第69回(平成30年)パフォーマンス時間観察


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 ここでは、第67回第68回に続いて第69回歌合戦のパフォーマンス時間について、見てみます。

  1. 全体
  2. 前半と後半
  3. 紅組と白組
  4. 演歌
  5. 前年も出場した歌手の前年との比較

全体

 放送時間は、第62回(平成23年)以降8年連続で、午後7時15分から、途中5分間のニュースを挟んで午後11時45分までという、4時間25分の長丁場。 一方で、出場歌手数は44組(ゲスト歌手、特別企画の歌手は除く)、第61回(平成22年)に並ぶ少ない数でした。

過去20年の放送時間と出場歌手数

 次に、正式な出場歌手のそれぞれの登場順でのパフォーマンス時間の合計を見ると、だいたい2時間14分15秒でした。 前年と比べると、出場歌手が1組減り、合計歌唱時間は4分ほど増えています。

過去20年の放送時間と全出場歌手のパフォーマンス時間
 放送時間に占めるパフォーマンス時間の割合は約51%と、最も低かった前年より若干持ち直しましたが、それでもここ20年で2番目に低い数値です。 ここに、例年より多いゲスト歌手や特別企画のパフォーマンス(時間が1分を超えたFoorin、刀剣男士、Aqours、北島兄弟、北島三郎椎名林檎宮本浩次、そしてサザンオールスターズ)を加えると、60%にだいぶ近づきます。 紅組、白組にこだわらず、ゲスト歌手込みで見た方がよいのかもしれません。 それでも個人的には70%欲しいです。

 再度正式な出場歌手一歌手あたりのパフォーマンス時間を見ると、平均は約3分03秒で、中央値(歌唱時間が長い方から数えて半分くらいの歌手の時間)は2分42秒くらいと、どちらも前年より長くなっています。 真ん中の歌唱時間だったのは、後半に登場した三浦大知aikoあたりです。 ちょうど、この2人が続けて登場してました。

過去20年の出場歌手のパフォーマンス時間の平均値と中央値の推移

 続いて、下に今回の出場歌手のパフォーマンス時間の分布を示します。

第69回(平成30年)のパフォーマンス時間の分布
 今回は松任谷由実が唯一5分20秒を超え、毎回5分を超えることでおなじみのと、20周年でメドレーだったMISIAが5分10秒を超え、星野源米津玄師松田聖子が5分から4分30秒くらいの間にいます。 3分未満の歌手が過半数なのは変わりませんが、3分から5分にかけても残りの15組がいます。 4分を過ぎる8組は、短い歌手2組分以上の時間になりますので、思った以上に平均時間や中央値は短くならないようです。

前半と後半

 前半と後半を比較してみます。

比較項目前半後半
歌手数18組26組
放送時間1時間40分2時間45分
総パフォーマンス時間44分00秒1時間30分15秒
放送時間に占める
総パフォーマンス時間の割合
44%55%
平均パフォーマンス時間2分27秒3分28秒
パフォーマンス時間の中央値2分26秒3分00秒
 前回までと違い、放送時間と歌手数が前半と後半でバランス取れているようにも見えますが、前半にもゲスト歌手が出演したり、企画コーナーがあったことから、前半のパフォーマンス時間は相変わらず短めです。
 後半はゲスト歌手(特にサザン)のパフォーマンス時間を除いても、平均が約3分30秒、中央値ですら3分となっています。 でも、毎度おなじみで長い歌手も短い歌手も多いためで、長い方から10組目はまだ3分30秒を超えていますし、短い方から10組目も2分50秒に達していません。 後半でパフォーマンスしたのは26組なので、残りの6組が3分30秒から2分50秒の間にばらけています。

 次に、前半と後半でパフォーマンス時間が長かった歌手と短かった歌手の上位5組を見てみます。 まずは前半から。

長い順歌手タイトルパフォーマンス
時間
1 SuchmosVOLT-AGE3:37
2 坂本冬美夜桜お七3:10
3 五木ひろしVIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!2:48
4 島津亜矢時代2:38
5 三代目 J Soul BrothersR.Y.U.S.E.I.2:32

短い順歌手タイトルパフォーマンス
時間
1 DAOKO打上花火1:57
2 Little Glee Monster世界はあなたに笑いかけている2:03
2 山内惠介さらせ冬の嵐~刀剣男士コラボスペシャル~2:03
2 純烈プロポーズ2:03
5 天童よしみソーラン祭り節2018~どさんこver.~2:04

 続いて後半。

長い順歌手タイトルパフォーマンス
時間
1 松任谷由実私が好きなユーミンのうた~紅白スペシャル~5:27
2嵐×紅白スペシャルメドレー5:14
3 MISIAアイノカタチ 20185:13
4 星野源アイデア4:46
5 米津玄師Lemon4:38

短い順歌手タイトルパフォーマンス
時間
1 関ジャニ∞ここに2:24
2 三山ひろしいごっそ魂~けん玉世界記録への道、再び~2:27
2 乃木坂46帰り道は遠回りしたくなる2:27
4 TWICE紅白メドレー20182:35
5 欅坂46ガラスを割れ!2:36

 前半の長い方から数えて5番目と、後半の短い方から数えて5番目が大体同じ時間になるのは前回と同じ。 前半戦での短い方から数えて5組は、とにかく短い。 今回は前半の歌手数は前回より少なくなったのですが、キッズショーが10分くらいあった影響で、短い歌手は前年以上に短い時間となりました。 1ハーフなのにイントロや間奏、アウトロを短くされた方たちばかり。 もうちょい長くしてあげて。
 後半でパフォーマンス時間が長かったのは、前回に引き続いての星野源。 そしてスペシャルステージだった松任谷由実MISIA、テレビ番組で初歌唱だった米津玄師。 1曲のみの歌唱だった星野源米津玄師はフルコーラスより長くなるという待遇の良さでした。

 単純にトップバッターから大トリまでのパフォーマンス時間を横方向の棒グラフで表したものを以下に示します。 これは先に挙げたゲスト歌手も入れてあります。 後半でぼこっと凹んでいるのが北島三郎の前に歌った北島兄弟、一番下で9分近くなっているのがサザンオールスターズです。

第69回(平成30年)の歌唱順とパフォーマンス時間
 前半は最初の3曲を過ぎると2分前後から2分15分が続きます。 Foorinも完全に溶け込んでいます。 そして、Suchmosだけが突出しています。 前半の中で凹んでいるのはゲスト歌手で1コーラスずつのパフォーマンスだった刀剣男士とAqoursです。 後半は前半に比べると全体的に時間が長くなっています。 時々3分30秒を超えて長くなっているのが福山雅治PerfumeEXILESuperflyと続き、終盤になると3分30秒超えが多くなります。

紅組と白組

 紅組と白組に分けた場合の平均パフォーマンス時間の比較です。

1999年から2018年の各組の平均パフォーマンス時間
 前回(第68回)は紅組の平均時間に比べて白組が10秒以上長い、という結果となりました。 今回は前々回(第67回)よりはやや大きく、前回よりはかなり小さい差となっています。

演歌

 前回は扱いがひどいと感じた演歌でしたが、今回はどうだったでしょうか。 あくまで歌唱時間から見てみます。 ジャンルとしては歌謡曲かもしれませんが、純烈も入れています。

前半/後半歌手名タイトル歌唱時間備考
前半 坂本冬美 夜桜お七 3:10 変則
山内惠介 さらせ冬の嵐~刀剣男士コラボスペシャル~ 2:03 1ハーフ
丘みどり 鳰の湖 2:07 1ハーフ
天童よしみ ソーラン祭り節2018~どさんこver.~ 2:04 1ハーフ
純烈 プロポーズ 2:03 1ハーフ
水森かおり 水に咲く花・支笏湖へ~イリュージョンスペシャル 2:26 1ハーフ
島津亜矢 時代 2:38 1ハーフ
五木ひろし VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~ 2:48 1ハーフ
後半 三山ひろし いごっそ魂~けん玉世界記録への道、再び~ 2:27 1ハーフ
氷川きよし 勝負の花道~世界に響く和太鼓SP~ 2:46 1ハーフ?
石川さゆり 天城越え 4:00 2コーラス

島津亜矢が歌ったのはフォークですが、一応演歌歌手ということで)
 3分を超えたのは、歌合戦でおなじみの「夜桜お七」と「津軽海峡・冬景色」の2曲のみ。 前回同様、2分未満の曲はありませんでしたが、 でも、この年発表されて歌合戦で披露された6曲は前回同様いずれも1ハーフっぽいです。 氷川きよしの「勝負の花道」は2番カットで、2番の次がAメロ1回とサビ(1番と2番はAメロ2回とサビ)のため、1番と3番という扱いかもしれません。 序盤に出てきた皆さん(坂本冬美を除く)なんて、もう少し長くしても、誰も怒らないだろうにと思うくらいの短さ。
 NHKとしては、一定数出場させているだけありがたいと思え、というスタンスなのかな。

前年も出場した歌手の前年との比較

 最後に、惰性となりますが前回(第68回)からの連続出場となった歌手28組について、パフォーマンス時間と登場した時間帯(前半/後半)の変化を合わせて示します。 当然ながら曲によって、テレビバージョンのパフォーマンス時間は変わりますので、多少の時間の差は誤差の範囲と考えてください。 登場時間帯の変化が「-」となっている場合は、前回と今回で前半・後半という登場時間帯に移動がなかったことを表しています。 前半や後半の時間帯の中での移動までは調べていません。

前半/後半歌手名タイトルパフォーマンス
時間
前回との差登場時間帯の変化
前半 三代目 J Soul Brothers,male R.Y.U.S.E.I. 2:32 -0:10
坂本冬美 夜桜お七 3:10 +0:28 後半→前半
郷ひろみ GOLDFINGER '99~GO! GO! 2018~ 2:30 -0:20
Little Glee Monster 世界はあなたに笑いかけている 2:03 -0:09
山内惠介 さらせ冬の嵐~刀剣男士コラボスペシャル~ 2:03 0:00
Hey! Say! JUMP Ultra Music Power~Hey! Say!紅白スペシャルver.~ 2:15 -0:08
丘みどり 鳰の湖 2:07 0:00
天童よしみ ソーラン祭り節2018~どさんこver.~ 2:04 -0:31
水森かおり 水に咲く花・支笏湖へ~イリュージョンスペシャル 2:26 -0:07
Sexy Zone カラクリだらけのテンダネス~2018紅白ver.~ 2:26 -0:01
島津亜矢 時代 2:38 +0:12
五木ひろし VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~ 2:48 -0:01 後半→前半
後半 AKB48 恋するフォーチュンクッキー 2:57 -1:07
福山雅治 2018スペシャルメドレー 4:26 -0:05
Perfume Future Pop 紅白SP 3:32 +0:40
関ジャニ∞ ここに 2:24 -0:14
欅坂46 ガラスを割れ! 2:36 -0:01
三山ひろし いごっそ魂~けん玉世界記録への道、再び~ 2:27 +0:06 前半→後半
西野カナ トリセツ 2:47 +0:25
SEKAI NO OWARI サザンカ 2:50 +0:27 前半→後半
乃木坂46 帰り道は遠回りしたくなる 2:27 -0:02
TWICE 紅白メドレー2018 2:35 +0:04 前半→後半
Superfly Gifts 3:33 -0:47
三浦大知 Be Myself~紅白スペシャル~ 2:41 +0:07 前半→後半
松田聖子 SEIKO DREAM MEDLEY 2018 4:30 +0:56
氷川きよし 勝負の花道~世界に響く和太鼓SP~ 2:46 +0:14
星野源 アイデア 4:46 -0:13
ゆず うたエール 2:57 -0:59
石川さゆり 天城越え 4:00 +0:38
嵐×紅白スペシャルメドレー 5:14 -0:11

 前半のままの歌手に多いのですが、歌唱時間が短くても前回から変わっていなかったり、さらに短くなるケース。 天童よしみは、前回は前半の中では長い方だったのに、今回は短い方になってしまい、短くされすぎな気がします。
 後半は、復帰明けや大トリで特別待遇だったり、メドレーで長かった回の前後で、時間が大きく変化しているケースがあります。 そうではないケースで、今回初めて3分の壁を突破したPerfumeや、後半で歌唱時間の短い歌手の代名詞だった西野カナが時間が、誤差の範囲を超えて長くなったことはうれしかったりします。  前回まで歌唱時間が長くなり続けていた星野源は、今回は10秒ほど短くなっています。 しかし、これまで2回連続で歌詞はフル、アウトロが少しカットされていたところ、今回はアウトロもカットなしのフルコーラスの時間をさらに上回っているので、1曲で行きつけるところまで行った感があります。
 嵐は初出場以来ずっと5分超え。 ここは安定しています。