女峰山( 女峰山:2,483m ) 1999.7.25 登山


 縦走路よりようやく見えた女峰山( 1999.7.25 )

【女峰山登山記録】

【女峰山登山データ】

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女峰山登山記録

山の雑記帳に書いたように、 折角早朝に横浜の家を出て、日光市には 6時12分という早い時間に着いたにも拘わらず、うっかりガソリン不足という状態に陥ってしまい、 結局 女峰山の登山口となる第3リフト駐車場に着いたのは 7時35分であった。
ここのところ午後には毎日発生しているという雷を避けるべく、なるべく早く登ってしまおうと急いで身支度をして 7時40分に駐車場を出発した。

駐車場からは霧降高原有料道路の下をくぐり、リフト駅の方へと進んだのだが、 途中大山周遊コース だとか丸山周遊コースとかいった標識はあるものの、女峰山あるいはその手前にある赤薙山と書かれた標識は 1つも見つからない。

仕方なくそのままズルズルとリフト駅の方まで行ってしまったが、まだ動き出していないリフト待ちの人に聞いたところ、 女峰山に登るには 先程の丸山周遊コースに入れば良いとのことであった。ここでも時間ロスである。

丸山周遊コースと書かれた標識まで戻り、林の中に入っていくと笹を下草とした緩やかな登り道が続いており、 時折左手にスキー場とリフトも見えた。
道は次第に傾斜がきつくなって来始め、笹の背丈もかなり高くなってきた中、ぬかるんだ道に苦労しながら登っていくと、やがて林が切れ、 飛び出した所はキスゲ平であった。

ここは既に標高 1,601mあり、別名小丸山と呼ばれる本来なら良い眺めの場所なのであるが、 私が着いた頃には下からガスが昇り始めており、ほとんど展望を得ることができなかった。

このキスゲ平からは、笹やレンゲツツジ、ドウダンツツジといった背の低い植物だけしか生えていない、 いわゆる裸尾根の緩やかな登りが続いており、その行き着く先にはガスの切れ間に時折赤薙山の三角錐が見えた。
緩やかな登りと言ってもこの尾根道は距離が長く、しかもだらだらとした一直線の登りであるために、できるだけ早く女峰山にたどり着きたいと思っている私には結構もどかしさを感じさせられた。

駐車場を出る頃にはかなり強い日差しが照っていたものの、この尾根を登る頃には太陽は完全にガスと雲に隠れてしまって結構涼しい中での登りとなってくれた。 もし、ジリジリと太陽が照りつけていた状態であったら、この尾根ではバテててしまったかもしれない。

右手に大きくズングリした丸山を見ながら、針金に沿って道を登っていくと、 岩がゴロゴロしている焼石金剛と言われる場所となり、さらに再び笹原の中を暫く登っていくと、尾根上に幾筋も見られた道がやがて収束して 1本になり、 やがて樹林帯の中の登りへと変わった。

周囲の景色はガスのため時々しか見えず、雷のこともあって今後に不安を抱かせる感じであった。
樹林帯に入ってからは、今までの緩やかな登りとは違って結構急な登りとなり、木の根や滑りやすい岩、ぬかるんだ道に苦労しつつ、 喘ぎながら登っていくことになったが、やがてヒョイと赤薙山の頂上に飛び出した (9時10分着)

赤薙山の頂上は狭かったものの、それでもその場所に三角点と木製の立派な鳥居、そして石の祠があり、 鳥居には 赤薙山神社と書かれた表札 ? が掛けられてていた。

頂上には男性 1名、女性 3名の中年グループが先客として休んでいたものの、 すぐに女峰山へと出発してしまったため、仕方なく 1人頂上で記念写真を撮り (セルフタイマー)、神社に 50円のお賽銭を上げるなどして 5分ほど休み、 9時15分、女峰山へと出発した。

山の雑記帳に書いたように、日光市街のガソリンスタンドのお兄さんが 『午後には雷が発生する』 と言ったことが大変気にかかっており、 しかも キスゲ平を過ぎてからは 1組の男女を抜いただけで誰にも会わなかったこともあって、この赤薙山に着いても 女峰山まで行くことに対する不安があったのであるが、 赤薙山頂上にいた 4名の男女も女峰山に向かうということが分かったので、ようやく自分の中で女峰山に向かう決心が着いたのであった。
1人だろうが大勢だろうが、雷が発生してしまえば全く他人は関係ないのだが、何となく同じ道を歩もうとしている人がいると安心するものである。

赤薙山から登山道を下っていくと、すぐ先で 『右 キスゲ平』 の標識が目に付いた。
これでようやくガイドブックに書かれていた 『赤薙山の山頂は縦走路から左にちょっと登った所にある』 ということが理解できたのであるが、 縦走路は赤薙山頂上を巻くようになっており、私は偶然にも 赤薙山頂上を通る道を選んでいたのであった。

赤薙山から赤薙神社奥社跡までは岩混じりの痩せた尾根の登下降が長く続き、 もっと赤薙山と奥社間は近いと思っていた私には大変意外であった。
このことは帰りの方がもっと強く感じさせられ、赤薙神社奥社跡から赤薙山までの登下降には本当に辟易とさせられた。

ようやく着いた赤薙神社奥社跡は小さな広場のようになっており、昔ここに奥社があったのだそうであるが、 周囲を少し回ってみたものの 礎石などといった往時を彷彿させる痕跡は 全く見つけることができなかった (9時57分着)

奥社からはほぼ直角に道を曲がり、折角登り着いた高さをまたまたご破算にするが如く下ったかと思うと、 今度は枯れた沢のような道の登りとなった。少し喘ぎつつジグザグな道を登っていくと、やがて平らな道が続く尾根に登り着くことになった。

ここまで完全にガスで囲まれていて周囲の景色は全く見えず、場所によっては薄暗い樹林の中、 大きな岩に囲まれた薄気味悪いところもあり、大変心細さを覚えることが多々あった。
時折聞こえるジェット機の音を雷と思ってしまうなど、雷に対してかなり神経をとがらせていたが、先に述べたガソリンスタンドのお兄さんの言葉を借りれば、 『晴れた日の方が雷が発生しやすく、曇りだと雷は起こらない』 という言葉だけが頼りであった。

登り着いた尾根は、2,295m峰に至るまでほぼ平坦な道が続いており、 一里ヶ曽根とも呼ばれているそうであるが、一里ほどの距離はないにしても その長さは結構なものがあり、2キロ以上あったのではないだろうか。

平坦な道はここまでの登りの疲れを癒し、体調を整えるのに最適で、しかも道の両脇にはシャクナゲが多く自生していて所々で白い花が咲いているのも見られたものだから、 なかなか快適な気分であった。

一里ヶ曽根を快調に進んでいくと、やがて樹林帯を抜けて岩がゴロゴロしている展望の開けた場所に出ることになったが、 ここが 2,295m峰である。ゴロゴロした岩に混ざって小さな石の祠が一つ置かれていたのが印象的であった (10時37分着)

ここからは女峰山へ連なる尾根が目の前に見えるはずであるが、私が着いた時には完全にガスの中で、 時折大きな山容がぼんやりと見えるだけであった。

2,295m峰からはガラ場の下りで、下りきったところから登りにかかろうとする所に、 水場の標識があった。水場はこの標識からおよそ 30mほど行ったところにあり、山の上から流れ落ちてくる水が思いの外冷たく、 飲んだ瞬間思わず 『うまい』 という一言が自然に口からこぼれたのであった。

水場からはまた急な登りが続いていたが、高度を上げるとやがて道は左へと直角に折れるようになり、 左側にはここまで辿ってきた尾根の山腹に大きな崩壊の跡があるのを見ることができた。

徐々に樹木が低くなってくると、嬉しいことにガスが上がり始め、右の方に女峰山とそれに続く尾根を見ることができた。

やがて、痩せた尾根を岩に掴まりながら登り切ると、そこからはハイマツの中の道と変わり、 まずたどり着いたのが小さな台地状の場所であった。
ここには二等三角点も置かれていたが頂上ではなく、本当の頂上はそのもう少し先の高みで、そこには十字架のような標識と社 (やしろ)、 そして数人の人たちの姿を見ることができた。

もう少しということで元気を出していくと、やがてハイマツの道が切れ、先程見えた社の前に飛び出すこととなり、 社の前を横切ってさらに数メートル登ったところに女峰山頂上があった。
時刻は 11時43分、駐車場から 4時間かかったことになる。

頂上に着いた時はまたガスの中であったが、食事をしながら暫く休んでいると、やがて太陽も照りだし、 栗山方面の山々だけを見ることができた。
しかし太陽が照ったのもつかの間、また山頂はガスに囲まれてしまい、楽しみにしていた男体山の姿は全く見ることができなかった。

頂上には多くのトンボが飛んでおり、差し出す指に何の恐れも見せずに止まるのが面白く、 暫し昼食をとりながらトンボと戯れた。

帰りは、信仰の山として本来メイン登山道となる日光東照宮への道を下り、そこからタクシーで霧降高原まで戻ることも考えたが、 長い距離を下るのも苦痛であるし、雷も発生する可能性があったため、そのまま往路を戻ることにした。

同じ道を往復するのは、目標間の行程の長さを知っているだけにややウンザリさせられるが、 これも車を使っての登山の宿命、致し方ないところであろう。

あれ程心配した雷ではあるが、復路 赤薙山頂上を通過するまでは全くその気配もなく、 これで今日は無事に終わるのかと思っていたらとんでもないことであった。
これまた山の雑記帳に書いたように、焼石金剛、キスゲ平へと続く裸尾根に差し掛かる直前で雷鳴が聞こえ始め、命からがら裸尾根を掛け下ることになったのである。

私は雷鳴が轟く度に生きた心地がしなかったのだが、ガスのキスゲ平にいた多くの観光者・登山者が平然としていたのには驚いてしまった。
冷静に考えれば、雷はまだ遠くで鳴っているのかもしれなかったのだが、雷は決して順序だててその距離を縮めてくるのでもない訳で、私自身は大変恐ろしい気持ちであった。

駐車場に着いたのが、14時37分、帰りもかなりハイペースであり、 特にキスゲ平手前の裸尾根はわずか 15分で下るという猛スピードであった。

駐車場に着いた途端に計ったように雨が降り出したのには驚いたが、天候は総じて曇り空だったために 暑さをほとんど感じることがなく、 キツく長い行程も快調に飛ばすことができた訳で、雨や雷が起こるタイミングもまあまあであったことも併せ、この日の天候には感謝したい。


女峰山登山データ

上記登山のデータ登山日:1999.7.25 天候:曇り単独行日帰り
登山路:第3リフト駐車場−キスゲ平−赤薙山−赤薙神社奥社跡−2,295m峰−2,464m三角点−女峰山− 2,464m三角点−2,295m峰−赤薙神社奥社跡−赤薙山−キスゲ平−第3リフト駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名自動車道・首都高速道・外環道・東北自動車道・日光宇都宮道路)−日光IC−(霧降高原有料道路)−第3リフト駐車場 (車にて)
交通復路:第3リフト駐車場−(霧降高原有料道路)−日光IC−(日光宇都宮道路・東北自動車道・外環道)−大泉IC−谷原−用賀IC−(東名自動車道)−横浜IC−瀬谷 (車にて)
その他の
女峰山登山
志津乗越−馬立−唐沢避難小屋−女峰山−帝釈山−富士見峠−小真名子山−鷹ノ巣−大真名子山−志津乗越
 (2006年08月6日 : 晴れ)    こ こをクリック
西表参道駐車場−行者堂−殺生禁断碑−白樺金剛−八風−遙拝石−箱石金剛−唐沢避難小屋−女峰山 (往路を戻る)
 (2013年04月28日 : 曇りのち晴れ)    こ こをクリック
霧降高原−赤薙山−奥社跡−独標−女峰山−唐沢避難小屋−遙拝石−八風−殺生禁断碑−行者堂−西表参道駐車場
 (2014年04月27日 : 晴れのち曇り)    こ こをクリック


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