下に示します。 これは先に挙げたゲスト歌手も入れてあります。

第70回(令和元年)の歌唱順とパフォーマンス時間
 この年は、トップバッターのFoorinがいきなり全体で見ても平均以上、前半の終盤に登場した福山雅治が全体で見ても4位タイという長いパフォーマンス時間で、それ以外は企画コーナー含めて長くても3分くらいだったため、2組だけ突出しています。 福山雅治の前は丘みどり。 この年一番短かったので、差が大きくなっています。
 後半は途中の<YOSHIKISS>と椎名林檎の並びが長いところを除くと、2分を超えない歌手が最初に集中し、番組終盤に近付くに従い3分超えが連続します。 特にRADWIMPS 三浦透子以降は、ほぼ3分30秒より長い時間になっています。 一か所だけ極端に短いのは氷川きよし。 インパクトとは裏腹にパフォーマンスはだった割に、後半の中では短い方から数えて6番目でした。

紅組と白組

 紅組と白組に分けた場合の平均パフォーマンス時間の比較です。

過去20年の各組の平均パフォーマンス時間
 白組の方が長いのは3年連続。前々回(第68回)よりは小さく、前回よりは大きくなっています。 8秒くらい。